[鑑定]スキルしかない俺を追放したのはいいが、貴様らにはもう関わるのはイヤだから、さがさないでくれ!

どら焼き

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第5章 ついに始まった本当の戦い。

第37話 スイッチが入って起動する。(ゲーム機ではありません。)

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 管理者神ワルドーの介入により、更に凶悪化した、戦闘現場。

 管理者神ワルドーは、(仮)管理者神見習いのフェイクを殴って、上司(天界第四特殊室の室長)に対する謀叛の疑いの、聞き取り調査をしていた。

 管理者神ワルドー
「何故、上司様がなんとか(仮)管理者神見習いにした、他の奴らをぶっ殺した!言え!」

 あ!
 あう!
 こんな返事をすると、すぐに鉄拳制裁するワルドーに、段々とボロ雑巾になっていくフェイク。
 
管理者神ワルドー
「あれ?」
 先程吹き飛ばしたはずのドワーフ城から、魂が登らないことに気がついたワルドーは、ふと、ドワーフ城の方に向く。

 土煙が晴れてきて、自分の放った必殺技が止められた事を知ったワルドー。

管理者神ワルドー
「なんだと! 貴様、何者だ?」

カザト
「ハァハァハァハァ、間に合った、間に合った。
 貴様か、襲撃者は貴様か!
 貴様!あの大邪魔神クラスか?
 いや、うん?管理者神マイネって名乗っていた奴と同じような臭いがするな。
 (こいつ、強い。手加減や制限なんてムダ。全力でやらないと。)」

管理者神ワルドー
「は?ほ~。ホットワードが出たよ。管理者神マイネ!そうだよ!
 今、フェイクを殴って取り調べしても、知らないとかさ言うのよ。
 管理者神特権をもっていて、知らない訳がないだろうが!」

 ドス!
 ワルドーの拳が、ついにフェイクの身体を貫いた。
 身体に穴を開けて、地上に落下するフェイク。

「ワードアナウンスです。
 登録名フェイク(フロンダーパ)の邪神である証拠を獲得しました。」

管理者神ワルドー
「君から、聞き出そうか。」

カザト
「お前から、何を企んでこんな事をしたのか聞か出そうか。」

 ワルドーの口から火炎が発射される。
 しかし、距離を詰めたカザトの右足のつま先が、ワルドーの腹に食い込む。

管理者神ワルドー
「グハッ! ファイナルフロー…」

 その時、カザトの拳がワルドーの正面を捉える。
 ドン!
 ワルドーのブレスが、ワルドーの口の中で暴発する。
 炎を纏った、ワルドーの蹴りがカザトに襲いかかるが、避ける時に抜刀術で足の太ももを斬るカザト。

カザト
「く!硬い!」

 ズバっ!

管理者神ワルドー
「ギャーー!」
 緊急離脱するワルドー。
 息が両者共に乱れている。

管理者神ワルドー
「俺様の、鋼よりも美しい硬い身体が~。
 貴様、何者だ。」

 カザトは、たった一撃で刃こぼれした硬鍛造ミスリルの刀の試作品を収納して、アダマンタイトの大剣と剣の双剣で、かまえる。
 ワルドーも、両手に神気を纏わわせて剣を作り、再び両者が衝突する。

 ここまでの時間。フェイクの地上落下から5分も経っていない。
 
 地上では、動けない天使達が目を丸くして見ていた。
「なんだと。ワルドー相手に邪神でもないのに、あそこまで戦うか?
 何者だ?冒険者カザト?筑紫 風人の事か。
 やはり、奴(管理者神ワルドー)が出てきた以上、この任務そのものが不正なのか。
 く、どうするのだ。
 天界に報告!
 緊急報告!
 運命局の課長達に指令を受けて現地に到着後、作戦を決行しましたが管理者神ワルドーが介入してきました。
 介入報告なんて受けていません。
 この任務そのものが不正の可能性があります。
 なお、確かに運を分離・物質化した物は確認しましたが、今の状態だと不正の任務の可能性があります。
 返信をすぐにされたし。
 返信無ければ、不正の任務とみなして現場から離脱する。」

天界運命局 裏特殊部隊 隊長
「きっ!貴様!何を勝手に通信をしている!」

「では、なぜワルドーの介入予定を隊員達に言わなかった!
 運命局が、知らないということは不正任務って事だろうが!
 運命局が、知らない訳がないよな。」

「隊長。私もそう思います。
 どういうことですか。我々も殺すということだったのですか?」

天界運命局 裏特殊部隊 隊長
「ちっ違う!俺も知らなかったのだ!
 本当だ!本当に知らなかった。」
と、首だけになった隊長が話す。

 それを聴いたトワイライト達は、実はしっかりと録画していた。

 その頃上空では、カザトとワルドーの戦いが、最高潮を迎えていた。

カザト
「(いきなりできた、幽体の身体を組み込んだ身体を動かしたのだから、そろそろ限界だ。
 すぐにケリをつけないと。)
 ハァーーー!
 奥義 硬刃乱舞陣」

管理者神ワルドー
「(クソ!なぜ押されないといけない。
 こいつ、致命傷を狙った必殺のこうげきだけは確実に避けて、仲間に当たらないように着弾地を誘導しやがる。
 く、見切られているわけではない。
 だが、完全に対処されている。
 後の先どころか、後の後の後の先を取られて、足を引っ掛けられて転ばされている感じだ。
 クソ、まるでアイツを相手にしているようだ。
 なにかの根幹の力量が違う。
 物凄いなにかの差がある。
 認めたくね~。
 アイツなら、化け物だと言っては皆納得するが、他は認めたくね~。)
 は~!積尸気よあつまれ。
 冥界に放り込んでやる。」

