[鑑定]スキルしかない俺を追放したのはいいが、貴様らにはもう関わるのはイヤだから、さがさないでくれ!

どら焼き

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第5章 ついに始まった本当の戦い。

第67話 エキシビションマッチは、まだやる気らしい。


 パスン!

 カザトの抜き手が、管理者神ゲルドーの喉から首を貫通して、抜けた。

 とてもそんな音には聞こえない音。
 何故か!
 それは、同時に管理者ゲルドーの切り札の空間結界が弾けたから。


 それと同時に、ウロクルタメ特戦隊とトワイライト達が衝突する。
 
カザト 
「ア、ヴヴヴヴヴヴヴヴヴガガガガ。」

管理者神ゲルドー
「ウが…、アァァァァァァ。」

 管理者神ゲルドーは、なんとか離脱して首を集中して再生させる。
 ほんの少しカザトの攻撃が弛んだ隙をついて脱出したのだが、限界が近い。

 カザトは、とっくの昔に限界なんて超えていた。
 魔法無し、ほとんど力を使えないで徒手空拳のみで管理者神ゲルドーと戦っていたのだ。
 
管理者神ゲルドー
「ぐ、ゴハッ!
 ハァハァハァ、やっと治ったか。」

(ゲルドー視点)
 空を浮く管理者神ゲルドー。
 上からの攻撃が絶対有利なのに、この男は足の踏み込みのみで、空気との衝撃波を出して空を駈け上がってきやがった。
 こんな事が、できる奴らは限られていた。
 そして、かつてそれをやりやがった集団に敗北したのを思いだしてしまう。
 怯えるわけにはいかない。
 冷静に分析すれば、するほどかつての敗北のデーターと、今の目の前の人間が魔力などほぼ無しでここまで自分を追い詰める存在なので、普通は撤退する。

 あの敗北は、もう少しで殺せるなんて、皆が判断していた相手を限界以上に戦わせて、その度に相手は限界を超えていき、あの少数コミュニティに大敗した。

 その時は、自分は他の同僚を身代わりにしてなんとか離脱した。
 しかし、今回は…、クソ、なんだ?
 管理者神ゲルドーに、カザトが攻撃を仕掛けた。

 裂波脚!
 真空を発生させる蹴り技なのだが…。
 
バン!

 ゲルドーの切り札の空間結界がなくなったせいなのか、恐ろしい威力の真空の刃が来た!

 ドサ!

 下を見ると自分の右腕がある。
 何かが右から抜ける感覚が…。
 ペインブレーカーの魔法をかける。
 痛覚遮断。
 そして、再生開始。
 腕を回収する間に、攻撃を食らえば終わりだ。
 回収が、出来ない。
 魔力を使えるようになった途端に…
 
 ゲルドーは、ふと気がついた。
 魔力や、神気、戦気、闘気、など感知していない。
  そして、相手が目に見えて異常になっていた。

 カザト
〔ここは?どこだ!〕

 ハァ?
 おい!コイツ!今、何語を喋った?
 
カザト
〔貴様! ゲルドーか!
 懐かしいのやら。
 しばらく見ないうちに、外道になったな。〕

 ゲルドー
〔なんだと、貴様何者だ!〕

 ゲルドーは、もう使わなくなった言語を久しぶりに使う。

カザト
〔ふ~、ボケたか。
 俺が、あ~、思い出したよ。
 そうか、ふ~。
 今の俺が限界の果ての扉を開けたか。
 いいだろう。
 あれから、貴様らに送り込まれた地獄を浄化した俺と、明らかに外道ライフをエンジョイしていたお前のどちらが強いか、決めようか。〕

 ゲルドーの前のカザトは明らかに雰囲気がかわり、物凄く落ち着いて静かになった。
 別に、普段のカザトがうるさい系というわけではない。

 ゲルドーは、下に降りて腕などを回収して、回復させる。
 ラーソ(ポーションの名前、伝説のラーソ酒とは別物)を飲んだ。
 目の前の相手が、どんどん変わっていく。

 だが、邪魔がきた。

 フェイクの姉達が、カザトを背後から音も無く襲いかかる。

 気がつけば、カザトの裏拳が王妃のアゴをずらしていた。
 裏拳の拳風に巻き込まれて吹き飛ぶ王妃達は、弾丸のように飛びフェイクの左腕を吹き飛ばして、視界から消えた。

 ドサリ!
 ビックリした顔のフェイクが、倒れる。

 ゲルドーは、一世一代の博打を打つことにした。
 いや、あの大戦の時は散々打っていたなと、思い出して恥をすてた。
 
管理者神ゲルドー
〔食らえ!〕
 ゲルドーは、自爆を使った。
 しかし、使ったのに目の前に既にカザトがいた。

カザト
「◀◁>✢▷#✥…(変換不能)」
〔昇浄化〕

管理者ゲルドー
「ゲピョ…。」

 ゲルドーの身体が真っ白な灰になり、崩れて消えた。

 その白い灰というか、ゲルドーだったモノをずっと睨んでいるカザト。

 それをボー然と見るしかないウロクルタメ特戦隊。
 勝負は、決した。
 ウロクルタメ特戦隊 隊長は、緊急事態用の脱出装置を押した。
 しかし、転移できなかった。
 なら、あのバリアをなんとか突破するのみ!
 しかし、バリアの前には!
 既にトワイライト達や、エルフメイド隊がいた。

 バラバラになった隊長。
 墜落していく隊員達。
 トワイライト達は、風で隊長や隊員達を一箇所に集めて、火災旋風(炎の竜巻)で焼いた。

 カザトが、フェイクの方を向く。

 その時、バリア(隔壁)が発生する。
 
バトルフィールド アナウンス
「ここに、管理者神ゲルドーとウロクルタメ特戦隊の敗退により、勝者〔チームカザト〕。
 これにて、エキシビションマッチ サブは終わりました。
 引き続き残りの予選フェイクvsガス魔王軍です。」

 カザトの後ろにトワイライト達が来ていた。
 カザトは、無言で倒れ込んでいき、トワイライト達は第7の試練の塔に転移で戻って行った。


 第7の試練の最上階。
 カザトは、寝ている。

トワイライト
「管理システムさん?
 ここで、カザト様は休んでいいのですね?」

 「○」とだけホログラムで映し出される。
 トワイライト達は、亜空間庫からベットを出してカザトを寝かして、調理を始めた。


 その頃、バトルアリーナでは。

 ガス魔王が、地面に埋まっていたところから、顔を出して辺りを確認する。

ガス魔王
「ホッ!」

魔王 ゴン太
「ウ、く、なんだよ!クソ!」
 ホビット族の大王の娘の魔導師団長に、散々、責任を問い詰めて地球に転移させようとしたが、なかなか強情な奴で帰還転移すらしようともしなかった魔導師団長を、身体の中に封印したゴン太は、どうすれば良いのか途方にくれる。

 だが、氷漬けになったブラック・レイダーを見て、コイツならどうにかできないのか?と、向かおうとしたゴン太の足を掴んで引っ張るのは、フェイクの姉王女Aに乗っ取られそうな状態の、ブレーダー王女と、王女Bに乗っ取られかけているガス宰相。
 
ブレーダー王女
「助けろ!」

ガス宰相
「頼む」

 そうだ、フェイクの一部なら帰り方を知っているはずだ!

