12 / 16
一章 入学
教室
しおりを挟む
「「「……普通」」」
入ると同時に、一斉射撃の普通というコメントが流れ打ちされた。入学式に保健室で眠っているとか、普通は病人美少年だと思いますよね。残念ながら、普通の平凡高校生です。早いうちに幻像を壊していてよかったよ。
「てめぇら、思っていることを口に出すな。正直に言うことは……人を傷つくこともあるんだぞ。普通でもいいじゃないか。この学校で平凡顔は少ないからな!!」
「先生、フォローになっていません!!」
素で突っ込んでしまうぐらいに、先生の天然ような悪意がない言葉が心に刺さる。平凡顔で悪いことがあるのかよ。まぁ、美形の方が役得だけど。周囲を見てみると、青葉や望の存在は見かけなかった。クラス違ったのかな。同じだったらよかったのに。
「空いている席の方に移動しろよ。えっと、生徒会の書記の後ろだな」
先生が席の場所を指示するとき、微妙そうな顔していることに気づくが、何も言わず言われた通りに移動する。「羨ましい」とかちらほら聞こえるけど、俺は男色家じゃないから大丈夫です。先程の事件でイケメンにトラウマ持っていますので。書記である笹木香具矢は近くで見るほど、THE武士みたいな男前の顔立ちをしている。本物の武士じゃなくて、芸能人が演じている武士の方な。
「君が入学式に貧血で倒れたという子か?」
「えっ、貧血扱いになっているのか?」
「あぁ、信明がそう伝えに来たが違ったのか……」
後ろ席に座ると、意外にもフレンドリーに話しかけられた。生徒会は特別な者として祭り上げられているから、あちらから話しかけないのかと思っていた。副会長みたいな人もいるし、優しい人が多いのかな。一部を除いて。そういえば、俺たちが話していて周りの様子はどうなっているんだ。
「……」
「予想よりも結構、視線が痛かった」
「うん?どうかしたのか?」
俺の方向へ書記が振り向けば、後ろから殺意のような視線は消えるが、書記の視線が外れた瞬間に視線が再び復活する。やめろ、人に恨まれるのは慣れてないんだぞ。それは知らずに書記は無表情に近い顔で話しかける。多分、無表情はデフォルトなんだろうな。
「そういえば、自己紹介していなかったな。俺の名前は笹木香久矢。前後の席だから、気軽に話しかけてくれ」
「俺は境本敦。外部生だからルールはあんまり知らないんだ。困ったとき、色々と聞かせてもらうよ」
「境本は外部生なのか? この山奥から来るのは疲れただろう」
「電車とバスで来ているから、あんまり歩いている訳じゃないからな。流石に山奥を歩くのはしんどい」
「……バスなんかあったのか?」
笹木は不思議そうな顔でバスがあったことに驚いているようだ。バスがなかったら、どうやって此処に来るんだよ。バスじゃなくても車という方法があるじゃないか。金持ち学校だし、リムジンとかだったりな。
「……リムジンとか乗ってみたいな」
「リムジンはこの山奥だと移動の時に邪魔だぞ?」
「えっ!? リムジンに乗ったことがあるの?」
「あぁ、父親の所に行くときに乗ったことが、……ある」
「へぇ、流石だな。じゃあ、笹木はバス以外で何に乗ってきて学校に来たんだ」
「たしか……あれ?」
笹木は無表情の顔が何かを考えるかのように険しい顔になっていく。来た方法なんて、思い出さないものか。
「悪いが、委員会決めを早めにやらないといけない。外部生も訳が分からないと思うが、出来る限り話に入ってくれ」
入ると同時に、一斉射撃の普通というコメントが流れ打ちされた。入学式に保健室で眠っているとか、普通は病人美少年だと思いますよね。残念ながら、普通の平凡高校生です。早いうちに幻像を壊していてよかったよ。
「てめぇら、思っていることを口に出すな。正直に言うことは……人を傷つくこともあるんだぞ。普通でもいいじゃないか。この学校で平凡顔は少ないからな!!」
「先生、フォローになっていません!!」
素で突っ込んでしまうぐらいに、先生の天然ような悪意がない言葉が心に刺さる。平凡顔で悪いことがあるのかよ。まぁ、美形の方が役得だけど。周囲を見てみると、青葉や望の存在は見かけなかった。クラス違ったのかな。同じだったらよかったのに。
「空いている席の方に移動しろよ。えっと、生徒会の書記の後ろだな」
先生が席の場所を指示するとき、微妙そうな顔していることに気づくが、何も言わず言われた通りに移動する。「羨ましい」とかちらほら聞こえるけど、俺は男色家じゃないから大丈夫です。先程の事件でイケメンにトラウマ持っていますので。書記である笹木香具矢は近くで見るほど、THE武士みたいな男前の顔立ちをしている。本物の武士じゃなくて、芸能人が演じている武士の方な。
「君が入学式に貧血で倒れたという子か?」
「えっ、貧血扱いになっているのか?」
「あぁ、信明がそう伝えに来たが違ったのか……」
後ろ席に座ると、意外にもフレンドリーに話しかけられた。生徒会は特別な者として祭り上げられているから、あちらから話しかけないのかと思っていた。副会長みたいな人もいるし、優しい人が多いのかな。一部を除いて。そういえば、俺たちが話していて周りの様子はどうなっているんだ。
「……」
「予想よりも結構、視線が痛かった」
「うん?どうかしたのか?」
俺の方向へ書記が振り向けば、後ろから殺意のような視線は消えるが、書記の視線が外れた瞬間に視線が再び復活する。やめろ、人に恨まれるのは慣れてないんだぞ。それは知らずに書記は無表情に近い顔で話しかける。多分、無表情はデフォルトなんだろうな。
「そういえば、自己紹介していなかったな。俺の名前は笹木香久矢。前後の席だから、気軽に話しかけてくれ」
「俺は境本敦。外部生だからルールはあんまり知らないんだ。困ったとき、色々と聞かせてもらうよ」
「境本は外部生なのか? この山奥から来るのは疲れただろう」
「電車とバスで来ているから、あんまり歩いている訳じゃないからな。流石に山奥を歩くのはしんどい」
「……バスなんかあったのか?」
笹木は不思議そうな顔でバスがあったことに驚いているようだ。バスがなかったら、どうやって此処に来るんだよ。バスじゃなくても車という方法があるじゃないか。金持ち学校だし、リムジンとかだったりな。
「……リムジンとか乗ってみたいな」
「リムジンはこの山奥だと移動の時に邪魔だぞ?」
「えっ!? リムジンに乗ったことがあるの?」
「あぁ、父親の所に行くときに乗ったことが、……ある」
「へぇ、流石だな。じゃあ、笹木はバス以外で何に乗ってきて学校に来たんだ」
「たしか……あれ?」
笹木は無表情の顔が何かを考えるかのように険しい顔になっていく。来た方法なんて、思い出さないものか。
「悪いが、委員会決めを早めにやらないといけない。外部生も訳が分からないと思うが、出来る限り話に入ってくれ」
応援ありがとうございます!
0
お気に入りに追加
35
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる