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◆もしかして正気でした?
魔導チェーンソーをクロードさんの手から、取り返すとクロードさんが正気に戻る。
「俺は一体なにを?」
「お前、覚えていないのか?」
「ガンツさんは、どうだったの?」
「ワシか? ワシは特になにも感じなかったぞ」
「なら、なんでクロードさんは?」
もう一度、改めてクロードさんに質問する。
「ねえ、ガンツさんの話だと、クロードさんは魔導チェーンソーを持った瞬間に目つきが変わって、こんな惨状になるまで暴れていたんだけど、覚えてますか?」
乱雑に切り倒された木をクロードさんに見てもらう。
「これを……俺が?」
「ああ、そうじゃ。お前がやったんじゃ! で、どうしてこんなことをしたんじゃ?」
「分からない……」
「分からないって、お前がやったことじゃぞ?」
「そう、言われても……」
「じゃが、なにかあるじゃろ? ワシは使っていても特になにもなかったんじゃから。魔導チェーンソーに問題があるとは思えん。もし、問題があるのなら、販売することも考えねばならん」
「え? これは貰えないんですか?」
「お前な~自分がしたことを理解した上で言ってるのか? どう見ても殺人鬼に刃物を渡す行為じゃぞ。そんなバカなことが出来るもんか! もし、ケインが許可してもワシが許さん!」
「そんな、横暴な!」
「なにを言うか! もし、これをクロードに渡したら、この辺一帯の山の木は全て伐採され、小屋もバラバラにされるじゃろうな。それはワシでも断言出来る!」
「うん、俺もガンツさんに賛成だね」
「そんな~やっと、自分の好きなように伐採出来ると思ったのに……取り上げるなんて、あんまりだ!」
「「イヤイヤイヤイヤイヤ」」
「ワシの里から殺人鬼を出す訳にはいかん! それに無益な自然破壊を見逃す訳にもいかん!」
「だよね。木も立派な資源だしね」
「そこをなんとか」
「まあ、その前にじゃ。お前は正気だったんじゃな。違うか?」
「……それは、その、はい」
ガンツさんからの質問に渋々ながら肯定するクロードさん。
「ケイン。これはどう見ればいいんだ?」
「多分、セバス様と同じだと思うよ。ほら、ハンドル握ると人格が変わるやつだね」
「ふむ。それは分からんでもないが、これはハンドルとは違うぞ?」
「物は違うけどさ、自分の思い通りに動かせる、切ることが出来るっていう面では同じだよね。今回はそれに取り憑かれたと思ってもいいんじゃない?」
俺も電動ドリルを手にした時はいろんな箇所のネジを回していたし。気持ちは分からないでもない。でも、魔導チェーンソーを振り回すのはいただけない。
ガンツさんもそれは同じ気持ちらしく、クロードさんに宣言する。
「ふむ、ならやっぱり渡すことは出来ないな」
「うん、そうだね。あんなに魔導チェーンソーを振り回されたら、誰も近付けないもんね」
「そういう訳だ。クロード、さっき使わせといてなんだけど、これは諦めてくれな」
「そんな~」
「それと、このことはガンボにも一応、連絡させてもらうからな」
「そんな~」
「まあ、見たまんまを報告するだけだから、そう悪い内容にはならんだろ。心配することはない。じゃあ、ワシらは帰らせてもらうな。世話になった」
「じゃあね、クロードさん。また、明日」
「あ、ああ」
その場で膝を着き項垂れるクロードさんを残し、ゲートを製紙工場へと繋ぐとガンツさん達と潜る。
「さてと、じゃあ早速作業に入るか」
「そうだね。あ!」
「なんじゃ? まだなにもしてないじゃろ?」
「そうなんだよ。する前にしなきゃいけないことを忘れていたよ」
「ん? 意味が分からん」
「あのね、ガンツさん。木は必要なんだけど、樹皮はいらないんだよ。はぁ今から剥かなきゃ。粉砕機に入れる前にしないといけないから、動線としては粉砕機の近くに置く必要があるから、あの位置に置いて……」
「なんじゃ、今から作るのか?」
「そうだよ、手伝ってくれるよね」
「まあ、しょうがないの~」
