[鑑定]スキルしかない俺を追放したのはいいが、貴様らにはもう関わるのはイヤだから、さがさないでくれ!

どら焼き

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第5章 ついに始まった本当の戦い。

第53話 フェイクのイメージチェンジ作戦と、想定外のバトル発生。

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 カザトが、起きるのを待っていたかのように、動き出すバトルフィールド(旧フェイクランド)。

 なんと、メインの出場選手が揃うまで、予選を始めると、バトルフィールド アナウンスが、全員一斉通知を出した。

メイン戦出場権勝ち取り予選
第一回戦予定表
1.ガス国王侵攻軍vs旧グランド王国エルフ軍
2.旧ニャントゥ王国軍vs旧アッガローンス国王貴族軍
3.不倫ガス国王妃を頭領とする悪徳令嬢軍vs前ドワーフ国王軍

 なんだそりゃ!
 人民どころか、国王までが突っ込む編成である。

ガス国王(完全体)
「ハァ?あの不倫女!まだ生きていたのか!」

不倫三昧のガス国王妃
「クソ!やっと軍団を作って、奴ら(ガス国王達)がいないこのチャンスに、邪神様に頼んで軍を作り、ガス王国を乗っ取ろうとしていたのに!なぜ戻ってきた!」


 しかし、もっと酷い所が…。
 この対戦表が出た時に、別の異世界が衝突したのだが、その時にその異世界から行方不明だった本物のニャントゥ王国の女王が降ってきた。

 親戚なのだから、結構そっくりな女王の影武者(ニャンゲ)と、本物のニャントゥーン女王。
 そして、明かされるフェイクによって異世界に無理矢理に勇者として行かされたという事実。

 そして、ニセ女王を辞めたくない影武者のニャンゲと、このバトルフィールドのルールを聞いて、フェイクと戦えるチャンスだと気がついた前女王は、女王に戻る事にして対戦することになった。

「バトルフィールド アナウンスです。
 大会予選前に、旧ニャントゥ王国の代表選が行われる事になりました。
 よって、全ての予定を後回しにして、旧ニャントゥ王国の代表選が、行われます。
 これは、バトルフィールドでの戦闘状の使い方などの参考にするためのエキシビションマッチのサブとして行われます。」

 そんなアナウンスが流れた。


 その頃、フェイクはニャントゥーンの女王が生きて帰ってきたのに、冷や汗が流れしていた。

 食料穀物をすぐに実らせろ?
 雨を降らせろ?
 嫌だね!なんて言うつもりだったのに、降らせられないのだろ!なんて言ったニャントゥーンにムカついて、少し前に来ていた召喚勇者募集に無理矢理ニャントゥーン女王を押し込んで、向こうの異世界の管理者神(見習いであった)に恩を売る事に成功!邪魔者排除成功!
 ま~!なんて私は賢いのかしら!
 なんて言っていたフェイク。

 しかし、それがバレた。
 信仰カウンターが激減している。

 部下天使Dの首を無意識に掴む。

部下天使D
「あ、あう~、フェイク樣、これはチャンスです。チャンスですよ!
 しばらくの間は、予選に皆没頭します。
 その間に、冒険者カザトを獲得するのです。」

 フェイク(フロンダーパ)は、部下天使を地面に叩きつけて、
「何がチャンスだ!いい案があってこそチャンスだろうが!」と、物凄く久しぶりに真面目に言う。

部下天使D
「冒険者ギルドを、人質にするのです。
 前みたいな、金槌を捻るなんて緩い警告なんていりません。
 バトルフィールドの予選があるなら、戦力増強前哨戦とか、あるはずです。
 つまり、今です!
 そして、冒険者ギルドに冒険者カザトとの会談の設定をさせるのです。

 後は、フェイク樣次第です。」

フェイク(フロンダーパ)
「私次第?
 ふざけるな!
 話のネタなんて無い!
 私は、高貴な存在でありそれに従って、命令するだけ!
 案があるなら言え!
 無ければ、1人づつ消す!」

部下天使B
「フェイク樣、カザトを籠絡するべきです。」
部下天使C
「最終兵器を使うしかありません。
 躊躇することなく、ご決断下さい。」
部下天使D
「誰が言おうと、同じ結論。
 黙っていれば、天界でもレア美貌。
 しかし、それが通じるのは下界のみ。
 今が使う時!」
部下天使E
「黙っていれば、傾国の美女。
 その証明に、フェイクランドはボロボロ!
 その穴埋めに、今こそ美貌を使うべし!」
部下天使F
「おい、遠回りしに言っても、わかってないぞ!
 ハァ、フェイク樣。
 冒険者カザトを、色欲で籠絡するしかありません。
 今から、この伝説の教本[男性が喜ぶ○ん○い行為]や、この伝説の18禁PCゲーム厳選10をやって、研究するのです!」
部下天使G
「それは、貴様の趣味だろうが。
 まずは、この[SM教本]を読むのです!」
部下天使H
「カザトの性癖を、誰か調べてこい!
 とりあえず、覚悟を決めてもらいます!」

フェイク(フロンダーパ)
「お前ら、この高貴な私に何をさせるつもりだ!」

部下天使B
「負ければ、(仮)管理者神見習い達と同じく処刑の可能性が大。
 隷属なんて嫌でしょ?
 既に、バトルフィールドがあるので、逃げられない。
 決めましょう!
 自殺か、嫁入か。」


 結局、部下天使にまで既に策がないことを責められて、カザト籠絡作戦に同意したフェイク。
 それと、同時に他の美女を探す部下天使。
 そして、フェイクのイメージアップの嘘情報を流す部下天使。

 そんな時に、ついに始まった
[旧ニャントゥ王国の代表選]。

 その戦いは、衝撃的であった。

ニャントゥーン前女王
「この裏切り者め!
 異世界での無茶苦茶な戦いをくぐり抜けた私の女王たる力を見せてやる。」

ニャンゲ影武者女王
「うるさい!貴様が消えた後のニャントゥ王国を支えた、私の苦労を踏みにじりおって!
 私は、商売で立て直していたのだぞ!
 貴様は、他国から輸入するとか、考えなかったのか!
 チッチッチッチッ!
 貴様は、親戚ながらダメ!
 あのホビット大王並みの考えだ。
 そして、本来なら私の家系が女王にふさわしいと証明したからこその他の大臣達の支持の声だ!
 さっさと、負けを認めろ。」

「バトルフィールド アナウンスです。
 罵り合いのリングパフォーマンス タイムは終わりました。
 でははじめ!
 決着がつかなければ、他の勢力に強制吸収です。」

ニャンゲ(影武者女王)
「ハァ?討論して決めるのだろ?」

ニャントゥーン前女王
「キャットクロー!」

 ニャントゥーンの爪が伸びて膨れ上がり、ニャンゲにひっかくように斬撃を放つ!

 スパンッ!
 ニャンゲが、全力で避けるとそこに爪痕の如く、土がえぐれる。

ニャンゲ
「催眠光線!」

 光線と言っても、円状の拡散放射で逃げる場所がない。

ニャントゥーン
「仕方ない。後4つある変身の一つを使うか!
 フンヌ~!」

 ポン!
 あれ?姿は変わっていないよな?



 ドワーフ城 大食堂
 カザト食事中

 そこで、カザト達は大型魔導珠の投影映像で、この戦いを見ていた。

カザト
「うわ~!マジで変身した!」

ドワーフ近衛騎士団長
「え?変わっていないとしか見えませんが?」

トワイライト
「いえ、物凄くオーラの量が増えました。」

トスカ女王
「魔力を纏って、身体強化の更に上に強化もされてますね。」

マーベル
「あ!あれだ!尻尾が一本増えてる!」

カザト
「猫又?」


 
 
結果
 切り札のバーサーカースキルを、使ったニャンゲは互角にニャントゥーン第2形態と戦う。
 しかし、火力は互角。
 ニャンゲは、勝つために狂人薬を使い、パワー出力を上げて、本当に狂ってニャンゲに攻撃する。
 しかし、ニャントゥーンは第3形態になった。尻尾が3本だ。

 そして、スタミナ切れのニャンゲを捕まえてボコボコにした。

ニャントゥーン
「さぁ、よく叩いて柔らかくしておきました。
 では、異世界での苦行の成果の一部をお見せしましょうか。
 好爆吸引!(吸い込んで食ってやる)」

ニャンゲ
「え!いやーーー!たすけて~!」

 ニャンゲは、ニャントゥーンの大きく開いた口に吸い込まれて行った。

バトルフィールド アナウンス
「勝者 ニャントゥーン」





 カザトは、黙って見ていた。
 
トスカ女王
「旦那樣、あの技わかりますか?」

カザト
「こうだろな。」
 と、右手を開いて色付きの空間のムチを出して、少し離れたテーブルの上の鉄製の造花を瞬時に空間圧縮でミニサイズにして、右手のひらに乗せる。

カザト
「そして、胃の中で少しづつ消化か。全て、全自動での挙動でやっていたから、スキルだな。」

 トスカ女王も騎士団長も、啞然とする。
 トワイライト達もそれを見て、やはりカザトに何かあっと確信して、後で聞くことにした。


 フェイクサイド

フェイク
「あ、あれは![暴食全食い]スキル!の内の一つ好爆吸引!(吸い込んで食ってやる)の技だ!
 や、ヤバイ!あれは、食って消化した奴のスキルを10%の確立で会得する。
 なんてスキルを付与しやがった!
 あれは、付与禁止のスキルだろーが!」

 フェイクの記憶によると、結界ごと胃に移転するので、フェイクですら危険な状態にさせられるスキルらしい。

 冷や汗を流しだしたフェイク。
 部下天使たちは、危険なスキル辞典なんて物を取り出して来て、調べた。
 たしかに、付与禁止スキルだ。
 その理由は、最後に相手のスキルと意志を取り込みすぎて、自分の自我すらなくなるからである。

部下天使D
「もはや、あなたの美を使うしかないのです。」

フェイク
「うっう!わかった。カザトの性癖を調べてこい!
 それから、私に似合うドレスを用意しろ!
 わかったよ!
 たらしこめばいいのだろ!」

 フェイクが、謎の決心をした瞬間であった。

 だが、フェイクは失念していた。
 似たりよったりの母親や、姉妹がいることをすっかり、忘れていたのだ。


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