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第5章 ついに始まった本当の戦い。

第20話 第一次異世界衝突怪獣戦

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 やって来た珍客は、旧グランド王国の王女の戦士レイダーであった。

 あの二重人格の戦士だ。とカザトは警戒する。
 鑑定対策なのか、独立エルフとしての人格と、フェイクの部下としての人格があるみたいな奴だ。
 だが、鑑定しても二重人格ではない。
 だから、コウモリとカザトは位置づけた。
 自分を皇帝に持ち上げる方に、高く自分を押し売りする、とんでもない女であると。
 
 いくら、容姿が良くてもカザト的には、関わりたく無い。

 変な時に来やがったな~。
 何の為に来たのか?
 まさか、ガス国王も組むため?
 それとも、怪獣と組む?
 まさか、自ら勇者になるために、怪獣を討伐しに来た?

 カザトは、観察することにした。
 滅菌魔法陣を付与した魔石製スタンプを作らないといけないのだが、ものすごく時間がかかるので、ちょうどいい。



(レイダー視点)

 く、ガス国王共め!
 迎えに来いと、いくら使いを出しても出さなかった事を、死を持って後悔させてやる。

 そんな思いを持ってガス王都に向かっていたレイダーは、異世界衝突に出くわす。
 ガス王都の4つ前の、皆殺しにした村でその様子を見ていた。

 私の精霊眼での鑑定が、すぐに作動しない?
 な、なに、異世界と衝突しただと!
 そうか、異世界の情報だから時間がかかっているのか。

 それは、ガス王都に降り注ぐ災害だった。

レイダー
「ふん!災害ばっかり起こしていたから、今度は災害が降り注いで来たのか。
 因果応報というやつだな。」

 自分のやっている事は、棚に上げて偉そうな事を言うレイダー。
 全く反省なんてしていない。
 むしろ、凶暴化している。

 そして、ガス王都に単身入り込んだのだが、あ然とするレイダー

レイダー
「なんだ?あの道でフラフラと歩く奴らは。
 公爵?侯爵?男爵?え?奴らは1人でふらついて歩くような奴らだったか?」

 ただならぬ光景をみて、戦闘態勢に入ったレイダー。
 そして、気配遮断を使って動き出した。

レイダー
「敵からの補足なし。
 目撃した人間は、全て異常状態。
 な!なんだ!あのヌメッとした巨人は!
 ち!こちらを補足した?
 そんな馬鹿な!
 私の気配遮断を見破っただと!」

 カザトにも既に見破られているのだが、それはさておき、粘体の黒い巨人に見つかって追跡されるレイダー。
 レイダーは、そのままガス王城に逃げ込んだ。


 その頃、邪神イナゴ(王女)率いるイナゴの軍勢と、デカい触手キノコ、動く触手ヒマワリの部下達が衝突していた。

邪神イナゴ(フェイクの一部の王女達)
「クーソー!
 こうなったら、邪神として私達がフロンダーパを叩きのめして、管理者神になるしかないわよ!
 者共進め~!
 何が異世界怪獣だ!
 人間時代のライバルの外道諸国連合が開発した、怪獣兵器に比べたら赤ん坊以下の戦闘力!

 イナゴ共よ!食っておしまい!
 そして、私達の養分にするのよ!」

 早速適応した、王女達の邪神ライフ。
 さすが、悪魔に(悪魔め!)と言わせた王女達は、ガス国王の軍隊を手に入れるべく動き出した。

 しかし、1つの世界を滅ぼした怪獣達の一角である、キノコとヒマワリ。
 イナゴに、部下達が食われるも、精神を乗っ取って行っているようだ。
 
 ヒマワリの花が光りだした。 
 バッバッバッバッバッバッバッバッバッバッバッバッバッバッバッバッバッ
 種を弾丸の如く飛ばすヒマワリ。
 イナゴの大軍を撃ち落としていく。
 そして、地に落ちた種からヒマワリの軍団がすぐに生まれて出てきた。
 その土地は黒くドロのようになってしまっていた。 

 邪神イナゴが、溶解液ブレスを吐いていた頃、カザトは病変細胞除去魔法陣を試しに全力でヒマワリに撃ち込んでみた。
 
 怪獣になったのは、改造細胞核と呼ばれる特殊逆転写酵素と呼ばれる物質を、大量精算して普段なら遺伝子合体なんてしない遺伝子を、無理矢理合体させる物質を生産する細胞を取り出せれば、とかんがえたのだが…。

 ヒョっぃー!
 
 と、避けたヒマワリ!
 な!
 後ろに小さいサイズのヒマワリが、屋根の上にあった。
 そうか、貴様も別視点から見れるのか。
 そこに、粘体の黒い巨人がこちらを向いて襲ってきた。
 片手に戦士レイダーを持っている。
 うわ~。
 レイダーの奴がオレをガン見してやがる。
 こいつは、ブレーダー王女同様オレを、この世界に勇者召喚しやがった奴らの1人だと判明している。

 手加減はいらないな。
 
カザト
「コキュートス(地獄で眠れ)」
 黒魔法と氷魔法の複合魔法である。
 黒魔法のダークスピアで、滅多刺しにして固定。
 その後、ダークスピア伝いに内部からと、そして外部から急速冷凍を仕掛ける。
 一気にマイナス160℃まで下げるイメージだ。

 だが、粘体の黒い巨人はいきなり、フグの如く膨らんでハリ状の物を展開した。

 あれ?
 右腕のレイダーが、貫かれていません?
 あ!人質ではなかったのか。
 く!食った?!

