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第三章 悪役令嬢は学院生活を送る
153.悪役令嬢は魔導洞窟の中層で打合せ
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皆が真剣な表情に変わるのを見ながら、私はまず情報整理を行うように発言を促す。
「私と閣下は下層に数日閉じ込めれて居たので現在の状況を把握したいのですが、そうね……エルーサ。分かっている事を」
私がそう言うとエルーサが席を立とうとしたので、それを制止させる。そんな何故にという表情は止めなさい。エルーサは少しシュンとしつつも静かに語り始める。
「――まずは我々を襲って来た者達の中に【白金】クラスの冒険者である『幻魔』がいたという情報がありました。ただ、私達がお嬢様達救出に中層で邪魔をしてきた者達は複数人数いた可能性が高い事でその者達は『幻魔』と関係がある者達とみて間違いはないと思われます。また、上層の安全地帯に王女殿下とウィンディ様を残して来ていますが、こちらには
ダンディバル・イドリアス様に様子を伺うように伝えて御座います」
「そう……そう言えば閣下にも訊きたかったのですが、どうやって私達が此処に来ることを知ったのか確認してもいいかしら?」
私の言葉に閣下は少しだけ感情を揺らす。まぁ、変な意味では疑っていないのだけど、とりあえず情報の漏れどころはキチンと確認しないとね。
「ああ、私はエステリア嬢の御父上であるハーブスト公爵と我が兄であるランパード閣下から頼まれた。出来るだけ邪魔にならない程度に見守るように……とな」
「まぁ、そうだとは思っていました。では、他の皆様は事情を知っていて?」
「いや、詳細に関しては私は誰にも話していない。今回のメンバーは特に我が家とは古い付き合いで信のおける者しかいない――まぁ、ミッシェルとゲオルグに関しては丁度鍛錬に良いと思って連れて来ただけだしな」
と、既にミッシェル・マッケインとゲオルグ・リーデンバルトは閣下に弟子入りしてたのか。
何かあったかは知らないけど、エルーサが凄く不機嫌そうな視線を送って来た。ミッシェルとゲオルグってばエルーサに何かやらかしたのかしら?
「エステリア嬢は何処から情報が漏れたと考えているか聞かせて貰えないだろうか?」
「はい、閣下。私の考えは私もしくはアリエル王女殿下に近しい者の中から漏れたと考えています。それに今回、私達が襲われた事で狙われているのはアリエル王女殿下だと思いました。残念ながら私がアリエルをどうこうする理由がありませんので、答えは明白ですね」
私がさらりと言うと閣下は納得するような表情をしつつも「だが――」と、言葉を続けた。
「一応、エステリア嬢に益があると考える者がいる可能性があるので、私の言葉を聞いておいて貰うと助かる。アリエル王女殿下には現状継承権を持っているライバルが三名いる。一人は君の婚約者であるクリフト王子殿下だ。そして、その弟君であるリストリア王子殿下。最後は女王陛下の姉君であるステファニー公爵夫人の娘、エステリア・ハーブスト公爵令嬢の三人だ」
「しかし、お嬢様はそんな事――」
エルーサがクーベルト辺境伯に異を唱えるけれど、私がそれを制止させる。
「エルーサ。閣下に楯突くのは間違いよ。私の継承権もバカにならない位置ではありますから――閣下が仰りたい事、分かりました。アリエルと私の仲を裂きたい者も可能性としてはいるということですね」
「そうだ、君達の関係性と仲の良さを知っている者としてはまるで姉妹のようだと思っている人もいるが、これに対して気にくわないと思う者もいる事を考慮しておいた方がよい。女王陛下も兄上もアリエル王女殿下を推しているが、貴族達を刺激する事を避けて公言はしないようにしている。問題は貴族派の者達でクリフト殿下派とリストリア殿下派に分かれていたが、最近はリストリア殿下派の者達がクリフト殿下派へ移っていると聞く。ハーブスト公爵が外交補佐で忙しくしているのを好機と見たのだろうな。各派閥の動きが非常に活発化しているようだ」
閣下はそう言って少し苦笑し、お茶を口に含む。最近、お父様が頻繁にランパード閣下と会っている理由だけど、確かに忙殺されているお父様をサポートできる人員が少ないというのもあって、そのタイミングで動いているのは知っていたけど、何か大きな動きがあった……と、いうことなのでしょうね。
「また事情が複雑化しているのが、君とクリフト王子殿下の婚約だ。これも貴族派の筆頭であるパルプスト公爵が強く推したという話がある」
「もしかして、それも私とアリエルの離間工作ということですか?」
「うむ、ただパルプスト公爵だけなら良かったのだが、ヴィジタリア公爵も同調したのが決定となった。さすがにキャロライン陛下も反対を言えなくなったのだ」
まぁ、ヴィジタリアはともかくミストリアの王家が安定する事しか考えていないからなぁ。仕方ないと言えるわね。
そんな事を考えていると、ルーティラ・ユーデリー嬢が申し訳なさそうに挙手をする。
「ルーティラ様、どうしたのかしら?」
「あの、難しい話は分かりかねますが……少し気になっていたのですが、我々にちょっかいをかけて来た敵はどうなったのでしょうか?」
