12 / 77
12 大学
しおりを挟む
「やっと昼か! 購買行こうぜ」
「ああ」
2限目の講義が終わり、朋也の言葉に返事をしながら椅子から立とうとしたところで前に誰かがやってくる気配がした。迅はそちらに視線を向ける。
「迅くん! ねぇねぇ、聞いたんだけどぉ、朱里と別れたんだって? 最近でた新作のバックで欲しいのがあるのよ。買ってくれたら、麗華が付き合ってあげてもいいわよ」
露出度の高い服で、胸の谷間を強調させながら近づいてきたのは獅子獣人の女だった。一瞥した迅は顔ごと視線をそらしながら、そっけなく返す。
「――いや、恋人はいる」
「は? 誰よ?」
「……内緒だ」
迅からの返答に納得できずに眉をつり上げ言い募ってくる麗華に、迅は麗華のいる方とは逆側から席を立ち、急いで講義室から出た。
「いやー、怖いね。流石メスライオンだわ」
迅の後ろを歩いてついていきながら、朋也は肩をすくめた。そのまま後ろを振り返り、麗華が追って来ていないことを確認する。
「どうして彼女たちはいつも服が小さいんだ」
「…………そうだね」
首を傾げながら疑問を口にする迅に、朋也は適当に返事しながら購買へと向かった。
昼休憩ということもあり流石に購買は混んでいたが、2人は弁当を購入すると次の講義がある教室まで向かう。昼休憩後の3限目の講義が入っている場合は、その講義室で昼食を食べて予習をしているとあっという間に昼休憩は終わってしまう。
「次は『経営戦略論』だから、A棟の3階か」
「ああ」
食堂や購買、カフェテリアのある中央ひろばから、A棟のある方角へ向かおうとしていた迅は途中で足を止めた。視界の端にこの場にいるはずのない人が映ったからだ。
「――えっ」
「迅、どうした?」
隣を歩いていた朋也が話しかけてくるが、綺麗な二度見をした迅は返事を返さずにその人物を見つめた。
「え、何? 誰かいるの?」
迅の視線を先を確認した朋也は、目を見開いた。
「――え、あの子だよね。へぇー同じ大学だったんだ」
「……ああ、知らなかった」
「え、そうなの?」
友達と中央ひろばの端で話している樹がいる。話が終わったのか、友達と分かれて手を振りながら樹は中央ひろばの奥へと歩いていく。
迅は急いで追いかけた。朋也の慌てた声が後ろから聞こえたが、無視して走る。樹の歩くスピードは遅く、すぐに追いついたが、迅は話しかけることができずに、一定の距離を保ったまま後ろをついていった。
樹は食堂の横の細い道を抜けて、食堂の裏の方へ向かって歩いていく。こちら側へ行くのが初めての迅は、辺りを見回しながらも樹を見失わないように注意しながらついていった。
「ああ」
2限目の講義が終わり、朋也の言葉に返事をしながら椅子から立とうとしたところで前に誰かがやってくる気配がした。迅はそちらに視線を向ける。
「迅くん! ねぇねぇ、聞いたんだけどぉ、朱里と別れたんだって? 最近でた新作のバックで欲しいのがあるのよ。買ってくれたら、麗華が付き合ってあげてもいいわよ」
露出度の高い服で、胸の谷間を強調させながら近づいてきたのは獅子獣人の女だった。一瞥した迅は顔ごと視線をそらしながら、そっけなく返す。
「――いや、恋人はいる」
「は? 誰よ?」
「……内緒だ」
迅からの返答に納得できずに眉をつり上げ言い募ってくる麗華に、迅は麗華のいる方とは逆側から席を立ち、急いで講義室から出た。
「いやー、怖いね。流石メスライオンだわ」
迅の後ろを歩いてついていきながら、朋也は肩をすくめた。そのまま後ろを振り返り、麗華が追って来ていないことを確認する。
「どうして彼女たちはいつも服が小さいんだ」
「…………そうだね」
