ダンゴムシになったら

第四話：試練の始まり

一週間の冒険とユズキの日常を共に過ごしたナオトは、ユズキが抱える病について知り、そのための解決策を見つけ出す決意を固めた。彼は、魔法のキノコを食べることとユズキを助けることのバランスを保ちながら、次の試練へと向かった。

まず、ナオトはノームを探すことにした。虫たちに聞いて回ることにしたが、無視をする虫もいた。しかし、ほとんどの虫は親切に教えてくれ、ノームの居場所についての情報を提供してくれた。

「おい、ダンゴムシ王、ノームはもっと奥にいるぞ」と、アリの一団が教えてくれた。

「ありがとう、アリさん。ユズキのために頑張るよ」とナオトは心の中で答えた。

ユズキは、「ダンゴムシ王、私も君と一緒ならどんな試練も乗り越えられる」と励まし、二人は手を取り合うようにして進んだ。道中、ナオトはさまざまな虫たちと出会い、会話を交わした。

カブトムシの長老は、「ノームは、森の守護者だ。きっと君を助けてくれるよ」と言った。

「ありがとう、カブトムシさん」とナオトは感謝した。

ノームは、ついにナオトとユズキの前に現れ、深いため息をつき、目を閉じてから語り始めた。「ユズキの病を救うためには…幻影の森に行くしかない。」

その言葉に、ナオトは身震いした。「幻影の森は、ただの場所ではない。君の心の奥深くを覗き見、試練を与える場所だ。薬草は、そこで自分と向き合い、真の力を得た者のみに与えられる。ユズキのために、その試練を乗り越えなさい。」

ナオトは、ノームの言葉を胸に刻み、ユズキと共に幻影の森へと向かった。二人は、森の入口で立ち止まり、深呼吸をした。ユズキは、「ダンゴムシ王、私は君を信じている。共に行こう」と言って、ナオトの手を握った。