ミラージュの憂鬱

どら焼き

文字の大きさ
17 / 45

第17話(閑話)皇国の闇?

しおりを挟む
第17話(閑話)皇国の闇?

 皇国歴368522年 2月20日 (は?本当か?)

 皇国の大神殿城では、会議されていた。
 議題は、公爵令嬢ミラージュの生贄失敗と、魔王軍の侵攻対策だ。

 実は、公爵令嬢ミラージュの生贄失敗は、するとは思ってなかったが、ミラージュの親の公爵が娘可愛さに反乱を起こす可能性を考えて公爵には催眠術や洗脳もほどこしていた。
 しかし、占いだとどうも失敗するという予報がでていたので、公爵以外の者が反乱を起こすのでは?という観測から軍備を進めていた。
 まだ、勇者は1年経って、やっとゴブリンを昨日に倒せた状態だ。
 勇者は、チートスキルというもので、速く成長するはずなのに、今回はおそすぎる!まるで万年E ランク(ほぼ最下層)の冒険者だ。
 鑑定しても、異世界言語理解というスキル以外、(ナンパ)(詐欺)(チャラ男)という詐欺以外はわけのわからないスキルしか無かった。

 聖女に関しては、公爵令嬢ミラージュを生贄にして、そのミラージュを異世界聖女ルージュに取り憑かせろなんて神託があり、疑問に思っていた。しかし、前管理者様から交代されたとしても、管理者様は管理者だ。神託を無視するわけにはいかない。

 ボスタニア王国の異変は、ある教会皇国の異変から知らされた。
 朝の祈りを捧げた後、昼ごろだ。
 ドサドサドサドサドサ!と、大聖堂に何か音がして、駆けつけると素っ裸のボスタニア国王達が山とぎゅうぎゅう詰めに積まれていたのだ。
 そして、こちらのスパイも王都の教会の者達もその中にいた。
 そして、廊下にもドンドンと溢れて出てくる出てくる。まるで城の者達全員が投げ込まれたような状態になった。

 ぎゅうぎゅう詰めなので、取り出すのに5日間かかったが、事情聴取して公爵令嬢ミラージュの生贄作戦は失敗。そして、女王となってドンドン生贄の祭壇に投げ込まれた事がわかる。

 失敗だと! しかも王族以外は、邪教に与した疑いとして生贄の祭壇に入れられていた。

 「くそ!これでは、我々が邪教の使徒みたいではないか!」と悪態をつく聖皇帝。
 とにかく、軍を派遣して面倒事の塊のボスタニア国王達を無理矢理帰す事にした。


 しかし、昨日来た知らせだと、ボスタニア国王を送り届けるだけなのに、国王の要請で辺境伯の領地に出たミラージュの怨霊の討伐の為に王太子を伴って進軍したが、足が止まらなくて辺境伯軍も追加して、魔王軍に攻められている王国まで行ったというのだ。

 何をしているのだ!と怒鳴る聖皇帝。
 しかも部下が軍事費を横領して、それがバレるのを防ぐためにバルセリナ王国の危機を知らせてなかった事が判明。
 バルセリナ王国陥落だと、教会皇国が保たないだろうが!と怒鳴るが、「仕方が無かった。」とかいう、大臣の派閥全員を一般兵に格下げして、この家族全て兵にして贖罪としてバルセリナ王国に援軍に行かせた。60万の派兵になる。奴らには命をかけて立て直してもらう。

 将軍につけた側近達の内のスパイから、妙な事が報告されるが、それは無視!今は戦闘だ。(将軍達は、ミラージュの事を要請通り隠したらしい。)

 そして、別の方面から魔王軍5凶星達の移動と、他の方面にいた四天王2幹部がバルセリナ方面に急遽移動した報告をうける。

 バルセリナは、終わりだ!

