おっさんは異世界で焼肉屋する?ー焼肉GOD

ちょせ

文字の大きさ
49 / 171

建国祭1日目3

しおりを挟む
クナトが思い浮かべるその男、知る限りではウルグイン最強である

だが、南のラスクロの闇は容易く溺れる程に深いとも聞く

古くからウルグインはダンジョンがあり地の神が恵みをもたらすと考えた。
故に信仰するは大地の神だ

対して南のラスクロは天を崇める。
天の恵みが豊富だったからだ。
また、それは水の恵み

歴史が長いだけあり、優秀な冒険者達も多いと聞く
確かハンターと呼ばれた彼らはウルグインの冒険者達よりも優秀と聞いている。

果たしてあの男ー

かつてみたラスクロ最強のハンターを思い浮かべた

そして焼肉屋の店主でさえ危ないかも知れないとクナトは不安にかられたのだった

ラスクロには軍隊と呼ばれる組織もある。不安要素は多い



だがそう思ったところでどうしようもない

クナトの仕事がまた、ひとつ増えただけのこと

連れ去られた王を取り戻す為に

クナトはひとまずはその使者に会わねばならない。

アレクシアは王の代理として未だ会議を強いられている

残されたレオノールとクナトはー
そう、レオノールとクナトのたった2人が使者との会合に望むのだった

「クナト、ひとまず父・・王の捜索は取りやめております」

「はい、それがよろしいかと。これ以上噂の類が広がるのはまずいですから」

「姫様、くれぐれも・・・」

「わかっている。安易に怒るなと・・そう言いたいんだろう?」

「はい。よろしくお願いいたします」

会見の場には使者と思われる薄く赤い長髪の男二人と、赤い髪の女性が一人

「来るようだよ姉さん」

長髪の男の一人がそう言って髪をかきあげる

「アイツが来るのかな?」

もう一人の男が言った
2人はまるで双子の様に似ているけれど、性格は別物といった感じだ

「そうだねぇアレクシアが来るといいね」

姉と思われる女性が答える
そう言ってキセルに口をつけ、紫煙を吐き出した。

扉がガチャリと音を立てて開いた
レオノールがカツカツと音を立てて入る

銀髪がふわりと自らが起こした風でなびく
タバコの匂いが充満した部屋に入ってその匂いを嗅いだのか、レオノールの表情が若干だが苦くなる。
そして眉がピクリと動いた

「あなたが使者か?」

レオノールは目の前に座りキセルをくわえた赤髪の女性に話しかける


「銀髪・・・顔立ちは似ているけれど、アレクシアじゃないわね」

「む、姉を知っているのか?私の名前はレオノール。アレクシアは私の姉だ」

「あら、妹さんが居たのね。私はヴァネッサ。ラスクロの代表よ」

「代表だと?あなたはラスクロの代表という事か・・・王が居ると聞いたが、貴女は王ではないだろう?」

「まだね。でももうすぐなるから気にしないでいいわ」

レオノールはヴァネッサと名乗る女が何を言っているのか理解が追いつかない

クナトは目を伏せて横に立っている
おそらくクナトには分かったのだろう。後で聞くことにして今は目の前のヴァネッサと会話を続ける事にする

「王を誘拐したと言うのは本当か?」

「ほんとよぉ?転送陣で送ったからもう居ないけど」

「証拠はあるのか?」

「せっかちねぇ」

そう言うとヴァネッサは袋に手を入れる。
小さな袋だ
その中から、王が常に持ち歩いていた錫杖と剣を取り出してテーブルに置いた

「なっ!魔法の袋!」

それはウルグインですら秘宝。さすがに歴史が長い国と言える
そのような物を平然と持ち歩くか…

「あら?見るのはこれじゃないわ。この杖と剣よ」

魔法の袋を雑にしまうと、
そう言って取り出した物を指さす

「確かに王の所持品の様だな・・・クナト」

テーブルに歩み寄ると
クナトはその2つをじっくりと見る

「確かに。間違いありません、本物の様です」

錫杖の柄の部分をくるくるとまわすとポロリと取れて、中からウルグインの紋章が書かれた羊皮紙が出てきた。

「私、嘘なんてつきませんもの。」

「姉さん」

「なあにシャイニー?」

シャイニーと呼ばれた片方の男がため息をつきながら言った

「例の件を」

「あら、ごめんなさい。貴方方にお願いがあるんですの」

「なんだ?」

「王を返還して欲しくばウルグインを明け渡しなさい。まあ、正確に言えば属国になれと言う事かしら?」

「それで?」

