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第16話 同じ境遇の仲間と
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「美味い、美味いぞ!」
「こんなに色んな食糧を食べれるなんて!」
「お腹がいっぱいになるまで食べたのなんて久しぶりだ……」
それから、俺たちはラインさんの仲間たちに食事を振舞った。振舞ったと言っても、料理をしたわけではなく、ただレトルト食品を温めて出しただけだ。
それでも、ラインさんの仲間たちは十分満足してくれたみたいだった。
そうだよな。最近のレトルト食品って結構うまいもんな。
俺がラインさんの仲間たちの食べっぷりを嬉しく見ていると、ラインさんが俺の前にやってきて深く頭を下げた。
「メビウス様! 本当にありがとうございます! なんとお礼を言ったらいいのか、」
「いいえ、そんな気にしないでください。元々は、アストロメア家が悪いわけですから」
俺がラインさんの顔を上げさせると、ラインさんは感極まったように瞳を潤ませていた。
「まさか、アストロメア家にこんな優しい方がいたとは……メビウス様が領主だったらよかったのに」
ラインさんの言葉を受けて、俺は一瞬何も言えなくなってしまった。
それから、俺はちらっと視線をラインさんの仲間たちの方に向けた。
今は久しぶりの食事を前に舞い上がっているみたいで喜んでくれているが、数十分後には彼らはまた現実に向き合わなければならない。
……彼らはこれからどうなってしまうのだろうか?
トラブルに巻き込まれても大丈夫なくらい、食糧を持たせることはできると思うが、また魔物に襲われればまた今みたいな状態になるだろう。魔物が住み着いていないと言っても、絶対に安心だとは言えない。
そして何より馬車が壊れてしまっているわけだし、移動手段がないはずだ。
そうなると、彼らはここから動くことができないだろう。
それに、仮に隣国にたどり着いたとして、隣国がラインさんたちを受け入れてくれる確証もない。
ん? あれ? もしかして、それって俺も同じなのでは?
俺はそこまで考えて重要なことに気がついた。
何かあったら隣国に渡ればなんとかなるかと思ったが、アストロメア家から捨てられた身の俺を隣国は受け入れてくれるのだろうか?
まして、異世界の人から見たら見たことのない道具をたくさん持っている訳だし、絶対に変な疑いをかけられる気がする。
普通に考えれば、こんなに便利な物を持っていればアストロメア家から追放されることはない。
そうなると、アストロメア家から送り込まれた隣国を偵察するためのスパイだと思われる可能性もあるよな。
そうなるとどうなる? 国家転覆罪の疑いとかかけられるのか?
それとも、ずっと死ぬまでこの『死地』で死が迎えに来るまでただじぃっと待ってるか?
いや、ここでアリスと二人きりで生きていくことを決めたとしても、突然隣国に責められたら、俺に何ができる?
俺がそうならないで生き残るためには……
「建国だ」
俺はさっきまでのラインさんとの会話を思い出して、ボソッとそんな言葉を呟いた。
「メビウス様?」
俺は隣でこてんと首を傾げているアリスをちらっと見てから、視線をラインさんに戻す。
「ラインさん。俺たちで国を作りましょう。いや、国は無理でも、他国が侵略できないほど大きな村をここに作りましょう!」
そうだ。俺もラインさんも安心して暮らせる場所が欲しい。それなら、共に協力してここで生きていけばいい。
俺の身を守るためにも、アストロメア家のせいで住む場所を失ってしまったラインさんたちのためにも、協力し合えばいいんだ。
俺が声を大きくしてそう言うと、ラインさんは力強く頷いて続ける。
「もちろんです! 一生ついていきますよ! 我ら一同!!」
「我ら一同?」
ラインさんの言葉を聞いて、ラインさんの後ろを見ると、ラインさんの仲間たちが立ち上がって俺たちを強く見つめていた。
「これだけのことをしてくれたんだ! 俺たちは何でもするぜ!」
「子供たちの命を助けてくれた恩、絶対に忘れません!」
「メビウス様! 俺たちを導いてくれ!」
そして、ラインさんの仲間たちは俺たちを見つめながら、各々そんな言葉を口にした。
その言葉はさっきまで餓死しそうだった人達とは思えないほど、力強いものだった。
その力強さに背中を押され、俺はラインさんとその仲間たちと共に、隣国に負けない自分たちの居場所を作ることを決意したのだった。
「こんなに色んな食糧を食べれるなんて!」
「お腹がいっぱいになるまで食べたのなんて久しぶりだ……」
それから、俺たちはラインさんの仲間たちに食事を振舞った。振舞ったと言っても、料理をしたわけではなく、ただレトルト食品を温めて出しただけだ。
それでも、ラインさんの仲間たちは十分満足してくれたみたいだった。
そうだよな。最近のレトルト食品って結構うまいもんな。
俺がラインさんの仲間たちの食べっぷりを嬉しく見ていると、ラインさんが俺の前にやってきて深く頭を下げた。
「メビウス様! 本当にありがとうございます! なんとお礼を言ったらいいのか、」
「いいえ、そんな気にしないでください。元々は、アストロメア家が悪いわけですから」
俺がラインさんの顔を上げさせると、ラインさんは感極まったように瞳を潤ませていた。
「まさか、アストロメア家にこんな優しい方がいたとは……メビウス様が領主だったらよかったのに」
ラインさんの言葉を受けて、俺は一瞬何も言えなくなってしまった。
それから、俺はちらっと視線をラインさんの仲間たちの方に向けた。
今は久しぶりの食事を前に舞い上がっているみたいで喜んでくれているが、数十分後には彼らはまた現実に向き合わなければならない。
……彼らはこれからどうなってしまうのだろうか?
トラブルに巻き込まれても大丈夫なくらい、食糧を持たせることはできると思うが、また魔物に襲われればまた今みたいな状態になるだろう。魔物が住み着いていないと言っても、絶対に安心だとは言えない。
そして何より馬車が壊れてしまっているわけだし、移動手段がないはずだ。
そうなると、彼らはここから動くことができないだろう。
それに、仮に隣国にたどり着いたとして、隣国がラインさんたちを受け入れてくれる確証もない。
ん? あれ? もしかして、それって俺も同じなのでは?
俺はそこまで考えて重要なことに気がついた。
何かあったら隣国に渡ればなんとかなるかと思ったが、アストロメア家から捨てられた身の俺を隣国は受け入れてくれるのだろうか?
まして、異世界の人から見たら見たことのない道具をたくさん持っている訳だし、絶対に変な疑いをかけられる気がする。
普通に考えれば、こんなに便利な物を持っていればアストロメア家から追放されることはない。
そうなると、アストロメア家から送り込まれた隣国を偵察するためのスパイだと思われる可能性もあるよな。
そうなるとどうなる? 国家転覆罪の疑いとかかけられるのか?
それとも、ずっと死ぬまでこの『死地』で死が迎えに来るまでただじぃっと待ってるか?
いや、ここでアリスと二人きりで生きていくことを決めたとしても、突然隣国に責められたら、俺に何ができる?
俺がそうならないで生き残るためには……
「建国だ」
俺はさっきまでのラインさんとの会話を思い出して、ボソッとそんな言葉を呟いた。
「メビウス様?」
俺は隣でこてんと首を傾げているアリスをちらっと見てから、視線をラインさんに戻す。
「ラインさん。俺たちで国を作りましょう。いや、国は無理でも、他国が侵略できないほど大きな村をここに作りましょう!」
そうだ。俺もラインさんも安心して暮らせる場所が欲しい。それなら、共に協力してここで生きていけばいい。
俺の身を守るためにも、アストロメア家のせいで住む場所を失ってしまったラインさんたちのためにも、協力し合えばいいんだ。
俺が声を大きくしてそう言うと、ラインさんは力強く頷いて続ける。
「もちろんです! 一生ついていきますよ! 我ら一同!!」
「我ら一同?」
ラインさんの言葉を聞いて、ラインさんの後ろを見ると、ラインさんの仲間たちが立ち上がって俺たちを強く見つめていた。
「これだけのことをしてくれたんだ! 俺たちは何でもするぜ!」
「子供たちの命を助けてくれた恩、絶対に忘れません!」
「メビウス様! 俺たちを導いてくれ!」
そして、ラインさんの仲間たちは俺たちを見つめながら、各々そんな言葉を口にした。
その言葉はさっきまで餓死しそうだった人達とは思えないほど、力強いものだった。
その力強さに背中を押され、俺はラインさんとその仲間たちと共に、隣国に負けない自分たちの居場所を作ることを決意したのだった。
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―・―・―・―・―・―・―・―
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※この作品以外にもいろいろと小説を投稿しています。よろしければそちらもご覧ください。
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