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アレクシア
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アレクシア・ウル・グイン
王族、第二王女
レオノール・ウル・グイン
王族、第三王女
一年前、第一王女であるルシータがクーデターを起こしかけるが、余興として終わる
当時国王だった父親を蹴落として国王にカンザキを据え置こうと画策したのだ
その妻の座を手に入れんとしたルシータは、いずれと言う事でアレクシアと更にはダイダロスのユーネミア、ラスクロのヴァネッサ等の王女達を側室に迎えると言い世界征服に乗り出しそうともしていたのだった
そもそも、冒険者の街として大きくなったウルグインと言う国は強さこそが全てだった
故にそのクーデターの最中ミナリとの戦いを制したルシータは誰もが認める王になれると思われた
ルシータの強さが全てを認めさせ
しかし、余興として完結してしまった
だからと言って
ルシータ達がなんのお咎めもなく終わったわけではない
まぁ責任を取らざるを得ない
国王がやっていた職務、それを引き継いだ
まぁ実際に様々な仕事をこなしているのはアレクシアとレオノールであるが
「あ、クナト。今日謁見に来るのはスロウ国の王子でしたか?」
「はい、その予定でございます。恐らくはヴァネッサ様の件でございましょう」
まるで熊の様な執事
クナトはそう淡々と言い放った
「まったく・・お姉さまだけの責任ではないとはいえ、これだけの職務は並大抵ではありませんね」
「はい。ルシ・・キャサリン様も裏で色々と動かれてはいるようですが」
実際、その案は悪くなかった。だからとはいえウルグインの王はそれでいいよともいえない
ラスクロやダイダロスで起こった問題も、一部ではあるがウルグインに持ち込まれるようになった
魔法科学力のダイダロスでは、どんどんと科学化が進んでいるというし
伝統のラスクロは王都こそ静かではあるが、国が古いだけに様々な民族問題を内包している
それらは当初から存在していた問題であったが、ブチ切れたキャサリンが飛び回りある時は力づくで、
またある時は政治的に収めてきている
だがつぶしてもつぶしても出てくる問題、そしてどうにもならなくなった当事者がウルグインに直接やってくる場合もある
それが今回の来訪者だ
ヴァネッサに確認したところ、当初婚姻予定があった王子らしい
スロウの国というのは武道の国と言っても過言ではない
とても資源豊かな国であるスロウは常に外敵、他国家から狙われていた歴史がある
かつては小さな国々であったが、およそ500年程前に一つの国としてまとめ上げられた
英雄 シード・ウィスタリア・スロウ
最強の戦士であり英雄だった
その名をもって、スロウと名付けられた
以後、最強の英雄の血筋は絶えることなく続き現在に至っている
むしろなぜ、今頃?という事でもありますがー
来るのが遅すぎる気がします
クナトがピクリと反応し
「アレクシア様、お着きになられました。竜の間にお通ししております」
「わかりました、向かいましょう」
執務室の椅子からスっと立ち上がり、クナトを引き連れ部屋を出る
まったく・・頭の痛い事が次々と舞い込んでくる
そんな愚痴は全てクナトにぶつけるものの鬱陶しいことこの上ない
竜の間に入ると、そこには腕を組み、足を組んでいるやたらと態度のでかい若者が一人座っている
後ろには猿に似た小柄な執事が立っている
クナトがドアを開け、アレクシアが先に入っていくと、スロウの王子と目が合う
そして王子はにやりと笑い
「ほお、噂には聞いていたがこれはなかなかお美しい」
「あ、ありがとうございます」
「俺がゼル・ウィスタリア・スロウだ。ゼルでいい」
話している言葉は優しいが声に力がある。威圧的な・・人ですね
アレクシアの第一印象はそれだった
だが、ウィスタリア・スロウを名乗る以上王族で・・しかも直系であることが分かる
「アレクシア・ウル・グインと申します。現在は…まぁ国王代行みたいなことをさせていただいております」
「ほう、面倒だな。シアと呼ばせてもらってもいいか?」
「お断りいたします」
いつもであれば、「シアとお呼びください」と言うところであるがこの男にはそう呼ばれたくないと思ってしまっている自分にはっとする
それほどまでに、第一印象が良くない
「ウルグインは俺らの国と同じ強さが物を言う国だったときいているが?」
「ええ、その通りです」
「その国の代表を・・仮にでも治めていると言うことはアレクシアも強いと思っていいのか?」
「そう取っていただいても構いません」
