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異世界に召喚されました~オートミールのオムライスを添えて~3
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足元が抜けてしまうのではないかと不安になるような激しい揺れで家具が揺れ、食器棚から皿が飛び出し床に散らばって砕ける。ガラス窓にぴしりとひびが入るのが見えて、背中が恐怖でひやりと冷えた。
「叔父さん!」
椛音が叫びながら俺にしがみついてきたので、華奢な肩を強く抱く。
このマンションって何年製だっけ。耐震構造どうなってたかな。こういう時って、敷金どうなるんだっけ。保険がきくのか?
そんなことを思いながら揺れに耐えていると……。突如、足元が眩く光った。
「なんだ……!」
「なに?」
二人揃って足元に視線を向けると、床に光の軌跡によって描かれた魔法陣が浮かび上がる。その異様な光景に、俺と椛音は呆然とするばかりだった。その魔法陣が一際まばゆく光るのと同時に、ふわりと体が浮き上がるような奇妙な感覚を覚えた。
「──ッ!」
椛音の体を抱きしめながら、俺は目を強く目を瞑る。
そして……目を開けると。足元には、冷たい石の床があった。
俺の家の床は、フローリングだったはずだ。そんなことを思いながら視線を上げると、少し離れたところに豪奢な衣装を身に纏った少年が立っていた。恐らく椛音と変わらないくらいの年齢で、驚くくらいに顔がいい。金髪碧眼のいかにも西洋人というビジュアルで、身に着けているものはなんというか……。昔の王族のような仰々しさだ。少年の背後には白銀の甲冑を身をつけた体格のいい男たちと、ローブ姿の老人がいる。甲冑の男たちは腰に剣を佩いているのが見えて、俺は慌てて椛音を背後に隠した。
「なんだ、これ。ど、ど、どうなってるんだ?」
俺は動揺しながら、間抜けな声を上げる。
変な宗教団体にでも拉致られた? あの一瞬だけで、どうやって?
とにかく、椛音だけでも守らなければ。──俺の身はどうなってもいいから、姉の忘れ形見であるこの子だけは。
美貌の少年とローブ姿の老人は、椛音を見ながらなにやら話をしている。その表情にはなぜか、喜びが溢れているように見えた。……俺のことは、まったく眼中にないようだな。
「これって、ラノベとかのやつ? 異世界転移とか……そういうの?」
背中に隠した椛音が、小さな声でぶつぶつとそんなことを言う。
『異世界転移』ってなんだっけ。ネットで調べごとをしている時に、時々出てくる漫画の広告。それにそんな単語が出てきた気がする。漫画にはあまり興味がないものだから、それを読むことはなかったわけだが。
「……異世界転移って、どんな現象なんだ?」
俺が、椛音に質問をした瞬間。パチパチと、わざとらしい拍手の音がその場に響いた。
「さすが勇者殿。異世界転移をご存じとは、話が早い」
目の前の少年が凛とした声で言ってから、長い脚を動かしてこちらへやってくる。そして、俺の横をするりと通り過ぎて椛音の側へと跪いた。彼は流麗な仕草で椛音の手を取る。そして、その甲へとゆっくりと口づけた。そんな気障は仕草も絵になるのだから、美形ってすごいなと俺は感心してしまう。いや。うちの可愛い姪に、手の甲とはいえ勝手にキスとかするんじゃない。
「僕はアリリオ。この国の第二王子だ。勇者殿。世界を……僕と一緒に救ってくれないか?」
「……は?」
少年の言葉を聞いて間抜けな声を上げたのは、椛音ではなく俺だった。
こいつは一体。なにを言っているんだ?
「叔父さん!」
椛音が叫びながら俺にしがみついてきたので、華奢な肩を強く抱く。
このマンションって何年製だっけ。耐震構造どうなってたかな。こういう時って、敷金どうなるんだっけ。保険がきくのか?
そんなことを思いながら揺れに耐えていると……。突如、足元が眩く光った。
「なんだ……!」
「なに?」
二人揃って足元に視線を向けると、床に光の軌跡によって描かれた魔法陣が浮かび上がる。その異様な光景に、俺と椛音は呆然とするばかりだった。その魔法陣が一際まばゆく光るのと同時に、ふわりと体が浮き上がるような奇妙な感覚を覚えた。
「──ッ!」
椛音の体を抱きしめながら、俺は目を強く目を瞑る。
そして……目を開けると。足元には、冷たい石の床があった。
俺の家の床は、フローリングだったはずだ。そんなことを思いながら視線を上げると、少し離れたところに豪奢な衣装を身に纏った少年が立っていた。恐らく椛音と変わらないくらいの年齢で、驚くくらいに顔がいい。金髪碧眼のいかにも西洋人というビジュアルで、身に着けているものはなんというか……。昔の王族のような仰々しさだ。少年の背後には白銀の甲冑を身をつけた体格のいい男たちと、ローブ姿の老人がいる。甲冑の男たちは腰に剣を佩いているのが見えて、俺は慌てて椛音を背後に隠した。
「なんだ、これ。ど、ど、どうなってるんだ?」
俺は動揺しながら、間抜けな声を上げる。
変な宗教団体にでも拉致られた? あの一瞬だけで、どうやって?
とにかく、椛音だけでも守らなければ。──俺の身はどうなってもいいから、姉の忘れ形見であるこの子だけは。
美貌の少年とローブ姿の老人は、椛音を見ながらなにやら話をしている。その表情にはなぜか、喜びが溢れているように見えた。……俺のことは、まったく眼中にないようだな。
「これって、ラノベとかのやつ? 異世界転移とか……そういうの?」
背中に隠した椛音が、小さな声でぶつぶつとそんなことを言う。
『異世界転移』ってなんだっけ。ネットで調べごとをしている時に、時々出てくる漫画の広告。それにそんな単語が出てきた気がする。漫画にはあまり興味がないものだから、それを読むことはなかったわけだが。
「……異世界転移って、どんな現象なんだ?」
俺が、椛音に質問をした瞬間。パチパチと、わざとらしい拍手の音がその場に響いた。
「さすが勇者殿。異世界転移をご存じとは、話が早い」
目の前の少年が凛とした声で言ってから、長い脚を動かしてこちらへやってくる。そして、俺の横をするりと通り過ぎて椛音の側へと跪いた。彼は流麗な仕草で椛音の手を取る。そして、その甲へとゆっくりと口づけた。そんな気障は仕草も絵になるのだから、美形ってすごいなと俺は感心してしまう。いや。うちの可愛い姪に、手の甲とはいえ勝手にキスとかするんじゃない。
「僕はアリリオ。この国の第二王子だ。勇者殿。世界を……僕と一緒に救ってくれないか?」
「……は?」
少年の言葉を聞いて間抜けな声を上げたのは、椛音ではなく俺だった。
こいつは一体。なにを言っているんだ?
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