カザト
「(あ!この感じ、そうだカンターレに加勢した管理者神マイネが…クソおもいだせ無いがこんな雰囲気を持った時に…。とにかくヤバイ技を出すなら、あれからカンターレ対策の為に考えた技をこちらも出してやる。)
 喰らえ、次元振動破壊掌波!」

 カザトは、勇者 ゴン太の秘密スキルを、解析していた時に、ふと思いついて作り出した技だ。
 超音波振動により物体を破壊する機械がある。
 それを、重力が発生させる重力波と、次元の空間を振動させる次元波とを組み合わせて、超音波みたいに、物凄く短く速く振動させるという前に、召喚されて空間魔法を会得した時に一度試したが、納得できるような結果が出なかったのでやめていた技だったが、カンターレみたいな奴が、他の異世界から大邪魔神みたいな奴を召喚するのを阻止する為に、空間を不安定にする目的で再開発したのだ。

 効果は?

管理者神ワルドー
「見せてやる、本物の管理者神である者が使う至高の技を!
 ヘル ゲート…
 ウギャーー!」
 バギン!
 ボキボキ!
 ボギン!
 ガシャ!
 ボギ!
 バギン!
 グシャ!

 効果。
 前面のあばら骨 全骨折
 腰骨 複雑骨折
 背骨 複雑骨折
 大腿骨、及び脚全ての骨 崩壊
 腕の骨 全て粉砕骨折
 頭蓋骨 複雑骨折
 頭部以外の全ての内臓 全起動不全

 喉の骨と、脳の8割はなんとか守ったワルドーは、緊急脱出の神術を使ってフェイクランドの世界から緊急脱出した。

 カザト
「また、逃げられたか。だがやばそうなヤツを放たれるのは阻止できたか。
 まぁ、それで良しとするか。
 あ~~~。」

 カザトが、力尽きて落ちてゆく。
 トワイライト達が、飛んで行ってすぐにキャッチしてもらった。

「ワールドアナウンスです。
 管理者神ワルドーの介入が、確認されました。
 前管理者神様との条約に対する違反が確認されました。
 副管理者神フェイク・フロンダーパの管理者神離脱が、確認されました。
 現在、このフェイク・ランドを以前の状態に戻そうと、死力をつくしている筑紫 風人に対する、冤罪での天界一部局からの妨害が確認されました。
 これは、条約に完全に違反しております。
 よってフェイク・ランド構築条約も、破棄されたと認められました。
 管理者神ワルドーの天界第四特殊室自らによる強制排除の未確認によって、事故ではなく故意に引き起こされたものとみなします。
 
(地球人類・亡命場所拡大計画)
(なかなか反省しない魂達に反省を促す計画)
などの、10の計画は停止します。
 これより、フェイク・ランドは本来の姿に戻ることになります。

 既に、この船を管理するにふさわしい存在の確認はすみました。
 フェイク・ランドは、バトルフィールド オブ ゴッデスアンドゴッドに戻ります。
 ワールドルールは、ある者の希望によりいきなり変えません。
 では、今から元の姿に戻ります。
 ワールドアナウンスでした。」


トワイライト
「え?バトルフィールド?
 条約破棄?
 あ!天使達が逃げる!」

エルシー
「逃がすか!マジックバインド!」
エルファー
「マジックバインド!」

ドワーフ
「く、アダマンタイトの鎖が斬られた!」

 運命局の裏特殊部隊と名乗る天使達は、緊急脱出装置を使って、フェイクランドから離脱したようだが、それをカザトはうっすらと鑑定眼を使って見ていた。
 転移先のマーキングと、内部プログラムを全て複写していたのである。

カザト
「仕方ない。奴らの方が一枚も二枚も上手だったのだろう。
 負傷者の手当を。
 死者は、出たのか?」

ドワーフ防衛隊 副官
「いえ、死者はでていません。
 敵は、撤退しました。」

カザト
「良かった。」
 カザトは、眠りについた。
 その後、メイド服に着替えたメイド隊が後始末に奔走する。

 ドワーフ軍最高司令官でもあるトスカ女王の勝鬨によって、一応の終戦となった。
 一応?
 そう、あの戦いの中で全土放送をして各国に宣戦布告をしていたバカークレー国王の魔導通信放送放送が、爆音と物凄い光と共にプツリト切れてしまい、何度も各国がバカークレー国王に魔導通信で問いかけても、誰一人応じないのだ。
 そして、沈黙を続けている。
 なので、頭が物凄く痛いトスカ女王が豪雨が止んだ後に高速騎兵隊を国境の山頂に派遣して、様子を見させるが…

 国境付近は、デカイクレーターがあるだけだった。
 一応、煽って人を出させて誰かいることを確認する為に、太鼓などをまた持ってきて叩かせたが、誰も何も反応がない。

 文字通り、ネコすら出てこない。
 それでも、一応の区切りをつけないといけないので、魔導通信でのライブ放送で頭痛を押してトスカが勝鬨をあげた。

 今は、トスカはカザトと同じ部屋でトワイライト達に看病を受けていた。
 どうも、カザトが戦闘に出た時から、キスカもトスカも頭痛で変調をきたしたらしい。
 マーベルとメーベルが、キスカの看病にマトの街に向かった。

 ガコン!
 ガコン!
 ガコン!
 ゴーーーン!

 フェイクランドの地下から、なにかの音が絶え間なく続く。
 そして、次の日な各国の国境に準ずる、感覚でなにかの線が、確認された。
 まるで、ガス王都周辺を起点にしたスタジアムみたいに…。

 
 


  
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