異世界勇者召喚失敗か？

第2章 要塞建築編

第45話［幕間］日本どうなった？

第45話［幕間］日本どうなった？

　ドーン！吹っ飛んだ私鉄特急！そして、なくなったJRの線路！

　クワガタの姿の魔王は、プラズマ砲を撃ってあたりの田畑を吹き飛ばしていく。
　そして、大学も吹っ飛んだ。

　その頃、京都市北部の山から奇声が聞こえてきた！黒い雲が湧き上がる。
　賀茂川の水が2010年代の時と同じく、川底に吸い込まれて枯れる。
　宇治川も吸い込まれて枯れた。
　地鳴りが始まり、群発地震が始まった。
　京都府の山奥に、ドン！ドン！ドン！とまるで怪獣が歩く音がし始める。

　大阪湾から、何かでかすぎるクジラがしゅつげんして、口からビームを放った。
　
首相官邸

総務省事務次官
「た、たたりはまだ続いています。旧家の者は電話すら出ません。入院中だと言って病院に籠もりました。
　他の旧家にゆかりのある名字の者達が、60%の発症率で謎の病気になりました。」

総理大臣　賀野　与吉（よしの　よきち）
「大縁　増田（おおべ　ますた）の行方は？そして、ソイツ以外のオオベの子孫は？早くしろ！早く封印させろ！」

　しかし、既に他の大臣はいない。全員意識不明だ。

　国会すら開会できなくなり、「選挙くらいしてやるよ！」なんて記者会見で怒鳴った党の幹事長が、その場で鼻血を出してぶっ倒れた。
　法律を変えようにも、国会がひらけない。
　ワンマンになったが、責任もワンマンになってしまった総理。

総理大臣　賀野　与吉（よしの　よきち）
「そうだ！呼び戻せ！異世界召喚なのだろ！陰陽師達を集めて、喚び戻せ！」

　名案である。1人だけ喚び戻したらいいのだ。
　そして、封印をさせたらいい。あとは知るか！
　　そう思った時に、死にたくなるような激痛が総理を襲う。
　何だ？　背中にコンクリート片が落ちてきたのだ。
　は？関西で封印を解かれた魔王が、ブレスを吐いたのだ。
　秘書は、影しか残っていなかった。
　何とか、生き残っていていた事務次官とともに、救急車に乗り込む。

　
　病室のテレビが実況中継で魔王が映し出す。
　自衛隊の爆撃が効いてない。
　クソ！　
　そして、テレビのコメンテーターが核を使えとか抜かしだした。テレビ内で取っ組み合いの喧嘩を始め出した報道番組を見ながら、総理は非核三原則は守ります！！とSNSに書き込むしかなかった。

　次の日

　都市伝説となった、東京24区の地下空間の広場で護摩壇が組まれた。隠れ陰陽師も含めて総勢50人の陰陽師と、50人の調伏師が参加して、異世界召喚返しをしようと言うことになったのだ。
　取り戻すのは、大縁　増田（おおべ　ますた）だけでいい。
　総理大臣　賀野　与吉（よしの　よきち）は、号令をだす。取り戻さないと日本は終わりだ！

　明石海峡大橋がおちて、ラッコの魔王が瀬戸内海を侵攻していると報告がきた。
　四国の海岸部が焼かれているという。クソ！美味しい冷凍うどんが！と怒る総理。

　そして、全世界に魔王の事がバレて、しかもヨーロッパやヒマラヤやアフリカに封印されていたらしい魔王も呼応して動き出したとか、情報が入ってきた。

　急げ！
　ついに、日本政府の反撃が始まる。