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第三話:魔王、ドラゴンと激突
しおりを挟む虹河龍一は、異世界エテルニアの魔物の巣の最深部で、巨大なドラゴンと対峙していた。鱗に覆われた巨体が咆哮を上げ、赤い目が虹河を睨み、口から炎が吐き出される。
マキナ・クラフトが「虹河さん、危ない!」と叫ぶ中、虹河は不敵に笑う。「お前、俺を舐めるなよ」と呟くが、手には武器がない。エレボス時代に愛用した黒いエネルギーの刀は、ヤスイに倒された際に失っていたのだ。「仕方ない、素手でも十分だ」と構えたその時、足元に錆びてボロボロの剣が転がっているのに気づいた。
「なんだこれ、ボロすぎるだろ……」と呟きつつも、それを拾い上げる。刃は欠け、柄もぐらついているが、他に選択肢はない。ドラゴンの炎が迫り、虹河は素早く横に跳ぶ。
「面倒だな」と言いながら、全身に黒と金の光を纏い始めた。背中から闇の翼が広がり、黒い鎧が体を覆う。最終形態への変身だ。
「これが俺の本気だ!」と叫び、ボロ剣を握り直す。黒い波動が剣に流れ込み、錆びた刃が一瞬だけ輝きを取り戻した。
ドラゴンが尾を振り下ろすが、虹河は衝撃波を放ち、その一撃を弾き返す。巣全体が揺れ、岩が崩れ落ちる。マキナは目を丸くして見つめる。「虹河さん、すごい……!」
だが、虹河は内心、「こんなボロ剣、見られても困る」と苛立つ。ドラゴンが再び炎を吐き、虹河は翼を広げて宙に舞う。
波動を剣に集中させ、「じゃあ、終わりにするぞ!」と一閃。ボロ剣から放たれた黒い波動がドラゴンを貫き、巨体が悲鳴を上げて崩れ落ちた。剣は衝撃に耐えきれず粉々に砕け散り、虹河は「やっぱりゴミだな」と呟いた。
戦いが終わり、変身を解いた虹河は息を整える。「雑魚じゃないけど、まあこんなものか」と独り言。
マキナが駆け寄り、「虹河さん、ありがとう! ドラゴンを倒すなんて信じられない!」と感激する。
虹河は「仕方なく、やっただけだ」とそっけなく返すが、視線はドラゴンの死体から少し離れた場所に注がれていた。そこに、光を放つ何かが見えたのだ。
近づくと、金貨や宝石、輝く装飾品が山のように積まれている——ドラゴンが隠していた財宝だ。
「ふむ……こいつはいいものだな」と目を細める虹河。どうやって持ち帰るか考えていると、突然、頭の中に声が響いた。
『スキル『金庫』を使いますか?』
「なんだこれ……?」と驚く虹河。意識を集中すると、黒い波動が手元から湧き上がり、財宝が吸い込まれるように消えていく。自分の内に「金庫」と呼べる空間を感じ取り、財宝が全てそこに収納された。
「異世界の新技か……悪くない」と満足げに呟く。
マキナには気づかれていない。
「よし、こいつは俺だけの秘密だ」とほくそ笑む。彼女がドラゴンの死体に目を奪われている隙に、財宝のことは隠しておくことにした。
マキナが振り返り、「虹河さん、このドラゴンの鱗とか爪、すごい素材だよ! 村に持って帰れるかな?」と言う。
虹河は「いいよ、そっちに任せる。俺はもう疲れたしな」と気前よく譲る素振りを見せた。
マキナは目を輝かせ、「本当に? ありがとう、虹河さん!」と喜ぶ。
虹河は「別にいいって」と手を振るが、内心では「金目のものさえ手に入れば、こんなゴミはくれてやる」と冷たく笑っていた。
ドラゴンの死体と巣に散らばる鉱石を村に持ち帰れば、それで十分だろうと考えたのだ。
その夜、ムラサキ村に戻った虹河とマキナは、村人たちにドラゴン退治の報告をした。
村長が「ドラゴンを倒してくれたなんて……虹河様、あなたは我々の命の恩人です!」と頭を下げる。
マキナが「鱗や鉱石も持って帰ってきたよ!」と付け加えると、村人たちは大歓声を上げた。
「これで武器や道具が作れる!」「虹河様のおかげで村が救われた!」と感謝の嵐。
虹河は「そんな、大したことじゃない」と照れ隠しに言うが、心の中では「俺は魔王なのに、なんでこうなるんだ」と困惑していた。
次回、財宝を秘めたまま、虹河の異世界での奇妙な冒険が続く——!
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