首を傾げながら疑問を口にする迅に、朋也は適当に返事しながら購買へと向かった。
昼休憩ということもあり流石に購買は混んでいたが、2人は弁当を購入すると次の講義がある教室まで向かう。昼休憩後の3限目の講義が入っている場合は、その講義室で昼食を食べて予習をしているとあっという間に昼休憩は終わってしまう。
「次は『経営戦略論』だから、A棟の3階か」
「ああ」
食堂や購買、カフェテリアのある中央ひろばから、A棟のある方角へ向かおうとしていた迅は途中で足を止めた。視界の端にこの場にいるはずのない人が映ったからだ。
「――えっ」
「迅、どうした?」
隣を歩いていた朋也が話しかけてくるが、綺麗な二度見をした迅は返事を返さずにその人物を見つめた。
「え、何? 誰かいるの?」
迅の視線を先を確認した朋也は、目を見開いた。
「――え、あの子だよね。へぇー同じ大学だったんだ」
「……ああ、知らなかった」
「え、そうなの?」
友達と中央ひろばの端で話している樹がいる。話が終わったのか、友達と分かれて手を振りながら樹は中央ひろばの奥へと歩いていく。
迅は急いで追いかけた。朋也の慌てた声が後ろから聞こえたが、無視して走る。樹の歩くスピードは遅く、すぐに追いついたが、迅は話しかけることができずに、一定の距離を保ったまま後ろをついていった。
樹は食堂の横の細い道を抜けて、食堂の裏の方へ向かって歩いていく。こちら側へ行くのが初めての迅は、辺りを見回しながらも樹を見失わないように注意しながらついていった。
51
あなたにおすすめの小説
【完結】自称ワンコに異世界でも執着されている
水市 宇和香
BL
「たとえ異世界に逃げたとしたって、もう二度と逃さないよ」
アザミが高校二年生のときに、異世界・トルバート王国へ転移して早二年。
この国で二十代半ばの美形の知り合いなどいないはずだったが、
「キスしたら思いだしてくれる? 鳥居 薊くん」
その言葉で、彼が日本にいたころ、一度だけキスした同級生の十千万堂 巴波だと気づいた。
同い年だったはずのハナミは、自分より七つも年上になっていた。彼は王都から辺境の地ーーニーナ市まではるばる、四年間もアザミを探す旅をしていたらしい。
キスをした過去はなかったこととして、二人はふたたび友人として過ごすようになった。
辺境の地で地味に生きていたアザミの日常は、ハナミとの再会によって一変し始める。
そしてこの再会はやがて、ニーナ市を揺るがす事件へと発展するのだった…!
★執着美形攻め×内弁慶な地味平凡
※完結まで毎日更新予定です!(現在エピローグ手前まで書き終わってます!おたのしみに!)
※感想や誤字脱字のご指摘等々、ご意見なんでもお待ちしてます!
美形×平凡、異世界、転移、執着、溺愛、傍若無人攻め、内弁慶受け、内気受け、同い年だけど年の差
Nova | 大人気アイドル×男前マネージャー
むぎしま
BL
大人気アイドル・櫻井来夢が恋をしたのは、
ライバル事務所のマネージャー・本郷ルカだった。
強く、知的で、頼れる大人の男。
その背中に憧れ、来夢は彼を追いかける。
──仕事のできる色男・本郷ルカは、女にモテた。
「かっこいい」「頼りたい」「守ってほしい」
そんな言葉には、もう慣れていた。
けれど本当の心は、
守られたい。愛されたい。
そして、可愛いと思われたい。
その本心に気づいてしまった来夢は、
本郷を口説き、甘やかし、溺愛する。
これは、
愛されることを知った男と、
そのすべてを抱きしめたアイドルの、
とても幸せな恋の話。
独占欲強めな年下アイドル
(櫻井 来夢)
×
愛に飢えた有能マネージャー
(本郷 ルカ)
ーー
完結しました!
