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◆着きました
「もう一度、おじいちゃんと呼んでくれ~」
「もう、しつこい!」
足に縋るドラゴさんをなんとか放し応接室を出てガンツさんの元へと向かう。
「ガンツさん、どう?」
「おう、ケインか。こっちは終わったぞ。今から運んでもらうところじゃ」
「そうなんだ。じゃあ、俺らも乗せてもらおうか」
「もちろん、そのつもりで話はつけてある」
ガンツさんが、親指を立ててグッと突き出してくる。
「さすがだね」
「おう! で、そっちはどうなんだ?」
「まあ、後で話すよ。少し急ごうか」
「なんだ? なにがあったんだ?」
「ふふふ、ちょっとね」
「なんだ? しまりのない顔をして」
「まあまあ、後で分かるからさ」
ダメだ、チーズが手に入ると思うとにやけが止まらない。もしかしたら、バターとか生クリームも手に入るかもしれないし。ダメだ、にやけ顔が止まらない。
「ケイン、ほら。準備が出来たぞ。馬車に乗るんじゃから、しっかりせえ!」
「あ、ごめん。ガンツさん」
ガンツさんにしまりのない顔を注意され、馬車へと乗り込む。
デューク様が管理を任された倉庫街には俺達の倉庫以外は人がいないみたいで、寂しい場所になってしまっている。早くなんとかしたいな。
セバス様からの連絡もないし、どうしたものかな。
倉庫にお酒を運び入れてもらい、手伝ってくれた店員達に幾らかの謝礼をガンツさんにお願いして払ってもらう。
「毎度!」
そう言って、店員さん達が帰ったことを確認した後に倉庫の扉を閉めると、保管した全てのお酒をインベントリにしまう。
「なあ、そろそろどんな話になったのか教えてくれてもいいだろ?」
「分かったよ。マサオ、お願いね」
『なんで、俺が?』
「だって、長いこと黙っていたから話したいでしょ? ほら、お菓子もあるよ」
『お! それだよ! 早く食わせろ!』
「まあまあ、慌てないで」
倉庫の中にテーブルと椅子を出すと、その上にあの甘ったるいお菓子を乗せる。
『……』
「マサオ、どうしたの? 食べないの?」
『ケイン、これはいらない。なぜか甘い物が好きなはずの俺の体が拒否するんだ』
「そう? ガンツさんは?」
「悪い。俺もやめとくわ」
「そう? じゃしまうね」
砂糖べったりなお菓子をインベントリにしまうと、替わりにとあの夫婦の店で買った焼き菓子を出す。
すると、すぐにマサオが咥えて持っていく。ガンツさんもすぐに手を出してきた。
俺も試しにとテーブルの上の焼き菓子を一枚手に取り、口に入れる。
「おいしい……」
「ああ、そんなに甘さはないが……これはアーモンドか?」
そう、砂糖をふんだんに使うのではなく、言うなれば素材の甘みをうまく活かしているみたいだ。
「うん、これは当たりだね」
「ああ、これならアンジェのお土産にもいい!」
『……』
「マサオも気に入ったみたいだね」
「で、店主とどんな話になったんだ?」
「ああ、そうだね。あのね、ドラゴさんが言うにはね……」
ドラゴさんと話した内容をガンツさんにも伝える。
「そうか。あの酒屋の旦那も苦労しているみたいだな」
「うん、そうみたい。でね、チーズの仕入れ元を聞いてきたからさ、これから行ってみない?」
「これから?」
「うん。せっかく聞いたんだからさ、早く行きたいじゃん」
「まあ、気持ちは分かるがな」
「じゃあ、決まりね」
「おい、ワシはまだ行くとは言ってないぞ!」
「でも、ガンツさんのを出してくれないと」
「飛ぶのか?」
「うん、その方が早いでしょ」
「そうだな、でもこの辺で出す訳にはいかんぞ」
「そうだよね、だから一回は向こうに戻らないと」
「ほれ、なにをしとる! 早く繋げるんじゃ!」
「はいはい、分かりましたよ」
ガンツさんが急に行く気になったので、ドワーフタウンの格納庫へと繋ぐ。
ガンツさん達と一緒に潜るとガンツさんにお願いする。
「おう、任せとけ!」
『ケイン、ガンツはやたらと張り切っているが、なにが始まるんだ?』
