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第2章 動きだした凶悪な者達
第25話 勇者達の戦略的撤退と、大誤算!
しおりを挟むガス王都に立て籠もる ゴブリンエンペラー率いるゴブリン軍団達はかなり不利であった。
まず、ゴブリンで水堀が埋まっているので、簡単にガス貴族・ベイントス公国連合軍に水堀の内側に来られた事。
そして、ガス王都には食糧が全く無かったのだ!
カザトは、鑑定マップで王都の内部をずっと観察しているが、ゴブリンエンペラーが一匹しかいない。
もう一匹いないのである。
そして、ガス国王や宰相に、ブレーダー王女と勇者ピエロ達が王都にいないのである。
某子爵
「食われたのか?」
某侯爵
「斥候の報告だと、ゴブリンエンペラーは一匹しかいない。
封鎖封印された旧ガス王城にはいなかったみたいだから…
どこかに行った?」
ラッド公爵
「逃亡か?」
そして、城攻めが始まる。と、言ってもカザトはあまり手を出さなかった。
兵士達にゴブリン討伐の経験をさせて、成長させる方が国防力のアップにつながるからだ。
ただ、ゴブリンジェネラルはA級パーティーに任せたが、ゴブリンキングは犠牲者が大量に出る可能性が有るために、助太刀する。
とにかく経験を積ませる!この事に徹底した。
1週間後!
ゴブリンエンペラーに総攻撃する連合軍!
全方位からの魔導師達からのファイヤーボールなどの魔法スキル攻撃に、A級パーティー達の脚に対する斬り込み!
[チームカザト]による束縛魔法による足止め。
全兵士達に攻撃をゴブリンエンペラーにさせる!
そして、ついにカザトがデカイゴブリンエンペラー専用に作っておいた、巨体バスターソードでスキルを徹底的に重ねがけした状態で斬り込んだ!
スバッン!
斬った時に、[ゴキコローリ]をバスターソードを魔力素体にして、ゴブリンエンペラーな内部にありったけ噴射する!
ゴブリンエンペラー
「ギョエーーーーーー!
ウゥ…。」
ドッシーン!
ゴブリンエンペラーが、王城前の広場に石畳を破壊しながら倒れる。
そして、エンペラーの身体が、白い灰になって消えた!
残ったのは4分の1に割れた、みたいなデカイ黒い魔石であった。
カザト
「総大将ラッド公爵様!勝どきを!」
ラッド公爵
「我々の勝利だーーーーーー!」
オーーーーーーー!
ガス王都の開放!
もはや三度目である。
そして次の日に王城にて、臨時王国会議が神聖皇国の大使司祭や、ベイントス公国大使や、ドワーフ副女王(キスカ)出席のもと行われて、臨時国王にラッド公爵、臨時副国をガス公爵2世に決定する。
その後、カザトに対するブレーダー王女の非道を非難して、王国の公式謝罪とカザトの地位を公爵相当として、他のガス貴族に失礼がないように制度的に決めた。
そして、ベイントス公国の承認とドワーフ王国との友好条約なども結ばれて、大使館3つの設置を決めた。
(一つは、カザトの特殊な実際の地位を考慮しての、カザトの事務所的な位置づけ)
そして、カザトはバレバレの隠れ家を一つ、商業ギルドから買った。
その家の中に、へんてこなデカイ金庫室を作って、何かをそこに安置したらしい。
中身はトワイライト達は知ってるが、何故か誰にも言わなかった。
復興が進むガス王都。
そして、執務室でラッド臨時国王は、カザト達にブレーダー王女達の直筆の記録を見せていた。
どうもガス国王達は、また、滅びたゲルー王国跡の王城に向かったらしい。
その記録を見つけて斥候を放って情報収集した結果、旧ゲルー王城にて、オークの大群とガス国王(部下天使)達とゴブリンエンペラーのゴブリン軍と、三つ巴の地獄状態だったみたいだ。
相談の結果、エルフの国のグランド王国が救援を求めていたので、国境のゴブリン軍を討伐しに行く事になったカザト達。
