涙の彼方、歌う星の光

medaka

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星座の使徒

【獅子座:レグナ】獅子の光と不屈の試練

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星座宮殿がエテルニアに希望と調和を届けていた時代。13の星座の輝きが夜空を彩り、使徒たちは星の意志を紡ぎ、大地に光を与えていた。星座宮殿の中央広間では、使徒たちが集い、互いの役割を果たしながら絆を深めていた。その中で、ひときわ輝く存在がいた——獅子座の使徒、レグナ。

レグナはまるで太陽そのものだった。輝く金髪が星光に照らされ、黄金色の瞳は威厳と優しさに満ちていた。彼女の堂々とした姿は、エテルニアの民から憧れの象徴とされ、星座宮殿の使徒たちからも信頼されていた。レグナの光は民を照らすためにあり、民を守る時にさらに輝きを増す。彼女が広間に立つだけで、まるで昼間のように明るい光が周囲を満たした。「我が獅子座の力は、大衆を守るためにある。星の意志が続く限り、決して揺らがない。」 彼女の力強い言葉は、使徒たちの心に勇気を与えた。

ある日、星座宮殿に不穏な知らせが届いた。エテルニア北部の広大な平原地帯、ソルティアに異変が起きたのだ。ソルティアは、エテルニアでも特に豊かな穀倉地帯で、多くの民が暮らす場所だった。しかし、平原の地下深くから星の力が乱れ、地割れが広がり、闇の瘴気が噴き出していた。瘴気は作物を枯らし、民を病に冒し、村々を混乱に陥れていた。

星座宮殿の会議広間では、使徒たちが集まり、対応を協議していた。魚座のリーシャが儚げな声で付け加えた。「私の予知夢でも、ソルティアの大地が闇に呑まれる幻を見た…。民が苦しんでいる…。」

レグナは広間の中央に立ち、黄金の瞳を鋭く光らせた。「アリエ、君の勇気は頼もしい。だが、ソルティアの民は今、希望の光を必要としている。我が獅子座の光で、民を守り、星脈を鎮める。私が行く。」 彼女の堂々とした宣言に、使徒たちは一瞬息を呑んだ。蟹座のアセラが心配そうに呟いた。「レグナ…危険だよ。私も一緒に行く…。」 しかし、レグナは微笑み、アセラの肩に手を置いた。「アセラ、君は泉を守る役目がある。私を信じてくれ。獅子座の光は、民を守るために輝くのだ。」

レグナは単身、ソルティアへ降り立った。彼女が平原に足を踏み入れると、村人たちはその姿を見て歓声を上げた。「太陽の使徒、レグナ様だ!」「我々を救いに来てくれた!」 レグナの金髪が風に揺れ、彼女の存在はまるで太陽のように村人たちに希望を与えた。彼女の体から放たれる光が民を照らし、村人たちの心に温かな安堵をもたらした。彼女は村の長老に近づき、力強い声で尋ねた。「異変の中心はどこだ? 私が民を守る。」

長老は震える手で平原の奥を指差した。「レグナ様…地割れの中心は、あの古の祭壇です。瘴気がそこから噴き出し、村々を呑み込んでいます…。」 レグナは頷き、村人たちに宣言した。「我が獅子座の名にかけて、汝らを守る。恐れず、私を信じなさい。」 彼女の言葉に、村人たちは希望の光を見出し、祈りを捧げ始めた。

レグナは古の祭壇へ向かった。祭壇は巨大な石碑が円形に並び、中央に深い地割れが走っていた。地割れからは黒い瘴気が噴き出し、星の力が乱れている感覚がレグナの肌を刺した。彼女は祭壇の中央に立ち、獅子座の力を解放した。金色の光が彼女の体から溢れ出し、瘴気を押し戻した。彼女の金髪が光を反射し、まるで太陽の corona のように輝いた。「星脈よ、我が光で鎮まれ!」 彼女の声が響き、祭壇が光に包まれた。