来週以降、後日談・番外編を更新予定です。
消えない思い
樹木緑
BL
オメガバース:僕には忘れられない夏がある。彼が好きだった。ただ、ただ、彼が好きだった。
高校3年生 矢野浩二 α
高校3年生 佐々木裕也 α
高校1年生 赤城要 Ω
赤城要は運命の番である両親に憧れ、両親が出会った高校に入学します。
自分も両親の様に運命の番が欲しいと思っています。
そして高校の入学式で出会った矢野浩二に、淡い感情を抱き始めるようになります。
でもあるきっかけを基に、佐々木裕也と出会います。
彼こそが要の探し続けた運命の番だったのです。
そして3人の運命が絡み合って、それぞれが、それぞれの選択をしていくと言うお話です。
【完結】冷血孤高と噂に聞く竜人は、俺の前じゃどうも言動が伴わない様子。
N2O
BL
愛想皆無の竜人 × 竜の言葉がわかる人間
ファンタジーしてます。
攻めが出てくるのは中盤から。
結局執着を抑えられなくなっちゃう竜人の話です。
表紙絵
⇨ろくずやこ 様 X(@Us4kBPHU0m63101)
挿絵『0 琥』
⇨からさね 様 X (@karasane03)
挿絵『34 森』
⇨くすなし 様 X(@cuth_masi)
◎独自設定、ご都合主義、素人作品です。
ジャスミン茶は、君のかおり
霧瀬 渓
BL
アルファとオメガにランクのあるオメガバース世界。
大学2年の高位アルファ高遠裕二は、新入生の三ツ橋鷹也を助けた。
裕二の部活後輩となった鷹也は、新歓の数日後、放火でアパートを焼け出されてしまう。
困った鷹也に、裕二が条件付きで同居を申し出てくれた。
その条件は、恋人のフリをして虫除けになることだった。
【完結】かわいい美形の後輩が、俺にだけメロい
日向汐
BL
番外編はTwitter(べったー)に載せていきますので、よかったらぜひ🤲
⋆┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈⋆
過保護なかわいい系美形の後輩。
たまに見せる甘い言動が受けの心を揺する♡
そんなお話。
⋆┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈⋆
【攻め】
雨宮千冬(あめみや・ちふゆ)
大学1年。法学部。
淡いピンク髪、甘い顔立ちの砂糖系イケメン。
甘く切ないラブソングが人気の、歌い手「フユ」として匿名活動中。
【受け】
睦月伊織(むつき・いおり)
大学2年。工学部。
黒髪黒目の平凡大学生。ぶっきらぼうな口調と態度で、ちょっとずぼら。恋愛は初心。
【完結・BL】胃袋と掴まれただけでなく、心も身体も掴まれそうなんだが!?【弁当屋×サラリーマン】
彩華
BL
俺の名前は水野圭。年は25。
自慢じゃないが、年齢=彼女いない歴。まだ魔法使いになるまでには、余裕がある年。人並の人生を歩んでいるが、これといった楽しみが無い。ただ食べることは好きなので、せめて夕食くらいは……と美味しい弁当を買ったりしているつもりだが!(結局弁当なのかというのは、お愛嬌ということで)
だがそんなある日。いつものスーパーで弁当を買えなかった俺はワンチャンいつもと違う店に寄ってみたが……────。
凄い! 美味そうな弁当が並んでいる!
凄い! 店員もイケメン!
と、実は穴場? な店を見つけたわけで。
(今度からこの店で弁当を買おう)
浮かれていた俺は、夕飯は美味い弁当を食べれてハッピ~! な日々。店員さんにも顔を覚えられ、名前を聞かれ……?
「胃袋掴みたいなぁ」
その一言が、どんな意味があったなんて、俺は知る由もなかった。
******
そんな感じの健全なBLを緩く、短く出来ればいいなと思っています
お気軽にコメント頂けると嬉しいです
■表紙お借りしました
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる