転生したから思いっきりモノ作りしたいしたい!

ももがぶ

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◆飼うことになりました

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ブレスレットの登録を終え、マサオとマリー様が戯れている所に戻るとマリー様はマサオにもたれて眠っていた。
「あらま~どうしましょうね~」
リリスさんが困ったような可愛いものを見られて嬉しいような、そんな表情をしていた。
「折角だし一枚だけ」
カメラを取り出しマリー様とマサオを被写体に収める。

そこへセバス様が現れ、デューク様の元へ案内すると言い着いて行こうとしたらセバス様が、あのお方もご一緒にと言う。
「え~と、『あのお方』とは?」
「失礼しました。何とお呼びすればいいのか分からなかったもので。旦那様がそのお連れの方もご一緒にと申しています」
「分かりました。マサオ」
呼ばれたマサオが立った瞬間にマリー様が滑り落ちたのをリリスさんが、すかさずキャッチしてくれたので怪我はないはずだ。
「マサオ、ああいう時にはゆっくりな」
マサオが口に出さずにゆっくり頷く。
「やはり、会話出来ると言うのは本当のようですね」
「それはデューク様の前で話させて頂きますので」
「そうでしたね。では、こちらへ」

セバス様の後を着いて行き、通い慣れてしまった執務室の扉をセバス様が軽くノックすると『入れ』とデューク様の短い返事が聞こえた。
「失礼します」

セバス様が執務室の扉を開けて、案内されるままソファへと座るとデューク様が執務机から立ち上がり、対面に腰掛ける。
「それで、説明してもらえるのだろうな。ケインよ」
「ええ、本人からですが」
「本人か。本当に話すのか? その犬が」
「ええ、マサオ。もういいぞ。この部屋の中なら自由に話してもいいから」
『ぷはぁ喋らずに黙っているのも疲れるな。で、このおっさんは誰なんだ』
「お、おっさん……」
「旦那様、今は耐えて下さい」
セバス様がデューク様を抑えている間にマサオに言い聞かせておく。
「マサオ、この方は一応、ここの領主様だ。お前を傷付けることは出来ないが、ここへの出入りを制限するくらいの力はあるんだから、もう少し口の聞き方を気にした方がいいよ」
『そうだな。分かった。すまなかったな、おっさん』
「ま、また『おっさん』と言うか。それよりケイン、お前まで私を軽く見ていないか。一応とは何だ。一応とは」
「今はそれよりもマサオのことですよね」
「ぐっ、ま、まあいい、この件はちゃんとハッキリさせるからな! それでマサオとやら。お主は何の目的でここへ来たんだ?」
『俺は向こうの山の中で暮らしていたんだが、少し前から麓の方が騒がしくなったから少しだけ気にしてはいたんだ。そしたら、その中に知り合いの気配を感じたんだ。それでその気配の持ち主が懐かしくなり会いたくなって山を下りてケインの前に現れたって訳だ』
「ほう、なるほど知り合いか。その知り合いってのには会えたのか?」
『ああ、ケインのお陰で会えはしたが、まだちゃんと話せてはいないんだ。だから、そいつと話せるまでは、ケインにお世話になろうと思ってな』
「そうか、それで差し支えなければでいいんだが、その知り合いってのは人か?」
『今は人の形をしているな』
「ん? 『今は人の形』? それはどういうことか聞いても?」
『簡単なことだ。そいつが人化して、ケインのいる街に住んでいるからな』
「ほう人化ねぇ~俺は初耳だが。ケイン、説明は出来るのか?」
「あれ? デューク様には会わせていませんでしたか」
「俺は会ってないだろ?」
「でも、竜人の里には行きましたよね」
「ああ、行ったな。待て! 竜人が関係するのか? なら、その人化しているってのは……まさか」
「想像の通りだと思いますけど、一応答えると竜ですね」
「ハァ~竜だと! お前、何を言っているのか分かっているのか!」
「何って、事実ですけど?」
「ったく、お前な~竜だぞ。もう何年、何十年、いやもっとだな。それくらい長い間確認されたことはないんだぞ。そんなことを信じろと言うのか」
「だってさ、マサオ」
『竜が御伽噺のレベルなら俺はどのくらいのレベルなんだろうな』
「あ、そういやそうだった。初っ端からやらかしてくれるから忘れていたわ。そうなるとお主の存在も同じレベルなのか?」
『それはどうだろうな。くくく……』
そんな勿体つけるマサオの後頭部をハリセンで『スパ~ン』と叩く。
「いいから、ちゃんと自分の口で言いなよ!」
『痛~な、もう分かったよ。俺はフェンリルだ。あっちの山奥に住んでいた』
「フェ、フェンリルだと! ふ、嘘だな。フェンリルならこんなに小さいはずがない。これは大方ケインの魔法か腹話術の類なんだろう。な、頼むからそう言ってくれ」
ちらりと執務室の中を見渡し、マサオが元の姿になっても問題なさそうだったので、マサオに言う。
「マサオ、元の大きさになって」
『おう』
マサオが白い煙に包まれ、その煙が大きく広がる。
やがて、その煙が晴れた所には大型犬の姿はなく五メートルの大きさに戻ったマサオがいた。

「窮屈だろうけど、ちょっとだけ待っててね」
『俺は良いが、そのおっさんはどうすんだ?』
マサオが言うようにおっさんことデューク様はソファに座ったまま、気絶していた。
セバス様はと言うと、『分かっております』と、さも当たり前の様にマサオの姿に動じることなく気付用の水をグラスに注ぎデューク様の介抱へと向かう。
『なあ、これって俺のせいじゃないよな?』
「違うとは言えないけど、責任はないかな」
『まあ、それならいいか』

セバス様の介抱で意識を戻したデューク様が大きな姿のままのマサオを見て、また気を失いかけたが、セバス様の手助けもあり何とか意識を保てていた。

「それで、信じてもらえました?」
「信じる。信じるから、元の大きさに戻ってくれ。心が休まらん」
「これが元の大きさなんですけど?」
「ケイン、意地悪を言うな。せめて大型犬の大きさに戻ってくれと言っているんだ」
「だって、マサオ」
『ああ、正直窮屈だったから助かるよ』
また白い煙に覆われ、その煙が腫れると大型犬の大きさに戻ったマサオがいた。

「ありがとうマサオ殿」
「じゃあ、マサオはこのままでいいの?」
「いや、ダメだ」
「え~何でダメなの。ちゃんと大型犬の大きさにしたでしょ」
「まあ、正体がフェンリルと分かっているのが俺達だけだとしても、そのまま何もなしに街中を通行させる訳にはいかないと言うことだ。出来れば首輪をしてもらって、ケインが飼い主であることを証明する必要がある」
「何だ、そんなことですか。なら、マサオは山に帰るから必要ないですね」
『いや、俺は帰らんぞ。しばらくはケインに世話になるからな』
「え~冗談でしょ。それに首輪もしなきゃいけないんだよ。野生の生き物としてそれはどうなのよ」
『何、世話になる間だけなら、大して気にはならん。それくらいで面倒を見て貰えるのなら、安いもんだ』
「プライドは~フェンリルとしてのプライドはないの?」
『そんな物で腹は膨れん。そういうことで頼むぞ』
そう言ってマサオは右前足を俺の肩に乗せる。
「マジかよ~」
『マジだ。よろしくな』
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