「ああ、マサオは初めてかな? まあ、見てなよ」
「『召喚!』」
ガンツさんが、右ての掌を格納庫の中心に向けて翳し、その右手を左手で押さえながら、ガンツさんが呟くと目の前にはホーク号が鎮座していた。
『は~でかいな。これは?』
「飛行機だよ。ほら、乗るよ」
ガンツさんはホーク号が見えた瞬間に我慢出来ずに飛び乗っていたので、俺とマサオはゆっくりとホーク号に乗り込む。
「ケイン、遅いぞ!」
「ガンツさんが早すぎるんだよ」
「ふん、もう準備は終わったぞ。それで、どこに行くんじゃ?」
タブレットを出すと王都周辺の地図を表示させる。
「ほう、これは王都じゃな。で? 目的の場所は?」
「ガンツさんは、知ってるかな? カイドー村ってところで、王都から北の方角にあるって聞いたんだけど」
「カイドー村か……すまんな。ワシの記憶にはないな」
「そうなんだ。で、王都の北の方で放牧しているはずだから、広めの開けた土地を探せば……あ! これかな。ガンツさん、ここまで飛んで!」
「おう、いいぞ。今日はワシらの他は誰もおらんから最大速でいいんじゃな?」
「もちろん、なるべく急いで行こう!」
「よし、任せとけ!」
ガンツさんが、そのまま飛び立とうとするのを慌てて止める。
「なぜ、止める?」
「ガンツさん、まずは上のハッチを開けないとダメでしょ!」
「あ、そうじゃった。ハッチオープン!」
格納庫のハッチを開けると、ホーク号が垂直に勢いよく上がっていく。
『お、おおおおお』
「マサオ、慣れないうちは黙っとかないと舌を噛むよ」
『そ、そんなこと言ったって……』
ホーク号がピタリと止まる。
「ケイン、方角を合わせるぞ」
「あ、ちょっと待って」
タブレットにホーク号の位置を表示させ、カイドー村と思われる位置に方角を合わせる。
「ガンツさん、もう少し右に寄って」
「右じゃな」
「もう少しだけ右」
「少し……こんなもんか?」
「そこ! この位置で」
「ここでいいんじゃな」
「うん、いいよ」
「じゃ、行くぞ! しっかり捕まってろよ!」
「マサオ、しっかりと踏ん張ってろよ!」
『え? まだなにかあるの?』
「最大速じゃ~」
グンとシートに体を張り付かせる感覚と共に周りの雲が凄い速さで視界の隅に消えていく。
『……』
通り過ぎないようにタブレット上のカイドー村の位置とホーク号の位置が離れないように注意する。
速度計を付けないとなにも分からないなとか考えている内に目的地が近付いて来たので、ガンツさんに速度を落とすように頼む。
「なんじゃ、もう終わりか」
今回は目的地がはっきりしていたので、飛んだのは一時間も掛かっていない。ひょっとしたら三十分も掛かってないかもしれない。
ホーク号のスピードを緩めてもらい地面を映すカメラの映像に注意する。
「ガンツさん、あの開けた土地が多分そうだよ」
「あれか?」
「そう! 高さはそのままで、あの辺の上空をぐるっと回ってくれる?」
「おう! 任せとけ」
牧場と思われる場所が見えたので、ガンツさんに頼んで周辺を回ってもらう。
肉眼で見える位置に近付いたが、まだ地面は遠いのでカメラで確認すると放牧されている牛が見えたので牧場には間違いないと思う。
なら、ホーク号を降ろせる場所を探そうと、周辺で開けた位置を探す。
「ガンツさん、あそこ。あそこなら少し離れているけど、ホーク号を下ろせそうじゃない?」
「ああ、確かにな。じゃ、着陸させるか」
ガンツさんに頼み空き地にホーク号を下ろしてもらい、ホーク号から降りる。
「マサオも降りたな。じゃ『収納』」
『……』
「マサオ、まだ体調悪いの?」
『……』
「ケイン、どうする?」
「どうするって、歩けないのなら置いていくしかないよね。今まで楽しかったよ。じゃあね」
『ちょっと、待て!』
「なんだ元気じゃん。なら、行くよ」
『少しは労われよ!』
「慣れるしかないから、ほら行くよ」
『ガンツ……』
「ワシは知らん。お前の飼い主はアイツじゃ」
『ぐぬぬ……』
「もう、しつこい!」
足に縋るドラゴさんをなんとか放し応接室を出てガンツさんの元へと向かう。