粉砕機の前に樹皮を剥く工程が必要だと分かったが、その前に適当な長さに切り揃える工程も抜けていた。
普通なら、伐採した現場で運搬しやすいように切り揃えるんだろうけど、そのままインベントリに入れたもんだから、そのままだもんな。
「そしたら、まずは一定の長さに切る魔道具を作って、その後に樹皮を剥く魔道具でしょ。後は追加で粉砕しやすいように縦にカットする魔道具も追加かな」
「また、後から追加する魔道具が意外とあるな」
「そうだね、ちょっと前段階の処理が抜けていたよ」
「まあ、今から作ればいいだけのことじゃし、さっさと作るか」
「うん、ガンツさんはどれを作る?」
「なら、ワシは簡単と思われる最後の縦に切るやつじゃな」
「分かったよ。じゃ、お願いするね。俺は最初に切り揃えるヤツから順番に作っていくから」
「おう、分かった」
ガンツさんとそれぞれ魔道具の作成にとり掛かる。
「さてと、まずは一定の長さに……あ~また忘れていたよ。枝があるじゃんか~」
そう、樹皮を剥く前の一定の長さにする前に枝打ちをする必要があったよ。
「まあ、しょうがない。まずは枝打ちしてから、一定の長さにカットして、樹皮を剥く。あれ? 確か前世で見た特番の作業用機械の紹介で、こんなのがあった気がする。あれは確か……」
前世で見た作業用機械の内容を思い出す。
「確かアームで掴んで、そのまま枝打ちしながら、一定の長さでカットしていく。確か、そんな工程だったと思うけど。まあ、作ってみればいいか」
まずはクレーンの様な台となる車体部分を作り、クレーンアームを追加する。
「さて、ここまでは出来たと。後は肝心の作業部分だな。まずは木材を掴む部分を作るか」
左右それぞれに二本の指となる部分を作成し、どんな大きさの木材でも掴めるようにした。後は手の平に当たる部分に掴んだ木材を動かすための車輪を追加した。
「よし、後はこれに枝打ち用のチェーンソーと切断するためのチェーンソーを追加して。うん、これでよし!」
ここまでは出来た。後は長さをどうやって測るかだよな。ちょっと面倒だけど頑張りますかと、作業部分の魔法陣に樹木を掴んでから、枝打ちの時に移動した距離を測定することで長さを求める様にし、指定長さに達したところでカットするようにした。
「よし、これで完成だ!」
「なにが完成したんだ?」
「うわ、ガンツさん。いきなりだね」
「そうか? 何度か呼んでいたんじゃがな。気付いてもらえんかったから、こうしてわざわざ来たというのに」
「それは、ごめんなさい」
「で、なにが出来たんじゃ? 見たところ魔道具じゃなく作業車みたいじゃが?」
「まあね。これは後で説明するけど、ガンツさんは終わったの?」
「ああ、終わったぞ。それでケインは、樹皮を剥くのはまだなのか?」
「え~と……まだです」
「ふん、どうせ、その作業車に掛かりっきりじゃったんじゃろ? 大体の想像はつくわな。そのアームの先がなんなのか、ちゃんと説明してもらうぞ」
「それは、ちゃんとするから。じゃあ、樹皮剥きの魔道具作成手伝ってもらえる?」
「ああ、手伝おう」
まずは作業台となる台座を作成する。
「それで、剥くのはどういった方法で行うんじゃ?」
「削ろうと思っていたんだけどダメ?」
「それじゃ、必要なもんまで削ってしまうじゃろ」
「ダメか、そしたら……あ!」
「なんじゃ、なにか思いついた顔じゃな」
「うん、こういう方法はどうかな?」
その場で地面に絵を描いて説明する。描いたのは大きめのピーラーで樹皮を削るという単純な絵だ。
「ほう、こりゃいいな。特にこの部分は他にも使えそうじゃな」
「うん、いいかも」
基本方針が決まったら、後はガンツさんと手分けしながら、作業を進めていく。
「大体、こんなもんか」
「出来たね。ありがとうガンツさん」
「なんのなんの。お前の作るものはなにか興味がそろられるからな。作っていても苦労や疲れより楽しさが勝っちまうんじゃ」
そう言ってガンツさんがニヤリと笑う。
本当にガンツさんと会えたのが、今世での一番のご褒美かもしれない。
「じゃ、早速説明してもらおうかの。懇切丁寧にな」
これさえなければね。
「俺は一体なにを?」
「お前、覚えていないのか?」
「ガンツさんは、どうだったの?」
「ワシか? ワシは特になにも感じなかったぞ」
「なら、なんでクロードさんは?」
もう一度、改めてクロードさんに質問する。
「ねえ、ガンツさんの話だと、クロードさんは魔導チェーンソーを持った瞬間に目つきが変わって、こんな惨状になるまで暴れていたんだけど、覚えてますか?」
乱雑に切り倒された木をクロードさんに見てもらう。
「これを……俺が?」
「ああ、そうじゃ。お前がやったんじゃ! で、どうしてこんなことをしたんじゃ?」
「分からない……」
「分からないって、お前がやったことじゃぞ?」
「そう、言われても……」
「じゃが、なにかあるじゃろ? ワシは使っていても特になにもなかったんじゃから。魔導チェーンソーに問題があるとは思えん。もし、問題があるのなら、販売することも考えねばならん」
「え? これは貰えないんですか?」
「お前な~自分がしたことを理解した上で言ってるのか? どう見ても殺人鬼に刃物を渡す行為じゃぞ。そんなバカなことが出来るもんか! もし、ケインが許可してもワシが許さん!」
「そんな、横暴な!」
「なにを言うか! もし、これをクロードに渡したら、この辺一帯の山の木は全て伐採され、小屋もバラバラにされるじゃろうな。それはワシでも断言出来る!」
「うん、俺もガンツさんに賛成だね」
「そんな~やっと、自分の好きなように伐採出来ると思ったのに……取り上げるなんて、あんまりだ!」
「「イヤイヤイヤイヤイヤ」」
「ワシの里から殺人鬼を出す訳にはいかん! それに無益な自然破壊を見逃す訳にもいかん!」
「だよね。木も立派な資源だしね」
「そこをなんとか」
「まあ、その前にじゃ。お前は正気だったんじゃな。違うか?」
「……それは、その、はい」
ガンツさんからの質問に渋々ながら肯定するクロードさん。
「ケイン。これはどう見ればいいんだ?」
「多分、セバス様と同じだと思うよ。ほら、ハンドル握ると人格が変わるやつだね」
「ふむ。それは分からんでもないが、これはハンドルとは違うぞ?」
「物は違うけどさ、自分の思い通りに動かせる、切ることが出来るっていう面では同じだよね。今回はそれに取り憑かれたと思ってもいいんじゃない?」
俺も電動ドリルを手にした時はいろんな箇所のネジを回していたし。気持ちは分からないでもない。でも、魔導チェーンソーを振り回すのはいただけない。
ガンツさんもそれは同じ気持ちらしく、クロードさんに宣言する。
「ふむ、ならやっぱり渡すことは出来ないな」
「うん、そうだね。あんなに魔導チェーンソーを振り回されたら、誰も近付けないもんね」
「そういう訳だ。クロード、さっき使わせといてなんだけど、これは諦めてくれな」
「そんな~」
「それと、このことはガンボにも一応、連絡させてもらうからな」
「そんな~」
「まあ、見たまんまを報告するだけだから、そう悪い内容にはならんだろ。心配することはない。じゃあ、ワシらは帰らせてもらうな。世話になった」
「じゃあね、クロードさん。また、明日」
「あ、ああ」
その場で膝を着き項垂れるクロードさんを残し、ゲートを製紙工場へと繋ぐとガンツさん達と潜る。
「さてと、じゃあ早速作業に入るか」
「そうだね。あ!」
「なんじゃ? まだなにもしてないじゃろ?」
「そうなんだよ。する前にしなきゃいけないことを忘れていたよ」
「ん? 意味が分からん」
「あのね、ガンツさん。木は必要なんだけど、樹皮はいらないんだよ。はぁ今から剥かなきゃ。粉砕機に入れる前にしないといけないから、動線としては粉砕機の近くに置く必要があるから、あの位置に置いて……」
「なんじゃ、今から作るのか?」
「そうだよ、手伝ってくれるよね」
「まあ、しょうがないの~」
粉砕機の前に樹皮を剥く工程が必要だと分かったが、その前に適当な長さに切り揃える工程も抜けていた。
普通なら、伐採した現場で運搬しやすいように切り揃えるんだろうけど、そのままインベントリに入れたもんだから、そのままだもんな。