 粘体の黒い巨人は、レイダーを食ってしまった。
 なるほど、こいつも食人怪獣か。
 詳細鑑定では、こいつは元々ゴーストの怪獣として開発されたのだが、こいつを作った(仮)管理者神見習いは、フェイクと同じく瘴気瘴気を量産していたので、瘴気ばっかり食わされて瘴気怪獣になってしまい、カメラ映りが悪いと言われて廃棄されたらしい。

 あ~。
 だから、フェイクとよく似た根性のレイダーに惹かれたのか。
 ほ~。取り込んだレイダーに瘴気を流し込もうとしているな。
 
 は!( ゚д゚)

 カザトは、怪獣レイダーが誕生してしまうと、気がついて攻撃を開始した。

カザト
「コキュートス!コキュートス!コキュートス!コキュートス!」

 瘴気怪獣の黒い巨人を、黒い氷に閉じ込めたのだが、遅かった!
 みるみるうちに、黒い巨人は縮小していきレイダーの姿になっていく。
 
カザト
「それが、貴様の正体か!
 瘴気怪獣ブラック・レイダー!」

元戦士レイダー
「貴様は、何者だ!
 変な鎧を着た奴め!
 変な名前を付けるな、不敬だぞ!
 我が名はグランド王国 太子であり皇帝になる者 レイダー!
 名を名乗れ!
 鑑定!ハァ?
 冒険者カザト 対細菌兵器兵装エディション?
 く!貴様!冒険者カザトか!
 頭が高いぞ!」

「ワールドアナウンスです。
 登録管理者神の管理放棄により、封印された原初管理者神システムが再起動されました。
 もし、管理者神が復帰されるのでしたら、すぐに原初管理者神が設定したコードナンバーを入力して下さい。
 制限時間は#######(よく聞き取れない)です。
 それまでは、簡易起動モードになります。
 異世界の衝突が確認されました。
 対応して下さい。

 侵入怪獣の名前を登録します。
 デカい触手キノコ。
 粘体の黒い巨人。
 デカいコカトリス。
 どう見てもデカいトカゲ。
 動く触手ヒマワリ。
 デカすぎるヒヨコ。
 そらとぶデカい布?。
 どう見ても、デーモン。
 カメレオン?
 デカい西洋人形?

 です。
 なお、カメレオン?は、冒険者カザト 対細菌兵器兵装エディションによって、討伐されました。
 
 粘体の黒い巨人は、元グランド王国クソ戦士レイダーと共鳴合体を果たして、
 (瘴気怪獣ブラック・レイダー)となったことが確認されました。討伐対象です。」

カザト
「え?俺が名付けた名前、そのまんまじゃん。
 いいのか?
 鑑定での怪獣達の名前の所が、空白だったから適当につけた名前だったけど。」

瘴気怪獣ブラック・レイダー
「ふ!ふざけるな!私は王位を持つもの!
 グランド王国 太子レイダーだ!
 なぜ、ワールドアナウンスに、元グランド王国クソ戦士なんて言われなければならない!」

 いや、お前の行動がクソだからだろ!と言いたかったが、コイツとは話したくもないので、討伐対象になった以上、戦う事にした。
 え?何?あのデカいプロジェクション画面は?!

 空に、映し出された画面にガス王都上空で対峙するカザトと、ブラック・レイダーが映っていた。
 カザトは、仕方なく討伐するという格好をつけるために、詠唱を始めた。

カザト
「おお!この次元世界に原初から存在する基準よ!そして正しき成長を促す力よ!
 この腐った事しか考えずに、貴族に平伏して殺生権を持って当たり前、という認識しか持たずに天の慈悲に対して泥を塗る者共と、それに共鳴する民衆に対して、手遅れになっていますが制裁を加えることをお許し下さい。

 あつまれ。
 この世界を正そうとする力よ!
 セントフィールド!」

 カザトは、力制御や神聖魔法、滅菌魔法陣などを開放して展開する。
 輝く白き雷をともなった霧のフィールドがガス王都上空に展開された。

瘴気怪獣ブラック・レイダー
「なんだ!その祝詞は!
 まるで、私達が悪の限りを尽くしてきたような事を言いやがって!
 クソ忌々しい!
 本当の神聖精霊魔法を見せてやる!
 来たれ、我が下僕なる精霊!
 聖なる場を作れ!
 神聖聖光フィールド!」

 ブラック・レイダーの身体から、黒い者が吹き出してフィールドを作り出し、カザトのフィールドと反発して雷が発生する。

瘴気怪獣ブラック・レイダー
「なぜだ!神聖なる結界がなぜ出来ない!
 なぜ精霊が出てこない!」

カザト
「ライトニング シャンベリン!」

 知ったことか!貴様を倒す!と言う姿勢のカザトが雷の槍を30本展開して、発射した。
 そう、このガス王都には、まだまだ他の怪獣がいる。
 全力でぶつかるわけにはいかない。

 これが第一次異世界衝突怪獣戦 ガス王都編の公式の戦闘開始の合図であった。
 


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