カザトは、エルシーとエルファーのグランド王国での酷い扱いの事を、ラッド臨時国王に言ってあまりが関わらない姿勢で対応する事を伝える。
エルシーとエルファーは、赤子の頃に国王(副長老)の方針に異を唱える村に住んでいて、神聖皇国の悪をやっていた前の副皇主達(ホフゴブリンとなって討伐された者達)に売られたらしい。
その事を精霊達が、証言しておりカザトが深く介入すると、内戦が起こるから出来るだけ関与しないようにすると言うと、ラッド臨時国王達も「そのほうがいいかもな!」と、了解した。
そして、次の日にグランド王国国境に向かう[チームカザト]は、もうすぐ崩壊寸前のグランド王国の砦に駆けつけてゴブリンキング5体と、激戦を繰り広げる。
砦からは、ゴブリンキング達との激戦でボロボロになっていたエルフ四天王と、将軍達に最高戦力のエルフの姫と、まあまあ戦えた国王は、カザトとゴブリンキングの決戦を見ていた。
他のゴブリンキング達は既に斬られて転がっている。
ゴブリンジェネラル達は、マーベル達に袋叩きにされて先程、全て討伐された。
エルシーのトルネードウインドカッターで、ひき肉になっていくゴブリン達。
エルファーのサイクロンカッターで、ぶつ切りになっていくゴブリン達。
トワイライトと、メーベルの合体技のホーリーレインで溶かされていくゴブリン達。
そんな、ゴブリン達の阿鼻叫喚地獄をバックにして、ゴブリンキングは両手剣を掲げて、カザトに斬りかかる!
対するカザトは、二刀流で斬り込む。
左の太刀で、ゴブリンキングの巨大剣を受け流すようにしながら、巨大剣の根本で斬鉄をする。
右の打刀でゴブリンキングの両足を切断する。
ゴブリンキングが、息を吸い込みブレスを撃つ要領で、自爆を画策する。
鑑定で、自爆技を出すとわかったカザトは、パワー全開の[悪魔聖断]でゴブリンキングを一刀両断した。
その後、砦から出てきた国境警備隊副長さんに(隊長は重症らしい)、ガス臨時国王ラッドからの支援要請受諾での援軍だと、冒険者ギルド発行の支援要請受諾冒険者派遣証書と、ラッド臨時国王の新書を砦にいる国王達に渡すように言う。
国王達がいることは、秘密だったのでビックリした副隊長達だが、精霊達が教えてくれたと言うことにした。
大精霊(土)ランド達が出てきて、カザト達と話す所を見たエルフ兵士達は、信じるしか無かったのだ。
そして、やっとカザト達が砦に近づかないのか、精霊達にエルシーとエルファーの事件が原因だと教えられて、自分の娘たちからも白い目で見られている国王が、表に出ようとしたとき、カザト達は、旧ゲルー王国の国境に近づかないようにと言うことと、今から帝国の国境にゴブリン討伐に行くことを言って、大量のポーションを献上品として渡してすぐに、移動を始めた。
風魔法で飛んで移動したので、エルフ国王の出番は無かった。
大精霊(火)フレイムが、国王にかなり緊急事態なので、カザト達に体するアプローチはほどほどにしろと言われて、ガックリする国王。
帝国もエルフ達みたいに、かなりピンチだと精霊達に教えられて、仕方ないとエルフ四天王が納得してしまったので、グランド王国最強エルフ姫も、あれだけのゴブリンの数なら仕方のない事だと納得するしか無かった。
グランド王国 最強エルフ王女レイダーは、トワイライトを見たとき自分よりも明らかにかなり格上のエルフだと
すぐにわかったのと、問題のエルシーとエルファーもハイエルフに進化したものだとすぐに感じられたので下手な、国王謁見が無くて良かったのかもしれないと思ったら、大精霊達が首を縦に振っていた。
カザトは、エルフ最強姫の精霊眼でも何者か看破できなかった。