レオノールは表情を変えずに話す

「良いわよね?どのみちこの国の人間の2割はそもそもうちの国民だわ。」

「元、だろう?それに王の代わりなどいくらでもいる。ウルグインがその要求を飲むことは有り得ない」

王が居なくなってしまえば困ることは多量にあるのだがこの場ではこう返さざるを得ない

「あら?貴方が王になるのかしら?」

「私ではないよ。私では敵わないお姉さまがいるものでね」

「ああ、アレクシア。彼女、なかなか強かったわよね。この国では強き者が王になるのよねぇ」

「姉さん、この女も強いよ。前に見たアレクシアよりも」

この男・・鑑定士か。

「ふん、いつの話をしている。今は比べ物にならないほどお姉さまは強くなられたのだよ」

「本当かしら?。でも私と比べたらどうなのかしら?強きものが王になるなら、私の方が強いと言う自信はあるのだけれど」

「姉さん、それは間違いない。この女よりはるかに姉さんが強い」

ゾクリと冷や汗が流れる
男から放たれた殺気はレオノールをいつでも殺せると言っているのがわかる

「鑑定士である、うちの弟はそう言ってるわ。貴方はどう思うのかしら」

「それでも、だ。たとえ貴女方がいくら強かろうともお姉さまより強いとは思えない」


レオノールから見ればシアは手の届かないレベルで強い。さらにまだ隠してはあるのだがそれ以上の、ルシータと言う最強の姉がいる

だがレオノールは知っている
王とは強さだけではないという事を

それで言えば父は、姉妹が束になっても敵わない王なのだ


「あーもうさ、面倒くさいな」

「シャイン!」

黙って聞いていた男が急に話し出す

「お前ら弱っちい姉妹は俺が嫁に貰ってやる。だがら王位はヴァネッサに、姉さんに明け渡せ」

「なにを!失礼にも程があるぞ!」

クナトが叫ぶ

「うるせえ熊野郎!黙って聞け」

シャイニーがクナトに駆け寄り、首筋に剣を突きつける



「いいか、これは交渉じゃねぇんだよな。命令だぜ?言う事聞くのが嫌なら力づくでこいや」

「シャイン、シャイニーあなた2人は昔から素直すぎるわ。ごめんなさいね、私としては交渉で事を抑えたかったのよ。でもそう言う事なの、それに行き遅れ姉妹の嫁ぎ先を用意してあげるのだから感謝して頂いて結構よ?」

好き放題言いやがる…

クナトはギリギリと拳に力を込める

「その話はありがたいのだが、残念だが嫁ぎ先はもう決まっていてね」

「あら?そうなの?」

「ああ、本当だ。だがらその者が王になる予定だよ。だからそもそも貴方方の要求は最初からあてが外れている。ほんの少し国王が変わるのが早まっただけの話だ」

「あらあら。お父様でしょう?死んでも構わないと?」




「まったく構わない。だがその場合、ラスクロは滅ぶ覚悟でやるといい」



交渉は決裂しかけていた
しおりを挟む
感想 2

あなたにおすすめの小説

家族転生 ~父、勇者 母、大魔導師 兄、宰相 姉、公爵夫人 弟、S級暗殺者 妹、宮廷薬師 ……俺、門番~

北条新九郎
ファンタジー
 三好家は一家揃って全滅し、そして一家揃って異世界転生を果たしていた。  父は勇者として、母は大魔導師として異世界で名声を博し、現地人の期待に応えて魔王討伐に旅立つ。またその子供たちも兄は宰相、姉は公爵夫人、弟はS級暗殺者、妹は宮廷薬師として異世界を謳歌していた。  ただ、三好家第三子の神太郎だけは異世界において冴えない立場だった。  彼の職業は………………ただの門番である。  そして、そんな彼の目的はスローライフを送りつつ、異世界ハーレムを作ることだった。  週二回更新になります。お気に入り・感想、宜しくお願いします。

転生勇者が死ぬまで10000日

慶名 安
ファンタジー
ごく普通のフリーター・岩倉運命は謎の少年に刺され、命を落としてしまう。そんな岩倉運命だったが、サダメ・レールステンとして転生を果たす…

クラス転移したら種族が変化してたけどとりあえず生きる

アルカス
ファンタジー
16歳になったばかりの高校2年の主人公。 でも、主人公は昔から体が弱くなかなか学校に通えなかった。 でも学校には、行っても俺に声をかけてくれる親友はいた。 その日も体の調子が良くなり、親友と久しぶりの学校に行きHRが終わり先生が出ていったとき、クラスが眩しい光に包まれた。 そして僕は一人、違う場所に飛ばされいた。

