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第3章 爆闘!魔王の墳墓と呼ばれたダンジョン

第45話 掃除と言う戦いの果て…

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カザト達は、ヘッドローの目が光ったのを見た!

ヘッドロー
「瘴気汚泥広域爆拡散波!」

ヘッドローの身体が、光る!

カザトが、拳に濃縮した光をまとわせて、弾幕を張る!

カザト
「くそ!結界では無理だ!
叩き落とすしかない!」

カザトが、何百と正拳突きを繰り出す。

ハァハァハァハァ
クソ!いくつ叩き落したら終わる?

カザトが、心のなかで悪態をつく。

トワイライト達も、ヘッドローが出す一撃でも外に放出すると、壊滅的破壊が起こると理解していたので、カザトを結界を張って支えるのだが、助力にすらならない状態だった。

カザトの目が霞む…

クソ!前が見えなくなってきた!
腕の筋肉が、切れていくのがわかる。

ぶちぶち痛いのがわかるのだが、止められない。

この異世界が、吹っ飛ぶろうが知ったことではないのだが、トワイライト達を守りたいとの信念だけは残っていた。

いや…それだけしか残らないような程の状態である。


クラッ…

クソ!
身体を無限回牢ダンジョンでの精神体実体化モードに、切り替えてヘッドローの攻撃を叩き落とす。


はっきりと言うと、精神体実体化モードはやりたくない!

何故か、二度と戻れないかも知れないという、漠然とした不安が常にあるからだ。

だけど、今はそんな事を考えている余裕なんて無い!

もう、対処方法がこれしかないのだ!

目が霞む。

精神体実体化モードに入って、ボロボロになっていく身体を作り直す。

カザトの弾幕が、押されていたのだが…
ゆっくりと押し返していく。


瘴気ヘドロの魔王!
ヘッドロー
‹クソ!押し返して来やがった!
なにくそ!第2コア点火!
第3・4・5コア全開!
第1コア…クソ!
もう保たないのか!
第1コア爆破!›

ヘッドローの攻撃が激化する。

カザトが押し返してもうすぐ、ヘッドローの身体に攻撃が当たる寸前で、ヘッドローが押し返しだした!

カザト
「何!
コアが、5つ?
つまり、ヤツの魔石コアは5つ!

その1つを爆破させて繰り出したワザか!
点火ってことは、2つ目も爆破させるってことだよな。

クソ!
負けて た… た… たまるか…!」

カザトの意識がもうろう…と、なってきた。

正拳突きって、これで正しかったのか?

混濁する意識のなかで、突然浮かびだす疑問?

違う?
そんなはずは無い…。
だけど…
違う…


アレ…
眼の前が、真っ白になってきた…

○○○○○○○○○


??
‹もっと、重心を下げるのだ!
そう、この重心人形(ヤジロベーみたいなもの)みたいに、地面の下に重心をおいて、柳の如く力を流せるようにしていくと、場の力場を感じるようになる。

それが、第一段階…

第二段階で、その力場を纏めたりすることが出来る。

百本先のろうそくの火だけ消す正拳突きは、そうやって出来るようになる。

仕組みだけ、聞けばむずかしそうだが、やることが出来るようになれば、タネが公開された手品と同じで簡単なモノにしか感じない。

まぁ、出来る段階になればの話だかな。

第3段階は………›


カザト?
‹こう?兄様?›



○○○○○○○○○○○○○


アレ?
アレ~?

オレ…
正拳突きしながら…
はて?

夢?
夢見てたのか?
オレ…俺は、長男だから…
アレ?
なんだか、そう!
育ての親代わりの、お兄さん?
いや、俺の両親は健全だぞ!

はて?
やはり夢?
だけど…懐かしいな…
すっごく懐かしい…


そうだ!
こうだ!
こうやって、正拳突きって出すだな。
出すというよりも、まず置くって感覚で始めて…



ドン!ドドン!ドドドドン!

段々と、またカザトの弾幕が押し始めた。


瘴気ヘドロの魔王!
ヘッドロー
‹クソーーーーーー!
第2コア点火!爆破!
チキショーーーーーーー!›

ドン!

ヘッドローの弾幕が、少しまた押し返し出す。


カザト
‹拳を置く次は、力の流れをゆっくりと感じながら、拳の形にしてしまってもいいのだけど…›


パン!
パパパパパパパパパ!

カザトの正拳突きの衝突音が変わる。

ヘッドローの弾幕が崩れだした!

瘴気ヘドロの魔王!
ヘッドロー
‹第2がまだ燃え尽きて無いぞ!
ヒィーーーーーー!

クソ!クソ!
死ぬよりかましだ!
クソ!
第3点火!爆破!
クソ!また、弾幕が破られた!
第4点火!
嫌だ!嫌だ!クソ!
弾幕が保たない!
嫌だ!俺は、人の悲鳴を聞いて、あの快楽にまた浸るのだ!

クソ!
第4爆破!›


トワイライト達は、カザト達の攻撃の弾幕の衝突の衝撃波から身を守るだけで、精一杯になる。

カザト
‹そのあと…ゴブシは…
く!よくも、トワイライト達を…
よくも!よくも!よくも!›


バリ!バリ!バリバリバリバリバリバリ!

また、衝突音が変わる。


瘴気ヘドロの魔王!
ヘッドロー
‹ひ!は?
あいつ、え?
よくもって、なぜ?
なぜ?この言葉を知っている…

クソ!そんな事言っている場合ではない!
クソ!意識の核(コア)を分離!
よし!これで吹き飛んでも、俺は瘴気があればなんとか復活出来る。

クソ!
もう!ヤケクソだ!
残りの全コア点火!爆破!
ヤケクソダーチキショー!›


カザト
‹あ!そうだ!
そうだった!

こうだ!›

ペン!


その音だった!
トワイライト達は、後でカザトに語ったのはそんな音としか聞こえなかったらしい。


後に残ったのは、小さな小粒の小石?だけで、ヘッドローは、消し飛んでしまったらしい。

そして、カザトはその小石?をビンに入れて封印したという。



カザトは、最後あたりの事は覚えていなかった。

無意識にやっていたらしい。




カザトは、目を覚ました時…
あの浄化掃除戦闘の現場で簡易ベッドで寝ていて、トワイライト達に、その顛末を聞いたのだった。

カザトの聖域結界を張っていたところだけキレイだ。

食事をして、カザトは手をにぎにぎして、確かめる。

今も、精神実体化モードをやっているのだが、すごく馴染んでいる感覚だ。

ほぼ、肉体のみモードと遜色ない。

魔力等も、回復している。

とりあえず、リズムを取り戻すために掃除続行して、掃除を完了することにした。

高圧洗浄再開だ!

そして、3時間後…
瘴気ヘドロまみれの空間の正体が現れる。




□□□□□□□□□□□□□


ブチ!

勇者ゴン太
「ギャーーーーーー!」


邪神オークが、勇者達の魂からフェイクが付け足した、チートではない詐欺なスキルを分離するというよりも、引きちぎっていたのだ!


肉体の痛みではなく、魂からの痛みなのでめちゃくちゃ痛い!  


もう、声なんて出ない!
ただ苦痛のみを、耐えて3日間その状態。

空腹よりも、痛いのだ。


そして、なんとか耐えたあとパシリ1号がマトの街の屋台から、食料を、かってきた。


そして、なんとか落ち着いた勇者ゴン太達の見たものは…


恐ろしい、ヘドロの如く黒く禍々しいかたまりだった。

ジョブ勇者(バカ)のスキルの正体であった。

そして、ジョブ賢者(クソ)の正体…とか。

「おい…やっぱり詐欺スキルだったのかよ~。」

「クソ!ダマシやがって!」
「何が、魔王を倒して英雄になってくれだ!」



勇者ゴン太は、スッキリした反面…
押し寄せる事実に、頭が痛かった。

カザトが、言っていたことは本当だった。

そして、カザトはチートスキルなしで戦っているのだ。


そこから、どうしても出てくる答え…

それは、ゴミはゴン太達ではないか?


カザトは、どう見てもレベルアップをして強くなっている…。

カザトの先祖の代から、散々冤罪をかけたりクソ悪い事をしてきた生徒会長(ゴン太)達の一族と、その手下の子孫が、今の勇者隊だ。

クソ!
女子高生組は、なにかの手段で日本に帰ったらしい。

ガス国王の中の部下天使に聞いたけど、帰ったのは確実なのだが、管理者神フェイクの(ニセ)チートスキルは、すでに分離されておりそして、大問題は…どうやって帰ったのか分からない!部下天使でもわからなかったらしいのだ!


クソ!カザトに女子高生組をあてがって、懐柔する案はすでに廃案だ。


カザトは、俺達に復讐する力をすでに持っている。



バキ!
バキバキバキバキバキバキ!

その時である。
遥かに向こうの方の、カザト達が戦っているらしい方角から振動が来た。

ヒィーーーーーーー!
無理無理無理無理無理無理!
今のヤツに勝てるわけがない!

クソ…。
こうなったら、邪神オーク様にすがりついて、パワーアップだ!

俺達のハーレムを作るのだ!


同じような考えと、結論に至った元勇者ゴン太達を、冷たい目で邪神オークは見ていた。

邪神オーク
「(こいつら?部下として使えるのか?)」






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