しかし、瘴気は簡単には収まらなかった。地割れから闇の魔物が這い出し、レグナに襲いかかった。魔物は星の力を汚した存在で、鋭い爪と牙を持ち、瘴気をまといながら咆哮を上げた。レグナは黄金の爪を構え、魔物と対峙した。「民を脅かす存在、我が許さぬ!」 彼女の爪が光を放ち、魔物を次々と切り裂いた。彼女の光は民を守るためにさらに輝きを増し、魔物を圧倒した。戦いは激しさを増し、レグナの体に傷が刻まれたが、彼女は決して退かなかった。

魔物を倒すたびに瘴気が弱まるが、地割れからは新たな魔物が湧き出し、星脈の暴走は止まらなかった。レグナは気づいた。「このままでは、瘴気が村々を呑み込む…。私がここで瘴気を抑え続けるしかない。」 彼女は祭壇の中央に立ち、獅子座の力を最大限に引き出した。金色の光が太陽のように輝き、瘴気を押し込める結界を張った。彼女の金髪が輝きを増し、光は村々まで届き、民を照らした。「我が光が、汝らを守る! 決して、闇に呑まれることはない!」

レグナは三日三晩、祭壇の中央で立ち尽くした。彼女の体は瘴気の影響で傷つき、金髪は汗で濡れ、黄金の瞳は疲労で曇っていた。しかし、彼女の意志は揺らがなかった。彼女の光は民を守るためにさらに輝きを増し、村々を瘴気から守り続けた。村人たちは遠くからレグナの姿を見守り、祈りを捧げた。「レグナ様…太陽の使徒…我々を守ってくれ…。」 彼女の光は村人たちに希望を与え、病に冒された民の心を癒した。

三日目の夜、星脈の暴走がようやく収まり始めた。地割れから瘴気が消え、星の力が安定を取り戻した。レグナは最後の力を振り絞り、獅子座の光で地割れを封じた。「星脈よ、鎮まれ…! エテルニアに、再び光を…!」 彼女の声が響き、地割れが閉じ、祭壇が淡い光に包まれた。星の力がソルティアに流れ込み、枯れた畑に緑が戻り始めた。

レグナは膝をつき、息を荒げた。彼女の体は傷だらけだったが、黄金の瞳には満足の光が宿っていた。村人たちが祭壇に駆け寄り、レグナを取り囲んだ。「レグナ様、ありがとう!」「我々を救ってくれた!」「この偉業を讃え、村に銅像を作ります!」 村人たちはレグナの姿を模した銅像を作ることを誓い、彼女の神話を後世に残そうと決めた。レグナは静かに微笑んだ。「民が無事なら…それでいい。我が光は、汝らを照らすためにある。」

星座宮殿に戻ったレグナは、使徒たちに迎えられた。アセラが心配そうに駆け寄り、「レグナ、大丈夫…? 傷だらけだよ…。」と呟いた。レグナはアセラの頭を撫で、力強く答えた。「心配無用だ、アセラ。民を守れた。それが我が獅子座の誇りだ。」 牡羊座のアリエが凛々しくレグナに近づき、気高い声で称賛した。「レグナ、さすがだな! 貴殿の光、私の勇気を奮い立たせた。エテルニアに希望を与えた功績、まさに神話に値するぞ!」 アリエの称賛に、レグナは穏やかに微笑んだ。「アリエ、感謝する。だが、我が光は民のためにある。汝の勇気と共に、星の意志をこれからも守ろう。」

しかし、リーシャは一人、静かに呟いた。「レグナ…あなたの光は確かに闇を払った。でも、私の夢は…まだ影が残っている…。」 彼女の言葉は、使徒たちの笑顔に溶けた。水晶庭園に調和が戻り、使徒たちは再び星の意志を紡いだ。レグナの三日三晩の守護は、エテルニアの民に神話として語り継がれ、彼女の姿を模した銅像がソルティアの村に建てられた。彼女の太陽のような姿は、永遠の憧れとなった。
だが、リーシャの予知夢が示す微かな影は、遠い未来の混沌を暗示していた。

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