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第二話:魔王、異世界で目覚める
しおりを挟む目が覚めると、そこは見知らぬ世界だった。薄暗い森の中、苔むした石の上に転がり、空を見上げれば二つの月が怪しく輝いている。
「死んだはずだろ……?」と呟きながら立ち上がると、目の前にボロボロの服を着た少女が立っていた。
鋭い目つきで睨む虹河に、彼女は怯えながらも「助けてください」と訴える。
少女の名はマキナ・クラフト。幼いが、ムラサキ村で有望な鍛冶屋の娘として知られていた。
「助ける? 冗談じゃない」と内心で毒づきつつ、状況を把握しようと近づく。すると、森の奥から野獣の咆哮が響き、巨大な狼が飛び出してきた。
マキナが悲鳴を上げ、虹河は反射的に前に出る。「面倒だな」と言いながらも、闇金融時代に培った冷徹な判断力と、エレボスで鍛えた戦闘技術で狼を一撃で仕留めた。
黒い波動が一瞬だけ手元で揺らぎ、マキナは目を丸くして「すごい! ありがとうございます!」と感激する。
「感謝されても困る」と仏頂面で返す虹河だが、マキナはその後も離れず、「ムラサキ村まで案内します!」と勝手に歩き出した。
仕方なくついていくと、異世界エテルニアの辺境にあるムラサキ村に到着。貧しく、魔物に怯える村人たちの姿が目に入る。
マキナが「この人が狼を倒してくれたの!」と叫ぶと、村人たちに囲まれ、「英雄だ!」「救世主だ!」と賞賛の嵐が巻き起こる。
虹河は内心、「ふざけるな、英雄? 俺は魔王だ」と苛立つが、純粋な笑顔に気圧され、渋々その場に留まることに。
その夜、村長の家で粗末なスープを前に、エテルニアの現状を聞く。一人の魔王がこの辺りを支配していたが最近消え、魔物が暴れ回っているという。
「ふむ……魔王が消えたなら、俺がその座につくチャンスだな……」と虹河は企む。
だが、村長が続ける。「魔物の巣が近くにあって、ムラサキ村が襲われるのも時間の問題なんです……あなたに助けていただければ……」
「助ける気はない」と切り捨てようとしたが、村長の懇願とマキナの無垢な視線に負け、「……仕方ない、一回だけだ」と口を滑らせてしまう。
村人たちが大喜びする中、虹河は「俺は何をやってるんだ」と頭を抱えた。
翌朝、村人たちに担ぎ上げられ、魔物の巣へ向かう。「魔王として世界を支配する第一歩だ!」と意気込むが、背後で「虹河様、頑張ってください!」と応援される。
巣に着くと、ゴブリンやオークがうじゃうじゃ。虹河は「雑魚か」と一蹴し、黒い波動で軽く蹴散らす。
だが、奥へ進むと空気が一変。地面が震え、マキナが「おかしいよ……」と呟いた瞬間、巣の最深部から轟音が響く。
現れたのは巨大なドラゴン——鱗に覆われた巨体、赤い目、炎を吐く口。
虹河は目を細め、「なんだこれ、でかすぎるだろ……」と呟く。ドラゴンが咆哮し、炎が迫る中、マキナが「虹河さん!」と叫ぶ。
「仕方ない、やってやる!」と虹河は黒い波動を刀に纏わせ、ドラゴンに立ち向かう。尾の一撃で巣が揺れ、虹河は不敵に笑う。「お前、俺を舐めるなよ」と言い放ち、次回への激しい戦いの幕が上がる——!
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