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縦割れ
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「ほら、見てごらん。こんなになっちゃった。これ、二度と戻らないだろ」
昏い瞳で笑うツアルト。
僕の両脚を左右に大きく開いて後ろから抱えられ、鏡の前に連れて来られた。
あれから、僕は昨夜が優しかったと思える程に激しく抱かれた。
水分補給はされたけれど、今生きてるのが不思議な程だ。
「ね?綺麗に縦に割れてる」
僕は既に声が出ない。叫び過ぎたから。
鏡に映る僕の尻穴は、何故か縦に大きく伸びた。既に奴の大きなモノをいつでも易々と飲み込める程に拡がっている。
「これ、戻すつもりもないし。ね?これじゃあ女の子と結婚なんて出来ないよね」
僕は、ぼんやりと自分の尻穴を眺める。
なんでもいい。この快楽地獄から逃げ出したい。
ぷっくり膨らんだ縦割れから、タラタラと白濁が溢れて床に落ちる。その様を獰猛な肉食獣の瞳が舌舐めずりをして凝視している。
「こんなに種付もされてさ。立派なお嫁さんだね。子沢山になろう」
僕は男で、妊娠なんてしない。
ちなみに僕は金も無いから、そもそも女の子と結婚出来るなんて思っても無い。
ツアルトとの結婚を拒否するために言っただけだ。でも、もう彼に歯向かうことが、どんな結果をもたらすか。
僕は地獄を見たから。
「これが最後だよ。ジャックトマメ、俺と結婚する?」
僕はコクンと頷いた。
彼が明るい笑顔で僕を抱き締めた。
その強い力に、腹が満杯になるほど注がれた精液が大量に嫌な音を立てて床へと零れた。
「嬉しい!!良かった、これで全て合意だったってことだね!だって俺達、愛し合ってるから」
僕は頷く。例えそれが不本意だとしても。
「さあ、身体を綺麗にしてあげる。声が出るようになったら、俺の仲間を紹介しよう。きっと皆、祝福してくれる」
僕は頷く。巨人の仲間なんて恐ろしいけれど、何も言わずに頷く。
「なんて素直でかわいい花嫁さん。伝説は本当だったんだ」
ツアルトは鼻歌を歌いながら、僕のナカも外も敏感過ぎる箇所も全て綺麗に洗った。
僕はひたすらに耐えた。
もう出し過ぎて射精は出来ないから、射精しないでイクことを身体に覚え込まされていた。
「ほーら、トロンとしてかわいい。またイっちゃった?良いよ、気持ち良いもんね」
そうして、自力で指一本動かすことすら出来ない僕を洗いあげ、満足したツアルトは、真っ白なシャツを僕に着せた。シャツが僅かに乳首を擦るだけで、僕は背中が反ってしまう。
「あー、最高。これからジャックトマメはこの服で過ごすこと。いいね」
コクンと頷くと、満足気に頭を優しく撫でられた。疲弊しきった心と身体に優しさが欲しくて、思わず頬を擦り寄せる。
「そんなかわいくされたら、また欲しくなるだろ。少しの間は我慢して?声が戻るようにしないと」
僕は頷く。それが不本意だとしても。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
「地上の人間?!うわっ、本物?!」
「伝説だと思ってた!!ツアルト、お前どうしたんだよ!!」
しばらく普通に食事や睡眠を取り、ようやく僕の声が戻ると、彼は巨人の仲間を家へ呼んで僕を見せびらかした。二人ともイケメンってなに?
いわゆる美丈夫ってやつだ。巨人は、どうしてこんなに見た目が良いのか。
「ん?ありがとう?」
「ある日、急に家の横に木が生えたんだ。これはもしやと思って降りて行ったら、本当に出会えた」
「マジか。まんま伝説じゃん!じゃあ、この子が結婚すると夢のような幸福が訪れるという地上の花嫁」
「そう!伝説の通り、信じられないほどに小さくて素直で優しくてかわいいんだ!相性も抜群過ぎて絶対手放せない。こんな幸福あっていいのかってくらいだ」
「「「うらやまし………」」」
伝説……?幸福?
「あぁ、ジャック。伝説の花嫁っていうのは俺達に伝わる恋物語なんだ。でも、ソレが事実だって証明された。君と俺で」
ウインクすな!ときめくから!
それから教えてもらった遥か昔の恋物語。
ぐうたらな男の家に、ある日突然、地上から木が伸びて来た。ぐうたらな男は放っておいた。
すると、小さな人が木を伝って彼の家を訪れた。それは驚く程に小さくかわいらしい人で、男は一目で恋に落ちた。けれど、その小さな人は男を恐れ逃げるばかり。男は、どうすれば小さな人が逃げないか考えた。
男は、それまでのぐうたらな生活を悔い改め、立派に働き、その小さな人に繰り返し愛を乞いた。
繰り返し、繰り返し……男が変わったことで、遂に、その小さな人は男の愛を受け入れ結婚した。
地上から来た小さな人は、それはそれは心優しく素直な花嫁で、男は空一番の幸せ者となった。二人は沢山の子宝にも恵まれ幸せに暮らしましたとさ。
めでたし、めでたし。
「なんそれ」
「初めて聞いた?そうか。地上では伝わって無いのか。俺達は幼い頃から聞かされて、ずっと憧れてたんだ」
ツアルトがシュンとする。
初めて聞いたもなにも……あまりに僕の知る話と違い過ぎて言葉も出ない。それに、僕が花嫁じゃない決定的な理由がある。
「それさ、伝説の花嫁って女だったんじゃない?」
「??さあ、どうだろう」
「だって、女だから子宝に恵まれたんだろ?じゃあ、男の僕は違うんじゃないかな。子供が産めないんだから花嫁にはなれないだろ?」
当然のことを説明しながら、僕は急に胸を強く掴まれたように激しく動揺していた。
これで、僕が伝説の花嫁じゃないって彼に放り出されたら耐えられるのか。もし嫌われたら?嫌な想像に背中を冷たい汗が流れて呼吸も荒くなる。
「そっか……それで不安にさせたのか。ジャック、ごめんな」
優しく優しく筋肉に抱き締められた。
目の前はツアルトの逞しい胸筋。見慣れたけど、恥ずかしい。
「ちょ、他の人見てるっ」
「あいつらは気にするな。あのな、ジャック、男でも妊娠出来る」
「なん、それ」
ツアルトが出まかせを言ってるのか、と周りも見渡す。仲間の巨人達も一様に頷いている。リアルなんそれ、だ。
「特に俺達の天村には既に女はいない。だから、男同士で子が孕める技術が発展した。俺達は少数民族だから血を残す必要があった」
「そうそう。だから、男も産む側が花嫁だよ。安心して、ツアルトのお嫁さん」
周りの巨人から優しく声を掛けられる。
なんだか、心がふわっと軽く暖かくなるが、これは何の気の迷いだ。
僕が妊娠?そんなの、あり得ないだろ。もっと嫌がれよ、僕。
「不安にさせてすまない。妊娠するのは、もう少し俺との暮らしに慣れてからが良いと思って、きちんと説明してなかった。ごめんな、ジャック」
「さっきの昔話だけど、少数民族だから身内で結婚することを繰り返してきた我々は、新しい血を混ぜないと、子供が産まれにくくなるという話でもあるんだ」
急に友人巨人から現実的な話をされて、曖昧に頷く。
「そのせいで、元々少数民族なのに、減りに減って、もう10人だ。ツアルトが新しい出会いをしてくれて本当に嬉しい」
友人巨人達は涙を流して喜んでいる。
「あの、ちょっと聞いていい?」
「なんだ?ジャック」
「ツアルトは、今まで恋人や結婚しようとした人はいなかったの?僕が初めて?」
ツアルトの顔が一瞬固まる。
友人達も固まる。さっき言ったよね。新しい出会いって。
「それは、その……」
「いや、あれだよ、あの…」
ものすごい言葉を選んでる。
ジト目でツアルトを睨めつける。
「嘘はつかないんでしょ?」
「あー……、俺は、恋人はいなかった」
ウンウン、と二人の巨人が頷く。
「だが、その…自堕落な生活を送っていた。なんというか…ヤリたい時に適当に相手を選んでヤっていた……俺はダメな奴だった」
はぁ、と溜息を吐くとツアルトの肩がビクリと震える。
友人達も、ゴホンと咳払いをして俯く。
「じゃ、この人達とも、そういうことしてたの?」
その友人二人を指して尋ねると、彼は硬い表情で頷いて頭を掻いた。
「若い世代は俺達三人しかいなかったから。協力して発散させるしかなかったんだよ。恋人なんてもんじゃなかった」
友人その1が、フォローし始めた。
「そうそう。ただの性欲の発散で、遊びの延長線だった。ツアルトに花嫁が出来たら、金輪際、絶対に無いから」
友人その2も必死にフォローしてる。
ふん、と僕は鼻を鳴らす。
「僕は友達で発散なんて考えたことも無かったけど?へぇ、ツアルトは誰でも良かったってことだね。僕じゃなくても、そういうこと出来るんだから」
イライラが止まらない。許せない。目の前の巨人達が、どうにも許せない。
「違うっ!!それは絶対に違うんだ!ジャック、誤解だ」
僕は力の緩んだツアルトの腕から、するりと抜け出した。強引に掴むこともせず、ツアルトは僕の足元に跪いた。
跪いてもデカイけど。
「帰る。さよなら、ツアルト。お友達と仲良くして。二度とあんた達の顔は見たくない」
「待ってくれ、ジャック!!本当に違うんだ!!気の迷いだったんだ、俺を許してくれ!!」
「これ、ヤバいよな」
「どうすれば良い?」
泣き叫ぶツアルトと、オタオタする友人二人。僕は一瞥して家を出た。
足元は遥か彼方の地上。忘れてた。ここ、空。
後ろから追ってくる足音がする。
僕は覚悟を決めた。
グネグネと曲がって天まで伸びる幹の近くを僕は思い切って跳んだ。
昏い瞳で笑うツアルト。
僕の両脚を左右に大きく開いて後ろから抱えられ、鏡の前に連れて来られた。
あれから、僕は昨夜が優しかったと思える程に激しく抱かれた。
水分補給はされたけれど、今生きてるのが不思議な程だ。
「ね?綺麗に縦に割れてる」
僕は既に声が出ない。叫び過ぎたから。
鏡に映る僕の尻穴は、何故か縦に大きく伸びた。既に奴の大きなモノをいつでも易々と飲み込める程に拡がっている。
「これ、戻すつもりもないし。ね?これじゃあ女の子と結婚なんて出来ないよね」
僕は、ぼんやりと自分の尻穴を眺める。
なんでもいい。この快楽地獄から逃げ出したい。
ぷっくり膨らんだ縦割れから、タラタラと白濁が溢れて床に落ちる。その様を獰猛な肉食獣の瞳が舌舐めずりをして凝視している。
「こんなに種付もされてさ。立派なお嫁さんだね。子沢山になろう」
僕は男で、妊娠なんてしない。
ちなみに僕は金も無いから、そもそも女の子と結婚出来るなんて思っても無い。
ツアルトとの結婚を拒否するために言っただけだ。でも、もう彼に歯向かうことが、どんな結果をもたらすか。
僕は地獄を見たから。
「これが最後だよ。ジャックトマメ、俺と結婚する?」
僕はコクンと頷いた。
彼が明るい笑顔で僕を抱き締めた。
その強い力に、腹が満杯になるほど注がれた精液が大量に嫌な音を立てて床へと零れた。
「嬉しい!!良かった、これで全て合意だったってことだね!だって俺達、愛し合ってるから」
僕は頷く。例えそれが不本意だとしても。
「さあ、身体を綺麗にしてあげる。声が出るようになったら、俺の仲間を紹介しよう。きっと皆、祝福してくれる」
僕は頷く。巨人の仲間なんて恐ろしいけれど、何も言わずに頷く。
「なんて素直でかわいい花嫁さん。伝説は本当だったんだ」
ツアルトは鼻歌を歌いながら、僕のナカも外も敏感過ぎる箇所も全て綺麗に洗った。
僕はひたすらに耐えた。
もう出し過ぎて射精は出来ないから、射精しないでイクことを身体に覚え込まされていた。
「ほーら、トロンとしてかわいい。またイっちゃった?良いよ、気持ち良いもんね」
そうして、自力で指一本動かすことすら出来ない僕を洗いあげ、満足したツアルトは、真っ白なシャツを僕に着せた。シャツが僅かに乳首を擦るだけで、僕は背中が反ってしまう。
「あー、最高。これからジャックトマメはこの服で過ごすこと。いいね」
コクンと頷くと、満足気に頭を優しく撫でられた。疲弊しきった心と身体に優しさが欲しくて、思わず頬を擦り寄せる。
「そんなかわいくされたら、また欲しくなるだろ。少しの間は我慢して?声が戻るようにしないと」
僕は頷く。それが不本意だとしても。
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「地上の人間?!うわっ、本物?!」
「伝説だと思ってた!!ツアルト、お前どうしたんだよ!!」
しばらく普通に食事や睡眠を取り、ようやく僕の声が戻ると、彼は巨人の仲間を家へ呼んで僕を見せびらかした。二人ともイケメンってなに?
いわゆる美丈夫ってやつだ。巨人は、どうしてこんなに見た目が良いのか。
「ん?ありがとう?」
「ある日、急に家の横に木が生えたんだ。これはもしやと思って降りて行ったら、本当に出会えた」
「マジか。まんま伝説じゃん!じゃあ、この子が結婚すると夢のような幸福が訪れるという地上の花嫁」
「そう!伝説の通り、信じられないほどに小さくて素直で優しくてかわいいんだ!相性も抜群過ぎて絶対手放せない。こんな幸福あっていいのかってくらいだ」
「「「うらやまし………」」」
伝説……?幸福?
「あぁ、ジャック。伝説の花嫁っていうのは俺達に伝わる恋物語なんだ。でも、ソレが事実だって証明された。君と俺で」
ウインクすな!ときめくから!
それから教えてもらった遥か昔の恋物語。
ぐうたらな男の家に、ある日突然、地上から木が伸びて来た。ぐうたらな男は放っておいた。
すると、小さな人が木を伝って彼の家を訪れた。それは驚く程に小さくかわいらしい人で、男は一目で恋に落ちた。けれど、その小さな人は男を恐れ逃げるばかり。男は、どうすれば小さな人が逃げないか考えた。
男は、それまでのぐうたらな生活を悔い改め、立派に働き、その小さな人に繰り返し愛を乞いた。
繰り返し、繰り返し……男が変わったことで、遂に、その小さな人は男の愛を受け入れ結婚した。
地上から来た小さな人は、それはそれは心優しく素直な花嫁で、男は空一番の幸せ者となった。二人は沢山の子宝にも恵まれ幸せに暮らしましたとさ。
めでたし、めでたし。
「なんそれ」
「初めて聞いた?そうか。地上では伝わって無いのか。俺達は幼い頃から聞かされて、ずっと憧れてたんだ」
ツアルトがシュンとする。
初めて聞いたもなにも……あまりに僕の知る話と違い過ぎて言葉も出ない。それに、僕が花嫁じゃない決定的な理由がある。
「それさ、伝説の花嫁って女だったんじゃない?」
「??さあ、どうだろう」
「だって、女だから子宝に恵まれたんだろ?じゃあ、男の僕は違うんじゃないかな。子供が産めないんだから花嫁にはなれないだろ?」
当然のことを説明しながら、僕は急に胸を強く掴まれたように激しく動揺していた。
これで、僕が伝説の花嫁じゃないって彼に放り出されたら耐えられるのか。もし嫌われたら?嫌な想像に背中を冷たい汗が流れて呼吸も荒くなる。
「そっか……それで不安にさせたのか。ジャック、ごめんな」
優しく優しく筋肉に抱き締められた。
目の前はツアルトの逞しい胸筋。見慣れたけど、恥ずかしい。
「ちょ、他の人見てるっ」
「あいつらは気にするな。あのな、ジャック、男でも妊娠出来る」
「なん、それ」
ツアルトが出まかせを言ってるのか、と周りも見渡す。仲間の巨人達も一様に頷いている。リアルなんそれ、だ。
「特に俺達の天村には既に女はいない。だから、男同士で子が孕める技術が発展した。俺達は少数民族だから血を残す必要があった」
「そうそう。だから、男も産む側が花嫁だよ。安心して、ツアルトのお嫁さん」
周りの巨人から優しく声を掛けられる。
なんだか、心がふわっと軽く暖かくなるが、これは何の気の迷いだ。
僕が妊娠?そんなの、あり得ないだろ。もっと嫌がれよ、僕。
「不安にさせてすまない。妊娠するのは、もう少し俺との暮らしに慣れてからが良いと思って、きちんと説明してなかった。ごめんな、ジャック」
「さっきの昔話だけど、少数民族だから身内で結婚することを繰り返してきた我々は、新しい血を混ぜないと、子供が産まれにくくなるという話でもあるんだ」
急に友人巨人から現実的な話をされて、曖昧に頷く。
「そのせいで、元々少数民族なのに、減りに減って、もう10人だ。ツアルトが新しい出会いをしてくれて本当に嬉しい」
友人巨人達は涙を流して喜んでいる。
「あの、ちょっと聞いていい?」
「なんだ?ジャック」
「ツアルトは、今まで恋人や結婚しようとした人はいなかったの?僕が初めて?」
ツアルトの顔が一瞬固まる。
友人達も固まる。さっき言ったよね。新しい出会いって。
「それは、その……」
「いや、あれだよ、あの…」
ものすごい言葉を選んでる。
ジト目でツアルトを睨めつける。
「嘘はつかないんでしょ?」
「あー……、俺は、恋人はいなかった」
ウンウン、と二人の巨人が頷く。
「だが、その…自堕落な生活を送っていた。なんというか…ヤリたい時に適当に相手を選んでヤっていた……俺はダメな奴だった」
はぁ、と溜息を吐くとツアルトの肩がビクリと震える。
友人達も、ゴホンと咳払いをして俯く。
「じゃ、この人達とも、そういうことしてたの?」
その友人二人を指して尋ねると、彼は硬い表情で頷いて頭を掻いた。
「若い世代は俺達三人しかいなかったから。協力して発散させるしかなかったんだよ。恋人なんてもんじゃなかった」
友人その1が、フォローし始めた。
「そうそう。ただの性欲の発散で、遊びの延長線だった。ツアルトに花嫁が出来たら、金輪際、絶対に無いから」
友人その2も必死にフォローしてる。
ふん、と僕は鼻を鳴らす。
「僕は友達で発散なんて考えたことも無かったけど?へぇ、ツアルトは誰でも良かったってことだね。僕じゃなくても、そういうこと出来るんだから」
イライラが止まらない。許せない。目の前の巨人達が、どうにも許せない。
「違うっ!!それは絶対に違うんだ!ジャック、誤解だ」
僕は力の緩んだツアルトの腕から、するりと抜け出した。強引に掴むこともせず、ツアルトは僕の足元に跪いた。
跪いてもデカイけど。
「帰る。さよなら、ツアルト。お友達と仲良くして。二度とあんた達の顔は見たくない」
「待ってくれ、ジャック!!本当に違うんだ!!気の迷いだったんだ、俺を許してくれ!!」
「これ、ヤバいよな」
「どうすれば良い?」
泣き叫ぶツアルトと、オタオタする友人二人。僕は一瞥して家を出た。
足元は遥か彼方の地上。忘れてた。ここ、空。
後ろから追ってくる足音がする。
僕は覚悟を決めた。
グネグネと曲がって天まで伸びる幹の近くを僕は思い切って跳んだ。
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