[鑑定]スキルしかない俺を追放したのはいいが、貴様らにはもう関わるのはイヤだから、さがさないでくれ!

どら焼き

文字の大きさ
304 / 334
第5章 ついに始まった本当の戦い。

第52話 ガス国王再誕?知るか!こちらは忙しいんだよ!5

しおりを挟む

 カザトは、考え込んでいた。
 無茶苦茶な論理ばかり言う、各国の首脳。
 それを、平気で肯定するテレビ番組のコメンテーター。

 絶対、何か企んでいるだろうが。
 カザトが入っている少年も、同じ感想だ。
 それが、昨晩の国際会議の内容だった。
 今朝、村長ポプランと副村長はでかけた。
 そして、留守番の義姉達と少年1人。

 もう、カカシ替わりの戦闘ロボットで、いかにも村に人がいるように見せかけていたが、少年達だけしか村民はいない。

 そろそろ、村長たちが高速ジェット機で講和会議場に着いた頃だ。
 テレビをつける。村長達が飛行機から降りてくるのが中継されていた。

 それが、30分前の映像らしい。
 なぜ?
 なぜ?30分も前の映像を出す?
 普段なら、ライブ中継なのになぜ録画?
 そして、アナウンサーの女性の顔が青い。
 おかしい!

 その時だ!
 ウ~~~~~!

 村の街道の入り口の砦のサイレンがなる。
 野盗か!
 これまで何度か襲撃が来たが、また来たのか?

 ドーーン!
 砦の方から、キノコ雲が出現した。
 同時になる、村の本部サイレン。

 ドドドドドドドドドドドドドドドドド
 対地戦闘ヘリが、60機襲ってきた。
 バルカン砲を乱射してきた。

 あれは!外道三昧の国々が作った、バイオモービルスーツ!
 そして、小巨人族の諸国連合の改造人間部隊!
 ハァ?
 戦争をやっていた部隊が、仲良くこの村を襲ってきただと!

 そして、ホログラムが投影される。
「暇だから、暇つぶしにぶっ殺しに来てやったわよ!
 叫べ、血を吹いて踊れ!」

カザト
「こ、こいつ!まさか!」
 カザトが、見た事がある顔が並んでいた。

 降伏?そんなものは無い。
 一方的な殺しのみだ。

 ドーーン!
 義姉達が、小年の身代わりに吹き飛ぶ。
 少年は、慌てて義姉達が動けない事をいいことに、前に作っていた宇宙船の脱出艇に怪我をした義姉達を放り込んで、偽装装置を起動させる。

 土煙が晴れるまでに、なんとか起動させてつちを被せる。

 義姉のビィオラ達と、バイオモービルスーツの戦闘が始まっていた。
 なんとか、時間を稼がないと!
 宇宙脱出艇の偽装装置の起動まで、時間がかかる。
 ドス!
 少年の拳が、機械化改造された特殊部隊の胸を貫通した。
 人と殺し合う経験があまりにもなかった少年は、留守番をしたがそのせいで殺し合いに巻き込まれるとは。
 いや、それは間違いだ。
 この世界全てが、コイツラの野望に巻き込まれてしまった。

 相手側の兵士が人体改造されており、生身でなかったのがよかったのか、全く忌避感がなかった少年。

 少年は。自分が修めた武術と力を開放した。



 ビーム砲や、ファイヤー系など、入り乱れる戦場。
 次々と倒れる義姉達。
 爆破されたバイオモービルスーツが10機。
 機械化改造特殊部隊の残骸300機(体)。
 
 動けるのは、もはやビィオラ義姉と少年のみ。

 それを見ていた、そらとぶ指令艦からのホログラムで顔を歪ませて見ている小巨人族の王女達のクソ共!

 カザトは、奴らがどんな事をしてきたのか見ていた。
 ビィオラ義姉が、最後の魔力を使って自爆するから逃げろと少年に言う。
 少年は、首を横にふる。
 逃げ道なんて、もう無い。
 義兄達と約束したように、死んでも戦うと言った。

 残ったバイオモービルスーツが、自爆装置を起動させて残り10機全てやってきた。
 そして、残りの機械化改造特殊部隊20機(体)も、デススイッチをもって、特攻してきた。

 少年も限界が来ていた。
 実は、もう足が動かない。
 ふと、見るとエルフの双子の義姉の胸が動いていた。
 そして、よく見ると瀕死だが呼吸している者がまだいた。
 生きている!
 飛び手刀を放ち、特殊部隊10を撃破!
 デススイッチが入り爆風が起こり、バイオモービルスーツを巻き込んで爆発する。
 残り、バイオモービルスーツ5機と、機械化改造特殊部隊9機!
 機械化改造特殊部隊1機は、自爆に巻き込まれた。

 ビィオラ義姉が最後の攻撃をする。
 バイオモービルスーツの攻撃と相討ちになった。
 大爆発が起こる。
 その瞬間に、少年も機械化改造特殊部隊を全滅させて、残った生命力と仙気と光気などを振り絞り、[絶気]の結界を、少年の身体が崩れて息のある義姉達の投げ出された上に覆いかぶさった時に、発動させた。

 [絶気]の結界は完全な気配遮断。
 困ったことに、赤外線などや、味方同士の念話すら遮断するので、使いどころがなかった開発した技だった。

 少年は、村人1人でもこの戦争の中で生きていたら、俺達の勝ちだと思って倒れ意識が無くなった。

 それをしっかりと、この義姉達は見て聞いていた。
 そして、拾われて村の一員になったネズミ達も見ていた。

 外では、怒鳴っているクソ小巨人族の王女達。

 少しして、[絶気]の結界が解けてしまった。
 だが、義兄の副村長達が帰ってきた。
 ブチギレる副村長。
 そして、援軍のバイオモービルスーツ100機や、機械化改造特殊部隊500機は全滅する。

 それを、身体から離れる魂となって見ていた少年は、上に登って行ったはずだった。




 が!しかし、それで終わりではなかった。
 冤罪をふっかけられたのだ。
 地獄に行くことになった少年。
 裁判なんてなかった。

 そこには、黒く染まった機械化改造特殊部隊や、怪獣やモンスターやバイオモービルスーツの元になった、人造モンスターの魂などがあった。

 襲ってきた異形の者共。
 少年は、地獄でも戦うことにした。
 死んでも戦う。
 その実行である。 


 どれだけ戦ったのだろう…。

少年
「シャッハッ!」

 ドサリッ!
 たった今、この地獄を統括する20の王の内、最後の自称・地獄王を倒した。
 掌底で、神気を撃ち込み粉々にしたのだ。

 そして、王の座っていた玉座の後ろの扉が開く。

 円形の広場。
 全ての扉が開いた円形広場。
 内側からは開けられない。
 だからこそ、外の自称・地獄王を倒して開けないといけない。

 それで、全ての自称・地獄王は討伐した。
 円形広場の中央にデカイオーブをはめた器型の台座が床からせり出てきた。

 あ!
 まさか…これは?

黒き地獄の核(コア)
「あなたは、全ての地獄の王を討伐しました。
 この第✱✱✱✱✱✱✱✱✱✱✱✱号地獄は、あなたのものです。
 真地獄王に登録されますか?」

少年
「お断りだ。さてと生き返るのには、どうすればいい?」  

黒き地獄の核(コア)
「幽体を濃縮して魔神化すれば、肉体を作ることができます。
 生き返るのには、天界の許可がいります。
 しかし、今の天界はそういった蘇生を地球魔導怪獣大戦以後、許可しておりません。」

少年
「なんだ?地球魔導怪獣大戦?
 どういう戦争だ?」

黒き地獄の核(コア)
「あなたが死んで、冤罪と裁判無しでこの地獄に入れられたきっかけとなった戦争です。
 派手にやりすぎて、無理矢理管理者神達に停止させられました。」