「ガンツさん、どう?」
「おう、ケインか。こっちは終わったぞ。今から運んでもらうところじゃ」
「そうなんだ。じゃあ、俺らも乗せてもらおうか」
「もちろん、そのつもりで話はつけてある」
ガンツさんが、親指を立ててグッと突き出してくる。
「さすがだね」
「おう! で、そっちはどうなんだ?」
「まあ、後で話すよ。少し急ごうか」
「なんだ? なにがあったんだ?」
「ふふふ、ちょっとね」
「なんだ? しまりのない顔をして」
「まあまあ、後で分かるからさ」
ダメだ、チーズが手に入ると思うとにやけが止まらない。もしかしたら、バターとか生クリームも手に入るかもしれないし。ダメだ、にやけ顔が止まらない。
「ケイン、ほら。準備が出来たぞ。馬車に乗るんじゃから、しっかりせえ!」
「あ、ごめん。ガンツさん」
ガンツさんにしまりのない顔を注意され、馬車へと乗り込む。
デューク様が管理を任された倉庫街には俺達の倉庫以外は人がいないみたいで、寂しい場所になってしまっている。早くなんとかしたいな。
セバス様からの連絡もないし、どうしたものかな。
倉庫にお酒を運び入れてもらい、手伝ってくれた店員達に幾らかの謝礼をガンツさんにお願いして払ってもらう。
「毎度!」
そう言って、店員さん達が帰ったことを確認した後に倉庫の扉を閉めると、保管した全てのお酒をインベントリにしまう。
「なあ、そろそろどんな話になったのか教えてくれてもいいだろ?」
「分かったよ。マサオ、お願いね」
『なんで、俺が?』
「だって、長いこと黙っていたから話したいでしょ? ほら、お菓子もあるよ」
『お! それだよ! 早く食わせろ!』
「まあまあ、慌てないで」
倉庫の中にテーブルと椅子を出すと、その上にあの甘ったるいお菓子を乗せる。
『……』
「マサオ、どうしたの? 食べないの?」
『ケイン、これはいらない。なぜか甘い物が好きなはずの俺の体が拒否するんだ』
「そう? ガンツさんは?」
「悪い。俺もやめとくわ」
「そう? じゃしまうね」
砂糖べったりなお菓子をインベントリにしまうと、替わりにとあの夫婦の店で買った焼き菓子を出す。
すると、すぐにマサオが咥えて持っていく。ガンツさんもすぐに手を出してきた。
俺も試しにとテーブルの上の焼き菓子を一枚手に取り、口に入れる。
「おいしい……」
「ああ、そんなに甘さはないが……これはアーモンドか?」
そう、砂糖をふんだんに使うのではなく、言うなれば素材の甘みをうまく活かしているみたいだ。
「うん、これは当たりだね」
「ああ、これならアンジェのお土産にもいい!」
『……』
「マサオも気に入ったみたいだね」
「で、店主とどんな話になったんだ?」
「ああ、そうだね。あのね、ドラゴさんが言うにはね……」
ドラゴさんと話した内容をガンツさんにも伝える。
「そうか。あの酒屋の旦那も苦労しているみたいだな」
「うん、そうみたい。でね、チーズの仕入れ元を聞いてきたからさ、これから行ってみない?」
「これから?」
「うん。せっかく聞いたんだからさ、早く行きたいじゃん」
「まあ、気持ちは分かるがな」
「じゃあ、決まりね」
「おい、ワシはまだ行くとは言ってないぞ!」
「でも、ガンツさんのを出してくれないと」
「飛ぶのか?」
「うん、その方が早いでしょ」
「そうだな、でもこの辺で出す訳にはいかんぞ」
「そうだよね、だから一回は向こうに戻らないと」
「ほれ、なにをしとる! 早く繋げるんじゃ!」
「はいはい、分かりましたよ」
ガンツさんが急に行く気になったので、ドワーフタウンの格納庫へと繋ぐ。
ガンツさん達と一緒に潜るとガンツさんにお願いする。
「おう、任せとけ!」
『ケイン、ガンツはやたらと張り切っているが、なにが始まるんだ?』
「ああ、マサオは初めてかな? まあ、見てなよ」
「『召喚!』」
ガンツさんが、右ての掌を格納庫の中心に向けて翳し、その右手を左手で押さえながら、ガンツさんが呟くと目の前にはホーク号が鎮座していた。
『は~でかいな。これは?』
「飛行機だよ。ほら、乗るよ」
