2 / 31
第一章
退職からの同居生活
しおりを挟む俺は、3年働いた職場を今日で去る。
俺の手には、小さな花束。
千円くらい?なんて値踏みする自分も何だかな。
最後の挨拶にも、みんな忙しくて誰も集まらない。
忙しくなくても同じか。
笑顔の所長から玄関で花束を渡された。
「これからも頑張って下さい。じゃあ、お疲れ様でした」
この一言で、鍵とか名札とか、諸々返却して終わった。
職場から外へ出ると、少し気持ちは軽くなった。
ああ、もうココへは来なくて良いんだ。
そう思うと、何か枷から抜け出せたような感覚になる。
少しだけ軽くなった足取りで、そのまま寮へ向かうと、既に引越し作業は始まっていた。
「あ、健吾ー!もういいの?」
唯人が元気に手を振っている。
なんだよ、俺より元気じゃん、あいつ。
俺は、手元の花束と唯人を見比べて笑うしかなかった。
「さて、やっちゃいますかー」
唯人や引越し業者のテキパキとした仕事振りを見て、俺に足りなかったのはこれか、なんてぼんやり考えてる間に、わずか6畳の我が城、古くて狭いワンルームは片付いた。
荷物が無くなると、なんだか部屋が広く感じて胸がソワソワした。
薄汚れた壁を眺めると、いろんな思いが込み上げる。
「では、荷物は新居へお送りしますね」
業者さんは、さっさと進めていく。
浸ってる場合じゃない。
俺も、唯人の車の助手席にちゃっかり乗せてもらって向かう。
唯人ってば、超かっこいい車乗ってんじゃん。
なにこれ、スポーツカー?
詳しくないから、さっぱりわかんねぇわ。
そして、運転する唯人は男の俺から見ても、めちゃくちゃカッコイイ。
思わず盛大な溜息がもれる。
「唯人はいいよなー、こんなかっこいい車乗ってて。俺なんか、チャリもねーもん」
笑って運転する唯人を盗み見る。
男の俺から見ても、ほんときれーな顔。
まつ毛長ぇー。肌きれー。
こりゃ、女はほっとかないだろ。
ふっとこちらを見た唯人と目が合う。
「そんなことないよ。つい見栄張っちゃったんだ。でも…健吾にそう言ってもらえるなら、買って良かった」
ドキッとした。
なぜだか、唯人の流し目があんまりにも色っぽくて。
「!!…そそそういうことって、あるよな!わかるー。あ、でも俺は見栄張っても何も買えないけどなー?貧乏って、つらいわー」
笑いにして、なんとか照れた顔を隠す。
どうした、俺。
退職と引っ越しでメンタル不安定なのか?
「ここだよ、我らの新居」
車を駐車場に停めて、おっしゃれ~なマンションへと入って行く。
何階建て?数え方もいまいち分からん。
ドキドキと鳴る心臓を押さえながら、唯人にくっついてエレベーターに乗り込む。
俺の持ち物は古びたリュックだけ。
「夢みたいだな、健吾と一緒に暮らせるなんて」
きれいな顔を、ほんのり染めて唯人が、そんな冗談をかましてくる。
「ははっ新婚さんみたいだな、それ」
俺も唯人に乗っかって、冗談めかして笑う。
やたらにドキドキする胸は、新しい生活への緊張だ。
普通だ、普通。
新しい生活は、俺だって楽しみ。
あまりに好条件過ぎる新しい職場だ。
クビになれば住む所と職を同時に失う。
うっし!気合い入れていかないとな。
唯人の家が、どんなに散らかっていようとも。
覚悟をしてドアが開くのを待った。
唯人が開いた扉の先には果たして…
引っ越し業者さんが優秀で、既にほとんどの荷物は運び込まれていた。
唯人が、全部手配してくれていたらしい。
それよりも、この部屋…
「え、めちゃ綺麗だし、広くね?」
そこは、まだ新しくて広々とした3LDK。
いくら地方でも、それなりにするよな、ここ。
「うん、ほら、前に住んでたとこが恐くなっちゃったからさ、実は…思い切って引越したんだ」
ふんわり笑ってるけど、金持ちはいいよなー。
引っ越し直後だから、あんまり生活感が無くて綺麗なのか、と納得する。
きらきら王子様の汚部屋を期待してたんだけどな。
唯人の物も、全然片付いてるじゃん。
シンプルな部屋だけど、なんか落ち着くナチュラルインテリア?ってやつ。
「まったく、女が原因で引っ越しとか…イケメンも辛いよなー。俺には一生関係ない苦労だわ」
話しながら自分の荷解きをしていく。
俺の荷物なんて大した量も無いから、二人でやればすぐ終わった。
「なあ、でもほんとにいいのかよ?彼女とか部屋に連れて来るのに、俺がいたら気い遣うんじゃねぇ?」
唯人が黙った。んん?あれ、もしかして地雷?