少年
「で?俺の住んでいた村は?」

黒き地獄の核(コア)
「残ってはいました。
 しかし、その後の大陸間の地殻移動で、山になり海の底になり、かつての土地は一部を除いて全て姿を変えました。」

少年
「生き残った者は?」

黒き地獄の核(コア)
「隕石の雨が降る前に、ほとんどの者は異世界に移民しました。
 一部は、他の惑星に移民しました。
 そうだ、他の惑星に移民した者の人口比は、あなたのいた村の者が、多かったですね。
 しかし、太陽系の拠点には今はいません。
 時々、様子を見に円盤型の偵察機で見に来ているようです。」

カザト
「(え、円盤型?? まさかな~。)

少年
「地球に、最後までいた者はいたのか?」

黒き地獄の核(コア)
「あなたのいた村の勢力と、敵対していた国々の中で、捨てられた人はいました。
 全員死亡しました。
 しかし、元あなたの村の人員1人は最後までいました。」

少年
「い、いたのか!」

黒き地獄の核(コア)
「はい、いました。
 最後まで、地球が溶岩で覆い尽くされれても戦っていました。
 そして、ついに空間が耐えられなくて割れてしまい、地獄に墜落して行きました。
 今でも生きてます。」

少年
「ど、どうすれば会える!この地獄ではないのだな?
 どこの地獄だ!」

黒き地獄の核(コア)
「この地獄の隣の地獄に今はいるみたいですね。
 しかし、会うにはこの地獄を浄化しないといけません。」

少年
「お前を浄化すればいいのだな?」

黒き地獄の核(コア)
「はい。統一した地獄の王よ!
 浄化によって真の地獄の王になる者に祝福を。」

 少年は、黒き地獄の核(コア)に手を当てて中の瘴気を始め全ての地獄という地獄のモノを浄化して行った。

 そして、ポンッとある高次元空間に出た。
 眼の前に、デカイ黒い大きな球の形をした世界があった。
 別の地獄だ。
 地獄にヒビが、少しづつ入っていった。
 そして粉々に割れて行き、そこにかつての義兄が黒き地獄の核(コア)をもって現れたのだ。



 
 ガバッ!

 カザトは、起きた。
 え?え?もう終わりなの?
 カザトは、そこが精霊の館(城)だと確認する。
 心配そうなトワイライト達が側にいた。
 そして、泣かれた。

 あれ、オレどれくらい寝ていた?
 3日間である、が、物凄く頭の脳味噌がフル稼働していて、もうすぐ危険なので起こそうとしていたらしい。

 腹がなった。
 だけど、何故かトワイライト達がいてくれて良かったと思ったカザトは、風呂に入って汗を流して食事をした。

 あの地獄浄化による地獄蒸発の後…
 クソ、すっごく楽しく何かやっていたのだけど…思い出せん。
 あ、トワイライト達が半目で見ている。
 どこから説明すればいいのやら…。

 まぁいいか…。
 久しぶりの団らんに、物凄くホッとして何をしていたのかを話すカザトであった。
 
 
 


 
 

 
しおりを挟む
感想 20

あなたにおすすめの小説

少し冷めた村人少年の冒険記 2

mizuno sei
ファンタジー
 地球からの転生者である主人公トーマは、「はずれギフト」と言われた「ナビゲーションシステム」を持って新しい人生を歩み始めた。  不幸だった前世の記憶から、少し冷めた目で世の中を見つめ、誰にも邪魔されない力を身に着けて第二の人生を楽しもうと考えている。  旅の中でいろいろな人と出会い、成長していく少年の物語。

攻撃魔法を使えないヒーラーの俺が、回復魔法で最強でした。 -俺は何度でも救うとそう決めた-【[完]】

水無月いい人(minazuki)
ファンタジー
【HOTランキング一位獲得作品】 【一次選考通過作品】 ---  とある剣と魔法の世界で、  ある男女の間に赤ん坊が生まれた。  名をアスフィ・シーネット。  才能が無ければ魔法が使えない、そんな世界で彼は運良く魔法の才能を持って産まれた。  だが、使用できるのは攻撃魔法ではなく回復魔法のみだった。  攻撃魔法を一切使えない彼は、冒険者達からも距離を置かれていた。 彼は誓う、俺は回復魔法で最強になると。  --------- もし気に入っていただけたら、ブクマや評価、感想をいただけると大変励みになります! #ヒラ俺 この度ついに完結しました。 1年以上書き続けた作品です。 途中迷走してました……。 今までありがとうございました! --- 追記:2025/09/20 再編、あるいは続編を書くか迷ってます。 もし気になる方は、 コメント頂けるとするかもしれないです。

