転生したから思いっきりモノ作りしたいしたい!

ももがぶ

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◆失望しました

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夕食の準備をリーサさんと共に済ませると、リビングには既に全員が集まっていた。そして、その中には当然の様にヘレンさんもいる。
「まだ、いたんだ……」
「何を言うか、ケイン。言ったじゃろ! ワシはケインの子をこの手で取り上げるまではいるつもりだぞ」
「はいはい、分かりました。え~と皆、揃っているね。じゃあ、運ぶから手伝って!」
「「「分かった」」」

夕食が終わり、皆がそれぞれのんびりとしていたので、俺は父さんを見据えると、父さんもそれに気付き急に落ち着きをなくす。
これは母さんに何か言われたかなと思うが、まあ気にしない。
「父さん、そろそろいろいろと決めて欲しいんだけど?」
「な、なんだケイン。随分急だな」
「そんな急じゃないでしょ! 特に家の間取りに関しては早くしてもらわないと困るんだけど?」
「分かってる。それは分かってはいるんだけど……」
この場でまだ何かを言いたげな感じはあるが、肝心のを話してくれない父さんに少しイラついてしまったせいか、声の調子が荒くなる。
「だから、気に入らないところがあれば言ってってお願いしてるでしょ? 何が気に入らないの? それとも何か欲しいのがあるの? どっちなの?」
「そ、それは……」
「ケイン、そんなにお父さんを責めないであげて」
そんな俺の様子に対し、母さんが父さんを庇う様な発言をするが、俺はこの際だからと今までの不満を漏らす。
「でも、引越を決めてからは家の場所しか決まっていないんだよ。それも家の間取りに関しては兄さん達からは返って来てるから、後は父さんだけなんだよ。それに不満や要望にはちゃんと応えるって言っているのに父さんは何も言って来ないんだよ。母さん、分かってよ!」
「そうね。まだ、この子達も名前が決まっていないしね。ごめんね、ケイン。あなた、そういう訳だからハッキリさせましょう! ケインもお父さんがぐずぐずしていることがハッキリすればいいのよね?」
「うん。そう、それが分からないから焦るし、イラつくんだよ」
「そうね。まあ、そこはお父さんのいいところで悪いところよね。それで、あなたはどうなの?」
「お、俺は……」
この場に来てもまだ言い淀む父さんに対し、まだ話してくれそうにはないなと感じた俺は妥協案を提案してみる。
「いいよ。父さん。まずは父さんの理想の間取りを俺に見せてよ。家の階数や大きさとか使い勝手とかは後回しでいいから。まずは父さんの理想を俺達に教えてよ。それでいい?」
「俺は構わないが、ケインはそれでいいのか?」
「いいも何も父さんが納得出来ないまま、引越を進めることは出来ないでしょ。そんなの俺だってやりたくないしね。だから、まずは父さんが考える理想の間取りを教えてよ」
「ケイン……」
「でも、今のお店の狭さの問題があるんだからね。忘れてないよね? 最初は今のお店の売り場拡張から来ているんだからね。だから、まずは三日後までになんらかの形は見せてもらうよ。それはいいよね?」
「三日か……もう少し伸ばせないかな?」
「ダメ! ここまで待っても何も出ないんだから、下手に伸ばしたら引越しそのものが消えちゃうよ。それに他の村や里からも移住する人が増えているからね。そんなにいつまでも土地だけ確保ってのは難しいよ。父さんも商売しているんだから、分かるでしょ」
「そ、そうだな。分かった、三日後だな。頑張るよ」
「じゃあ、あなた。家の話が片付いたところで、子供の名前を決めましょうか」
「母さん、いきなりだな」
「あら、私が名前を考えたら、お互いに発表するって決めてたでしょ。そういう訳で……コホン、え~今から『第一回 双子の女の子の名前はどっち? 選挙』を開催します! 拍手ぅ~」
『パチパチパチ』と俺とリーサさんが拍手をすると、それにつられる様に兄ズやメアリー、デイヴ、ヘレンさんも拍手する。
「拍手、ありがとう。で、どうする? あなたから発表する? それとも私からの方がいい?」
「父さんが先に言いなよ。母さんが先に言うと、『それでいい』って言いそうだし」
「ぐっ……」
「父さん?」
皆の拍手を受け、母さんが礼を言い、父さんとどっちが先に発表するかを確認している所に俺から、『父さんが先に』と提案する。なんだか父さんのことだから、母さんが考えた名前を発表したら、そのままそれでいいとか言いそうだからと言うと、父さんが俺の発言に驚く。
やっぱり、そんなことを考えていたんだなと思うと、ますます父さんが考えていた名前がどんななのかが気になる。なので、敢えてな話を父さんにしてみる。
「ねえ、父さん。あくまでも確認なんだけど、昔の彼女の名前とか、好きだった人の名前とかじゃないよね?」
「えっ! い、イヤだな~ケイン。ま、まさか父さんがそんなことをする訳がないだろう。もう、考えすぎだぞ」
父さんは俺の意見を否定するが、少し慌てている様子も見られるので、それならばと少し追い込んでみる。
「そ。なら、教えてよ。父さんが考えた名前を」
「ま、まあ、父さんが考えた名前はいいじゃないか。それに俺はサムやクリスにケインと今まで俺が名付けたんだしな。それに今度は女の子だ。母さんが考えた名前の方がいいに決まっている。うん、絶対にそうだ。なあ、母さん。母さん?」
「あなた。私もあなたが考えた名前を是非とも知りたくなったわ。ねえ、教えてもらえるかしら?」
「な、なんだい母さん。もしかして、ケインが言ったことを本気にしているのかい? バカだなぁ。子供の言っていることを本気にしたらダメだぞ」
追い込んだら、父さんは自分の考えた名前ではなく母さんの考えた名前を無条件に採用しようと言ってくるので、それを不審に思った母さんまで、父さんの考えた名前を教えて欲しいと言い出すが、父さんは子供の言ったことだと一蹴しようとするが、母さんは引き下がらない。
「あら? 子供と言ってもケインよ。そのケインが言っているのなら、確かめない訳にはいかないでしょ。それに私だって、それを確かめないことにはご飯も喉を通らないわよ」
「それは夕食を食べた後だからじゃない?」
「確かに……って、そうじゃないでしょ! 今だってまだデザートも食べてないのよ!」
「それはまだ用意してないだけで……」
「そうよ。だから、この話を終わりにして、早くデザートを食べたいの! だから、早く教えなさい!」
「ごめんなさい!」
そう言って、父さんがリビングの床の上でに綺麗な土下座を披露する。
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