「僕さ…つい最近彼女に振られたばっかりだから、しばらくは誰とも付き合うつもりは無いんだよね…」
ダンボールを見つめながら俯いて話す唯人。
やべ、まさかの傷心中だった…空気読め、俺!
相手は雇用主だぞ!
「そ、そっか。まあ、もし彼女出来たら言えよ?その時は、俺どっか出て行くし」
「ダメ」
急に被せる勢いで拒否したかと思えば、真剣な表情で唯人が俺を見つめてくる。
「どこにも行かないで」
異常に必死な表情の唯人。
はあ?この俺が空気読んでるのに、なんだよ。
どうしたよ、急に。
「へ?あ、行くって言ったって、近くのコンビニとか漫喫で時間潰すくらいだと思うけど?ほら、彼女が帰るまで…」
「ああ…そういうことか」
唯人がホッと息をついている。
うーん、と無い頭をひねる。よじる。つねる。
あ、あれか?一人になるのが恐いってことは…
「もしかして、唯人って、この前言ってたストーカーとかに今も狙われてんの?」
イケメンだから、もはや何でもありえるな。
唯人は、また俯くと少し考える素振りをしてから、ゆっくりと頷いた。
やっぱり!俺はハウスキーパーとガードマンも兼ねてるってことか!だから、あんな好条件だったのか!
「分かったよ、唯人。俺に出来ることがあれば言ってくれ。こう見えても実は腕っぷし強いし、なんでも協力するから、な?」
俺は身体は小さいし、本当は全然強くもないから正直恐いけど、通報くらいは出来るし、大声も出せる。
同居人になることのメリットを今のうちにアピールしておかないと、解雇されたら、今の俺に生きていく術は無い。
唯人の表情は、それでもまだ暗い。
あー、悪いこと聞いちゃったな。
俺、さっきから地雷踏みっぱなしなのか?
そーっと、顔色を伺うと、何か、ぶつぶつ呟いているような…
「…ほんとに?」
唯人が、ゆっくり顔を上げながら聞いてきた。
瞳孔開いてない、よな?
「ほんとに、なんでもしてくれる?」
「あー、うん、もちろんだ。ほら、困った時はお互い様、だろ?ただ、俺に出来ることだけな?」
力無いし、ストーカーの撃退とかは実際は無理だから。俺も怖いし。
「ありがとう。嬉しいよ。ほんとに、健吾に来てもらって良かった」
ようやく唯人が笑った。
あー、やっべ、いきなり関係悪化しなくて良かったー。
ここから叩き出されたら、マジでホームレス一直線だし。
「さて!じゃあ、飯にしよーぜ!俺、作るから材料買いに行こう」
俺は、貧乏暮らしのおかげで、すっかり自炊が得意になった。
大学の頃も居酒屋でバイトしてたし、普通の物なら大抵作れる。
「何食いたい?」
スーパーで二人で買い物をする。
唯人は、にっこにこで、カゴを片手に俺にくっ付いてくる。
「健吾が作ってくれるなら、何でもいいよ」
「あー?お前、それ彼女とか奥さんに言っちゃいけないセリフ、ナンバーワンって知らねーの?『何でもいい』が、一番嫌われんだぞ?」
唯人の、にっこにこの笑顔に、ピシッとヒビが入る。
急に明らかにオロオロしだしたよ、コイツ。
変わってんなー。
「知らなかった…僕、ほんとに健吾に作ってもらえるなら何でも嬉しいから…健吾も…僕のこと…嫌いに、なった?」
「は?俺はなんねーだろ、別に。でも、何が食べたいか、しっかり言ってもらう方がハウスキーパー的には楽だな」
しゅんとしたイケメン。
あーあ、周りの視線がいてーわ。
あいたたた。
いや、冗談言い合ってるだけですけど?
「じゃあ、今日は和食にすっか」
ぱあっと唯人の顔が明るくなる。
キラキラ粒子を撒き散らしてまーす。
ご注意下さーい。
「うん!僕、和食大好き!やった!」
はいはい、イケメンの笑顔ねー。
周りが拝んでるわ。
なんだよ、こいつらもストーカーの一種か?
唯人を連れてくると、いろいろめんどくせーから、今度からは絶対一人で買い物に来よう。
「はー、疲れたー」
買い物が終わって家に帰って来ただけなのに、謎の疲労感。
余計な事を考えると疲れる。
新居の慣れないキッチンだけど、ちゃんと分かりやすく物が配置されてる。
それなりに作れそうだな、と確認する。
「じゃ、作るからそっちで待ってろ」
「僕も手伝う!」
気付けば、ぴったり隣に唯人がいる。
こいつ、こんなキャラだっけ?
いつもキラキラ王子オーラだったのに、なんだかゴールデンレトリバーみたいな大型犬に見えてきた。
俺が無類の犬好きで良かったな。
「いやいや、唯人は料理出来ないんだろ?いいよ、無理しなくて」
唯人が、ピシッと固まる。
「あ…そうだった。ごめん…でも、ほら、僕もこれから覚えたいから!教えてくれない?」
「あー、まあ料理出来るとモテるしな。って、これ以上モテてどーすんだよ!」
思わずピシッと肩を叩いてツッコミを入れる。
てへへ、と笑いながら唯人がさり気なくエプロンを付けて、俺にも渡してくる。
俺も笑いながら受け取ったエプロンの紐を背中に回して…
ん?これ、俺用?てか、お揃い?
「これ、俺の?」
「あ、うん。似合うかと思って」
何なの?何でイケメンって、そんな心遣いの塊なわけ?
自信無くすわー。
誰にでも優しいって条件がイケメンの教科書にでも載ってんの?
そんな教科書あるんなら、小学生のうちに配布してくれよ。
「あー、用意してくれたんだ、サンキュ。シンプルで使いやすそうだな」
お揃いのグレーのエプロンを付ける。
シンプルだけど、よく見ると刺繍がポケットにワンポイントで…ん?名前?
これ、俺の名前入ってね?
KENGO…いや、もうよそう。
これ以上、エプロンについて触れるのは、きっと雇用主の地雷だ。
「さってと、今日のメニューは豚汁、焼き魚、だし巻き卵、ほうれん草のおひたし、山盛り飯だ!OK?」
「大好き!全部好物!じゃあ、僕、大根切るよ」
こういう気楽な男飯っていうのも、いいよなー。
ノリの良い音楽をスマホで流しながら、ワイワイ冗談を言い合いながら作る。
こうして作れば、少しくらい失敗したって美味しく感じる。
「できた!」
いやいや、唯人くん。
君、普通に料理出来るじゃん。
野菜も切るの早かったし。
手さばきも味付けも完璧。
「おーいしーーいっ!!健吾って料理上手いんだね!」
女子アナの食レポ並に感激しながら向かいの席で食べてるけど。
「唯人さ、お前、普通に料理出来るじゃん」
あ、と箸が止まる。
あ、じゃねーよ。
「ほら、料理が出来ないっていうより、料理が出来る時間が無かったんだよ。だから、僕の帰りに合わせて作ってくれるとありがたいなって。僕、いつも残業で帰りが遅いからさ」
「あー、そっか。そういえば、残業ばっかりって言ってたもんなー。大変だよな、先生も」
ぎこちなく笑う唯人を見ながら、ふと違和感を覚える。
だが、そこには触れずに、普通に会話をすすめる。
俺達は、あくまでただの雇用関係だ。
問題を起こさず上手くコミュニケーションが取れれば、それでいい。
深すぎず浅すぎず。
二人で楽しくテレビを観て笑いながら過ごした。
風呂は、俺に先に入らせて、唯人は部屋で仕事をしてたらしい。
家でも仕事とかって、先生も大変なんだな。
風呂から上がって、二人で盛り上がりながら酒を飲んでゲームして、日付が変わる頃には、それぞれの部屋に解散した。
そうなんだよ。
ちゃんと俺用の部屋もある。
俺専用のベッドにごろんと転がる。
この高そうなベッドも唯人が用意してくれたもの。
何年もせんべい布団で寝てたから、柔らかくて肩凝り治るかも。
他のインテリアもカーテンもシンプルで新品。
俺が前の部屋から持ってきた薄汚いカーテンは、雑巾にして捨てよう。
「扱い良すぎて、なんか恐くなるわ」
こんなんで仕事って言えんのか。
呟いて、でも考えるのは無駄、と一瞬で眠りについた。
39
あなたにおすすめの小説
幼馴染がいじめるのは俺だ!
むすめっすめ
BL
幼馴染が俺の事いじめてたのは、好きな子いじめちゃうやつだと思ってたのに...
「好きな奴に言われたんだ...幼馴染いじめるのとかガキみてーだって...」
「はっ...ぁ??」
好きな奴って俺じゃないの___!?
ただのいじめっ子×勘違いいじめられっ子
ーーーーーー
主人公 いじめられっ子
小鳥遊洸人
タカナシ ヒロト
小学生の頃から幼馴染の神宮寺 千透星にいじめられている。
姉の助言(?)から千透星が自分のこといじめるのは小学生特有の“好きな子いじめちゃうヤツ“だと思い込むようになり、そんな千透星を、可愛いじゃん...?と思っていた。
高校で初めて千透星に好きな人が出来たことを知ったことから、
脳破壊。
千透星への恋心を自覚する。
幼馴染 いじめっ子
神宮寺 千透星
ジングウジ チトセ
小学生の頃から幼馴染の小鳥遊 洸人をいじめている。
美形であり、陰キャの洸人とは違い周りに人が集まりやすい。(洸人は千透星がわざと自分の周りに集まらないように牽制していると勘違いしている)
転校生の須藤千尋が初恋である
ネガポジコンプレックス
むすめっすめ
BL
「だーかーらっ!皆お前に魅力があるから周りにいるんだろーがっ!」
兄、四宮陽太はブサイク
「でも!それって本当の僕じゃないし!やっぱみんなこんな僕みたら引いちゃうよねぇ〜
!?」
で弟、四宮日向はイケメン
「やっぱり受け入れてくれるのは兄さんしかいないよぉー!!」
弟は涙目になりながら俺に抱きついてくる。
「いや、泣きたいの俺だから!!」
弟はドのつくブラコンネガティブ野郎だ。
ーーーーーーーーーー
正反対な兄弟のコンプレックスの話。
1話そんな生々しく無いですが流血表現ありです(※)
処刑エンドの悪役公爵、隠居したいのに溺愛されてます
ひなた翠
BL
目が覚めたら、やり込んだBLゲームの悪役公爵になっていた。
しかも手には鞭。目の前には涙を浮かべた美少年。
——このままじゃ、王太子に処刑される。
前世は冴えない社畜サラリーマン。今世は冷徹な美貌を持つ高位貴族のアルファ。
中身と外見の落差に戸惑う暇もなく、エリオットは処刑回避のための「隠居計画」を立てる。
囚われのオメガ・レオンを王太子カイルに引き渡し、爵位も領地も全部手放して、ひっそり消える——はずだった。
ところが動くほど状況は悪化していく。
レオンを自由にしようとすれば「傍にいたい」と縋りつかれ、
カイルに会えば「お前の匂いは甘い」と迫られ、
隠居を申し出れば「逃げるな」と退路を塞がれる。
しかもなぜか、子供の頃から飲んでいた「ビタミン剤」を忘れるたび、身体がおかしくなる。
周囲のアルファたちの視線が絡みつき、カイルの目の色が変わり——
自分でも知らなかった秘密が暴かれたとき、逃げ場はもう、どこにもなかった。
誰にも愛されなかった男が、異世界で「本当の自分」を知り、運命の番と出会う——
ギャップ萌え×じれったさ×匂いフェチ全開の、オメガバース転生BL。
俺の家に盗聴器が仕掛けられた
りこ
BL
家に帰ったら何か違和感。洗濯物が取り込まれている。だれ?親に聞いたが親ではない。
──これはもしかして、俺にヤンデレストーカーが!?と興奮した秋は親友の雪に連絡をした。
俺の経験(漫画)ではこれはもう盗聴器とか仕掛けられてんのよ。というから調べると本当にあった。
余命半年の俺を、手酷く振ったはずの元カレ二人が手を組んで逃がしてくれません
ユッキー
BL
半年以内に俺は一人寂しく死ぬ。そんな未来を視た。きっと誰も悲しむ人は居ないだろう。そう思っていたから何も怖くなかった。なのにそんな俺の元に過去手酷く振り、今では世界的スターとなった元カレ二人がやってきた。彼らは全てを知っていた。俺がどうして彼らを振ったのか、そして俺の余命も。
全てを諦めた主人公と、主人公を諦めきれないイケメンサッカー選手とシンガーソングライターの再会が導く未来は?
ノリで付き合っただけなのに、別れてくれなくて詰んでる
cheeery
BL
告白23連敗中の高校二年生・浅海凪。失恋のショックと友人たちの悪ノリから、クラス一のモテ男で親友、久遠碧斗に勢いで「付き合うか」と言ってしまう。冗談で済むと思いきや、碧斗は「いいよ」とあっさり承諾し本気で付き合うことになってしまった。
「付き合おうって言ったのは凪だよね」
あの流れで本気だとは思わないだろおおお。
凪はなんとか碧斗に愛想を尽かされようと、嫌われよう大作戦を実行するが……?
幼馴染みのハイスペックαから離れようとしたら、Ωに転化するほどの愛を示されたβの話。
叶崎みお
BL
平凡なβに生まれた千秋には、顔も頭も運動神経もいいハイスペックなαの幼馴染みがいる。
幼馴染みというだけでその隣にいるのがいたたまれなくなり、距離をとろうとするのだが、完璧なαとして周りから期待を集める幼馴染みαは「失敗できないから練習に付き合って」と千秋を頼ってきた。
大事な幼馴染みの願いならと了承すれば、「まずキスの練習がしたい」と言い出して──。
幼馴染みαの執着により、βから転化し後天性Ωになる話です。両片想いのハピエンです。
他サイト様にも投稿しております。
『偽物の番』だと捨てられた不憫な第三王子、隣国の冷徹皇帝に拾われて真実の愛を教え込まれる
レイ
BL
「出来損ない」と捨てられた場所は、私の居場所ではありませんでした。
ラングリス王国の第三王子・フィオーレは、王族の証である『聖種の紋様』が現れなかったことで「偽物の番」と罵られ、雪降る国境へと追放される。
死を覚悟した彼の前に現れたのは、隣国アイゼン帝国の「冷徹皇帝」ヴォルフラムだった。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる