[鑑定]スキルしかない俺を追放したのはいいが、貴様らにはもう関わるのはイヤだから、さがさないでくれ!

どら焼き

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第4章 お姫様達と黒の宮廷魔術師と、そいつらが使役したモノ達。 第2部 復讐の邪神vs フェイクROUND1

第19話 下界戦その7 下準備の開始と諜報戦の勃発

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 フロンダーパ(フェイク主人格)の指令の元で、カザトを奴隷にして邪神達を討伐させようとする計画と共に仕掛けられたのは、地球に邪神達を押し付けようとする計画であった。

 全く!地球にとって迷惑な話である。

では、続きをどうぞ!


 フロンダーパは、指令だけを出して救命ポットに入って眠りについた。全力で地球に逃亡するにも体力がいるからである。

 部下天使たちは、なんとか執務室空間を復旧させて通信室を修理することに成功していた。
 そして、地球の現地隠れ拠点に通信出して上司捜索の進捗状況を確認する。

「こちら、地球側。全く見つかりません。なのでこちらから、フェイク様の同列の管理者神見習いの方々がいる研修先に行くつもりです。」

「チッ!早く見つけろよ!こちらはガチでやばかったんだぞ!貴様らが遅いから執務室全滅一歩手前まで追い込まれたのだぞ!反省ぐらいしろよ!」

 執務室空間では、すでに部下天使達がぶちぎれていた。
 地球側にも、その空気が伝わったのだろう、いつもなら反論してくるのだが今回は無かった。

「こちらも、探しているが接点と言うべき会合所に、常勤している秘密結社や団体や秘密組織の者達がいないのだ!
 なんとか探し出して、今、徹底的に取り調べているのだが、その…。」

「その?その?なんだ?言ってみろ!」

「そちらの、全く働かないクソ勇者のゴン太の叔父だったんだよ!」

「ハァ?(し~ん)」
 静まり返った執務室空間。
 なるほど、コレは盲点だった。
 執事長達が、勇者ゴン太達の素性を再調査したときに、秘密組織の組織員だった事から考えて、あの役立たずの勇者ゴン太達の関係者達も秘密組織の役員にいるかもしれないと…。
 つまり、勇者ゴン太達の如く!全く使い者にすらならないクソが、役員になっている可能性を考えるべきだったのだ。

「え~、報告を続ける。秘密組織091の役員が勇者ゴン太叔父だった事が判明した。それで、なぜ緊急連絡先の維持を怠ったのか、中々吐かないので少し痛いお仕置きしたら、維持費を着服していたらしい!
 しかも、その一部は勇者ゴン太の車の免許を取るための教習所の買収資金とか、8000万の車になったとかで、その車はゴン太が事故を起こして大破した。」

「で?肝心な上司との緊急事態時の通信は?」

「回線が、寸断されていて使えないのだ。今、別の方法を吐かせようと、磔(はりつけ)にして火炙りにしいるのだが、なかなか吐かないので、困っている。」


執務室
(全ての、会話は部下天使のもの)

「ハァ…、何だよ勇者ゴン太のクソは!(災害)の二つ名通りじゃないか!」

「く!おい!第2隊とか連絡が繋がったか?」

「ダメです。暗号メールが来てました。読みます。
(シツジチョウ ミツケタ イキテイル マチガイナイ シツジチョウ オワレテイタ ワレワレモ キケン トウブンノアイダ レンラクヲ ヒカエル)です。」

「どうなっているのだ?」
「執事長は追われているのか?フェイク様が起きたら、伝えておこう。」
「次の第3隊は?」
「こちら、執務室!応答せよ!第3隊!応答せよ。」

「こちら、第3隊九州地区!秘密組織のアジト6割が使用不能・壊滅、残りが組織員がいないなので、連絡不可能。
 執事長を目撃して、第2隊が追いかけていたのですが、第2隊の奴らも正体不明の者達に追跡されている事を確認。
 只今、第2隊は緊急避難中。
 正体不明の勢力は、強大な力を持っており力での抵抗は不可能!繰り返す!不可能!圧倒的に向こうが強い!」

「強い?そ、そうか、わかった。で?何か手がかりは?」

「こちら、第3隊九州地区。秘密組織の組織員を直接拘束して聞き出した所、上司様の直属の秘密宗教組織とその下部組織が、警視庁と警察庁との戦闘状態になっている事がわかった。
 調べたところ、フェイク様の勇者召喚とは、別の異世界の勇者召喚の件で、上司様の下僕達の組織が、片っ端から取り締まられている模様。
 なので、上司様の直属の下僕達にコンタクトを取ることが不可能。
 別の方法を探している途中です。」

「わかった。今からこちらの作戦も文書で送る。用意してくれ。」


執務室

「不味いな。真面目な第3隊ですら、まだたどり着いて無いのかよ!」

「博打的調査の第4隊に繋げろ!」

「こちら、第4隊関東地区担当。
 先程第3からも、聞いたと思われるが上司様の直属の組織に接触は不可能。なんでも、裏の陰陽師の家を乗っ取る事に失敗して、もはやカオス状態だ。上司様の下僕たちが、警視庁を取り囲んで乗っ取ろうとした時に、裏の陰陽師家の直系の者に反撃にあい、そこからなし崩し的に組織は崩壊していっている。
 関連の証券取引会社も運悪く失敗して、すでに億の領域を超える損失をだして、会社員が全員逮捕されている。どこにそんな人数を収容出来る牢屋があるのか不明なのだが、500人オーバーの人間が逮捕されて、行方不明だ。
 暗号通貨のNFT(ブロックチェーンなどの暗号技術)が、この対立時の時からいきなり解読されてしまって、上司様の下僕組織にフェイク様含む同列の方々の下僕となる組織とかの保有していたモノと、マイニングした、暗号通貨などが全て単なる複製出来るデーターに分解されてしまって大混乱になっている。
 我々は、フェイク様が恐怖で撤退したという正体不明の監視員が見張る、フェイク様の同列の管理者神見習いの方の研修先に行くしかないと判断した。
 なお、執務室が前にコンタクトを取った上司様の直属の部下様は、天界に逮捕されたらしい。」

「なんだと~!」

「こちら、第4隊関東地区。本当だ。こちらも信じられなくて何度も別の情報源から確認した!」

 その後、地球の各方面に展開した部隊と同じような事を繰り返すことで、執務室は明かりがついているが、気分は真っ暗になっていた。
 執務室空間の外は邪神軍団の包囲が完了している。
 
 下界のフェイクの分体の王女達の要請してきた援助物質の中に、執務室機能とフェイク本人達の地球への移動と邪神を地球へ誘導する計画を書いた報告書を入れて、投下した。

「ふ~。ヤバイな。」

それが、執務室空間の部下天使の本音であった。
 
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