ああ、その件ね。どうやって説明するのがいいのかしら……ふむぅ。まぁ、適当に説明したらいいか。それにとっ捕まえておかないといけないしね。
「私と閣下は下層に数日閉じ込めれて居たので現在の状況を把握したいのですが、そうね……エルーサ。分かっている事を」
私がそう言うとエルーサが席を立とうとしたので、それを制止させる。そんな何故にという表情は止めなさい。エルーサは少しシュンとしつつも静かに語り始める。
「――まずは我々を襲って来た者達の中に【白金】クラスの冒険者である『幻魔』がいたという情報がありました。ただ、私達がお嬢様達救出に中層で邪魔をしてきた者達は複数人数いた可能性が高い事でその者達は『幻魔』と関係がある者達とみて間違いはないと思われます。また、上層の安全地帯に王女殿下とウィンディ様を残して来ていますが、こちらには
ダンディバル・イドリアス様に様子を伺うように伝えて御座います」
「そう……そう言えば閣下にも訊きたかったのですが、どうやって私達が此処に来ることを知ったのか確認してもいいかしら?」
私の言葉に閣下は少しだけ感情を揺らす。まぁ、変な意味では疑っていないのだけど、とりあえず情報の漏れどころはキチンと確認しないとね。
「ああ、私はエステリア嬢の御父上であるハーブスト公爵と我が兄であるランパード閣下から頼まれた。出来るだけ邪魔にならない程度に見守るように……とな」
「まぁ、そうだとは思っていました。では、他の皆様は事情を知っていて?」
「いや、詳細に関しては私は誰にも話していない。今回のメンバーは特に我が家とは古い付き合いで信のおける者しかいない――まぁ、ミッシェルとゲオルグに関しては丁度鍛錬に良いと思って連れて来ただけだしな」
と、既にミッシェル・マッケインとゲオルグ・リーデンバルトは閣下に弟子入りしてたのか。
何かあったかは知らないけど、エルーサが凄く不機嫌そうな視線を送って来た。ミッシェルとゲオルグってばエルーサに何かやらかしたのかしら?
「エステリア嬢は何処から情報が漏れたと考えているか聞かせて貰えないだろうか?」
「はい、閣下。私の考えは私もしくはアリエル王女殿下に近しい者の中から漏れたと考えています。それに今回、私達が襲われた事で狙われているのはアリエル王女殿下だと思いました。残念ながら私がアリエルをどうこうする理由がありませんので、答えは明白ですね」
私がさらりと言うと閣下は納得するような表情をしつつも「だが――」と、言葉を続けた。
「一応、エステリア嬢に益があると考える者がいる可能性があるので、私の言葉を聞いておいて貰うと助かる。アリエル王女殿下には現状継承権を持っているライバルが三名いる。一人は君の婚約者であるクリフト王子殿下だ。そして、その弟君であるリストリア王子殿下。最後は女王陛下の姉君であるステファニー公爵夫人の娘、エステリア・ハーブスト公爵令嬢の三人だ」
「しかし、お嬢様はそんな事――」
エルーサがクーベルト辺境伯に異を唱えるけれど、私がそれを制止させる。
「エルーサ。閣下に楯突くのは間違いよ。私の継承権もバカにならない位置ではありますから――閣下が仰りたい事、分かりました。アリエルと私の仲を裂きたい者も可能性としてはいるということですね」
「そうだ、君達の関係性と仲の良さを知っている者としてはまるで姉妹のようだと思っている人もいるが、これに対して気にくわないと思う者もいる事を考慮しておいた方がよい。女王陛下も兄上もアリエル王女殿下を推しているが、貴族達を刺激する事を避けて公言はしないようにしている。問題は貴族派の者達でクリフト殿下派とリストリア殿下派に分かれていたが、最近はリストリア殿下派の者達がクリフト殿下派へ移っていると聞く。ハーブスト公爵が外交補佐で忙しくしているのを好機と見たのだろうな。各派閥の動きが非常に活発化しているようだ」
閣下はそう言って少し苦笑し、お茶を口に含む。最近、お父様が頻繁にランパード閣下と会っている理由だけど、確かに忙殺されているお父様をサポートできる人員が少ないというのもあって、そのタイミングで動いているのは知っていたけど、何か大きな動きがあった……と、いうことなのでしょうね。
「また事情が複雑化しているのが、君とクリフト王子殿下の婚約だ。これも貴族派の筆頭であるパルプスト公爵が強く推したという話がある」
「もしかして、それも私とアリエルの離間工作ということですか?」
「うむ、ただパルプスト公爵だけなら良かったのだが、ヴィジタリア公爵も同調したのが決定となった。さすがにキャロライン陛下も反対を言えなくなったのだ」
まぁ、ヴィジタリアはともかくミストリアの王家が安定する事しか考えていないからなぁ。仕方ないと言えるわね。
そんな事を考えていると、ルーティラ・ユーデリー嬢が申し訳なさそうに挙手をする。
「ルーティラ様、どうしたのかしら?」
「あの、難しい話は分かりかねますが……少し気になっていたのですが、我々にちょっかいをかけて来た敵はどうなったのでしょうか?」
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