【R18】悪役令嬢は元執事から逃げられない

夕日(夕日凪)

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番外編

彼に好きだと言わせたい2※

「ビアンカ、愛していますよ」

マクシミリアンに優しく耳に囁かれ、ゆるゆると腰を打ち付けられる。
その下腹部が甘く痺れる感覚にわたくしが嬌声を漏らすと彼は嬉しそうに笑った。
慣れても圧迫感を覚える彼の剛直に突かれて揺さぶられる度に甘い声は漏れてしまって、声を抑えようと手を口にやると彼に優しく掴まれて取り去られた。

「ビアンカ、可愛い声を聞かせて下さい」
「やっぁあ、あっ……あっあっあっ……!」

行為には慣れても恥ずかしいものは恥ずかしくて、マクシミリアンの体にしがみついてふるふると頭を振ると彼が優しく頭を撫でてくれた。

「大好きです、ビアンカ」
「わたくしも……っ、好き、好きっ……」

彼に愛されて、わたくしも彼を愛していて……本当に幸せだ。

…………この行為が1晩で5回目の行為でなければ、もっと幸せだと思う。

「マクシミリアンは、体力がありすぎだと思うの……」
「……だから言ったでしょう。好きだなんだと言い始めたら回数が増えますよ、と。これでも我慢をしてるんです」

ぐったりとベッドに伏して青白い顔をしているわたくしを、彼が心配そうな顔で引き寄せて胸の中に閉じ込める。
でもわたくしを弱らせた張本人なのよね、と思うと複雑な気持ちだ。
初めての恋なのに毎日毎日肌を合わせてばかりの爛れた毎日ってどういう事なの?
マクシミリアン、貴方乙女ゲームの登場人物としての責務を果たして無さすぎなのよ……!
ときめきイベントを下さい、切実に。
街デートでアクセサリーを買ってくれるスチル……素敵だったなぁ、なんて前世の記憶を思い出して遠い目になってしまう。

「わたくし……夏祭りの花火の下でキスされたりとか、二人で海岸線を歩いている時に好きだよって言われたりしたいの……せめて夜じゃない時に優しく抱きしめられながら愛してるって言われたい……」
「…………お嬢様のそのロマンス小説的な発想はどこからやって来るんですか。貴女文字はお嫌いでしたよね?」

……マクシミリアンは小馬鹿にする時に『お嬢様』呼びに戻す。
意地悪、意地悪だわ……!!

「…………意地悪なマクシミリアンは嫌いよ」

彼の腕の中で身を捩って背中を向ける……もういいわ、今日はこのままふて寝するもの。
……普通に悲しくなってしまって涙が滲んでしまい鼻をぐすっ、と鳴らすとマクシミリアンの焦る気配がした。

「ビアンカ………」

ゆさゆさ、と抱きしめられた状態で体を左右に揺さぶられる。
けれどわたくしはそれを無視した。
乙女心を分かってくれないマクシミリアンは反省して下さい。

「ビ……ビアンカ!」
「うぎゅっ!!!」

焦ったマクシミリアンは力加減を間違えたらしく内臓が飛び出しそうな勢いでお腹を抱きしめられた。
思わず変な声が出て涙目になってしまう。

「痛い…………」
「すみません、ビアンカ……!」

痛みにぽろりと零れてしまった涙を見て、マクシミリアンは更に動揺したらしく腕の力を緩めると情けない顔でこちらを覗き込んで謝ってきた。
うう……しょんぼり顔可愛い。もっと反省して貰いたいけれど……。

「……愛してるんです」

優しく抱きしめられてそう囁かれたら、もう降参だ。
……結局惚れた弱みには勝てないのだ。

「知ってるわ……。ごめんなさい、拗ねたりして」

マクシミリアンの方に向き直って、黒い髪をさらさらと手で梳く。
すると彼は気持ちよさそうに目を細めた。

「隣国に移住したら……沢山デートをしましょう」
「本当に?約束よ、マクシミリアン!」
「それと……毎日起きた時と寝る前に……その。愛していると……言うようにします」

顔を真っ赤にして言う彼がとても愛おしくて、心臓が大きく跳ねた。
ああ、ゲームのスチルなんかよりもやっぱり本物が素敵ね。

「本当に?嬉しい、大好き!マクシミリアン!」

満面の笑みでマクシミリアンに抱き着いてすりすりと頭を胸に寄せる。
すると彼は何かを我慢するように深呼吸をしてから、わたくしを柔らかな力で抱きしめてきた。
…………何を我慢してるかは…………訊くまでもないなぁ。

「…………もう1回、する?」

上目遣いで訊いてみると、マクシミリアンは一も二もなく頷いた。
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