同志、求む!

遊虎りん

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第1話 人攫いあらわる!

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冬用の靴を履いて玄関のドアに鍵をかけるとわたしは外へと飛び出して人攫いの男を追いかけた。
わたしは人攫いの男に追い付けるという確信があった。
それは、人攫いの男が履いている靴は革靴で滑りやすいし、雪道に慣れていない走り方だからだ。
昨日の夜は雨が降っていた。一度雪が溶けてまた寒さで凍り付いた地面はつるつるでこの地に生まれ育った雪道に慣れたものでも油断すると転んでしまう。

つるん、という音が鳴り、革靴が凍りついた雪道で滑り足元を取られて人攫いの男がバランスを崩すと見事に転んだ。尻餅をついて頭も地面に打ち付ける。
宙に放り出された子供をわたしはキャッチする。子供は泣き疲れて気を失うようにして目を閉ざして眠ってしまった。

「無様だな。ひっくり返された亀のようだ」

頭を打ち付けて痛みに顔をしかめて低く唸っている人攫いの男を見下ろすとわたしは子供を抱いたまま、スカートめくりをして女子を敵に回し、カンチョウ!をして男子を敵に回し、ドアを開けたら黒板消しが落ちて髪がチョークの粉まみれになる罠をしかけ先生を敵に回し怒られてバケツを持たされて先生に怒られて廊下に立たされた悪戯が昔ながらの悪戯っ子の級友に向けた同じ冷たい視線を送りつつ言いきった。
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