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星座の使徒
【射手座:カウサ】星輝の森《ルミナシル・セレンディス》の守護者
しおりを挟むエテルニアの大地は、かつて星の光に浴し、青々とした草原と清らかな川が輝いていた。
夜空には13の星座が燦然と輝き、その光は地上に調和と希望を紡いだ。天界の星座宮殿では、13星座の使徒たちが集い、星の意志を地上に伝える使命を果たしていた。
彼女たちは勇気、知恵、愛、そして癒しを司り、エテルニアの民に星の輝きを分け与えた。
しかし、星の光が弱まり始めた今、地上には闇が忍び寄り、使徒たちはその調和を守るため行動を起こす時が来た。
射手座の使徒カウサは、オレンジ色の髪が鮮やかな女性で、星の光を宿した青く輝く「星裂弓」を手に持つ。彼女は自由と勇気を司る使徒として、宮殿でも最も行動的な存在だ。
魚座の使徒リーシャの予知夢が星輝の森に迫る危機を告げた。「カウサ、森の光が消えようとしている。あなたの矢がそれを貫くわ。」
リーシャの静かな言葉に、カウサはオレンジ色の髪を揺らし、軽く笑った。
「夢のお告げね。面白そうだから行ってくるわ!」
星裂弓を手に、彼女は軽やかに星輝の森へ降り立った。
星輝の森は、星の光が葉を透過し、虹色に輝く神秘的な場所だ。森に住むエルフたちは、星のエーテルを操る繊細な魔法で自然と共生してきた。しかし、森の奥では光が弱まり、樹々が枯れ始めていた。
カウサが森の入り口に足を踏み入れると、木々の間から若い女性エルフ、エランディルが現れた。彼女は森の異変を調べるため、星のエーテルを宿したキノコ「ミルナ」を採取していた。
エランディルは長い金髪をなびかせ、透き通るような青い瞳でカウサを見つめた。「星の使徒…なぜここに?」その声には驚きと警戒が混じっていた。
カウサはオレンジ色の髪をかき上げ、気軽に答えた。「森がピンチらしいわよ。で、そのキノコ、美味しそうね!」
エランディルは一瞬戸惑ったが、すぐに微笑んだ。「これはミルナ。魔力を高める効果があります。よかったらどうぞ。」彼女は丁寧にキノコを差し出した。
カウサは遠慮なく受け取り、一口かじる。
「おっ、ジューシー!頭冴えてきたわ!リーシャの夢、ほんとに当たるかもね。」キノコの力で感覚が鋭くなり、カウサは森の異変の気配をより強く感じ取った。
エランディルはそんなカウサを見て、少し緊張が解けたようだった。
「私はエランディル。この森のエルフの一人です。異変が起きてから、みんな不安で…。」彼女の声には、森と仲間への深い愛が滲んでいた。
エランディルに案内され、カウサはエルフの集落へ向かった。集落は森の中心にあり、星の光を浴びた樹々が円形に並び、その中心に小さな泉があった。
エルフたちはカウサの姿に驚き、一部は畏怖の目を向けたが、エランディルの紹介で次第に打ち解けていった。年長のエルフ、シルヴィアが代表として前に出た。
「星の使徒様が来てくださった…。この森の光が弱まり、樹々が枯れ始めています。私たちの魔法ではどうにもなりません。」シルヴィアの声は震え、集落全体が不安に包まれているのが伝わった。
カウサは軽く頷き、「ま、任せなさい。とりあえず、状況を見に行くわよ。」とエランディルを連れて森の奥へ進んだ。
森の奥深く、星のエーテルを吸い尽くす「闇の根」が地中深くに広がっていた。リーシャの予知夢で見た黒い霧の正体だ。カウサは星裂弓を構え、光の矢を放った。青い光が闇を切り裂くが、闇の根は再生し、簡単には滅せない。エランディルは星の光を糸のように紡ぎ、樹々を癒そうとするが、力不足で効果は限定的だった。
カウサは彼女の努力を見て、オレンジ色の髪をなびかせながら言った。「エランディル、あんたの目は希望に満ちてるわ。いい輝きしてる。けど、力は心から生まれる。もっと自分を信じな!」
