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2人の聖女様
ごじゅうはち
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第1王子の隔離されている部屋を出て、そこをスタートに順に廊下を歩いていく。
どこもやはり空気が重い。
たまにすれ違う人は僕達を見てびっくりするが、隣にいるカレンを見ると頭を下げてくる。
王様にも挨拶した方がいいのだろうか、と訊くと、忙しいので自由にしていいと言われているとのこと。
「……王様は怪しいことはないんだよね?」
「私が見る限りでは……第1王子ですし、その、一番気にされてるのも第1王子でしたので」
「そっか……」
暫く無言で歩き続ける。
広い、広過ぎる。思ってたより時間がかかる。
先程から会うのはメイドさんばかりだし、空気感も変わらない。
この広さとはいえ、メイドさんが多過ぎる、これが王室の普通なのだろうか。
そう思っていた時、先の方からやっと住人のような、カレンと同年代に見える少年が歩いて来た。
「カレン様」
「ルイズ様、おはようございます」
「おはようございます、兄様はお加減いかがでしょうか」
「……まだ寝ていらっしゃいます」
「……そうですか……こちらの方は?」
「精霊士様をお呼びしたんですの。精霊士様、第2王子のルイズ様でございます」
「……精霊士様」
ベッドで寝ていた第1王子は綺麗な金髪だった。
目の前の第2王子は、僕達と同じような黒髪に黒い瞳をしていた。
なるほど、腹違いとは言っていたが、ここまで雰囲気がかわるものなのか。
「……兄様は助かりそうでしょうか」
見上げる瞳はどう見ても心配しているものだ。
リュカ様と他の王子とは仲が良いとカレンも言っていた。
「私は精霊様を確認することしか出来ません、聖女様のサポートをさせて頂きます」
「そうですか……」
残念そうな表情をし、それからはっとしたように、兄様を宜しくお願いします、と頭を下げ、僕達から離れて行った。
どう見ても兄を心配する仲の良い弟だが、一応果穂に確認すると、大丈夫と返事が返ってきた。
その答えに一番安心したのはカレンのようだった。
そうだよな、リュカ様と仲良くしてる弟が黒幕なら悲しい話だ。
肩を叩き、進もうと促す。
「ルイズ様は私の1つ下になるのですが、魔力は高いのですが実践が苦手のようで……それをリュカ様が教えたりしていて、本当に仲の良いご兄弟なんです」
「うん、良かった」
「はい……」
黒幕を探すつもりだったけど、思わぬ所で味方を見つけると嬉しいものだ。
今後も頼りに出来そうで助かる。
「他の王子様は?仲良くしてるんだよね?」
「ええ、他の王子様はルイズ様より幼い方ばかりなので……皆リュカ様を慕っているようです、喧嘩もされたりはするようですが、こんなことまではとても……」
じゃあ王子や王様といった身内じゃないってことか、それなら心もあんまり痛まないな……
「……にいに」
「誰か来たか」
「ううん」
「?」
少し間を置いて、さっきの人、と果穂が言う。
「すこしくろかった」
「さっきの人……?お掃除してた人か?」
「うん」
通り過ぎるまで待ってから報告してくれたらしい。いつの間にか空気も読めるようになってきてたとは。
「さっきのメイドは……あ」
「何?」
「……エリザ様のお付の……」
「エリザ様?」
「……ルイズ様のお母様です」
……第2王子の。そんなの悪い予感しかしない。
とりあえず、そのエリザ様の部屋まで案内するよう言うと、カレンは真っ青な顔でこちらです、と歩き出した。
「可能性はある?」
「……ええ、やはりエリザ様はルイズ様に王位を継いで欲しいようなので……当のルイズ様はリュカ様が次ぐべきだと仰ってるのですが」
第1王子が亡くなれば、第2王子が王位に近付く。
本人にその気がないから母親が動いたということか。
王族ドロドロ過ぎるな……
「にいに、あそこ……」
カレンがあの部屋です、と言う前に果穂が反応した。
「さっきのおーじさまのおへやと、おんなじ」
「あそこがエリザ様の部屋……」
「ど、どうしましょう」
僕には真っ黒には見えない。でも、リュカ様の部屋と同じくらい空気が澱んでるのは感じる。
リュカ様と同じように呪われてるのか、本人から出ているものなのか。
「これは突撃した方がいいのかな、王様に説明してそちらに任せた方がいいんだろうか」
王様が僕達が城内に入るのは認めたとはいえ、城の中で揉めて大丈夫なものなんだろうか。
これがメイドさんが犯人なら僕達は褒められて終わりかもしれないけど、勝手に王妃に詰め寄って許されるものなのだろうか……?
「一度王様に確認した方が」
そうカレンに振り返った瞬間、果穂が動いた、と呟いた。
「あら聖女様どうなされました?」
開かれた扉から黒いもやを見た。
凛とした声、しかし冷たさを感じる声だった。
……やばい、普通にばれた。
「その方は?」
「……精霊士様ですわ、リュカ様を見て頂こうと、案内をするところで」
「あらあら聖女様、精霊士様をわざわざお呼びに?聖女様ではどうもならないのかしら」
「……出来ることは全てしておきたいのです」
「そう、宜しくお願いしますわね、精霊士様」
……これは隠す気あるのか?バチバチじゃないか?お前やってるだろと言ってしまっていいのか?
どこもやはり空気が重い。
たまにすれ違う人は僕達を見てびっくりするが、隣にいるカレンを見ると頭を下げてくる。
王様にも挨拶した方がいいのだろうか、と訊くと、忙しいので自由にしていいと言われているとのこと。
「……王様は怪しいことはないんだよね?」
「私が見る限りでは……第1王子ですし、その、一番気にされてるのも第1王子でしたので」
「そっか……」
暫く無言で歩き続ける。
広い、広過ぎる。思ってたより時間がかかる。
先程から会うのはメイドさんばかりだし、空気感も変わらない。
この広さとはいえ、メイドさんが多過ぎる、これが王室の普通なのだろうか。
そう思っていた時、先の方からやっと住人のような、カレンと同年代に見える少年が歩いて来た。
「カレン様」
「ルイズ様、おはようございます」
「おはようございます、兄様はお加減いかがでしょうか」
「……まだ寝ていらっしゃいます」
「……そうですか……こちらの方は?」
「精霊士様をお呼びしたんですの。精霊士様、第2王子のルイズ様でございます」
「……精霊士様」
ベッドで寝ていた第1王子は綺麗な金髪だった。
目の前の第2王子は、僕達と同じような黒髪に黒い瞳をしていた。
なるほど、腹違いとは言っていたが、ここまで雰囲気がかわるものなのか。
「……兄様は助かりそうでしょうか」
見上げる瞳はどう見ても心配しているものだ。
リュカ様と他の王子とは仲が良いとカレンも言っていた。
「私は精霊様を確認することしか出来ません、聖女様のサポートをさせて頂きます」
「そうですか……」
残念そうな表情をし、それからはっとしたように、兄様を宜しくお願いします、と頭を下げ、僕達から離れて行った。
どう見ても兄を心配する仲の良い弟だが、一応果穂に確認すると、大丈夫と返事が返ってきた。
その答えに一番安心したのはカレンのようだった。
そうだよな、リュカ様と仲良くしてる弟が黒幕なら悲しい話だ。
肩を叩き、進もうと促す。
「ルイズ様は私の1つ下になるのですが、魔力は高いのですが実践が苦手のようで……それをリュカ様が教えたりしていて、本当に仲の良いご兄弟なんです」
「うん、良かった」
「はい……」
黒幕を探すつもりだったけど、思わぬ所で味方を見つけると嬉しいものだ。
今後も頼りに出来そうで助かる。
「他の王子様は?仲良くしてるんだよね?」
「ええ、他の王子様はルイズ様より幼い方ばかりなので……皆リュカ様を慕っているようです、喧嘩もされたりはするようですが、こんなことまではとても……」
じゃあ王子や王様といった身内じゃないってことか、それなら心もあんまり痛まないな……
「……にいに」
「誰か来たか」
「ううん」
「?」
少し間を置いて、さっきの人、と果穂が言う。
「すこしくろかった」
「さっきの人……?お掃除してた人か?」
「うん」
通り過ぎるまで待ってから報告してくれたらしい。いつの間にか空気も読めるようになってきてたとは。
「さっきのメイドは……あ」
「何?」
「……エリザ様のお付の……」
「エリザ様?」
「……ルイズ様のお母様です」
……第2王子の。そんなの悪い予感しかしない。
とりあえず、そのエリザ様の部屋まで案内するよう言うと、カレンは真っ青な顔でこちらです、と歩き出した。
「可能性はある?」
「……ええ、やはりエリザ様はルイズ様に王位を継いで欲しいようなので……当のルイズ様はリュカ様が次ぐべきだと仰ってるのですが」
第1王子が亡くなれば、第2王子が王位に近付く。
本人にその気がないから母親が動いたということか。
王族ドロドロ過ぎるな……
「にいに、あそこ……」
カレンがあの部屋です、と言う前に果穂が反応した。
「さっきのおーじさまのおへやと、おんなじ」
「あそこがエリザ様の部屋……」
「ど、どうしましょう」
僕には真っ黒には見えない。でも、リュカ様の部屋と同じくらい空気が澱んでるのは感じる。
リュカ様と同じように呪われてるのか、本人から出ているものなのか。
「これは突撃した方がいいのかな、王様に説明してそちらに任せた方がいいんだろうか」
王様が僕達が城内に入るのは認めたとはいえ、城の中で揉めて大丈夫なものなんだろうか。
これがメイドさんが犯人なら僕達は褒められて終わりかもしれないけど、勝手に王妃に詰め寄って許されるものなのだろうか……?
「一度王様に確認した方が」
そうカレンに振り返った瞬間、果穂が動いた、と呟いた。
「あら聖女様どうなされました?」
開かれた扉から黒いもやを見た。
凛とした声、しかし冷たさを感じる声だった。
……やばい、普通にばれた。
「その方は?」
「……精霊士様ですわ、リュカ様を見て頂こうと、案内をするところで」
「あらあら聖女様、精霊士様をわざわざお呼びに?聖女様ではどうもならないのかしら」
「……出来ることは全てしておきたいのです」
「そう、宜しくお願いしますわね、精霊士様」
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