152 / 312
第三章 悪役令嬢は学院生活を送る
152.悪役令嬢は魔導洞窟の中層で食事会をする
しおりを挟む
第一級魔導洞窟『アンダンテール大洞窟』の中層にて、私の専属メイドである少女エルーサは落ち着いた雰囲気を装ってはいるけれど、確実にドヤ顔をしているように私には見えた。
まぁ、ドヤる気持ちも分からなくもないんだけどね。因みに何をドヤっているかというと、野営地の設置において、テーブルセット含め、並べられた料理達である。
「皆様、席に着いてくださいませ」
落ち着いた雰囲気を装っているエルーサが静かにそう言った。私と閣下は既に着席済みである。と、いうか閣下も随分慣れてきましたね。他の皆はよく分からない状況に困惑している様子。
一番初めに席に着いたのはメイスを装備した女性だ。えっと、パルパスフィ騎士爵のファウィラさんだっけか。思ったより図太い感じの性格をしている人なのかもしれないわね。彼女の様子を見てティラと呼ばれたユーデリー騎士爵のご令嬢でルーティラさんも席に着く。
一人呆然と立っている辺境伯領第三騎士団長のロベルト・ヒッテンハイム様は皆が席に着いた事で我を取り戻した彼は閣下に同席しても問題無いか確認を取った。
「あら? 誰も気にしませんわよ。ねぇ? クーベルト辺境伯様」
「そうだロディ。エステリア嬢もそう言っているのだ、さっさと座るがよい」
「は、はぁ……」
と、ロベルト様も席に座る。
「エルーサも席に着きなさい」
「え? 私もですか?」
「ええ、ちゃんと私の隣に席があるでしょ? 皆に同席させたのだから、貴女も同様ですよ」
私の言葉に少し考えてから、エルーサも席に着く。因みに現在のメンバーからすれば、家格的に閣下の配下達より上なのだから、そんな娘を立たせておくわけにはいかないでしょう。
「では、皆様いただきましょうか」
そう言って食事を始める。今回は我が家謹製のオムライスと温野菜のサラダ、デザートはプリンと焼き菓子。お茶は紅茶と緑茶の二種類から。そして、私が一口だけ先に食べ、皆に食事を促すと閣下がフォークを使ってサラダを食べ始める。
「あの、どこから何を言えば良いのか全く困ってしまいますが、こちらの食事やテーブル、椅子も含めですが、何もない空間から取り出していたように見えたのですが……」
「さすがパルパスフィ家の方ですね。優秀な魔導師を多く輩出している家ですし、魔法や魔術に関する事はとても気になると思います。お嬢様からご説明願えますか?」
と、エルーサが言った。少し自慢したい気持ちも分かるけれど、言ってもよいものか考えどころではあるけれど、エルーサが言っても大丈夫だと思っている。と、いうことなのでしょうね。
私は一応、閣下に視線を送ると、少し困った風な顔をしつつも小さく頷いた。
「他の方々も気にはなっているけれど、なかなか口に出すというのは難しい事も多くあると思います。ここは我々しかおりませんので良いということに致しましょう。ただし、ここでの事は口外無用に願います。もし、漏らしたら――まぁ、分かりますよね?」
と、一応念押しと最大限お母様譲りの微笑みで圧を掛ける。そして、私は空間収納から幾つか食べ物を取り出して、再び収納する。パッと見は手品みたいな感じよね。
「空間収納という魔道具を幾つかを私やエルーサは所持しているのです。特殊な空間は時間停止の機能も有しているので、食べ物などの保存にも有用ですから、魔導洞窟や戦場に持っていくと便利でしょ?」
私はにこやかにそう言うが、すぐにロベルト様が難しい表情を浮かべる。
「失礼しますエステリア様。エルーサ殿が武器を出していたのもソレですよね」
「そうね。気が付いても口にしてはいけないわ。後は分かるでしょう?」
多分だが、武器などを持って入れない場所に武器を隠して持ち込めるなど、実のところ結構な問題がある。まぁ、そこも実はある程度は解決する方法はあるんだけど、それをすると今度は別の問題があるので、どういう条件付けをするかは女王キャロラインやお母様が決める事なので、私からどうこう言う気は現状は無い。
「ともかくですが、我が屋では閣下の扱う魔銃など様々な魔道具を新たに研究、製作を行っているのですが多くは機密情報ばかりですから、見たとしても、知ってしまったとしても他言無用――口外禁止です」
「なるほどですわ。しかし、それらの魔道具は新たに造られた物で【失われし遺産】では無いのですね」
と、ファウィラ様は目を輝かせた。魔導師でも特に古い家系の人達は魔法や魔術に関しての興味は異常性があると聞いたことがあるけれど、こういう感じなのかもしれない。彼女の視線はどこか妙に熱を孕んでいるように見えた。まぁ、何かあれば閣下が対応してくれるでしょうから、放置しておきましょう。
「で、これからの予定の話をしたいと思うのですが、皆様よろしくて?」
そう言って私は次の予定について話始めるのでした。
まぁ、ドヤる気持ちも分からなくもないんだけどね。因みに何をドヤっているかというと、野営地の設置において、テーブルセット含め、並べられた料理達である。
「皆様、席に着いてくださいませ」
落ち着いた雰囲気を装っているエルーサが静かにそう言った。私と閣下は既に着席済みである。と、いうか閣下も随分慣れてきましたね。他の皆はよく分からない状況に困惑している様子。
一番初めに席に着いたのはメイスを装備した女性だ。えっと、パルパスフィ騎士爵のファウィラさんだっけか。思ったより図太い感じの性格をしている人なのかもしれないわね。彼女の様子を見てティラと呼ばれたユーデリー騎士爵のご令嬢でルーティラさんも席に着く。
一人呆然と立っている辺境伯領第三騎士団長のロベルト・ヒッテンハイム様は皆が席に着いた事で我を取り戻した彼は閣下に同席しても問題無いか確認を取った。
「あら? 誰も気にしませんわよ。ねぇ? クーベルト辺境伯様」
「そうだロディ。エステリア嬢もそう言っているのだ、さっさと座るがよい」
「は、はぁ……」
と、ロベルト様も席に座る。
「エルーサも席に着きなさい」
「え? 私もですか?」
「ええ、ちゃんと私の隣に席があるでしょ? 皆に同席させたのだから、貴女も同様ですよ」
私の言葉に少し考えてから、エルーサも席に着く。因みに現在のメンバーからすれば、家格的に閣下の配下達より上なのだから、そんな娘を立たせておくわけにはいかないでしょう。
「では、皆様いただきましょうか」
そう言って食事を始める。今回は我が家謹製のオムライスと温野菜のサラダ、デザートはプリンと焼き菓子。お茶は紅茶と緑茶の二種類から。そして、私が一口だけ先に食べ、皆に食事を促すと閣下がフォークを使ってサラダを食べ始める。
「あの、どこから何を言えば良いのか全く困ってしまいますが、こちらの食事やテーブル、椅子も含めですが、何もない空間から取り出していたように見えたのですが……」
「さすがパルパスフィ家の方ですね。優秀な魔導師を多く輩出している家ですし、魔法や魔術に関する事はとても気になると思います。お嬢様からご説明願えますか?」
と、エルーサが言った。少し自慢したい気持ちも分かるけれど、言ってもよいものか考えどころではあるけれど、エルーサが言っても大丈夫だと思っている。と、いうことなのでしょうね。
私は一応、閣下に視線を送ると、少し困った風な顔をしつつも小さく頷いた。
「他の方々も気にはなっているけれど、なかなか口に出すというのは難しい事も多くあると思います。ここは我々しかおりませんので良いということに致しましょう。ただし、ここでの事は口外無用に願います。もし、漏らしたら――まぁ、分かりますよね?」
と、一応念押しと最大限お母様譲りの微笑みで圧を掛ける。そして、私は空間収納から幾つか食べ物を取り出して、再び収納する。パッと見は手品みたいな感じよね。
「空間収納という魔道具を幾つかを私やエルーサは所持しているのです。特殊な空間は時間停止の機能も有しているので、食べ物などの保存にも有用ですから、魔導洞窟や戦場に持っていくと便利でしょ?」
私はにこやかにそう言うが、すぐにロベルト様が難しい表情を浮かべる。
「失礼しますエステリア様。エルーサ殿が武器を出していたのもソレですよね」
「そうね。気が付いても口にしてはいけないわ。後は分かるでしょう?」
多分だが、武器などを持って入れない場所に武器を隠して持ち込めるなど、実のところ結構な問題がある。まぁ、そこも実はある程度は解決する方法はあるんだけど、それをすると今度は別の問題があるので、どういう条件付けをするかは女王キャロラインやお母様が決める事なので、私からどうこう言う気は現状は無い。
「ともかくですが、我が屋では閣下の扱う魔銃など様々な魔道具を新たに研究、製作を行っているのですが多くは機密情報ばかりですから、見たとしても、知ってしまったとしても他言無用――口外禁止です」
「なるほどですわ。しかし、それらの魔道具は新たに造られた物で【失われし遺産】では無いのですね」
と、ファウィラ様は目を輝かせた。魔導師でも特に古い家系の人達は魔法や魔術に関しての興味は異常性があると聞いたことがあるけれど、こういう感じなのかもしれない。彼女の視線はどこか妙に熱を孕んでいるように見えた。まぁ、何かあれば閣下が対応してくれるでしょうから、放置しておきましょう。
「で、これからの予定の話をしたいと思うのですが、皆様よろしくて?」
そう言って私は次の予定について話始めるのでした。
0
あなたにおすすめの小説
オバサンが転生しましたが何も持ってないので何もできません!
みさちぃ
恋愛
50歳近くのおばさんが異世界転生した!
転生したら普通チートじゃない?何もありませんがっ!!
前世で苦しい思いをしたのでもう一人で生きて行こうかと思います。
とにかく目指すは自由気ままなスローライフ。
森で調合師して暮らすこと!
ひとまず読み漁った小説に沿って悪役令嬢から国外追放を目指しますが…
無理そうです……
更に隣で笑う幼なじみが気になります…
完結済みです。
なろう様にも掲載しています。
副題に*がついているものはアルファポリス様のみになります。
エピローグで完結です。
番外編になります。
※完結設定してしまい新しい話が追加できませんので、以後番外編載せる場合は別に設けるかなろう様のみになります。
悪役令嬢になりたくないので、攻略対象をヒロインに捧げます
久乃り
恋愛
乙女ゲームの世界に転生していた。
その記憶は突然降りてきて、記憶と現実のすり合わせに毎日苦労する羽目になる元日本の女子高校生佐藤美和。
1周回ったばかりで、2週目のターゲットを考えていたところだったため、乙女ゲームの世界に入り込んで嬉しい!とは思ったものの、自分はヒロインではなく、ライバルキャラ。ルート次第では悪役令嬢にもなってしまう公爵令嬢アンネローゼだった。
しかも、もう学校に通っているので、ゲームは進行中!ヒロインがどのルートに進んでいるのか確認しなくては、自分の立ち位置が分からない。いわゆる破滅エンドを回避するべきか?それとも、、勝手に動いて自分がヒロインになってしまうか?
自分の死に方からいって、他にも転生者がいる気がする。そのひとを探し出さないと!
自分の運命は、悪役令嬢か?破滅エンドか?ヒロインか?それともモブ?
ゲーム修正が入らないことを祈りつつ、転生仲間を探し出し、この乙女ゲームの世界を生き抜くのだ!
他サイトにて別名義で掲載していた作品です。
ヒロインしか愛さないはずの公爵様が、なぜか悪女の私を手放さない
魚谷
恋愛
伯爵令嬢イザベラは多くの男性と浮名を流す悪女。
そんな彼女に公爵家当主のジークベルトとの縁談が持ち上がった。
ジークベルトと対面した瞬間、前世の記憶がよみがえり、この世界が乙女ゲームであることを自覚する。
イザベラは、主要攻略キャラのジークベルトの裏の顔を知ってしまったがために、冒頭で殺されてしまうモブキャラ。
ゲーム知識を頼りに、どうにか冒頭死を回避したイザベラは最弱魔法と言われる付与魔法と前世の知識を頼りに便利グッズを発明し、離婚にそなえて資金を確保する。
いよいよジークベルトが、乙女ゲームのヒロインと出会う。
離婚を切り出されることを待っていたイザベラだったが、ジークベルトは平然としていて。
「どうして俺がお前以外の女を愛さなければならないんだ?」
予想外の溺愛が始まってしまう!
(世界の平和のためにも)ヒロインに惚れてください、公爵様!!
悪役令嬢でも素材はいいんだから楽しく生きなきゃ損だよね!
ペトラ
恋愛
ぼんやりとした意識を覚醒させながら、自分の置かれた状況を考えます。ここは、この世界は、途中まで攻略した乙女ゲームの世界だと思います。たぶん。
戦乙女≪ヴァルキュリア≫を育成する学園での、勉強あり、恋あり、戦いありの恋愛シミュレーションゲーム「ヴァルキュリア デスティニー~恋の最前線~」通称バル恋。戦乙女を育成しているのに、なぜか共学で、男子生徒が目指すのは・・・なんでしたっけ。忘れてしまいました。とにかく、前世の自分が死ぬ直前まではまっていたゲームの世界のようです。
前世は彼氏いない歴イコール年齢の、ややぽっちゃり(自己診断)享年28歳歯科衛生士でした。
悪役令嬢でもナイスバディの美少女に生まれ変わったのだから、人生楽しもう!というお話。
他サイトに連載中の話の改訂版になります。
悪役令嬢と弟が相思相愛だったのでお邪魔虫は退場します!どうか末永くお幸せに!
ユウ
ファンタジー
乙女ゲームの王子に転生してしまったが断罪イベント三秒前。
婚約者を蔑ろにして酷い仕打ちをした最低王子に転生したと気づいたのですべての罪を被る事を決意したフィルベルトは公の前で。
「本日を持って私は廃嫡する!王座は弟に譲り、婚約者のマリアンナとは婚約解消とする!」
「「「は?」」」
「これまでの不始末の全ては私にある。責任を取って罪を償う…全て悪いのはこの私だ」
前代未聞の出来事。
王太子殿下自ら廃嫡を宣言し婚約者への謝罪をした後にフィルベルトは廃嫡となった。
これでハッピーエンド。
一代限りの辺境伯爵の地位を許され、二人の幸福を願ったのだった。
その潔さにフィルベルトはたちまち平民の心を掴んでしまった。
対する悪役令嬢と第二王子には不測の事態が起きてしまい、外交問題を起こしてしまうのだったが…。
タイトル変更しました。
ヒロインですが、舞台にも上がれなかったので田舎暮らしをします
未羊
ファンタジー
レイチェル・ウィルソンは公爵令嬢
十二歳の時に王都にある魔法学園の入学試験を受けたものの、なんと不合格になってしまう
好きなヒロインとの交流を進める恋愛ゲームのヒロインの一人なのに、なんとその舞台に上がれることもできずに退場となってしまったのだ
傷つきはしたものの、公爵の治める領地へと移り住むことになったことをきっかけに、レイチェルは前世の夢を叶えることを計画する
今日もレイチェルは、公爵領の片隅で畑を耕したり、お店をしたりと気ままに暮らすのだった
乙女ゲームの悪役令嬢に転生したけど何もしなかったらヒロインがイジメを自演し始めたのでお望み通りにしてあげました。魔法で(°∀°)
ラララキヲ
ファンタジー
乙女ゲームのラスボスになって死ぬ悪役令嬢に転生したけれど、中身が転生者な時点で既に乙女ゲームは破綻していると思うの。だからわたくしはわたくしのままに生きるわ。
……それなのにヒロインさんがイジメを自演し始めた。ゲームのストーリーを展開したいと言う事はヒロインさんはわたくしが死ぬ事をお望みね?なら、わたくしも戦いますわ。
でも、わたくしも暇じゃないので魔法でね。
ヒロイン「私はホラー映画の主人公か?!」
『見えない何か』に襲われるヒロインは────
※作中『イジメ』という表現が出てきますがこの作品はイジメを肯定するものではありません※
※作中、『イジメ』は、していません。生死をかけた戦いです※
◇テンプレ乙女ゲーム舞台転生。
◇ふんわり世界観。ゆるふわ設定。
◇なろうにも上げてます。
積みかけアラフォーOL、公爵令嬢に転生したのでやりたいことをやって好きに生きる!
ぽらいと
ファンタジー
アラフォー、バツ2派遣OLが公爵令嬢に転生したので、やりたいことを好きなようにやって過ごす、というほのぼの系の話。
悪役等は一切出てこない、優しい世界のお話です。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる