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第一章
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「全部を抱き締めるのは困難です。いち花様の腕は二本しかありません。気づいたときにうんと抱き締めてあげればいい」
守るべきものが多い。大勢の人間や立場や諸々な事情を抱えている者はこの世にいる。
分かっているつもりが、本当の形を見えていない時もある。
「……はい。ぎゅうううと抱き締めます!!」
いち花は参の大きな身体を抱き締める、というより抱きついて笑って頷いた。
参は愛おしそうに目を細めて抱き上げる。
二人は二人だけの世界から足を踏み出した。
それは鬼を狂わす刀を連れ戻す旅、そう二人は考えていた。
足音が増えて、土が踏まれ、道が開かれる。
【第一章完】
守るべきものが多い。大勢の人間や立場や諸々な事情を抱えている者はこの世にいる。
分かっているつもりが、本当の形を見えていない時もある。
「……はい。ぎゅうううと抱き締めます!!」
いち花は参の大きな身体を抱き締める、というより抱きついて笑って頷いた。
参は愛おしそうに目を細めて抱き上げる。
二人は二人だけの世界から足を踏み出した。
それは鬼を狂わす刀を連れ戻す旅、そう二人は考えていた。
足音が増えて、土が踏まれ、道が開かれる。
【第一章完】
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