レイダーは世界樹の横の城に帰ってから マーベルとメーベルは伝説のハイヒューマンに進化した者だと精霊達から言われてびっくりしてしまい、なぜ精霊達と話せていたのか合点がいったが、なぜか…カザトの事は下位精霊や、最強エルフ姫のパートナーの中位精霊達すら言わなかった。
いや、言えないのだろうとレイダーは予想して傷の手当をして、エルフ兵達を魔法での治療に回ったあとに、身を清めて世界樹に行く。
グランド王国 最強エルフ王女 レイダー
「大精霊様? お聞きしたい事がございます。」
大精霊(土)ランド
「カザトのこと? あの向こう見ずの国王に報告するつもり?」
大精霊(火)フレイム
「それはだめよ!彼を怒らせるだけ!」
大精霊(風)ウェンディ
「そうよ! あなたの父親の国王は、第2世代管理者神フェイクに心酔して創造主の管理者神πΗΖΝΔξ∩様を裏切る行為をし続けた。
名前を、変えて姿を変えて前勇者達を騙した罪もかなり深い。
そして、彼のステータスを精霊眼ではもう、看破出来ない。
どうする?
あなたの父親と同じく敵対する?」
大精霊達から、カザトは今回の勇者召喚の被害者であり、前勇者達の1人の子孫だと教えられ、そしてハイヒューマンの位を越えていると教えられた。
グランド王国 最強エルフ王女 レイダーは、大精霊達に創造主πΗΖΝΔξ∩様を裏切らないと誓いを立てた。
そして、カザト達に敵対しないと誓いを立てる。
四天王達が、王女レイダーを迎えに来たが、大精霊達と語り合っていたのでひれ伏して待っていた。
グランド王国 最強エルフ王女レイダーは、城に戻り国王にカザト達と戦争をするつもりかと、いきなり直球勝負の質問をぶつける。
静まりかえる、王城大広間。
どうやって、言いくるめようか考えていた宰相達は、いきなり数手で将棋で詰んでしまったプロの顔をしていた。
国王側近は真っ青になり、大精霊とレイダーが巫女の橋渡し無しで語っていたと報告を受けていた国王は、いきなり国の最重要案件がやってきたことに戦慄した。
グランド王国 最強エルフ王女レイダーは、四天王にも同じ事を聞いた。
エルフ四天王の二人の女性ははっきりと、敵対しないと明言する。
この二人は、レイダーと武力では互角なのだ。
それでも、澄んだ心を持っていたために、巫女並みに精霊の声が聞こえるので、大精霊達とレイダーの会話を聞いていたのだ。
そして、戦闘狂でもある。
そう…。カザトに一目惚れだった。
後の四天王の二人の男エルフは、黙ったままだった。
この二人は、親が大臣なので下手な事を言えなかった。
しかし、この国王には反発しており、大精霊からの許可をもらった中位精霊から、レイダーと大精霊達が何を話していたか聞いていた。
極秘に、大精霊達にレイダーと同じ誓いを立てていた。
そのことを、精霊に教えられたレイダーは、向きを変えて改めて父親の国王に聞く。
少し言葉を変えて聞いてみた。
「精霊達の祝福を受けし戦士カザト。
前勇者達の子孫であり、今回の勇者召喚の被害者でもあり、ブレーダー王女が生け贄投棄をした被害者カザト。
そして、前勇者達の意志を継ぎ、力をつけている冒険者カザト。
傲慢を極め、我らエルフの民を見下していたアッロガーンス王国を軽く封印して、新たな風を入れベイントス公国として、あの国の民を普通の人に戻した聖者カザト。
狂ってしまったドワーフ王国を立て直して女王も副女王も、家族としたカザト。
そして、大精霊様達の言葉通りゴブリン達から、この国を救ってくれた予言の御方!カザト様。
さぁ国王陛下。ご決断を!」
そこに、グランド王国のもう一人の最高権力者が現れる。
エルフ国グランド王国は、政治主体の副長老の国王と、この世界の力の源である世界樹の管理巫女長である総部族長老である女王の、2大権力制でありもちろん最高権力者は女王様であった。
世界樹の総巫女長であり、総部族長老である女王 フィーリアがやってきた。
女王 フィーリア
「どうされますか?
