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第4章 お姫様達と黒の宮廷魔術師と、そいつらが使役したモノ達。第1部 洗い出して出てくるもの。

第22話 フカ?え?負荷でしょう?!違うの?!その2

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 その頃…カザトは人魚達の素性を聞いては、話し合っていた。

 島の周りは、カザトが起動させている超高濃度聖水に変換する魔導具などから出てくる聖水が、海を埋める瘴気ヘドロと反応して、蒸気を上げる灼熱地獄と、なっていた。

 その蒸気に当てられて…

 なんと!飛ぶ鳥すら…
いや、飛んでいるモンスターすら空から落ちてきたのだ。

 ブラックホーク…

アレ?米軍によく似たヘリコプターが無かったかな?
黒い鷹?らしき全長5m位かな?の鳥型モンスター。

 ブラックスパロウ…

アレ!アレ?まさか!海賊王か?
いや、羽を広げると2m位の大きな牙をもつツバメだった。

 ブラックパンター

え~と、羽をもつネコかと思ったけど…
たぶん、羽根を、持つデカい黒豹かな?
豹は昔の図書館で、図鑑で見たくらいか?

 ブラックバス

は?まさか!あの有名な魚?
ハァ?真っ黒な…楽器に似ている鳥だった。
バイオリンのでかいやつ?そっくり!
あ!コントラバスだ!

いろいろ、空から墜落して聖水の海に落ちて、浄化されていく。

 やはり、異世界だよな…。

 ヒョウも飛ぶのか~。

 あ!そろそろ、出てくるよな!
 恐らく、ワイバーンとか?
 しかし、その日はカザトが期待したワイバーンは、出てこなかった。



 カザトが、ワイバーン!来い!
ワイバーンよ!出てくるのだ!
な~んて密かに念じていた頃…

この異世界にある、地上からのはるか上空のフェイクの執務室では…
もう、無茶苦茶であった。


フェイク
「あ!ウグ!
痛い!
早く!!痛み止めを打て!」

部下天使
「ボルタレンを、打ちます。
我慢して下さい!」


やっと、フェイクが寝た…。

執事長部下天使
「いかん…
痛みの発作の間隔が、短くなっている。」

部下天使A
「打ちすぎですよ…。
既に、600本消費しています。」

部下天使B
「副作用で、中毒になるかも…。」

執事長部下天使
「く!早く!早く!副執事長達は、上司様を見つけろよ!」





その頃、カザトは人魚の島の秘密基地の地下で、ようやく寝る事になった。

人魚達も、クローン体の安定するまで、よく寝ることになる。

カザトの意識は、半分ゆっくりと!ゆっくりと下降していき、地中の中を沈んで行って妙な土壁の空間にでてきた。


カザト(意識体)
「あれ?ここどこだ?変な夢だな…。」

見渡す限り、土の中…。

その空間を少し歩くと…
でかい円形の洞窟が、ありました。


そこなかに、何か青い配線?
黒に、赤に、緑?そしてマンゴー色とか?

カラフルな配線だった。

カザト
「何だこれ?」

文字が描いてあった。

鑑定・翻訳

[災害発生システム通信ケーブル]
ハァ?災害発生システム?!

駄目じゃん!
と、カザトが握りしめたとき…

ブチッ!


今で言うところの、LANケーブルみたいな物みたいだが、それが千切れた。

カザトは、やけに弱いケーブルだな?
まぁ夢だから、そんなものなのか?
と、思ってまた、寝たら意識体は、勝手にカザトの身体に戻って行った。




ブーーーーーービーーーーーー!
ブーーーーーービーーーーーー!

フェイク執務室では、警報が鳴り響く!

執事長部下天使
「今度はなんだ!」

部下天使A
「大変です!
最終関門の、災害発生機構ダンジョンとの通信が途切れました!」

部下天使B
「え~!今、部下に偵察行かせようとしましたが、あのダンジョンに行くことが聖水の蒸気で出来た(聖なる積乱雲)のせいで不可能です。

電波でのモースル信号で、確認しましたが正常稼働中です。」

執事長部下天使
「そうか。
く…、モースル信号頼みの通信とは…。

何だ?焦げ臭く無いか?」

ドーーーーーーン!

いきなり執事長の眼の前が、真っ赤になる。

執事長部下天使
「??」

部下天使D
「大変です!瘴気災害発生装置が爆発しました!

地上上空の聖水の積乱雲のせいで、苦しめた人間達が発する瘴気が、この執務室の瘴気取り入れ装置の効果範囲に届きません。

なので、装置の出力をご命令通り上げましたところ、聖水で出来た積乱雲を吸い込んでしまい、装置の中の瘴気のカスと反応して、爆発しました。

修理担当の部下天使は、他の装置の修理中です。

私は、医療専門なので修理しろと言われてもしませんよ!
それでは!」

執事長部下天使
「それでは!じゃね~だろ!
働け!この役立たずが!
 医療専門だと言うなら、フェイク様を10分以内に全快にしろ!
 しなければできなければ、貴様はその時点で自爆装置をつける。
 専門を名乗る以上、覚悟しろ!」

部下天使D
「ふざけるな!
ぐ!
は!離せ!」


 誰もやりたくない仕事なので、他の部下天使に抑え込まれ、無理矢理自爆装置をつけられてフェイクを、10分以内に全快にする事になった部下天使D…

部下天使D
「チクショーーーーーー!
俺は、この部下天使をやる前の人間時代は、日本の有名大のエリート医師だったのだぞ!

なぜ!エリートが、こんな事をしないといけない!」

答え→医者だったから!

  →エリート医師だと名乗るなら、
   治してみろや!


1分経過

部下天使D
「(逃げてやる!俺様は勝ち組だ!そのはずだ!こんなところ逃げてやる!
このエリート天才の頭脳を使えば、簡単に逃げられるはずだ!)

グエ!」

全力で、出口に気配を消して移動したが、気がつくと腹に、見張り番の部下天使の拳が刺さっていた。


執事長部下天使
「貴様は…。
まぁいい!早く全快にさせるのだ!残り8分50秒!」

部下天使D
「な!なぜだ…。」

→執事長部下天使(人間時代)
  IQ2580600(旧地球人類レベル式を現代地球レベルに換算)

 部下天使D(人間時代)
 偏差値84 IQ160(自称)
 ○台塾模試平均偏差値86
 全国1位10回経験者

 執事長…過去人間時代に5億人規模の王女様の担当する地方都市が生み出す1日15000件発生する難題を、片手間に処理してきた強者なので、スキル[読心]なんて使わなくもパッと見で大体何を考えているかなんて、すぐにわかります。

 しかし…、仕えていた元王女様と同様にポンコツなところがあるので、元王女様(フェイク)とは、気が合うのでしょうね。



3分経過…

部下天使D
「こうなれば…あれを、使うか…。
見せてやるよ!エリート医師の実力を!
必殺!ステロイド剤大量注入!」

必殺って…
殺したら駄目じゃん!

ピッ!ピッ!ピッ!ピッ!ピッ!ピッ!ピッ!ピッ!ピッ!

執事長部下天使
「おい!心拍数が上がっているぞ!
失敗したら、魂ごと木っ端微塵だからな!」

部下天使D
「わ、わかっていますよ!見事、全快にしてみますよ!」

その時、看護担当の部下天使達の姿が、消えて行っていることに、執事長部下天使達は気がついていなかった。


5分経過

部下天使D
「なぜなんだよ~!
なぜ、元の体調に戻らない!」

→簡単に治ったなら、救命ポットなんているか!


6分経過
部下天使D
「やむ得ない。
(こっそり、モルヒネを大量に注射してやる!
そして、ボルタレンもだ!くそ!こうなったら、何でもやってやる!)」

ここで、この部下天使Dは大きな間違いを犯していた。

この部下天使D…
人間時代の医療データーしか持っていなかった。

つまり、つい最近の医療データーは、全く見ていない。

ボルタレンのつい最近発見された、(痛み止め)以外の別の効能をしらなかったのだ。

何故?フェイクに注射したボルタレンだけ、大量に体内で消費されているか、もっと深くかんがえて、データーを取り寄せるべきだったのだが…


7分経過
部下天使D
「クソ!
(ボルタレン、2トン注入!クソ!だめだ…。すぐに無くなる。どうすれば!どうすれば!
モルヒネは、もう無い!ステロイド剤2トンももう無い。」


超過大ストレスが、狂わせる。

何を思ったのか…部下天使Dは、最後のあがきに出た。

強心剤を1トン、フェイクに打ち込んだのだ!
そして、超高濃度アミノ酸液も、点滴経由でフェイクの体内に流し込む。

ドクン!ドクン!ドクン!

聴診器なしでも、聞こえるほど心臓が動くのが聞こえる。

執事長天使
「どうなっている?」

部下天使D
「ふ!やっと私の優秀な治療が、効果を出してきましたな!

わかりませんか?心臓が、動く!つまり、活力を取り戻したのです!」

8分経過

ピッ!ピッ!ピッ!ピッ!ピッ!ピッ!ピッ!ピッ!ピッ!ピッ!……

ビビッ!ビビッ!ビビッ!ビビッ!ビビッ!ビビッ!ビビッ!ビビッ!…


ビビビビビビッ!ビビビビビビッ!ビビビビビビッ!ビビビビビビッ!ビビビビビビッ!ビビビビビビッ!ビビビビビビッ!ビビビビビビッ!

執事長部下天使
「おい?!おかしくないか?」

その場にいた、部下天使全員が心拍計の音が!そして心電図の波形が、おかしくなっていることに気がついた。


つづく
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