171 / 171
木の実亭のオスタ6
しおりを挟む
3つのダンジョンの入り口は説明によれば、罠もあるという事だった
カンザキとオスタはその前で、アイとエイランがなにやら作業をしているのを眺めつつ
何してるのか全くわかんねぇななどと思っていた
エイラン曰く
1つ目の入り口は中には何もない
ただ、エルフの血をもつもの不在で来た場合に現れているもの
以前ミナリなどが調べたのがここになる
2つ目の入り口
おそらくはここにオスタの仲間たちが入ったのだろうという事
エルフの血を持つものがパーティに居るが、入口の文字をきちんと読めなかったものがここに誘導される
そして最後、3つ目
正しい入口である
ここに入場できるのはエルフの血筋をもち、さらにエルフ語をきちんと理解できたものが入れる
「まぁそれなりに厳重な認証だよ。エルフ語っていってもこれそれなりに専門用語ばっかりだもん」
アイはそう言いながら石碑に現れているルーンをいじっている
「問題は2つ目、それなりにひどい罠だと思うよ。これに入ってしまえば中での時間遅延が待ってるからねぇ…多分100倍率くらい?わかんないけど時間の流れが遅くされるんじゃないかな」
という事なのであれば、そのほぼ凍結に近いものが解ければあの3人は帰ってくるのではないだろうか?
それを聞いたオスタは思った。そしてその考えは的を得ている
「ただ…ね、これ今中にはもう誰もいないのよ…」
「なんだ、居ないのか?」
「そのようね。仕方ないわ、行きたくないけど里の方に行ってみるしかないか…」
罠に嵌った者たちはどこかに移送される、その先と言えば里しかないだろう
「んじゃ、カンザキとオスタいくぞー!遅れんなよー」
そう言いながら3つ目の入り口に入ってゆくアイに、3人はついて行った
----------
時は少しだけ戻る
「あれ?お父さんどこ行ったの?」
スズリは宿に戻ると、オスタの書置きを見つけてそう言った
中には1週間ほど留守にすると、それだけが書いてあった
まったくあの父は、最近変だと思っていたがまさか家出じみたことをするとは思いも寄らなかったから
「さてと、掃除だけしたら後は…」
何故か、何故だかわからないがスズリは涙を流していた
どうにも言いえない不安が、そこにあった
父の残した手紙、初めての事ではあるが
もう2度と父が帰ってこない、そんな気がした
そんなわけはないと強く思うが、それでも不安はぬぐえない
落ち着かない心を落ち着かせるように
「ほんとに・・あのクソオヤジ・・・」
そう、ぽつりと呟いた時だった
「お!ここも父行方不明な子発見!」
スズリが聞き覚えのある声、それを耳にした瞬間にドキリとした
振り向けば、短髪で元気のよさそうな少女がそこにいた
「あ、ルネちゃん。今の聞いてたの?」
「うん、聞いてた聞いてた。ルネちゃんのお父さんもどっかいってんのねー・・・てことは、うちのお父さんも一緒かもしんない」
ルネの父と言えば、焼肉屋の店主である
スズリの父とは年の差はあまりないように見えるけど、その落ち着き様はまるで天地の差があると思っていた
「え?ルネちゃんのお父さんと?」
「うん、最近なんかコソコソしてたからねー、おば…えっと、エルフの綺麗なお姉さん達とどこかにいったのかなー」
そういうとルネは、背中に背負った鞄から板の様な物を出すとそれに向かって話し始めた
「あ、もしもしー?エル?うん、そそ、さっすが、話早い!」
それだけ言うと、その板を仕舞ってから
「おっけーだよ!ちょっとお父さんのとこ行こう!」
「え?」
意味も分からぬまま外に連れ出され、少しだけ歩いた先にある大きな建物の中に連れて行かれる
すると、中に居たのは竜だった
竜というのは正確ではないかもしれない
それらは何人もの大人が世話をしているようだった
体を拭いたり、餌を与えたり、話しかけたりしている
「ここはね、王国騎士団の飛竜がいるんだよ」
話にしか聞いたことのない、飛竜騎士団の事だろうか?
スズリはそのまま奥へとルネに連れて行かれる
すると巨大な、美しい色の竜が居た
他の飛竜と比べてそれでもひとまわり以上は回りは大きな、美しい緑色の竜…
「シルメリア姉ちゃん、よろしくー」
ルネがそういうと、ぐぁお、と竜が鳴いた
「もー、ルネはあれ、いつも急なんだから・・なのよ」
そこにいたのはドレスを着こんだ女の子だった。スズリやルネよりも少しだけ年上に思えるその女性は、とてつもなく美しい
「シルメリアさんにお願いして連れて行ってもらうのが一番早いでしょ?」
「うひひ、さすがエル。わかってるねー!」
エルと呼ばれた女性はよくカンザキさんのお店に来る人だと気付いたのは結構経ってからだった
だってそうだろう、いつもの恰好はこんなきれいなドレスなどではなくスズリやルネと同じようにズボンを履いて動きやすい恰好なのだから
「今回は私も行きます。どうも・・・お母さまも一緒のようなので」
「ああ、アイさん?」
「ええ、残してあった書面から行先はわかっています。今からでも十分追いつけますわ」
「うひひ、なにそれ、やっぱエルのしゃべり方おかしいね」
「もう、しょうがないでしょ…お父様が付けてくれた教育係が厳しいんだから、普段から慣れておかないとすぐボロがでちゃう」
「あはは、私焼肉屋の娘でよかった。王宮なんてめんどくさそう」
「それは同意ですわ、でもわたくしはあそこが好きでいるのだからいいでしょう?」
「そうだね、それはわかる」
家族がいる、それは何よりも得難いものだとルネは知っている
「では行きましょう、さっさと終わらせますわよ!」
そう言うとその竜、たしかシルメリアさんの背に乗せられて飛び立った
私はその上から見下ろすウルグインの街とか、周りの景色に圧倒されてうわぁとしか言えなかった
そんな私を見てルネちゃんもエルさんもにこやかに笑っているだけだった
シルメリアさんの背中は、なぜかものすごい安心感があって私はうつらと寝てしまった
カンザキとオスタはその前で、アイとエイランがなにやら作業をしているのを眺めつつ
何してるのか全くわかんねぇななどと思っていた
エイラン曰く
1つ目の入り口は中には何もない
ただ、エルフの血をもつもの不在で来た場合に現れているもの
以前ミナリなどが調べたのがここになる
2つ目の入り口
おそらくはここにオスタの仲間たちが入ったのだろうという事
エルフの血を持つものがパーティに居るが、入口の文字をきちんと読めなかったものがここに誘導される
そして最後、3つ目
正しい入口である
ここに入場できるのはエルフの血筋をもち、さらにエルフ語をきちんと理解できたものが入れる
「まぁそれなりに厳重な認証だよ。エルフ語っていってもこれそれなりに専門用語ばっかりだもん」
アイはそう言いながら石碑に現れているルーンをいじっている
「問題は2つ目、それなりにひどい罠だと思うよ。これに入ってしまえば中での時間遅延が待ってるからねぇ…多分100倍率くらい?わかんないけど時間の流れが遅くされるんじゃないかな」
という事なのであれば、そのほぼ凍結に近いものが解ければあの3人は帰ってくるのではないだろうか?
それを聞いたオスタは思った。そしてその考えは的を得ている
「ただ…ね、これ今中にはもう誰もいないのよ…」
「なんだ、居ないのか?」
「そのようね。仕方ないわ、行きたくないけど里の方に行ってみるしかないか…」
罠に嵌った者たちはどこかに移送される、その先と言えば里しかないだろう
「んじゃ、カンザキとオスタいくぞー!遅れんなよー」
そう言いながら3つ目の入り口に入ってゆくアイに、3人はついて行った
----------
時は少しだけ戻る
「あれ?お父さんどこ行ったの?」
スズリは宿に戻ると、オスタの書置きを見つけてそう言った
中には1週間ほど留守にすると、それだけが書いてあった
まったくあの父は、最近変だと思っていたがまさか家出じみたことをするとは思いも寄らなかったから
「さてと、掃除だけしたら後は…」
何故か、何故だかわからないがスズリは涙を流していた
どうにも言いえない不安が、そこにあった
父の残した手紙、初めての事ではあるが
もう2度と父が帰ってこない、そんな気がした
そんなわけはないと強く思うが、それでも不安はぬぐえない
落ち着かない心を落ち着かせるように
「ほんとに・・あのクソオヤジ・・・」
そう、ぽつりと呟いた時だった
「お!ここも父行方不明な子発見!」
スズリが聞き覚えのある声、それを耳にした瞬間にドキリとした
振り向けば、短髪で元気のよさそうな少女がそこにいた
「あ、ルネちゃん。今の聞いてたの?」
「うん、聞いてた聞いてた。ルネちゃんのお父さんもどっかいってんのねー・・・てことは、うちのお父さんも一緒かもしんない」
ルネの父と言えば、焼肉屋の店主である
スズリの父とは年の差はあまりないように見えるけど、その落ち着き様はまるで天地の差があると思っていた
「え?ルネちゃんのお父さんと?」
「うん、最近なんかコソコソしてたからねー、おば…えっと、エルフの綺麗なお姉さん達とどこかにいったのかなー」
そういうとルネは、背中に背負った鞄から板の様な物を出すとそれに向かって話し始めた
「あ、もしもしー?エル?うん、そそ、さっすが、話早い!」
それだけ言うと、その板を仕舞ってから
「おっけーだよ!ちょっとお父さんのとこ行こう!」
「え?」
意味も分からぬまま外に連れ出され、少しだけ歩いた先にある大きな建物の中に連れて行かれる
すると、中に居たのは竜だった
竜というのは正確ではないかもしれない
それらは何人もの大人が世話をしているようだった
体を拭いたり、餌を与えたり、話しかけたりしている
「ここはね、王国騎士団の飛竜がいるんだよ」
話にしか聞いたことのない、飛竜騎士団の事だろうか?
スズリはそのまま奥へとルネに連れて行かれる
すると巨大な、美しい色の竜が居た
他の飛竜と比べてそれでもひとまわり以上は回りは大きな、美しい緑色の竜…
「シルメリア姉ちゃん、よろしくー」
ルネがそういうと、ぐぁお、と竜が鳴いた
「もー、ルネはあれ、いつも急なんだから・・なのよ」
そこにいたのはドレスを着こんだ女の子だった。スズリやルネよりも少しだけ年上に思えるその女性は、とてつもなく美しい
「シルメリアさんにお願いして連れて行ってもらうのが一番早いでしょ?」
「うひひ、さすがエル。わかってるねー!」
エルと呼ばれた女性はよくカンザキさんのお店に来る人だと気付いたのは結構経ってからだった
だってそうだろう、いつもの恰好はこんなきれいなドレスなどではなくスズリやルネと同じようにズボンを履いて動きやすい恰好なのだから
「今回は私も行きます。どうも・・・お母さまも一緒のようなので」
「ああ、アイさん?」
「ええ、残してあった書面から行先はわかっています。今からでも十分追いつけますわ」
「うひひ、なにそれ、やっぱエルのしゃべり方おかしいね」
「もう、しょうがないでしょ…お父様が付けてくれた教育係が厳しいんだから、普段から慣れておかないとすぐボロがでちゃう」
「あはは、私焼肉屋の娘でよかった。王宮なんてめんどくさそう」
「それは同意ですわ、でもわたくしはあそこが好きでいるのだからいいでしょう?」
「そうだね、それはわかる」
家族がいる、それは何よりも得難いものだとルネは知っている
「では行きましょう、さっさと終わらせますわよ!」
そう言うとその竜、たしかシルメリアさんの背に乗せられて飛び立った
私はその上から見下ろすウルグインの街とか、周りの景色に圧倒されてうわぁとしか言えなかった
そんな私を見てルネちゃんもエルさんもにこやかに笑っているだけだった
シルメリアさんの背中は、なぜかものすごい安心感があって私はうつらと寝てしまった
0
この作品の感想を投稿する
みんなの感想(2件)
あなたにおすすめの小説
家族転生 ~父、勇者 母、大魔導師 兄、宰相 姉、公爵夫人 弟、S級暗殺者 妹、宮廷薬師 ……俺、門番~
北条新九郎
ファンタジー
三好家は一家揃って全滅し、そして一家揃って異世界転生を果たしていた。
父は勇者として、母は大魔導師として異世界で名声を博し、現地人の期待に応えて魔王討伐に旅立つ。またその子供たちも兄は宰相、姉は公爵夫人、弟はS級暗殺者、妹は宮廷薬師として異世界を謳歌していた。
ただ、三好家第三子の神太郎だけは異世界において冴えない立場だった。
彼の職業は………………ただの門番である。
そして、そんな彼の目的はスローライフを送りつつ、異世界ハーレムを作ることだった。
週二回更新になります。お気に入り・感想、宜しくお願いします。
クラス転移したら種族が変化してたけどとりあえず生きる
アルカス
ファンタジー
16歳になったばかりの高校2年の主人公。
でも、主人公は昔から体が弱くなかなか学校に通えなかった。
でも学校には、行っても俺に声をかけてくれる親友はいた。
その日も体の調子が良くなり、親友と久しぶりの学校に行きHRが終わり先生が出ていったとき、クラスが眩しい光に包まれた。
そして僕は一人、違う場所に飛ばされいた。
転生したら王族だった
みみっく
ファンタジー
異世界に転生した若い男の子レイニーは、王族として生まれ変わり、強力なスキルや魔法を持つ。彼の最大の願望は、人間界で種族を問わずに平和に暮らすこと。前世では得られなかった魔法やスキル、さらに不思議な力が宿るアイテムに強い興味を抱き大喜びの日々を送っていた。
レイニーは異種族の友人たちと出会い、共に育つことで異種族との絆を深めていく。しかし……
バーンズ伯爵家の内政改革 ~10歳で目覚めた長男、前世知識で領地を最適化します
namisan
ファンタジー
バーンズ伯爵家の長男マイルズは、完璧な容姿と神童と噂される知性を持っていた。だが彼には、誰にも言えない秘密があった。――前世が日本の「医師」だったという記憶だ。
マイルズが10歳となった「洗礼式」の日。
その儀式の最中、領地で謎の疫病が発生したとの凶報が届く。
「呪いだ」「悪霊の仕業だ」と混乱する大人たち。
しかしマイルズだけは、元医師の知識から即座に「病」の正体と、放置すれば領地を崩壊させる「災害」であることを看破していた。
「父上、お待ちください。それは呪いではありませぬ。……対処法がわかります」
公衆衛生の確立を皮切りに、マイルズは領地に潜む様々な「病巣」――非効率な農業、停滞する経済、旧態依然としたインフラ――に気づいていく。
前世の知識を総動員し、10歳の少年が領地を豊かに変えていく。
これは、一人の転生貴族が挑む、本格・異世界領地改革(内政)ファンタジー。
男女比がおかしい世界の貴族に転生してしまった件
美鈴
ファンタジー
転生したのは男性が少ない世界!?貴族に生まれたのはいいけど、どういう風に生きていこう…?
最新章の第五章も夕方18時に更新予定です!
☆の話は苦手な人は飛ばしても問題無い様に物語を紡いでおります。
※ホットランキング1位、ファンタジーランキング3位ありがとうございます!
※カクヨム様にも投稿しております。内容が大幅に異なり改稿しております。
※各種ランキング1位を頂いた事がある作品です!
異世界に転移したら、孤児院でごはん係になりました
雪月夜狐
ファンタジー
ある日突然、異世界に転移してしまったユウ。
気がつけば、そこは辺境にある小さな孤児院だった。
剣も魔法も使えないユウにできるのは、
子供たちのごはんを作り、洗濯をして、寝かしつけをすることだけ。
……のはずが、なぜか料理や家事といった
日常のことだけが、やたらとうまくいく。
無口な男の子、甘えん坊の女の子、元気いっぱいな年長組。
個性豊かな子供たちに囲まれて、
ユウは孤児院の「ごはん係」として、毎日を過ごしていく。
やがて、かつてこの孤児院で育った冒険者や商人たちも顔を出し、
孤児院は少しずつ、人が集まる場所になっていく。
戦わない、争わない。
ただ、ごはんを作って、今日をちゃんと暮らすだけ。
ほんわか天然な世話係と子供たちの日常を描く、
やさしい異世界孤児院ファンタジー。
異世界異話 天使降臨
yahimoti
ファンタジー
空から天使が降って来た。
落ちたんだよ。転生かと思ったらいきなりゲームの世界「ロストヒストリーワールド」の設定をもとにしたような剣と魔法の世界にね。
それも面白がってちょっとだけ設定してみたキャラメイクのせいで天使族って。こんなのどうすんの?なんの目的もなければ何をしていいかわからないまま、巻き込まれるままにストーリーは進んでいく。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる
本作については削除予定があるため、新規のレンタルはできません。
このユーザをミュートしますか?
※ミュートすると該当ユーザの「小説・投稿漫画・感想・コメント」が非表示になります。ミュートしたことは相手にはわかりません。またいつでもミュート解除できます。
※一部ミュート対象外の箇所がございます。ミュートの対象範囲についての詳細はヘルプにてご確認ください。
※ミュートしてもお気に入りやしおりは解除されません。既にお気に入りやしおりを使用している場合はすべて解除してからミュートを行うようにしてください。
おもしろい!
お気に入りに登録しました~
退会済ユーザのコメントです
ありがとうございます(´;ω;`)頑張ります!