転生したら王族だった

みみっく
ファンタジー
異世界に転生した若い男の子レイニーは、王族として生まれ変わり、強力なスキルや魔法を持つ。彼の最大の願望は、人間界で種族を問わずに平和に暮らすこと。前世では得られなかった魔法やスキル、さらに不思議な力が宿るアイテムに強い興味を抱き大喜びの日々を送っていた。 レイニーは異種族の友人たちと出会い、共に育つことで異種族との絆を深めていく。しかし……

バーンズ伯爵家の内政改革 ~10歳で目覚めた長男、前世知識で領地を最適化します

namisan
ファンタジー
バーンズ伯爵家の長男マイルズは、完璧な容姿と神童と噂される知性を持っていた。だが彼には、誰にも言えない秘密があった。――前世が日本の「医師」だったという記憶だ。 マイルズが10歳となった「洗礼式」の日。 その儀式の最中、領地で謎の疫病が発生したとの凶報が届く。 「呪いだ」「悪霊の仕業だ」と混乱する大人たち。 しかしマイルズだけは、元医師の知識から即座に「病」の正体と、放置すれば領地を崩壊させる「災害」であることを看破していた。 「父上、お待ちください。それは呪いではありませぬ。……対処法がわかります」 公衆衛生の確立を皮切りに、マイルズは領地に潜む様々な「病巣」――非効率な農業、停滞する経済、旧態依然としたインフラ――に気づいていく。 前世の知識を総動員し、10歳の少年が領地を豊かに変えていく。 これは、一人の転生貴族が挑む、本格・異世界領地改革(内政)ファンタジー。

男女比がおかしい世界の貴族に転生してしまった件

美鈴
ファンタジー
転生したのは男性が少ない世界!?貴族に生まれたのはいいけど、どういう風に生きていこう…? 最新章の第五章も夕方18時に更新予定です! ☆の話は苦手な人は飛ばしても問題無い様に物語を紡いでおります。 ※ホットランキング1位、ファンタジーランキング3位ありがとうございます! ※カクヨム様にも投稿しております。内容が大幅に異なり改稿しております。 ※各種ランキング1位を頂いた事がある作品です!

異世界に転移したら、孤児院でごはん係になりました

雪月夜狐
ファンタジー
ある日突然、異世界に転移してしまったユウ。 気がつけば、そこは辺境にある小さな孤児院だった。 剣も魔法も使えないユウにできるのは、 子供たちのごはんを作り、洗濯をして、寝かしつけをすることだけ。 ……のはずが、なぜか料理や家事といった 日常のことだけが、やたらとうまくいく。 無口な男の子、甘えん坊の女の子、元気いっぱいな年長組。 個性豊かな子供たちに囲まれて、 ユウは孤児院の「ごはん係」として、毎日を過ごしていく。 やがて、かつてこの孤児院で育った冒険者や商人たちも顔を出し、 孤児院は少しずつ、人が集まる場所になっていく。 戦わない、争わない。 ただ、ごはんを作って、今日をちゃんと暮らすだけ。 ほんわか天然な世話係と子供たちの日常を描く、 やさしい異世界孤児院ファンタジー。

捨てられた貴族六男、ハズレギフト『家電量販店』で僻地を悠々開拓する。~魔改造し放題の家電を使って、廃れた土地で建国目指します~

荒井竜馬@書籍発売中
ファンタジー
 ある日、主人公は前世の記憶を思いだし、自分が転生者であることに気がつく。転生先は、悪役貴族と名高いアストロメア家の六男だった。しかし、メビウスは前世でアニメやラノベに触れていたので、悪役転生した場合の身の振り方を知っていた。『悪役転生ものということは、死ぬ気で努力すれば最強になれるパターンだ!』そう考えて死ぬ気で努力をするが、チート級の力を身につけることができなかった。  それどころか、授かったギフトが『家電量販店』という理解されないギフトだったせいで、一族から追放されてしまい『死地』と呼ばれる場所に捨てられてしまう。 「……普通、十歳の子供をこんな場所に捨てるか?」 『死地』と呼ばれる何もない場所で、メビウスは『家電量販店』のスキルを使って生き延びることを決意する。  しかし、そこでメビウスは自分のギフトが『死地』で生きていくのに適していたことに気がつく。  家電を自在に魔改造して『家電量販店』で過ごしていくうちに、メビウスは周りから天才発明家として扱われ、やがて小国の長として建国を目指すことになるのだった。  メビウスは知るはずがなかった。いずれ、自分が『機械仕掛けの大魔導士』と呼ばれ存在になるなんて。  努力しても最強になれず、追放先に師範も元冒険者メイドもついてこず、領地どころかどの国も管理していない僻地に捨てられる……そんな踏んだり蹴ったりから始まる領地(国家)経営物語。 『ノベマ! 異世界ファンタジー:8位(2025/04/22)』 ※別サイトにも掲載しています。

処理中です...