 それが会議の結論。魔王軍の総戦力が集結したのだ。すぐに撤退命令を出したが、間に合わないだろう。
 王太子が棺桶に入れられて側近3人だけで、ボスタニア王国に帰ったという報告がきた。公爵令嬢、いや元女王ミラージュの怨霊に電撃を食らったという王太子の側近の報告をうける。

 ここが、悩むところだ。
 公爵令嬢ミラージュは、女王をわずか一ヶ月くらいで辞任して王太子の隠し子に譲位して姿をくらませた。
 城のメイド達や公爵家のメイド達によると、元々つぎの王妃としての教育には、辟易としていたらしい。 横領など、腐敗した者達を全て生贄の祭壇に投げ入れたあと、掃除を物理も政治も徹底的にしていたという。

 結局、国王は復権したはずだが、なぜか廃止した家は全てそのまま。ミラージュの実家の公爵家だけは復刻して、名義上の当主をミラージュにしたまま、両親は監禁生活にしている。
 嫡男である弟は、ミラージュの生贄計画の加担の罪でミラージュ自ら行った公爵家の爵位廃棄の後で嫡男も生贄の祭壇に徹底的に殴り倒されて入れられており、現在は鉱山送りになっている。

 ミラージュが死んだという。報告はない。
 しかし、ボスタニア王国の王妃や辺境伯夫人やその側近の報告では、怨霊がでたというのだ。
 そして、王太子の側近の報告もある。教会の怨霊特選部隊もやられたらしい。

 教会の怨霊特選部隊は、教会の言う事を聞かない暗殺した国王達が怨霊となってでてきたのを、封印する部隊だ。もちろん殺しのプロでもある。それが敗れたのだ。

 怨霊に違いない。

 つまりだな。生贄の儀式とか毒を盛ったのは効いていて、死を感じたミラージュは政治改革をしたあとに、譲位したと考えられる。

 まるで聖女ではないか!!!かなり前に教会皇国にいた本物の聖女ではないか!

 当然、会議はつぎの疑問にたどり着いた。
 神託は本物だ。しかし本当に聖なる管理者様なのか?まさか、ミラージュが言う邪教の邪神なのか?
 
 
  
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

裏切られ続けた負け犬。25年前に戻ったので人生をやり直す。当然、裏切られた礼はするけどね

竹井ゴールド
ファンタジー
冒険者ギルドの雑用として働く隻腕義足の中年、カーターは裏切られ続ける人生を送っていた。 元々は食堂の息子という人並みの平民だったが、 王族の継承争いに巻き込まれてアドの街の毒茸流布騒動でコックの父親が毒茸の味見で死に。 代わって雇った料理人が裏切って金を持ち逃げ。 父親の親友が融資を持ち掛けるも平然と裏切って借金の返済の為に母親と妹を娼館へと売り。 カーターが冒険者として金を稼ぐも、後輩がカーターの幼馴染に横恋慕してスタンピードの最中に裏切ってカーターは片腕と片足を損失。カーターを持ち上げていたギルマスも裏切り、幼馴染も去って後輩とくっつく。 その後は負け犬人生で冒険者ギルドの雑用として細々と暮らしていたのだが。 ある日、人ならざる存在が話しかけてきた。 「この世界は滅びに進んでいる。是正しなければならない。手を貸すように」 そして気付けは25年前の15歳にカーターは戻っており、二回目の人生をやり直すのだった。 もちろん、裏切ってくれた連中への返礼と共に。 

相続した畑で拾ったエルフがいつの間にか嫁になっていた件 ~魔法で快適!田舎で農業スローライフ~

ちくでん
ファンタジー
山科啓介28歳。祖父の畑を相続した彼は、脱サラして農業者になるためにとある田舎町にやってきた。 休耕地を畑に戻そうとして草刈りをしていたところで発見したのは、倒れた美少女エルフ。 啓介はそのエルフを家に連れ帰ったのだった。 異世界からこちらの世界に迷い込んだエルフの魔法使いと初心者農業者の主人公は、畑をおこして田舎に馴染んでいく。 これは生活を共にする二人が、やがて好き合うことになり、付き合ったり結婚したり作物を育てたり、日々を生活していくお話です。