ガンツさんはホーク号が見えた瞬間に我慢出来ずに飛び乗っていたので、俺とマサオはゆっくりとホーク号に乗り込む。
「ケイン、遅いぞ!」
「ガンツさんが早すぎるんだよ」
「ふん、もう準備は終わったぞ。それで、どこに行くんじゃ?」
タブレットを出すと王都周辺の地図を表示させる。
「ほう、これは王都じゃな。で? 目的の場所は?」
「ガンツさんは、知ってるかな? カイドー村ってところで、王都から北の方角にあるって聞いたんだけど」
「カイドー村か……すまんな。ワシの記憶にはないな」
「そうなんだ。で、王都の北の方で放牧しているはずだから、広めの開けた土地を探せば……あ! これかな。ガンツさん、ここまで飛んで!」
「おう、いいぞ。今日はワシらの他は誰もおらんから最大速でいいんじゃな?」
「もちろん、なるべく急いで行こう!」
「よし、任せとけ!」
ガンツさんが、そのまま飛び立とうとするのを慌てて止める。
「なぜ、止める?」
「ガンツさん、まずは上のハッチを開けないとダメでしょ!」
「あ、そうじゃった。ハッチオープン!」
格納庫のハッチを開けると、ホーク号が垂直に勢いよく上がっていく。
『お、おおおおお』
「マサオ、慣れないうちは黙っとかないと舌を噛むよ」
『そ、そんなこと言ったって……』
ホーク号がピタリと止まる。
「ケイン、方角を合わせるぞ」
「あ、ちょっと待って」
タブレットにホーク号の位置を表示させ、カイドー村と思われる位置に方角を合わせる。
「ガンツさん、もう少し右に寄って」
「右じゃな」
「もう少しだけ右」
「少し……こんなもんか?」
「そこ! この位置で」
「ここでいいんじゃな」
「うん、いいよ」
「じゃ、行くぞ! しっかり捕まってろよ!」
「マサオ、しっかりと踏ん張ってろよ!」
『え? まだなにかあるの?』
「最大速じゃ~」
グンとシートに体を張り付かせる感覚と共に周りの雲が凄い速さで視界の隅に消えていく。
『……』
通り過ぎないようにタブレット上のカイドー村の位置とホーク号の位置が離れないように注意する。
速度計を付けないとなにも分からないなとか考えている内に目的地が近付いて来たので、ガンツさんに速度を落とすように頼む。
「なんじゃ、もう終わりか」
今回は目的地がはっきりしていたので、飛んだのは一時間も掛かっていない。ひょっとしたら三十分も掛かってないかもしれない。
ホーク号のスピードを緩めてもらい地面を映すカメラの映像に注意する。
「ガンツさん、あの開けた土地が多分そうだよ」
「あれか?」
「そう! 高さはそのままで、あの辺の上空をぐるっと回ってくれる?」
「おう! 任せとけ」
牧場と思われる場所が見えたので、ガンツさんに頼んで周辺を回ってもらう。
肉眼で見える位置に近付いたが、まだ地面は遠いのでカメラで確認すると放牧されている牛が見えたので牧場には間違いないと思う。
なら、ホーク号を降ろせる場所を探そうと、周辺で開けた位置を探す。
「ガンツさん、あそこ。あそこなら少し離れているけど、ホーク号を下ろせそうじゃない?」
「ああ、確かにな。じゃ、着陸させるか」
ガンツさんに頼み空き地にホーク号を下ろしてもらい、ホーク号から降りる。
「マサオも降りたな。じゃ『収納』」
『……』
「マサオ、まだ体調悪いの?」
『……』
「ケイン、どうする?」
「どうするって、歩けないのなら置いていくしかないよね。今まで楽しかったよ。じゃあね」
『ちょっと、待て!』
「なんだ元気じゃん。なら、行くよ」
『少しは労われよ!』
「慣れるしかないから、ほら行くよ」
『ガンツ……』
「ワシは知らん。お前の飼い主はアイツじゃ」
『ぐぬぬ……』
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しかし、学院でレオンを待っていたのは酷い平民差別。そしてそこにレオンの夢の謎も交わって、彼の運命は大きく変わっていくことになるのだった。
※2025/12/31に書籍五巻以降の話を非公開に変更する予定です。
詳細は近況ボードをご覧ください。