事実アレクシアは強い。そもそもが魔法と剣の基礎から応用まで出来ていたところに、カンザキの店で働いていた期間相当のレベルアップをしているしミナリが来て以降はさらに強くなっている自身がある
「まぁ、どうでもいいか。俺がわざわざこんな国にまで来た意味・・いや、何しに来たかはわかっているよな?」
「いえ、まだ何も伺っておりませんが」
本当は分かっている
だがこの男、ゼルの前では素直に応えるのも癪なのだ
「ははは!気の強い女だな。まあいい、受け取れ」
そう言うと猿執事が前に出て、アレクシアの前に輝く一輪の花を置いた
「これは?」
「手土産だ。スロウの国花だ」
なっ!アレクシアに少なくない動揺が走る
スロウの国花は伝説上の花のはずだ
輝く花の蜜は死者を生き返らせ、花びらを食せば寿命が100年伸びると言われている
「その顔は驚いているな?だがこれは本物だ。まあ実際死者が生き返る程の力はないがな、せいぜい瀕死なら助かる程度だ」
だがそれでも貴重な物には違いなく
「これ程の物、受け取れません」
「いいや、受け取ってもらう。そしてヴァネッサを貰おうか、あの強き女を」
やはり、そう来ますか
ヴァネッサは強い
だかその婚姻の裏あるのはスロウとラスクロの同盟だ
「ヴァネッサとお会いしたことがあるので?」
ゼルはふん、と鼻を鳴らしてー
「無論だ。そしてドラゴンスレイヤーたることも知っている。俺は強い女を求めているのだ」
その口ぶりは恐らく、自分より強い女などいないと思っているのだろうと推察する
「強き女ですか・・・つまらない事をお聞きしますが、もし貴方よりも強い女が居たらどうされます?」
「ふん、本当につまらない事だったな・・そのような女など居るわけがないだろうが!」
吐き捨てる様にゼルは言った
やはりこの男はまだ何も知らないのだ
「まぁ・・知らないのですね。美しくそして最強の女がこの国にいるということを」
本人の自覚はあるなしに、最強がこの国にはいる
最近ではそのなかった自覚もわずかばかり出てきたのか、色々と自粛はしているが
「なんだと?そんな冗談は面白くないな・・そうか、ルシータ第一王女か?まだ会ったことはないが前王を打倒したらしいな。だがあんな弱い王を倒したところでなんの自慢にもならぬ。どのみち奇襲や策略で倒したのであろう」
「そうですか?強い女がお好きなようですので紹介をしようと思っただけです」
「ふん、もし本当にヴァネッサ以上に強く美しい女がいるものなら会ってみたくはあるな」
アレクシアはにやりと笑ってクナトに言伝を頼む
「では参りましょうか、コロシアムへ」
ゼルは考える
かつて見たヴァネッサは強くそして美しかった
妻になる予定の女がいると、サルから聞かされて居てもたってもいられずにわざわざラスクロまで出向いた
そこでダンジョンいるドラゴンを討伐するヴァネッサと兄弟を見たのだ
ゼル自身、自らの強さには自信があった
あの兄弟も強いとはいえ、まだまだ自分の領域には居ない
だが鍛えればスロウの王族並みにはなるだろうと思った
ゼルは歴代王家最強と呼び声が高い
「英雄の再来」
とまで言われている
だがその実力は英雄どころではないー
そのゼルよりも強いという
ふざけていると思った
そこまで言うのであればー殺してしまっても文句は言うまいな・・と
コロシアムは1年前、かなりの破損が出ていたそれをきれいに修復して
以前よりも強度を増している
魔術式による強化も施されており、強大な魔法を使っても大丈夫な様になっている
「なんだ・・誰もおらんではないか、謀ったのか?」
「いいえ、居るではないですか。貴方の目の前に」
そしてアレクシアは目つきを鋭くしてゼルを見る
「お姉さまへの暴言は許せません・・・覚悟しなさい。優しく手加減はして差し上げますので」
挑発をする
そこにクナトが剣を一振り、アレクシアに持ってくる
「剣は少々苦手なのですが、貴方程度には十分でしょう」
その一言が、ゼルをキレさせた
「舐める女よなぁ・・・殺しても文句は言わせん。いや・・ついでにウルグインごと滅ぼしてやろうか」
「舐めているのはどちらか、思い知りなさい」
アレクシアは剣を構え前のめりになりながら剣を振るう
少しづつアレクシアの周りには魔力が充填されていくのがわかる
その剣を受けることなく交わしていくゼルの顔には、なんだ所詮こんなものかという余裕がみえてくる
「ふん、所詮こんなものか?」
アレクシアの剣は未だかすりもしていない
しばらくしてゼルは飽きてきた
なるほど、我が国の将軍ほどには強いがそれだけだ
「飽きてきた。お前には他に手はないのか?」
そう言って剣を振り切る
ギィン!!
アレクシアの剣が斬られる・・・
「英雄の子孫とは伊達かと思っていましたが、なかなかやりますね」
アレクシアの周りに魔法陣が生まれる
属性は水
そこから放たれた魔力で生み出された水が相手を切り裂く
「っく!魔法士だったか!!!」
ザシュザシュ
そして辺りを霧が覆いつくす
「無詠唱の上に魔法の多重展開か!優秀だな!」
確かにこれは厄介だ。
そしてそれが出来るだけでも強いと言える
ヴァネッサとはまた違った強さだな
だが、こちらも魔法が使えないと思ったら大間違いだ
「召しませ、我が一族の守護たる獣よ!」
「来い!フェンリル」
巨大な魔法陣が地面に描かれる
そこから現れたのは体に鎖を巻き付けた巨大な狼
「ガアアア!」
咆哮ー
それだけで魔力の霧は吹き飛んでしまった
「ふはははははは!俺にフェンリルを呼ばせるとはな、認めてやろう。お前は強い」
アレクシアはふぅ、とため息をつく
「その程度で?」
「なんだと?」
アレクシアに充填された魔力が弾ける
「なんだ・・?これは・・フェンリルより巨大な魔法陣だと?!」
「あなた方には絆というものが感じられませんね。所詮受け継いでいるだけの召喚獣・・」
吹きあがる魔力から現れたのは一人の少女だ
年の頃は17.8というくらいの青い髪をしているのが特徴的だ
「やっほーシア久しぶり~」
アレクシアになれなれしく軽口を叩く少女
「リーちゃんお久しぶり。もうすぐお姉さま達も来ると思いますよ」
「おー!カンザキもくるかなー」
キャキャとはしゃぐ二人に
イラっとしてしまうゼルは
「ふざけているのか?もういい、死ね!!フェンリル!!」
呼びかけに答えた狼はその周りに雷を降らせる
目の前の二人に対し、その中でもっとも巨大な雷を
ドドドド・・ガァァァァン!
凄まじい音が響き渡る
通常であれば黒焦げになっているだろう熱量
だが
「ちょっとうるさいんだけど?」
りーちゃんと呼ばれる少女がそう言い
その右手をくいっと上げた
その瞬間フェンリルは巨大な水泡に包まれる
ガボガボと呼吸ができなくなり溺れかけるフェンリル
苦し紛れ雷を纏いそしてその熱で水泡を砕こうと、蒸発させようと足掻く
「な・・なんだ?」
ゼルはその光景を信じられない様な目で見ている
「さて、これで決着でしょう?」
「な・・・なんだ・・・!?何者だ!その女ぁ!!!!!!!!」
ゼルはその少女に本気で切りかかる
焦りと恐れ・・それで剣技が鈍ることはないあたりはさすが英雄だが
ピッと、その少女は剣先を捕まえてそのまま放り投げる
ガァンとコロシアムの壁をへこませるゼル
「がはっ!」
「よく飛びますね、まるでボールです」
いつの間にかアレクシアはゼルのそばに立ち剣先をその首筋へ突き出していた
「くそっ!」
「ありゃーやりすぎちゃったかな?」
「大丈夫ですよ、頑丈みたいですから」
「なんだ・・・ソレは・・・」
ゼルはその少女を、人とは思えないと感じる
そしてそれは正しい
「え?私?リヴァイアサンだよー」
あっけらかんと、名乗る
「な・・!?」
聞いたことがある・・だがその姿が目を晦ませた
「なぜ・・そんな・・いやばかな!!」
信じられなかった
そこでさらにアレクシアの一言が追い打ちをかける
「あ、来ましたよ。貴方よりも・・私よりも強い方々が」
ゼルはそこで絶望を知ることになる
王族、第二王女
レオノール・ウル・グイン
王族、第三王女
一年前、第一王女であるルシータがクーデターを起こしかけるが、余興として終わる
当時国王だった父親を蹴落として国王にカンザキを据え置こうと画策したのだ
その妻の座を手に入れんとしたルシータは、いずれと言う事でアレクシアと更にはダイダロスのユーネミア、ラスクロのヴァネッサ等の王女達を側室に迎えると言い世界征服に乗り出しそうともしていたのだった
そもそも、冒険者の街として大きくなったウルグインと言う国は強さこそが全てだった
故にそのクーデターの最中ミナリとの戦いを制したルシータは誰もが認める王になれると思われた
ルシータの強さが全てを認めさせ
しかし、余興として完結してしまった
だからと言って
ルシータ達がなんのお咎めもなく終わったわけではない
まぁ責任を取らざるを得ない
国王がやっていた職務、それを引き継いだ
まぁ実際に様々な仕事をこなしているのはアレクシアとレオノールであるが
「あ、クナト。今日謁見に来るのはスロウ国の王子でしたか?」
「はい、その予定でございます。恐らくはヴァネッサ様の件でございましょう」
まるで熊の様な執事
クナトはそう淡々と言い放った
「まったく・・お姉さまだけの責任ではないとはいえ、これだけの職務は並大抵ではありませんね」
「はい。ルシ・・キャサリン様も裏で色々と動かれてはいるようですが」
実際、その案は悪くなかった。だからとはいえウルグインの王はそれでいいよともいえない
ラスクロやダイダロスで起こった問題も、一部ではあるがウルグインに持ち込まれるようになった
魔法科学力のダイダロスでは、どんどんと科学化が進んでいるというし
伝統のラスクロは王都こそ静かではあるが、国が古いだけに様々な民族問題を内包している
それらは当初から存在していた問題であったが、ブチ切れたキャサリンが飛び回りある時は力づくで、
またある時は政治的に収めてきている
だがつぶしてもつぶしても出てくる問題、そしてどうにもならなくなった当事者がウルグインに直接やってくる場合もある
それが今回の来訪者だ
ヴァネッサに確認したところ、当初婚姻予定があった王子らしい
スロウの国というのは武道の国と言っても過言ではない
とても資源豊かな国であるスロウは常に外敵、他国家から狙われていた歴史がある
かつては小さな国々であったが、およそ500年程前に一つの国としてまとめ上げられた
英雄 シード・ウィスタリア・スロウ
最強の戦士であり英雄だった
その名をもって、スロウと名付けられた
以後、最強の英雄の血筋は絶えることなく続き現在に至っている
むしろなぜ、今頃?という事でもありますがー
来るのが遅すぎる気がします
クナトがピクリと反応し
「アレクシア様、お着きになられました。竜の間にお通ししております」
「わかりました、向かいましょう」
執務室の椅子からスっと立ち上がり、クナトを引き連れ部屋を出る
まったく・・頭の痛い事が次々と舞い込んでくる
そんな愚痴は全てクナトにぶつけるものの鬱陶しいことこの上ない
竜の間に入ると、そこには腕を組み、足を組んでいるやたらと態度のでかい若者が一人座っている
後ろには猿に似た小柄な執事が立っている
クナトがドアを開け、アレクシアが先に入っていくと、スロウの王子と目が合う
そして王子はにやりと笑い
「ほお、噂には聞いていたがこれはなかなかお美しい」
「あ、ありがとうございます」
「俺がゼル・ウィスタリア・スロウだ。ゼルでいい」
話している言葉は優しいが声に力がある。威圧的な・・人ですね
アレクシアの第一印象はそれだった
だが、ウィスタリア・スロウを名乗る以上王族で・・しかも直系であることが分かる
「アレクシア・ウル・グインと申します。現在は…まぁ国王代行みたいなことをさせていただいております」
「ほう、面倒だな。シアと呼ばせてもらってもいいか?」
「お断りいたします」
いつもであれば、「シアとお呼びください」と言うところであるがこの男にはそう呼ばれたくないと思ってしまっている自分にはっとする
それほどまでに、第一印象が良くない
「ウルグインは俺らの国と同じ強さが物を言う国だったときいているが?」
「ええ、その通りです」
「その国の代表を・・仮にでも治めていると言うことはアレクシアも強いと思っていいのか?」
「そう取っていただいても構いません」
事実アレクシアは強い。そもそもが魔法と剣の基礎から応用まで出来ていたところに、カンザキの店で働いていた期間相当のレベルアップをしているしミナリが来て以降はさらに強くなっている自身がある
「まぁ、どうでもいいか。俺がわざわざこんな国にまで来た意味・・いや、何しに来たかはわかっているよな?」
「いえ、まだ何も伺っておりませんが」
本当は分かっている
だがこの男、ゼルの前では素直に応えるのも癪なのだ
「ははは!気の強い女だな。まあいい、受け取れ」
そう言うと猿執事が前に出て、アレクシアの前に輝く一輪の花を置いた
「これは?」
「手土産だ。スロウの国花だ」
なっ!アレクシアに少なくない動揺が走る
スロウの国花は伝説上の花のはずだ
輝く花の蜜は死者を生き返らせ、花びらを食せば寿命が100年伸びると言われている
「その顔は驚いているな?だがこれは本物だ。まあ実際死者が生き返る程の力はないがな、せいぜい瀕死なら助かる程度だ」
だがそれでも貴重な物には違いなく
「これ程の物、受け取れません」
「いいや、受け取ってもらう。そしてヴァネッサを貰おうか、あの強き女を」
やはり、そう来ますか
ヴァネッサは強い
だかその婚姻の裏あるのはスロウとラスクロの同盟だ
「ヴァネッサとお会いしたことがあるので?」
ゼルはふん、と鼻を鳴らしてー
「無論だ。そしてドラゴンスレイヤーたることも知っている。俺は強い女を求めているのだ」
その口ぶりは恐らく、自分より強い女などいないと思っているのだろうと推察する
「強き女ですか・・・つまらない事をお聞きしますが、もし貴方よりも強い女が居たらどうされます?」
「ふん、本当につまらない事だったな・・そのような女など居るわけがないだろうが!」
吐き捨てる様にゼルは言った
やはりこの男はまだ何も知らないのだ
「まぁ・・知らないのですね。美しくそして最強の女がこの国にいるということを」
本人の自覚はあるなしに、最強がこの国にはいる
最近ではそのなかった自覚もわずかばかり出てきたのか、色々と自粛はしているが
「なんだと?そんな冗談は面白くないな・・そうか、ルシータ第一王女か?まだ会ったことはないが前王を打倒したらしいな。だがあんな弱い王を倒したところでなんの自慢にもならぬ。どのみち奇襲や策略で倒したのであろう」
「そうですか?強い女がお好きなようですので紹介をしようと思っただけです」
「ふん、もし本当にヴァネッサ以上に強く美しい女がいるものなら会ってみたくはあるな」
アレクシアはにやりと笑ってクナトに言伝を頼む
「では参りましょうか、コロシアムへ」
ゼルは考える
かつて見たヴァネッサは強くそして美しかった
妻になる予定の女がいると、サルから聞かされて居てもたってもいられずにわざわざラスクロまで出向いた
そこでダンジョンいるドラゴンを討伐するヴァネッサと兄弟を見たのだ
ゼル自身、自らの強さには自信があった
あの兄弟も強いとはいえ、まだまだ自分の領域には居ない
だが鍛えればスロウの王族並みにはなるだろうと思った
ゼルは歴代王家最強と呼び声が高い
「英雄の再来」
とまで言われている
だがその実力は英雄どころではないー
そのゼルよりも強いという
ふざけていると思った
そこまで言うのであればー殺してしまっても文句は言うまいな・・と
コロシアムは1年前、かなりの破損が出ていたそれをきれいに修復して
以前よりも強度を増している
魔術式による強化も施されており、強大な魔法を使っても大丈夫な様になっている
「なんだ・・誰もおらんではないか、謀ったのか?」
「いいえ、居るではないですか。貴方の目の前に」
そしてアレクシアは目つきを鋭くしてゼルを見る
「お姉さまへの暴言は許せません・・・覚悟しなさい。優しく手加減はして差し上げますので」
挑発をする
そこにクナトが剣を一振り、アレクシアに持ってくる
「剣は少々苦手なのですが、貴方程度には十分でしょう」
その一言が、ゼルをキレさせた
「舐める女よなぁ・・・殺しても文句は言わせん。いや・・ついでにウルグインごと滅ぼしてやろうか」
「舐めているのはどちらか、思い知りなさい」
アレクシアは剣を構え前のめりになりながら剣を振るう
少しづつアレクシアの周りには魔力が充填されていくのがわかる
その剣を受けることなく交わしていくゼルの顔には、なんだ所詮こんなものかという余裕がみえてくる
「ふん、所詮こんなものか?」
アレクシアの剣は未だかすりもしていない
しばらくしてゼルは飽きてきた
なるほど、我が国の将軍ほどには強いがそれだけだ
「飽きてきた。お前には他に手はないのか?」
そう言って剣を振り切る
ギィン!!
アレクシアの剣が斬られる・・・
「英雄の子孫とは伊達かと思っていましたが、なかなかやりますね」
アレクシアの周りに魔法陣が生まれる
属性は水
そこから放たれた魔力で生み出された水が相手を切り裂く
「っく!魔法士だったか!!!」
ザシュザシュ
そして辺りを霧が覆いつくす
「無詠唱の上に魔法の多重展開か!優秀だな!」
確かにこれは厄介だ。
そしてそれが出来るだけでも強いと言える
ヴァネッサとはまた違った強さだな
だが、こちらも魔法が使えないと思ったら大間違いだ
「召しませ、我が一族の守護たる獣よ!」
「来い!フェンリル」
巨大な魔法陣が地面に描かれる
そこから現れたのは体に鎖を巻き付けた巨大な狼
「ガアアア!」
咆哮ー
それだけで魔力の霧は吹き飛んでしまった
「ふはははははは!俺にフェンリルを呼ばせるとはな、認めてやろう。お前は強い」
アレクシアはふぅ、とため息をつく
「その程度で?」
「なんだと?」
アレクシアに充填された魔力が弾ける
「なんだ・・?これは・・フェンリルより巨大な魔法陣だと?!」
「あなた方には絆というものが感じられませんね。所詮受け継いでいるだけの召喚獣・・」
吹きあがる魔力から現れたのは一人の少女だ
年の頃は17.8というくらいの青い髪をしているのが特徴的だ
「やっほーシア久しぶり~」
アレクシアになれなれしく軽口を叩く少女
「リーちゃんお久しぶり。もうすぐお姉さま達も来ると思いますよ」
「おー!カンザキもくるかなー」
キャキャとはしゃぐ二人に
イラっとしてしまうゼルは
「ふざけているのか?もういい、死ね!!フェンリル!!」
呼びかけに答えた狼はその周りに雷を降らせる
目の前の二人に対し、その中でもっとも巨大な雷を
ドドドド・・ガァァァァン!
凄まじい音が響き渡る
通常であれば黒焦げになっているだろう熱量
だが
「ちょっとうるさいんだけど?」
りーちゃんと呼ばれる少女がそう言い
その右手をくいっと上げた
その瞬間フェンリルは巨大な水泡に包まれる
ガボガボと呼吸ができなくなり溺れかけるフェンリル
苦し紛れ雷を纏いそしてその熱で水泡を砕こうと、蒸発させようと足掻く
「な・・なんだ?」
ゼルはその光景を信じられない様な目で見ている
「さて、これで決着でしょう?」
「な・・・なんだ・・・!?何者だ!その女ぁ!!!!!!!!」
ゼルはその少女に本気で切りかかる
焦りと恐れ・・それで剣技が鈍ることはないあたりはさすが英雄だが
ピッと、その少女は剣先を捕まえてそのまま放り投げる
ガァンとコロシアムの壁をへこませるゼル
「がはっ!」
「よく飛びますね、まるでボールです」
いつの間にかアレクシアはゼルのそばに立ち剣先をその首筋へ突き出していた
「くそっ!」
「ありゃーやりすぎちゃったかな?」
「大丈夫ですよ、頑丈みたいですから」
「なんだ・・・ソレは・・・」
ゼルはその少女を、人とは思えないと感じる
そしてそれは正しい
「え?私?リヴァイアサンだよー」
あっけらかんと、名乗る
「な・・!?」
聞いたことがある・・だがその姿が目を晦ませた
「なぜ・・そんな・・いやばかな!!」
信じられなかった
そこでさらにアレクシアの一言が追い打ちをかける
「あ、来ましたよ。貴方よりも・・私よりも強い方々が」
ゼルはそこで絶望を知ることになる
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家電を自在に魔改造して『家電量販店』で過ごしていくうちに、メビウスは周りから天才発明家として扱われ、やがて小国の長として建国を目指すことになるのだった。
メビウスは知るはずがなかった。いずれ、自分が『機械仕掛けの大魔導士』と呼ばれ存在になるなんて。
努力しても最強になれず、追放先に師範も元冒険者メイドもついてこず、領地どころかどの国も管理していない僻地に捨てられる……そんな踏んだり蹴ったりから始まる領地(国家)経営物語。
『ノベマ! 異世界ファンタジー:8位(2025/04/22)』
※別サイトにも掲載しています。
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