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第2話 同志、求む!
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わたしは白い息を吐きながら画用紙に黒マジックで字を書いたシンプルなポスターを掲示板にセロテープで貼りつけた。
『人喰い姫を一緒に倒してくれる同志、求む!本当の平和を取り戻そう』
うん、簡潔で分かりやすい。腕を組んでわたしは満足感たっぷりに頷いた。
おはよー、と朝の挨拶を交わして生徒達は掲示板の前を通りすぎていく。残念ながら立ち止まりポスターに興味を持つ者は今のところいない。
「クーク」
わたしは名前を呼ばれどきり、と心臓を跳び跳ねさせた。顔が赤くなれば恋する女子だと可愛らしさが花開くだろうが相手が悪かった。
ラブレターという名の不幸の手紙を下駄箱に入れた張本人だからだ。
嫌々ながらも振り向くと予想通りの顔があった。
「すまないが、手紙を返してくれ」
明後日で15才になるわたしより3つ年下の男の子なのに冷静沈着な声。好きだというわたしを目の前にして恥じらう様子も照れている様子もなく子供らしくない。偉大なる魔術師であった前世の記憶が丸々残っていると噂できいたことがある。
「!!あ、あ、あの手紙か。返す、返すとも!!ぜひお返したい。家にあるから、学校が終わったらお前の家のポストにぶち込みにいく」
わたしは心の底から安堵した。
あのラブレターはどうやら間違ってわたしの下駄箱にいれてしまったらしい。はぁーと息を吐き出して笑った。
手紙をぐしゃぐしゃに丸めてゴミ箱に捨てなくて本当によかった。
『人喰い姫を一緒に倒してくれる同志、求む!本当の平和を取り戻そう』
うん、簡潔で分かりやすい。腕を組んでわたしは満足感たっぷりに頷いた。
おはよー、と朝の挨拶を交わして生徒達は掲示板の前を通りすぎていく。残念ながら立ち止まりポスターに興味を持つ者は今のところいない。
「クーク」
わたしは名前を呼ばれどきり、と心臓を跳び跳ねさせた。顔が赤くなれば恋する女子だと可愛らしさが花開くだろうが相手が悪かった。
ラブレターという名の不幸の手紙を下駄箱に入れた張本人だからだ。
嫌々ながらも振り向くと予想通りの顔があった。
「すまないが、手紙を返してくれ」
明後日で15才になるわたしより3つ年下の男の子なのに冷静沈着な声。好きだというわたしを目の前にして恥じらう様子も照れている様子もなく子供らしくない。偉大なる魔術師であった前世の記憶が丸々残っていると噂できいたことがある。
「!!あ、あ、あの手紙か。返す、返すとも!!ぜひお返したい。家にあるから、学校が終わったらお前の家のポストにぶち込みにいく」
わたしは心の底から安堵した。
あのラブレターはどうやら間違ってわたしの下駄箱にいれてしまったらしい。はぁーと息を吐き出して笑った。
手紙をぐしゃぐしゃに丸めてゴミ箱に捨てなくて本当によかった。
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