白き魔女と黄金の林檎

みみぞう
ファンタジー
【カクヨム・エブリスタで特集していただきました。カクヨムで先行完結】 https://kakuyomu.jp/works/16816927860645480806 「”火の魔女”を一週間以内に駆逐せよ」 それが審問官見習いアルヴィンに下された、最初の使命だった。 人の世に災いをもたらす魔女と、駆逐する使命を帯びた審問官。 連続殺焼事件を解決できなきれば、破門である。 先輩審問官達が、半年かかって解決できなかった事件を、果たして駆け出しの彼が解決できるのか―― 悪しき魔女との戦いの中で、彼はやがて教会に蠢く闇と対峙する……! 不死をめぐる、ダークファンタジー! ※カクヨム・エブリスタ・なろうにも投稿しております。

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

悪役令息、前世の記憶により悪評が嵩んで死ぬことを悟り教会に出家しに行った結果、最強の聖騎士になり伝説になる

竜頭蛇
ファンタジー
ある日、前世の記憶を思い出したシド・カマッセイはこの世界がギャルゲー「ヒロイックキングダム」の世界であり、自分がギャルゲの悪役令息であると理解する。 評判が悪すぎて破滅する運命にあるが父親が毒親でシドの悪評を広げたり、関係を作ったものには危害を加えるので現状では何をやっても悪評に繋がるを悟り、家との関係を断って出家をすることを決意する。 身を寄せた教会で働くうちに評判が上がりすぎて、聖女や信者から崇められたり、女神から一目置かれ、やがて最強の聖騎士となり、伝説となる物語。

《完結》当て馬悪役令息のツッコミ属性が強すぎて、物語の仕事を全くしないんですが?!

犬丸大福
ファンタジー
ユーディリア・エアトルは母親からの折檻を受け、そのまま意識を失った。 そして夢をみた。 日本で暮らし、平々凡々な日々の中、友人が命を捧げるんじゃないかと思うほどハマっている漫画の推しの顔。 その顔を見て目が覚めた。 なんと自分はこのまま行けば破滅まっしぐらな友人の最推し、当て馬悪役令息であるエミリオ・エアトルの双子の妹ユーディリア・エアトルである事に気がついたのだった。 数ある作品の中から、読んでいただきありがとうございます。 幼少期、最初はツラい状況が続きます。 作者都合のゆるふわご都合設定です。 日曜日以外、1日1話更新目指してます。 エール、お気に入り登録、いいね、コメント、しおり、とても励みになります。 お楽しみ頂けたら幸いです。 *************** 2024年6月25日 お気に入り登録100人達成 ありがとうございます! 100人になるまで見捨てずに居て下さった99人の皆様にも感謝を!! 2024年9月9日  お気に入り登録200人達成 感謝感謝でございます! 200人になるまで見捨てずに居て下さった皆様にもこれからも見守っていただける物語を!! 2025年1月6日  お気に入り登録300人達成 感涙に咽び泣いております! ここまで見捨てずに読んで下さった皆様、頑張って書ききる所存でございます!これからもどうぞよろしくお願いいたします! 2025年3月17日 お気に入り登録400人達成 驚愕し若干焦っております! こんなにも多くの方に呼んでいただけるとか、本当に感謝感謝でございます。こんなにも長くなった物語でも、ここまで見捨てずに居てくださる皆様、ありがとうございます!! 2025年6月10日 お気に入り登録500人達成 ひょえぇぇ?! なんですと?!完結してからも登録してくださる方が?!ありがとうございます、ありがとうございます!! こんなに多くの方にお読み頂けて幸せでございます。 どうしよう、欲が出て来た? …ショートショートとか書いてみようかな? 2025年7月8日 お気に入り登録600人達成?! うそぉん?! 欲が…欲が…ック!……うん。減った…皆様ごめんなさい、欲は出しちゃいけないらしい… 2025年9月21日 お気に入り登録700人達成?! どうしよう、どうしよう、何をどう感謝してお返ししたら良いのだろう…

復讐のための五つの方法

炭田おと
恋愛
 皇后として皇帝カエキリウスのもとに嫁いだイネスは、カエキリウスに愛人ルジェナがいることを知った。皇宮ではルジェナが権威を誇示していて、イネスは肩身が狭い思いをすることになる。  それでも耐えていたイネスだったが、父親に反逆の罪を着せられ、家族も、彼女自身も、処断されることが決まった。  グレゴリウス卿の手を借りて、一人生き残ったイネスは復讐を誓う。  72話で完結です。

私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。

MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。

処理中です...