 そこに、王女Cにほとんど乗っ取られているガス先王が、のたうち回っていた。

 ガス魔王も、どうすればいいか困っていた。

魔王 ゴン太
「一度取り込んでから、分離して吐き出すしかないぞ。」

ガス魔王
「確かに。それしかあるまい。
 たが、ブレーダー王女はそうは行くまい。
 こいつには、カザト籠絡の使命がある。
 フェイクの一部のフェイク樣。
 そのブレーダー王女には、あのカザトを籠絡しないといけない義務と使命があります。

 どうか、暴れないでよくおきき下さい。
 失敗すれば、我々は破滅です。」

 ピタリッ!
 と、ブレーダー王女を侵攻する手が止まった。

 しかしガス宰相は、止まらない。

魔王 ゴン太
「仕方ない。」

 ゴン太が手を伸ばそうとした時、フェイクの部下天使が襲って来た。
 しかし、それを殴り飛ばしたのが、いつの間にか動き出していたブラック・レイダー。
 だが、さらにその後ろに、大きく口を開けた王女Dがレイダーを飲み込む!

 一瞬の事であった。
 だが、ブラック・レイダーの方が強かった。
 一瞬でブラック・レイダーに変わる王女D。

ブラック・レイダー
「フフフフフフフフフフフフ!
 喜べ!ゴン太!後は、みんなで地球に行くだけだ。」

 レイダーは、フェイクをみる。
 フェイクは、再生してたちあがっていた。
 
フェイク
「貴様ら…。」

ブラック・レイダー
「フェイク樣。うるさいお姉様は封印しました。
 ブレーダー王女の中の王女A様も、地球に行くことに合意しているはずです。後は3人。」

 ガス先王と、ガス宰相にその場の者達の視線が集まる。

フェイク(フロンダーパ)
「あのクソ王妃は?」

魔王 ゴン太
「そ、その。早すぎて、どこに飛ばされたのか、見えませんでした。」

ガス魔王
「わしも見えなかった。見えました?」

フェイクの部下天使
「いや、わたしたちにも見えなかった。」

フェイク(フロンダーパ)
「ハァ。まぁいいか。
 どうする?
 コイツの失敗が、今回の計画の失敗の素だよな。
 なぁ?ガス先王か?
 貴様に、次の勇者召喚計画の下準備をしろと言ったが、全く出来ていなかったな。
 そして、人材の育成すらしていなかった。
 しかも、今の勇者達を怒らせる施策ばっかりだったな。
 責任を取ってもらおうか。」

ガス先王
「あう~。
 乗っ取られる。
 助けろ。
 俺は国王よりもえらいのだぞ。
 おい!女!俺を誰だと…あ!」

フェイク(フロンダーパ)
「ブラッティーニードル!」

 赤い大きな杭が、ガス先王を貫く。

ガス先王
「おい!フロンダーパ!私を私を!」

フェイク(フロンダーパ)
「選択肢は、地獄行き決定の貴様らを助けた私に感謝して部下になるか、それともそのまま部下失格として地獄行きか?
 選べ。

 貴様もだ!王女B。」

王女B(ガス宰相)
「貴様が、私の部下だろうが!」

王女C(ガス先王)
「違う、貴様もフロンダーパも、才能ある私の部下だろ!
 血迷うなよ!」

フェイク(フロンダーパ)
「違う。それだけが、真実。
 死ね!
 ブラッティーニードル!」

 アギャー!

【続報】ガス先王、ガス宰相死す。
 元(仮)管理者神見習いフェイクの意志だとして、散々やりたい放題したこの二人は、フェイクの姉、王女B、王女Cと共に始末された。

 フェイクの前に臣下の礼をとる、ガス魔王、魔王 ゴン太、ブラック・レイダー、ブレーダー王女、そして、いつの間にかいたニャントゥーン元女王。

「バトルフィールド アナウンスです。
 予選内だけで認められる、チーム統合を確認。
 勝者フェイクとして、次の予選に進めます。
 それでは控えのエリアに転移します。」

 その日のバトルは終了となった。
 フェイクのエリアで、光が確認され夜遅くまで何かの会議をしているらしいと、冒険者ギルドは予測を立てていた。

 あれ?
 王妃は?

 次話で、わかります。









 

 


   


 
 
 
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