花のような君に恋をした。

都邑冷素

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3話 ルナリアに魅せられて

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華はずっと、真っ直ぐで透明すぎる光が眩しくて嫌いだった。
でも、今は少しだけ違う。

太陽の「ひとりぼっちにしないため!」
と言う言葉にを聞き
光は眩しいだけじゃなくて暖かいんだって。
そう少しだけ思えた。
日の光も悪くないなってちょっとだけ思えた。


道端に腰掛けて絵を描き始める二人。

「本当はこんな一輪の花じゃなくて
樹齢300年の木とか、綺麗なお花畑に行きたかったよね?」

「私が班のみんなとはぐれたばかりにごめんね」

華は太陽を付き合わせてしまっていることに申し訳なさを感じていた。

「そんなことないよ!
こういうのが冒険みたいで面白いじゃん!」
太陽は笑みを浮かべながらこう答えた。

成績もいつも一番で、完璧人間でしっかりしていて大人っぽいと思っていたけど、
班からはぐれるなんてそんな一面もあるのだと太陽は思った。

「それと、普通にこの花綺麗じゃん?」
と太陽が言う。

「ありがとう」
華が答えた。

「なんで?ありがとうって言うんだよ、?」
太陽が笑う。

「なんでだろうね」
華は、はにかみながら答えた。


普段あまり見せないはにかんだ笑顔を見た瞬間
太陽は目を奪われていた。
こんな表情もするのだと思った。
腕も足も白くて細い
髪の毛だって絹糸のように細く艶やな華をずっと見ていたいと思った。
今見ていないと儚く消えてしまうのではないかと感じた。


「こんなところにいたのかー!」
「もうそろそろ課外授業終わっちゃうよー?」
班員の声が聞こえる。

「ごめん、ごめん!」
「もう終わりの時間かー?!
道、間違えちゃった!笑」
太陽が笑いながら言う。

「もう何してんだよー!笑」
「ところでなんの絵描いてたの?」
班員たちが太陽に聞く。

「教えなーい!笑」
太陽は、笑顔で答えた。
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