大精霊様から聞きました。
カザト様の対応は、エルファーとエルシー達の境遇と、今のエルフ国の状態を鑑みてのかなり気を使わせてしまった対応だと大精霊様達から聞きました。
宰相達が過去にやらかしたことも、国王陛下が過去にやらかしたことも、そしてレイダーは記憶を封じていますが、フェイク様からの今回の極秘のオーダーのことも、全て大精霊様達は知っており、もちろん喜んでません。
極秘のオーダーのことは、戦争になるからと大精霊様達は今回黙ったと言われました。
これからの対応方針を、私もかなり大事な局面を迎えたと思ったので、直接聞きに参りました。」
グランド王国 国王
「わかった。世界樹と大精霊様達に誓おう!
決して…
決して…
前勇者達の時の過ちを犯さないと…
そして、エルシーとエルファーだったか、我らの過ちを認め謝り彼女達の求める罰を、受け入れることをここに誓う。
強制魔法契約でよい!
破れば、モンスターにでもなっているだろう!
宰相!大臣!誓えるな!
うむ!
では、ここに誓う。
(クソ!俺様の天下が崩れるだろうが! まぁ形だけでもこの場を凌ぐか! 後は、美人エルフを送り込んでカザトとかいう奴は、強かったからこちらの方になびかせて、二人のエルフの事は…
どうするか?
どうしようか?
げ!
レイダーのヤツ俺がウソを言っていると、疑ってやがる。
まぁ…
慰霊碑でも建てるか!
ゲ!
フィーリア姉さん(国王の姉)まで、疑ってやがる!
邪神戦争が起こるなんて、その当時思わなかったんだよ!
第2世代管理者神フェイクが、しっかりとしてなかったのが悪いので、俺が悪くない!
クソ!
仕方ない!
本当に誓って、後で解除するか~)
ここに!ここに!
誠に誓う!
破れば、モンスターとして我らを討伐してくれ!」
いつもなら、[空手形]ならぬ[空誓い]で終わるはずだったのだが、大広間の上には大精霊達がいた。
ニッコリと(見る人が見たら怖い)笑顔で温かい光が大広間を満たす。
国王を始め側近や宰相や大臣全員に、精霊強制契約契約魔法紋がついていた。
痛みが何故か無かったから、気づかない奴は気づいてなかった。
ただ、あるもの達は騙せたと、安堵していたようだ。
そのことに気がついた、レイダー王女や四天王達や巫女長でもある女王は、黙っていた。
腹が立つために、黙ったのだ。
ニンマリ顔の国王は、修羅場を抜けたと安堵していたがどうなることやら…。
そんな事が、起こっていると実況中継を聞きながら、カザトは結界を某F15戦闘機型に展開して、マッハ1のスピードで急いで帝国の国境まで飛んでいた。
(流石にマッハ2以上は慣れないので出来なかった。)
帝国の国境がもうすぐ落ちる!
帝国皇太子が重症!
帝国最強騎士団長重症!
帝国最強部隊重症!
そして皇帝が臣下の者に、逃げるように説得されている状態らしいと、精霊達が騒いでいた。
見えてきた!
ゴブリンスーパーキング1匹と、ゴブリンキング50匹にジェネラル他、約350万の大軍だ!
□□
次回
勇者達のステータス図鑑
次次回の予告
帝国の意地と意志!です。
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