最低のEランクと追放されたけど、実はEXランクの無限増殖で最強でした。

みこみこP
ファンタジー
高校2年の夏。 高木華音【男】は夏休みに入る前日のホームルーム中にクラスメイトと共に異世界にある帝国【ゼロムス】に魔王討伐の為に集団転移させれた。 地球人が異世界転移すると必ずDランクからAランクの固有スキルという世界に1人しか持てないレアスキルを授かるのだが、華音だけはEランク・【ムゲン】という存在しない最低ランクの固有スキルを授かったと、帝国により死の森へ捨てられる。 しかし、華音の授かった固有スキルはEXランクの無限増殖という最強のスキルだったが、本人は弱いと思い込み、死の森を生き抜く為に無双する。

男女比がおかしい世界の貴族に転生してしまった件

美鈴
ファンタジー
転生したのは男性が少ない世界!?貴族に生まれたのはいいけど、どういう風に生きていこう…? 最新章の第五章も夕方18時に更新予定です! ☆の話は苦手な人は飛ばしても問題無い様に物語を紡いでおります。 ※ホットランキング1位、ファンタジーランキング3位ありがとうございます! ※カクヨム様にも投稿しております。内容が大幅に異なり改稿しております。 ※各種ランキング1位を頂いた事がある作品です!

修復スキルで無限魔法!?

lion
ファンタジー
死んで転生、よくある話。でももらったスキルがいまいち微妙……。それなら工夫してなんとかするしかないじゃない!

S級冒険者の子どもが進む道

干支猫
ファンタジー
【12/26完結】 とある小さな村、元冒険者の両親の下に生まれた子、ヨハン。 父親譲りの剣の才能に母親譲りの魔法の才能は両親の想定の遥か上をいく。 そうして王都の冒険者学校に入学を決め、出会った仲間と様々な学生生活を送っていった。 その中で魔族の存在にエルフの歴史を知る。そして魔王の復活を聞いた。 魔王とはいったい? ※感想に盛大なネタバレがあるので閲覧の際はご注意ください。

猫好きのぼっちおじさん、招かれた異世界で気ままに【亜空間倉庫】で移動販売を始める

遥風 かずら
ファンタジー
【HOTランキング1位作品(9月2週目)】 猫好きを公言する独身おじさん麦山湯治(49)は商売で使っているキッチンカーを車検に出し、常連カードの更新も兼ねていつもの猫カフェに来ていた。猫カフェの一番人気かつ美人トラ猫のコムギに特に好かれており、湯治が声をかけなくても、自発的に膝に乗ってきては抱っこを要求されるほどの猫好き上級者でもあった。 そんないつものもふもふタイム中、スタッフに信頼されている湯治は他の客がいないこともあって、数分ほど猫たちの見守りを頼まれる。二つ返事で猫たちに温かい眼差しを向ける湯治。そんな時、コムギに手招きをされた湯治は細長い廊下をついて歩く。おかしいと感じながら延々と続く長い廊下を進んだ湯治だったが、コムギが突然湯治の顔をめがけて引き返してくる。怒ることのない湯治がコムギを顔から離して目を開けると、そこは猫カフェではなくのどかな厩舎の中。 まるで招かれるように異世界に降り立った湯治は、好きな猫と一緒に生きることを目指して外に向かうのだった。

少し冷めた村人少年の冒険記

mizuno sei
ファンタジー
 辺境の村に生まれた少年トーマ。実は日本でシステムエンジニアとして働き、過労死した三十前の男の生まれ変わりだった。  トーマの家は貧しい農家で、神から授かった能力も、村の人たちからは「はずれギフト」とさげすまれるわけの分からないものだった。  優しい家族のために、自分の食い扶持を減らそうと家を出る決心をしたトーマは、唯一無二の相棒、「心の声」である〈ナビ〉とともに、未知の世界へと旅立つのであった。

処理中です...