この大きな空の下で [無知奮闘編]

K.A

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神経のすり減らし方

とうとう始まった審議会

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私「失礼します」
職長「よし、行こうか。リーダーには午後は作業から外すように言ってあるから」

職長の後に続き事務所を後にし、会議室へ向かう。

最後の最後にひとつだけ尋ねた。
私「職長」
職長「なに?」
私「審議会の精査の結果、片方の落ち度が認められた場合、どうなるんですか?」
職長「あぁそれはその時その時で懲罰内容が決定されるよ。あくまで精査の内容によるけど叱責から給料カット、降格もあったかな」
私「解雇は可能性としてあり得ますか?」
職長「そこまで酷いのはなかったど記憶してる、ただし悪質な内容だったらわからないな」
私「わかりました、ありがとうございます」

そうこうしている内に会議室に着いた。

もう泣こうが喚こうが始まるのだ。

ふーっと息を吐き、会議室の扉を開ける。
もうすでに役職が六人、決められた位置に座っていた。

「上申者ですね、所属と名前をフルネームでお願いします」
[審議会進行 総務課長]という席に座っていた方にそう求められた。

私「はい、派遣会社N社所属プレス担当のKと申します」

進行「はい、確認しました。そこに座ってください」

会議室のほぼ中央に設置したパイプ椅子に座るように促された。

中央には椅子が二つ。

その片方にポツンと座る。
と同時に扉が開き、いかにも偉そうな人が入ってきた。
進行「E次長、御苦労様です。こちらにお掛けください」

他の役職達も一斉に立ち上がり会釈をする。
次長は会議室内に掲示してある社訓に向かって軽く会釈をしてから静かに椅子に腰かけた。

前の職長も召集されていた。

全員揃ったようだ。

進行「では、人材派遣会社N社所属プレス工程係K氏の申し立てに基づき、審議会を始めます。一堂起立!礼!直れ!」

歯切れのいい号令と共に審議会が始まった。

進行「お手元にございます資料一をご覧ください」
一堂が資料に目を通す。

進行「では、上申者、起立!」
私「はい」
起立をすると一枚の紙を渡される、紙には[宣誓書]とある
進行「宣誓書の内容を大きな声で読み上げ、嘘は一切言わない事を目の前の社訓に誓ってください」
私「はい!」
宣誓書を読み上げる。
私「.....全てに於いて、嘘偽りの発言をしない事を誓います。もし嘘偽りが発覚した場合はいかなる処分も甘んじて受ける事を併せてここに誓います」

進行「上申者から宣誓が読み上げられましたので、これから詳細の審議を行います」

進行「では、Kさんからの上申内容を読み上げます、皆さまご確認ください」

上申内容の読み上げが終わる。

進行「では、前職長、前へ」

後方にいた前職長が隣の椅子の前に立った。
そして前職長も同様に宣誓書を読み上げる。

前職長への尋問が始まった。
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