カウサはエランディルに試練を与えることを決めた。「私がこの闇をぶち抜くのは簡単よ。でも、森を守るのはエルフの役目。あんたに私の力を貸すから、闇の根の心臓を撃ってみな。」
彼女は射手座のエーテルをエランディルに分け与え、星裂弓を握らせた。エランディルは重い弓に戸惑いながらも、カウサの言葉に鼓舞された。彼女は目を閉じ、森への愛と仲間を守りたいという思いを胸に、星裂弓を構えた。
放たれた矢は虹色の光を纏い、闇の根の心臓を正確に貫いた。森全体が光に包まれ、闇の根は消滅。樹々は再び虹色の輝きを取り戻した。
戦いを終え、カウサとエランディルは集落に戻った。エルフたちは森の光が戻ったことに歓喜し、カウサとエランディルに感謝の言葉を述べた。
シルヴィアは涙を浮かべ、「星の使徒様、そしてエランディル…ありがとう。」と深く頭を下げた。
子供のエルフたちがエランディルの周りに集まり、「エランディル、すごい!」「森を救ってくれてありがとう!」と口々に叫んだ。
エランディルは照れながらも、仲間たちの笑顔を見て心から安堵した。
カウサはそんな様子を少し離れて見つめていた。彼女のオレンジ色の髪が星の光に照らされ、まるで炎のように輝いている。エランディルがそばに寄ると、カウサは微笑んだ。
「あんた、よくやったわ。やるじゃない、エランディル。あんた、星輝の森の守護者よ。この森はあんたの手で守られるべき。」
彼女は射手座のエーテルを宿した星の欠片を取り出し、エランディルに渡した。星の欠片は青く輝き、まるで小さな星が手の中で脈打っているようだった。
「これを持ってなさい。私の代わりに、この森を見守って。」
エランディルは星の欠片を受け取り、目を輝かせた。「カウサ様…私、必ずこの森を守ります!エルフの民と共に、星の光を絶やしません。」
彼女の声には決意が宿り、カウサはその真剣な瞳を見て満足そうに頷いた。
エルフたちもその場に集まり、エランディルを新しい守護者として祝福した。
シルヴィアが代表して言った。
「エランディル、あなたが守護者なら、私たちは安心です。星の使徒様にも感謝を。」
カウサは手を振って、「ま、任せたわよ。あんたたちなら大丈夫」と気軽に答えた。
その夜、エルフたちは星輝の森の中心で小さな祝宴を開いた。星の光が木々の間を照らし、エルフたちの歌声が響く中、カウサはエランディルと並んで泉のほとりに座った。
エランディルは星の欠片を手に握り、カウサに尋ねた。
「カウサ様、なぜ私を選んでくれたのですか?もっと強いエルフが…。」
カウサはオレンジ色の髪をかき上げ、星空を見上げながら答えた。
「あんたの目は、森を愛する心で輝いてた。強さってのは力だけじゃない。心の強さよ。あんたにはそれがある。」
エランディルは目を潤ませ、深く感謝した。
カウサは宮殿に戻る前、エランディルとエルフたちに別れを告げた。
「また何かあったら呼んでよ。キノコ、美味しかったし!」と笑うカウサに、エルフたちは温かい笑顔で手を振った。
エランディルは星の欠片を胸に抱き、カウサの背中を見送りながら呟いた。
「ありがとう、カウサ様。私、守護者としてこの森を守り抜きます。」
宮殿に戻ったカウサは、リーシャに報告した。「エランディルが採ってくれたキノコ、最高だったわ!あの子も立派な守護者よ。エルフの民と一緒に森を守ってくれるはず。」
リーシャは微笑み、「あなたの勇気が、地上に星の希望を紡いだのね。」と答えた。
エテルニアの大地は、再び星の光に浴し、13星座の使徒たちの使命が調和を取り戻した。カウサの自由な魂は、エランディルとエルフの民に新たな絆と希望を与え、星輝の森は再び輝きを放ち続けた。
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