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バタっと地面にひれ伏した隼人はやられるがままに身を任せた。
逆らっても仕方がない。
相手はたちの悪いいじめっ子3人組だ。
制服を脱がされ、金を抜き取られ、
公園の水道を頭からかけられ、
頭を泥のついた靴で踏み潰される。
その日もお決まりのフルコースだ、と隼人は一連の流れを歯を食いしばりながら耐えていた。
隼人は小学生の頃から毎日こうして下校時に執拗ないじめにあってきた。
大人に相談した事もあったが、ちくったことがばれてそれまで以上にいじめはエスカレートしたことから、耐える方がましだと考えるようになった。
それに加え隼人の両親はいじめられる側にも問題があると言い、隼人を空手教室に通わせたが根本的な解決には至らなかった。
「おい、隼人今日は金を巻き上げねーから
あの怪しい骨董品屋で1番高価なものを盗んでこいよな。出来なかったら、、
分かってるよな」
リーダー格の牧野が隼人の首を掴みながら
言った。
隼人は黙り込み俯きながら視線を通りに移した。
骨董品屋、、、
最近学校へ続く並木通りに一夜にして骨董品屋が開店したのだ。
その店は一夜で立てられたにしては古く
蔦の葉が壁一面にからまっていてまるで
ホーンテッドマンションのようだった。
道ゆく人はそれを最近流行りの演出だろうと興味を持ったが、実際不気味な門構えのその店に誰一人近寄る者はいなかった。
そこへ行き1番高いものを盗む、、
そんな事出来るわけが無いと思いながらも
掴まれた首をゆっくりと縦に振った。
「よし、良い子だな、隼ちゃん」
店頭で隼人を解放したいじめっ子3人は
向かいの草むらに隠れて見張っていると言い残しその場を去った。
隼人は小さな窓から中に人がいるかどうか
確かめたが、店内は骨董品の山でよく見えない。
中に入らないことには何も始まらないと
思った隼人は入り口の木の扉をゆっくりと
開けた。
「ぎぎぎー」
扉は思いの外大きな音を立てて隼人を迎え入れた。
恐る恐る入った店内のラックにはおびただし数の古い骨董品が所狭しと乱雑に置かれていた。
隼人は息を潜めて人気の無い店内を歩き
高価そうな品を探した。
するとラックの上の棚に一際目立つ黄金色の宝石箱を発見した。
これは高価な物に違いないと思った隼人は
周りを見渡し誰もいないのを確認すると
宝石箱に手を伸ばした。
と、その時
「それではありませんよ。
この店で1番高価な品は」
ラックの背後から長く伸ばした髪の毛をボサボサにし髭を蓄えた、まるで浮浪者のような風貌の男が姿を現した。
隼人は慌てて宝箱を戻し、直立不動になった。
男は汚い歯を見せてニヤリと笑った。
「お待ちしておりました、お会いできて
光栄です。」
「えっ?」
「さあ、参りましょうおぼっちゃま、時間が無いようです。」
「お、おぼっちゃま?」
逆らっても仕方がない。
相手はたちの悪いいじめっ子3人組だ。
制服を脱がされ、金を抜き取られ、
公園の水道を頭からかけられ、
頭を泥のついた靴で踏み潰される。
その日もお決まりのフルコースだ、と隼人は一連の流れを歯を食いしばりながら耐えていた。
隼人は小学生の頃から毎日こうして下校時に執拗ないじめにあってきた。
大人に相談した事もあったが、ちくったことがばれてそれまで以上にいじめはエスカレートしたことから、耐える方がましだと考えるようになった。
それに加え隼人の両親はいじめられる側にも問題があると言い、隼人を空手教室に通わせたが根本的な解決には至らなかった。
「おい、隼人今日は金を巻き上げねーから
あの怪しい骨董品屋で1番高価なものを盗んでこいよな。出来なかったら、、
分かってるよな」
リーダー格の牧野が隼人の首を掴みながら
言った。
隼人は黙り込み俯きながら視線を通りに移した。
骨董品屋、、、
最近学校へ続く並木通りに一夜にして骨董品屋が開店したのだ。
その店は一夜で立てられたにしては古く
蔦の葉が壁一面にからまっていてまるで
ホーンテッドマンションのようだった。
道ゆく人はそれを最近流行りの演出だろうと興味を持ったが、実際不気味な門構えのその店に誰一人近寄る者はいなかった。
そこへ行き1番高いものを盗む、、
そんな事出来るわけが無いと思いながらも
掴まれた首をゆっくりと縦に振った。
「よし、良い子だな、隼ちゃん」
店頭で隼人を解放したいじめっ子3人は
向かいの草むらに隠れて見張っていると言い残しその場を去った。
隼人は小さな窓から中に人がいるかどうか
確かめたが、店内は骨董品の山でよく見えない。
中に入らないことには何も始まらないと
思った隼人は入り口の木の扉をゆっくりと
開けた。
「ぎぎぎー」
扉は思いの外大きな音を立てて隼人を迎え入れた。
恐る恐る入った店内のラックにはおびただし数の古い骨董品が所狭しと乱雑に置かれていた。
隼人は息を潜めて人気の無い店内を歩き
高価そうな品を探した。
するとラックの上の棚に一際目立つ黄金色の宝石箱を発見した。
これは高価な物に違いないと思った隼人は
周りを見渡し誰もいないのを確認すると
宝石箱に手を伸ばした。
と、その時
「それではありませんよ。
この店で1番高価な品は」
ラックの背後から長く伸ばした髪の毛をボサボサにし髭を蓄えた、まるで浮浪者のような風貌の男が姿を現した。
隼人は慌てて宝箱を戻し、直立不動になった。
男は汚い歯を見せてニヤリと笑った。
「お待ちしておりました、お会いできて
光栄です。」
「えっ?」
「さあ、参りましょうおぼっちゃま、時間が無いようです。」
「お、おぼっちゃま?」
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