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令嬢13歳・魔法の授業とヒロイン・後
「シュミナ・パピヨン君は知っての通り珍しい光魔法の使い手だ。どれだけ希少かというと毎年1人入学者に居れば僥倖ってくらいだな。今年はフィリップ様も居るから学年に2人居るが……。魔石に込められたものならともかく、生の光魔法なんて滅多に見られるもんじゃないから良く見とくんだぞー」
先生の間延びした声が実習室に響く。
生徒達が皆興味津々……そしてわたくしは戦々恐々という感じだ。
ゲーム内での流れを思い出すと……。
彼女が使おうとしたのは光魔法の『ホーリーアロー』。
下位魔法だから膨大な魔力が暴発してもフィリップ王子が咄嗟の挙動で抑え込める程度の魔力暴発しか起きなかったんだろう。
高位魔法を暴発させたりしてたら、フィリップ王子でも即座には対応出来たかは分からない。
彼女がイレギュラーな事をしないといいけれど……背中に冷や汗が伝う。
イメージ、イメージするの。あの子がイレギュラーを起こして、魔力がこの観覧している生徒達の席まで届いた時、土の壁を張るイメージを。
ああ……わたくしの魔力で足りるのかしら。
わたくしが耐えているうちにフィリップ王子に駆け付けて貰うしかないわね。
信じてますわよ!という視線をフィリップ王子に送ると……可愛くウインクされた。
……違う、そうじゃない。まぁ暴発するなんて彼は知らないから仕方ないんだけど!!
「頑張ります♡先生宜しくお願いします!」
相変わらず、きゃるんと言う響きの声でシュミナ嬢が言う。
それに見惚れている男子、冷めた目を送っている男女……皆の反応は様々だ。
ノエル様も半眼の冷めた表情で彼女を見ている。
折角可愛いのになぁ……勿体ない。中身は残念だからなぁ……。
シュミナ嬢が的に向かって手を前に突き出して自信満々という表情で呪文を詠唱し始めた。
「光よ、集え我の元に。そしてその力を示せ。天を貫きその威を……」
パリパリと音がして、シュミナ嬢の手に魔力が集まって行く。
ちょ……ちょっと待って!?彼女が詠唱してるのって……中位魔法の『ライトニング』なんじゃないの!?
あのシュミナ嬢の制御能力で制御出来るものじゃない。
「まずいっ……!!」
わたくしが席を立ってシュミナ嬢の方へ走るのと、彼女の魔力が膨れ上がり弾けたのは同時だった。
魔力が暴発した、と気付いた生徒達が口々に悲鳴を上げる。
シュミナ嬢の巨大な魔力に飲み込まれないように必死に堪え、わたくしは地面に手を付いた。
「グラウンド!」
地面がボコッと音を立てて持ち上がり、高い壁が生徒達とシュミナ嬢の間に聳え光の奔流をギリギリで堰き止める。
申し訳ないけれどシュミナ嬢と取り巻きの男性の無事はわたくしにはどうにもできない。
他の生徒達を守る事で精一杯だ。
しかしその壁も……わたくしの脆弱な魔力では、シュミナ嬢の膨大な魔力を堰き止めるのに足りないようだった。
壁は徐々にひび割れ、白い光が土の間から漏れる。
前にもう1枚壁を作っても、恐らく彼女の魔力を堰き止めるのには足りない。
だったら……この壁が壊れた後のダメージを減らす事を考えないと。
「ウォータードーム!」
わたくしは後方に居る生徒達を、中位魔法で水の膜を張り防護した。
これで、皆は大怪我はせずに済むはず……最悪でも死ぬ事は無いだろう。
……わたくしは、どうしようかしらね?魔力はもうすっからかんよ?
どんどん大きくなる亀裂。土壁から眩しく漏れる光を見つめながら、わたくしはぼんやりとそんな事を考えた。
「ビアンカ嬢!!」
その時、逞しい腕がわたくしの体を掴んで後ろに飛んだ。ノエル様だ……!
それと同時に、金色の髪をたなびかせながらフィリップ王子が前に走り出た。
「プロテクション!!」
フィリップ王子の手が眩く光って、光の上位魔法の防護壁を展開する。
その壁が軽々とシュミナ嬢の魔力を弾いて行くのを、わたくしはノエル様の腕の中でホッとしながら眺めていた。
王家の魔力量はすごいなぁ……わたくしが一生かかっても使えないレベルの魔法を楽々と使うフィリップ王子が少し羨ましい。
身の安全が確保されたのでシュミナ嬢の様子を伺うと先生が咄嗟に助けたらしく、ほぼ無傷で先生の腕の中で呆然としていた。
ペアの男子は……。ああ、実習室の向こう側に転がってる……。
動いてるから取り合えず生きてるみたいね、良かったわ……。
「ビアンカ、平気か!?」
すごい勢いで駆け寄って来たフィリップ王子に、何度もコクコクと頷く。
するとフィリップ王子は美麗なその顔を、くしゃり、と泣きそうに歪めてわたくしをノエル様の腕から奪い……抱きしめた。
ふわり、とラベンダーのような花の香りが漂う。
マクシミリアンもそうだけどイケメンって、いい匂いがするんだなぁ……。
そんな事を思いながら……。
わたくしの意識は闇に落ちるかのように、遠のいて行った……。
先生の間延びした声が実習室に響く。
生徒達が皆興味津々……そしてわたくしは戦々恐々という感じだ。
ゲーム内での流れを思い出すと……。
彼女が使おうとしたのは光魔法の『ホーリーアロー』。
下位魔法だから膨大な魔力が暴発してもフィリップ王子が咄嗟の挙動で抑え込める程度の魔力暴発しか起きなかったんだろう。
高位魔法を暴発させたりしてたら、フィリップ王子でも即座には対応出来たかは分からない。
彼女がイレギュラーな事をしないといいけれど……背中に冷や汗が伝う。
イメージ、イメージするの。あの子がイレギュラーを起こして、魔力がこの観覧している生徒達の席まで届いた時、土の壁を張るイメージを。
ああ……わたくしの魔力で足りるのかしら。
わたくしが耐えているうちにフィリップ王子に駆け付けて貰うしかないわね。
信じてますわよ!という視線をフィリップ王子に送ると……可愛くウインクされた。
……違う、そうじゃない。まぁ暴発するなんて彼は知らないから仕方ないんだけど!!
「頑張ります♡先生宜しくお願いします!」
相変わらず、きゃるんと言う響きの声でシュミナ嬢が言う。
それに見惚れている男子、冷めた目を送っている男女……皆の反応は様々だ。
ノエル様も半眼の冷めた表情で彼女を見ている。
折角可愛いのになぁ……勿体ない。中身は残念だからなぁ……。
シュミナ嬢が的に向かって手を前に突き出して自信満々という表情で呪文を詠唱し始めた。
「光よ、集え我の元に。そしてその力を示せ。天を貫きその威を……」
パリパリと音がして、シュミナ嬢の手に魔力が集まって行く。
ちょ……ちょっと待って!?彼女が詠唱してるのって……中位魔法の『ライトニング』なんじゃないの!?
あのシュミナ嬢の制御能力で制御出来るものじゃない。
「まずいっ……!!」
わたくしが席を立ってシュミナ嬢の方へ走るのと、彼女の魔力が膨れ上がり弾けたのは同時だった。
魔力が暴発した、と気付いた生徒達が口々に悲鳴を上げる。
シュミナ嬢の巨大な魔力に飲み込まれないように必死に堪え、わたくしは地面に手を付いた。
「グラウンド!」
地面がボコッと音を立てて持ち上がり、高い壁が生徒達とシュミナ嬢の間に聳え光の奔流をギリギリで堰き止める。
申し訳ないけれどシュミナ嬢と取り巻きの男性の無事はわたくしにはどうにもできない。
他の生徒達を守る事で精一杯だ。
しかしその壁も……わたくしの脆弱な魔力では、シュミナ嬢の膨大な魔力を堰き止めるのに足りないようだった。
壁は徐々にひび割れ、白い光が土の間から漏れる。
前にもう1枚壁を作っても、恐らく彼女の魔力を堰き止めるのには足りない。
だったら……この壁が壊れた後のダメージを減らす事を考えないと。
「ウォータードーム!」
わたくしは後方に居る生徒達を、中位魔法で水の膜を張り防護した。
これで、皆は大怪我はせずに済むはず……最悪でも死ぬ事は無いだろう。
……わたくしは、どうしようかしらね?魔力はもうすっからかんよ?
どんどん大きくなる亀裂。土壁から眩しく漏れる光を見つめながら、わたくしはぼんやりとそんな事を考えた。
「ビアンカ嬢!!」
その時、逞しい腕がわたくしの体を掴んで後ろに飛んだ。ノエル様だ……!
それと同時に、金色の髪をたなびかせながらフィリップ王子が前に走り出た。
「プロテクション!!」
フィリップ王子の手が眩く光って、光の上位魔法の防護壁を展開する。
その壁が軽々とシュミナ嬢の魔力を弾いて行くのを、わたくしはノエル様の腕の中でホッとしながら眺めていた。
王家の魔力量はすごいなぁ……わたくしが一生かかっても使えないレベルの魔法を楽々と使うフィリップ王子が少し羨ましい。
身の安全が確保されたのでシュミナ嬢の様子を伺うと先生が咄嗟に助けたらしく、ほぼ無傷で先生の腕の中で呆然としていた。
ペアの男子は……。ああ、実習室の向こう側に転がってる……。
動いてるから取り合えず生きてるみたいね、良かったわ……。
「ビアンカ、平気か!?」
すごい勢いで駆け寄って来たフィリップ王子に、何度もコクコクと頷く。
するとフィリップ王子は美麗なその顔を、くしゃり、と泣きそうに歪めてわたくしをノエル様の腕から奪い……抱きしめた。
ふわり、とラベンダーのような花の香りが漂う。
マクシミリアンもそうだけどイケメンって、いい匂いがするんだなぁ……。
そんな事を思いながら……。
わたくしの意識は闇に落ちるかのように、遠のいて行った……。
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