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悪役令嬢はヒロインに負けたくない
悪役令嬢はヒロインに負けたくない・10※
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マクシミリアンの唇が、やらしい音を立てながらもう片方の足も嬲る。
指を、指の間を、上目遣いでこちらの表情を伺いながら舐めとる彼の顔は……忠誠と愛情と欲望と……色々な感情がないまぜで。凛としているのにとても淫らに見えた。
「……ああ、お嬢様。ずっとこうしたかった……」
そう言いながら彼は両手で宝物を扱うように足を持ち長く甲に口づけた。
「マクシミリアン、恥ずかしいわ……」
思わず消え入りそうな声で呟くと、マクシミリアンが目を細めてうっとりとした顔で笑う。どうしてそんなに、嬉しそうなのよ……。
「次は、なにをして欲しいですか? 私はお嬢様の犬です。なんなりと役目を果たしましょう」
「マクシミリアンッ……!!」
彼の言葉にわたくしは思わず赤面した。処女にそんなハードルの高い命令プレイを要求しないで欲しい。噛みつきや足舐めから始まる初体験の時点ですでにいっぱいいっぱいなのに!
マクシミリアンを押し倒そうと心に決めた時には自分が痛かろうと膜さえ破ってもらえればいいや、と思っていたからなにをして欲しいなんて考えてもみなかった。
だからいざ両想いになって彼になにをして欲しいのかと訊かれても、行為にどういうバリエーションがあるのかがそもそもわからない。
うう、メニュー表みたいなのをいっそ用意してくれたらいいのに。
「キス、して欲しいわ……」
散々考えた挙句絞り出すようにそう言うだけで精一杯だった。
「どこにキスを致しましょうか?」
彼の返答に大いに焦り動揺して咽そうになる。マクシミリアン、そんな追撃酷いわ!
「ど……どこがいいかなんて、わからないわよ……!」
わたくしが真っ赤な顔で悲鳴のような声を上げて頭を振ると、マクシミリアンは楽しそうに笑いながら身を乗り出し額に優しくキスをしてくれた。続けて頬にも優しく唇を落とされる。
「唇にも、キスをしていいですか?」
「……なによ。さっきは強引だったくせに」
「お嬢様の意に沿わないことは、もう何一つしたくないんです。……貴女に尽くさせてください」
彼はそう言って手を取ると指先に何度も啄むようなキスをした。どうしよう……推しが甘すぎて蕩けそう。
「唇にもキスして? それでね、全部初めてでわからないから。マクシミリアンに任せてしまってもいいかしら」
わたくしがそう言って上目遣いで様子を伺うと、マクシミリアンは何故か真っ赤になって困ったような顔をした。
……照れてるのかな、可愛い。ふだんは大人っぽいマクシミリアンだけど照れると年相応の雰囲気になる。こんな彼がこれからは沢山見られるのかしら。
「お嬢様……くそっ、可愛すぎる……! 精一杯ご奉仕いたします。貴女に痛い思いはさせません」
「……噛んだりは、もう嫌よ?」
「噛みません、絶対に! 噛んだとしても甘噛みで済ませますので信じてください」
甘噛みはするのね、マクシミリアン。この人噛み癖があるのかしら。
……わんこと思って多少噛まれても我慢しよう。
「好きよ、マクシミリアン」
そう言って目を瞑ると唇に柔らかなものが当たる感触がした。先ほどは性急で濃厚なキスだったけれど……今度は優しい、触れるだけのキスだった。
ああ、マクシミリアンとキスをしている。うっとりとそんなことを思ってしまう。
マクシミリアンがおずおずと舌で唇に触れるから、口を薄く開けて彼の舌を迎え入れた。
するとゆっくりとした気遣う動きで彼の舌が口内を這った。それに応えようとわたくしも舌を伸ばすと優しく絡め取られ、甘く吸われる。
少しずつ確かめ合うようなキスが心地よくて彼の体に手を回し、溶け合うような時間に身を任せた。
彼の唇が離れ、それが寂しくて思わずねだるように彼を見つめると優しく微笑まれて頬を撫でられる。
「……不快では……なさそうですね」
マクシミリアンはこちらの表情を伺いながら安堵の表情を浮かべた。
不快どころか……すごく気持ちよくて、素敵なキスだった。
「き……気持ちよかった……です」
恥ずかしくて思わず敬語になりつつそう言うとマクシミリアンが嬉しそうな顔をする。
「これから、沢山貴女に触れますが……嫌でしたらおっしゃってください。ただ……」
『ただ』と言いながら彼はわたくしの薄い銀色の下生えに長い指を滑らせた。
「こちらには沢山触れないと、お嬢様を傷つけてしまうかもしれませんので。恥ずかしくてもそれはご容赦ください」
確かにそれはそうよね……わたくし今年で十三歳なのだ。まだまだ体が出来上がっていないと思うし、沢山解してくれないとむしろ困る。困るけど……。
「が……頑張るわね」
マクシミリアンにそんな場所を触られると思うだけで恥ずかしい。それに、改めて考えてみると物理的にちゃんと入るの? マクシミリアンは十八歳で……もう大人なんだもの。凹凸が合うのかしら。
夜這いしようとした時、どうしてもっとその辺りに思考を巡らせなかったのだろう。
不安になって彼を見つめると、安心させるように軽くキスをされた。
「お嬢様がお辛そうでしたら、途中で止めますので。お嬢様が私から逃げないのであれば……これからの時間はたっぷりありますし」
そう言って彼は部屋にあるパンパンのトランクに剣呑な目を向けた。
もう逃げないわよ……! 逃げると貴方が狂犬になるのもわかったし。また怖い顔をされてガブガブと噛まれるのは嫌だわ。
「じゃあ、辛かったら言うわね?」
「はい、遠慮なくおっしゃってください」
彼は優美に微笑むと頬にキスをして、ゆっくりとわたくしをベッドに押し倒した。
指を、指の間を、上目遣いでこちらの表情を伺いながら舐めとる彼の顔は……忠誠と愛情と欲望と……色々な感情がないまぜで。凛としているのにとても淫らに見えた。
「……ああ、お嬢様。ずっとこうしたかった……」
そう言いながら彼は両手で宝物を扱うように足を持ち長く甲に口づけた。
「マクシミリアン、恥ずかしいわ……」
思わず消え入りそうな声で呟くと、マクシミリアンが目を細めてうっとりとした顔で笑う。どうしてそんなに、嬉しそうなのよ……。
「次は、なにをして欲しいですか? 私はお嬢様の犬です。なんなりと役目を果たしましょう」
「マクシミリアンッ……!!」
彼の言葉にわたくしは思わず赤面した。処女にそんなハードルの高い命令プレイを要求しないで欲しい。噛みつきや足舐めから始まる初体験の時点ですでにいっぱいいっぱいなのに!
マクシミリアンを押し倒そうと心に決めた時には自分が痛かろうと膜さえ破ってもらえればいいや、と思っていたからなにをして欲しいなんて考えてもみなかった。
だからいざ両想いになって彼になにをして欲しいのかと訊かれても、行為にどういうバリエーションがあるのかがそもそもわからない。
うう、メニュー表みたいなのをいっそ用意してくれたらいいのに。
「キス、して欲しいわ……」
散々考えた挙句絞り出すようにそう言うだけで精一杯だった。
「どこにキスを致しましょうか?」
彼の返答に大いに焦り動揺して咽そうになる。マクシミリアン、そんな追撃酷いわ!
「ど……どこがいいかなんて、わからないわよ……!」
わたくしが真っ赤な顔で悲鳴のような声を上げて頭を振ると、マクシミリアンは楽しそうに笑いながら身を乗り出し額に優しくキスをしてくれた。続けて頬にも優しく唇を落とされる。
「唇にも、キスをしていいですか?」
「……なによ。さっきは強引だったくせに」
「お嬢様の意に沿わないことは、もう何一つしたくないんです。……貴女に尽くさせてください」
彼はそう言って手を取ると指先に何度も啄むようなキスをした。どうしよう……推しが甘すぎて蕩けそう。
「唇にもキスして? それでね、全部初めてでわからないから。マクシミリアンに任せてしまってもいいかしら」
わたくしがそう言って上目遣いで様子を伺うと、マクシミリアンは何故か真っ赤になって困ったような顔をした。
……照れてるのかな、可愛い。ふだんは大人っぽいマクシミリアンだけど照れると年相応の雰囲気になる。こんな彼がこれからは沢山見られるのかしら。
「お嬢様……くそっ、可愛すぎる……! 精一杯ご奉仕いたします。貴女に痛い思いはさせません」
「……噛んだりは、もう嫌よ?」
「噛みません、絶対に! 噛んだとしても甘噛みで済ませますので信じてください」
甘噛みはするのね、マクシミリアン。この人噛み癖があるのかしら。
……わんこと思って多少噛まれても我慢しよう。
「好きよ、マクシミリアン」
そう言って目を瞑ると唇に柔らかなものが当たる感触がした。先ほどは性急で濃厚なキスだったけれど……今度は優しい、触れるだけのキスだった。
ああ、マクシミリアンとキスをしている。うっとりとそんなことを思ってしまう。
マクシミリアンがおずおずと舌で唇に触れるから、口を薄く開けて彼の舌を迎え入れた。
するとゆっくりとした気遣う動きで彼の舌が口内を這った。それに応えようとわたくしも舌を伸ばすと優しく絡め取られ、甘く吸われる。
少しずつ確かめ合うようなキスが心地よくて彼の体に手を回し、溶け合うような時間に身を任せた。
彼の唇が離れ、それが寂しくて思わずねだるように彼を見つめると優しく微笑まれて頬を撫でられる。
「……不快では……なさそうですね」
マクシミリアンはこちらの表情を伺いながら安堵の表情を浮かべた。
不快どころか……すごく気持ちよくて、素敵なキスだった。
「き……気持ちよかった……です」
恥ずかしくて思わず敬語になりつつそう言うとマクシミリアンが嬉しそうな顔をする。
「これから、沢山貴女に触れますが……嫌でしたらおっしゃってください。ただ……」
『ただ』と言いながら彼はわたくしの薄い銀色の下生えに長い指を滑らせた。
「こちらには沢山触れないと、お嬢様を傷つけてしまうかもしれませんので。恥ずかしくてもそれはご容赦ください」
確かにそれはそうよね……わたくし今年で十三歳なのだ。まだまだ体が出来上がっていないと思うし、沢山解してくれないとむしろ困る。困るけど……。
「が……頑張るわね」
マクシミリアンにそんな場所を触られると思うだけで恥ずかしい。それに、改めて考えてみると物理的にちゃんと入るの? マクシミリアンは十八歳で……もう大人なんだもの。凹凸が合うのかしら。
夜這いしようとした時、どうしてもっとその辺りに思考を巡らせなかったのだろう。
不安になって彼を見つめると、安心させるように軽くキスをされた。
「お嬢様がお辛そうでしたら、途中で止めますので。お嬢様が私から逃げないのであれば……これからの時間はたっぷりありますし」
そう言って彼は部屋にあるパンパンのトランクに剣呑な目を向けた。
もう逃げないわよ……! 逃げると貴方が狂犬になるのもわかったし。また怖い顔をされてガブガブと噛まれるのは嫌だわ。
「じゃあ、辛かったら言うわね?」
「はい、遠慮なくおっしゃってください」
彼は優美に微笑むと頬にキスをして、ゆっくりとわたくしをベッドに押し倒した。
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