悪役令嬢同盟 ―転生したら悪役令嬢だった少女達の姦しい日々―

もいもいさん

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第三章 悪役令嬢は学院生活を送る

154.悪役令嬢は魔導洞窟で捕まえた敵について話をする

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「その件についても口外無用でお願いなのだけど」

 と、私が言うと皆は真剣な視線を向けて頷いた。私はそれを確認した上で一度、お茶を口に含んで喉を潤す。

「とある方法を使って魔導洞窟ダンジョン内の構造を一時的に弄り倒しました。まず、明日には元の階層への道が開きます。心配に――いいえ、心配しなくても問題ありません」
「あ、何故か……と、訊いても問題ありませんか?」
「ええ、先程、魔導洞窟ダンジョン内の構造を変えた時に貴方達を追っていた者達を閉鎖された部屋に閉じ込めておきましたので、敵性勢力が新たに中層へ入って来ていなければいないハズです」

 実のところ、どれだけの規模の敵が潜んでいるかってところは出たとこ勝負だけど……たぶん、【白金】クラスの冒険者を雇っている事を考えれば、それ以上はいないと思うのよね。まぁ、現状の戦力であればよほどの事がなければ大丈夫でしょう。

 それにお母様達も何らかの手を打ってきていると信じるしかないけど、動かない人達では無いし、たぶん、動くとすれば苛烈な方法とか取って来そうなところが心配よね。

「で、閉じ込めた方達ですが、三日後になったら道が開けますので、それまでに閉じ込めている者達を確保したいと思います」
「み、三日後……ですか?」
「ええ、三日くらい飲まず食わずでも死にはしないでしょ?」

 私の言葉に何故か皆微妙な表情をする。閣下に言った時も微妙な表情をしていたわね。はて? そんなに変な事言ったかしら? 特に魔力の高い人は魔力さえ足りてれば魔力の少ない人に比べて消耗も少ない――ハズだけど、どうなのかしら。

「んんっ、それはともかくだ。我々は出来るだけゆっくりと準備をして敵を捕らえねばならん。まぁ、良い情報源となってくれればいいのだがね」
「そうですね。一応、三日目の早くに一か所、夕刻くらいにもう一か所という感じですね」
「さすがにここで三日過ごすのは如何かと思うのだが、その辺りはどう考えているか聞かせてもらえないだろうか?」

 と、クーベルト閣下は渋みのある声で言った。確かに三日もこの洞窟内で過ごすのは微妙ではあるので、出来れば一度上層へ戻りたいと思うので裏技を使う気まんまんなのだ。そう言って私は裏技用のブツを取り出して閣下へ手渡す。

「では、閣下。こちらを確認しておいてください。私としては全力で明日中に一度上層へ戻りたいと思っています。その後、準備をしてから再度中層へ戻る予定です」

 ブツを受け取った閣下は予想していたように心を揺らす風な感じは見せなかった。そして、私は閣下の反応を待つ。彼は私が渡したモノをマジマジと見ながら小さく息を吐いた。

「エステリア嬢。三日あるとして、上層9階層の安全地帯セーフゾーンまで戻るには10階層以上あるが、たとえ道が分かっていたとしてもギリギリではないか?」
「現在位置でいうと大体21階層付近です。ここから3階層上がるのに掛かる時間は半時もあれば十分でしょう。18階層から10階層までは3時間から4時間あれば可能でしょう?」

 私がそう言うと全員が微妙な表情をする。確かに強行軍と言われればそうかもしれないけれど、皆の魔力量を雰囲気から見るに確実に可能だと私は思っている。

「と、いうワケで食事の後は皆テントでゆっくり休んで、明日は朝イチに浄化魔法を掛けてサッパリしたところで、朝食を取ってから準備して全速力で出発します。なお、閣下から資料を確認して道順を全て覚えておいてくださいね? 当然、中層に戻る時にも同じ道を使いますからね」

 そう言って、本日の食事会は終了となり、閣下の部下達は資料を見ながらアレやコレや言い合いをしているのを横目に私とエルーサでテントの準備を始める。

 因みに野営用に作成した機能満載のテントを3つ出し、魔力を流し機能確認を行う。なお、クーベルト辺境伯とは一度使用してはいるのだけど、まだテスト段階の物なので毎度確認を行うのが私のポリシーだ。

 魔力を流すと折りたたまれていたテントが開き、地面に定着する。必要魔力量が結構いるのが難点ではあるけど、最大で10時間は維持できるハズ――この辺りは何故かバラつきがあるので、今後の課題だ。

「では、皆様。明日の朝にまたお会いしましょう。あ、テントの説明は閣下、お願いしますね」

 そう言って私はテントの中へと向かった。

 テント内は風魔法を応用したエアーベッド2組、簡易トイレなどなど、一応、寝泊りするのにある程度快適に過ごせるようになっている。空間も若干だけ広めになるように術式を組んであるので、見た目よりは広く感じるけれど、空間魔術内に人が入るのは思ったより魔力負荷が大きいので、負担にならない程度に済ませている為にちょっと広く感じる程度が限界値だった。

「あ、エルーサにも資料を渡しておくわ。ちゃんと覚えておいてね……それと、一応だけどお母様に連絡だけはしておくわ」

 と、私がいうとエルーサは落ち着いた雰囲気で「畏まりました」と答えた後、どこか楽しそうに微笑むのだった。
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