「そしたら、まずは一定の長さに切る魔道具を作って、その後に樹皮を剥く魔道具でしょ。後は追加で粉砕しやすいように縦にカットする魔道具も追加かな」
「また、後から追加する魔道具が意外とあるな」
「そうだね、ちょっと前段階の処理が抜けていたよ」
「まあ、今から作ればいいだけのことじゃし、さっさと作るか」
「うん、ガンツさんはどれを作る?」
「なら、ワシは簡単と思われる最後の縦に切るやつじゃな」
「分かったよ。じゃ、お願いするね。俺は最初に切り揃えるヤツから順番に作っていくから」
「おう、分かった」
ガンツさんとそれぞれ魔道具の作成にとり掛かる。
「さてと、まずは一定の長さに……あ~また忘れていたよ。枝があるじゃんか~」
そう、樹皮を剥く前の一定の長さにする前に枝打ちをする必要があったよ。
「まあ、しょうがない。まずは枝打ちしてから、一定の長さにカットして、樹皮を剥く。あれ? 確か前世で見た特番の作業用機械の紹介で、こんなのがあった気がする。あれは確か……」
前世で見た作業用機械の内容を思い出す。
「確かアームで掴んで、そのまま枝打ちしながら、一定の長さでカットしていく。確か、そんな工程だったと思うけど。まあ、作ってみればいいか」
まずはクレーンの様な台となる車体部分を作り、クレーンアームを追加する。
「さて、ここまでは出来たと。後は肝心の作業部分だな。まずは木材を掴む部分を作るか」
左右それぞれに二本の指となる部分を作成し、どんな大きさの木材でも掴めるようにした。後は手の平に当たる部分に掴んだ木材を動かすための車輪を追加した。
「よし、後はこれに枝打ち用のチェーンソーと切断するためのチェーンソーを追加して。うん、これでよし!」
ここまでは出来た。後は長さをどうやって測るかだよな。ちょっと面倒だけど頑張りますかと、作業部分の魔法陣に樹木を掴んでから、枝打ちの時に移動した距離を測定することで長さを求める様にし、指定長さに達したところでカットするようにした。
「よし、これで完成だ!」
「なにが完成したんだ?」
「うわ、ガンツさん。いきなりだね」
「そうか? 何度か呼んでいたんじゃがな。気付いてもらえんかったから、こうしてわざわざ来たというのに」
「それは、ごめんなさい」
「で、なにが出来たんじゃ? 見たところ魔道具じゃなく作業車みたいじゃが?」
「まあね。これは後で説明するけど、ガンツさんは終わったの?」
「ああ、終わったぞ。それでケインは、樹皮を剥くのはまだなのか?」
「え~と……まだです」
「ふん、どうせ、その作業車に掛かりっきりじゃったんじゃろ? 大体の想像はつくわな。そのアームの先がなんなのか、ちゃんと説明してもらうぞ」
「それは、ちゃんとするから。じゃあ、樹皮剥きの魔道具作成手伝ってもらえる?」
「ああ、手伝おう」
まずは作業台となる台座を作成する。
「それで、剥くのはどういった方法で行うんじゃ?」
「削ろうと思っていたんだけどダメ?」
「それじゃ、必要なもんまで削ってしまうじゃろ」
「ダメか、そしたら……あ!」
「なんじゃ、なにか思いついた顔じゃな」
「うん、こういう方法はどうかな?」
その場で地面に絵を描いて説明する。描いたのは大きめのピーラーで樹皮を削るという単純な絵だ。
「ほう、こりゃいいな。特にこの部分は他にも使えそうじゃな」
「うん、いいかも」
基本方針が決まったら、後はガンツさんと手分けしながら、作業を進めていく。
「大体、こんなもんか」
「出来たね。ありがとうガンツさん」
「なんのなんの。お前の作るものはなにか興味がそろられるからな。作っていても苦労や疲れより楽しさが勝っちまうんじゃ」
そう言ってガンツさんがニヤリと笑う。
本当にガンツさんと会えたのが、今世での一番のご褒美かもしれない。
「じゃ、早速説明してもらおうかの。懇切丁寧にな」
これさえなければね。
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※2025/12/31に書籍五巻以降の話を非公開に変更する予定です。
詳細は近況ボードをご覧ください。