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番外編
獣と苛烈な月※(ゲームverビアンカIF)
こちらはビアンカに前世の記憶が戻らなかった場合の顛末になります。
無理矢理で両片想い(お嬢様は無自覚)です。
+++++++++++++++++++++
馬車に揺られてわたくしは国外へと連れて行かれようとしていた。
少しの金子を手渡され、最低限の衣類だけ持たされて、侯爵令嬢の身分も取り上げられ。
身一つでわたくしは追放されようとしているのだ。
目の前にはその原因の忌々しい男……マクシミリアン・セルバンデスがいる。
彼は涼しい顔で長い足を組んで、窓の外を見ている。
この犬が……わたくしから目を逸らしてあの醜い雌犬に色目を使ったから、いけないのに。
だからわたくしはあの雌犬を殺さなければならなかったのだ……殺害は失敗し罪は告発されて、現状に至る訳だけれど。
マクシミリアンはわたくしの執事でありわたくしの犬だ、わたくし以外を見る事なんて許されないはずよ……わたくしのせいじゃないわ。
わたくしの物なのに、よそ見なんてするから……。
馬車が激しく揺れて、突然その動きを止めた。
――――まだ隣国に着く程馬車は走っていないはずなのに。
「降りて下さい、ビアンカ」
「呼び捨てになんかしないで!!お前にそんな風に呼ばれる筋合いはないわ!」
マクシミリアンがわたくしの腕を乱暴に掴んで馬車から引きずり降ろす。
しかもわたくしの名を呼び捨てだ……なんて屈辱なの、殺してやりたい。
……着いたのは簡素な屋敷だった。
シュラット侯爵家の邸と比べると貧相にも程がある……あそこにわたくしが戻る事はもう無いのだけれど。
「ここは……?」
「いいから歩いて下さい。邪魔で仕方がない」
「無礼よ、この馬鹿犬!このわたくしが誰だと……」
「歩いて下さい、平民のビアンカ。乱暴にされたいならそうしてやるが?」
彼に乱雑な口調で言い放たれて怒りで顔に朱が昇る。
だけれど、わたくしは今はこの男よりも身分が低い……ただの平民、しかも犯罪者だ。
仕方なく重い足を動かすとマクシミリアンの薄く嗤う気配がした。
重い色の屋敷のドアを潜る……どうしてわたくしはここに連れて来られたのだろう。
理由が分からずに胸の奥に不安が渦巻いて、叫びたくなる衝動を唇を噛んで堪えた。
「こちらです」
わたくしの腕を強く引きながら、こちらの歩幅に考慮せず歩いて行くので付いて行くのにも必死だ。
彼の手から伝わる力があまりにも強く乱暴で……ここに居るのはいつもの何をしても怒らない『飼い犬』ではなく、わたくしの鎖から解き放たれた『野良犬』なのだと感じゾッと血の気が引いた。
「嫌っ!!どこへ連れて行くの?!離して……!!」
彼はわたくしの叫びに答えず、無言で歩を進める。
そんな彼の物言わぬ背中が怖くて体が震えてしまう。
これは誰なの?いつものマクシミリアンは、どこ……?
マクシミリアンに連れて来られたのは、日も差さぬ地下の一室だった。
……もしかすると匿って、ほとぼりが冷めたら安全なところに逃がしてくれるつもりなのだろうか。
そう思いついて少しだけ安心感を覚えた。
――――だけど、それは思い違いだった。
彼はわたくしの体を、乱暴にベッドに投げ捨てた。
「――――っ!!」
固いベッドの上でされた事に呆然としているとベッドが軋む気配がして、マクシミリアンが覆い被さってくる気配を感じた。
……わたくしは顔を上げて、後悔した。
――――彼が、とても楽しそうに笑っていたから。
「な……何をするの!?無礼者!!」
わたくしが叫ぶのにも構わず彼はわたくしを押さえ付け、スカートを捲り上げた。
マクシミリアンの意図がようやく分かり……顔から血の気が引いた。
犯す、つもりなの?犬ごときが?このビアンカ・シュラットを。
「何をされるかなんて、分かっているのでしょう?お嬢様」
彼はわざとらしくわたくしを『お嬢様』と呼び小馬鹿にしたように言うと、捲り上がったスカートから覗く足に舌を這わせた。
その感触にぞくりと恐怖をかき立てられて彼から離れようと身を捩る。
マクシミリアンはそんなわたくしの動きなんて意にも介さずに、足を押さえつけて下着をするりと取り去った。
ひやりと空気が当たる気配がして体が恐怖で固まった。
「止めなさいこの馬鹿犬!!お前は……自分が何をしているのか分かってるの!?」
「ビアンカこそ何を言っているんです?命令出来る立場なんて……とっくに失われているのは知っているでしょう?」
そう言うと彼は無理矢理わたくしの足を押し開き、窪みにいきなり指を2本埋めた。
鋭い痛みが走り、思わず体が弓なりに反る。
「いっ……痛い!!止めて!抜いて!!この駄犬!!!」
あまりの痛みに涙が零れ、痛みから逃げようとベッドの上で虚しくもがいた。
しかし彼は指を中で動かし、その動きを止めてくれない。
「ああ……ビアンカ。苦しそうないい顔をしていますね」
「――――っ……!!」
マクシミリアンは指を中でぐにぐにと動かす。
体の中で自分の物じゃない何かが蠢いている感触に嫌悪感で体が震えて、涙が止まらない。
そこを触られると男性を受け入れる為に気持ち良くなる、とお茶会でお友達に聞いていたけれど……ちっとも気持ち良くないわ、嘘つき!!
「乾いたこの小さな蜜壺に……これをいきなり入れたら裂けてしまうかもしれないですね」
マクシミリアンが、ズボンの前ボタンを外す気配がして……大きくてグロテスクな物が姿を現した。
「い……いや、いやぁああああっ」
昔……マクシミリアンに自慰を強要した事があるので、彼の物自体は見た事がある。
美麗な従僕の顔が、羞恥に歪むのがとてつもなく楽しくて、嬉しくて……そんな馬鹿げた遊びをしてしまったのだ。
だけど……今はあの頃とは違う。
あの頃はわたくしが弄ぶためのものだった彼の物は……今はわたくしの処女を奪わんとしている。
「駄犬、止めなさい!命令よ!!こんな事父様に知れたら……!!」
「貴女はもうシュラット侯爵の娘ではない、ただの平民の女だという事が何故理解出来ないのです?」
マクシミリアンの言葉に無性に腹が立ち彼に平手を打とうとしたけれど、その手は簡単に掴まれて組み敷かれてしまう。
「私の存在を、その身に刻んで下さいませ?お嬢様」
そう言うと彼はこんな時じゃなければ見惚れてしまう程の美しい笑みを浮かべて……。
わたくしを、一気に貫いた。
あまりの痛みに一瞬意識を失いかけたけれど……彼が腰を動かす痛みですぐに覚醒する。
「ビアンカ……。貴女が散々馬鹿にした男の性器が、貴女を貫いておりますよ?お可哀想に、血がこんなに出て……」
「いやっ……痛い!!止めなさい!止めなさいと言っているでしょう!?……嫌なの、駄犬、止めなさい!」
マクシミリアンは痛む結合部から流れるわたくしの血をその手で掬い……うっとりとした表情で舐めとった。
「抜いて……今すぐ抜きなさい……!!」
「抜いたとしてもビアンカの処女は戻りませんよ?ビアンカの処女を奪った唯一の男は私なのです。ああ、犬ごときが元シュラット侯爵家のご令嬢と性交出来るなんて光栄ですね?」
そう言いながら彼は腰を進めていく。
痛みの酷さに抵抗する気なんてすぐに失せて、彼に体を揺さぶられるままになってしまう。
早く……早く終わって、こんな行為。
静かな部屋に結合部が漏らす叩きつけるような音と、わたくし達の獣のような息遣いだけが響く。
マクシミリアンの腰の動きが少しずつ激しくなっていく……そろそろ、終わるんだろうか。
終わって……欲しい。
「お嬢様……汚い従僕の精子をお嬢様の中に注いで差し上げますね?」
「中……?い……いや!!その汚い物を抜いてっ……」
「申し訳ありません。ビアンカが淫乱に締め付けるものですから、もう出てしまいました」
制止なんて何の意味もなさず……じわり、と腹の奥に何かが広がる気配がした。
絶望が……胸に内に広がった。
どうして、どうして。どうしてマクシミリアンはこんな事をするの?
「どう……して。どうしてこんな事っ……!わたくしが憎いから!?あの女を殺そうとしたから……?」
全てを失った上に、処女まで失ってしまった……長年一緒だったわたくしの犬に、マクシミリアンに奪われた。
涙が溢れて止まらない。
わたくしが零す涙をマクシミリアンはそれこそ犬のように、舌で丁寧に拭っていく。
「……ビアンカの泣き顔は本当にそそりますね」
『どうして』というわたくしの問いにマクシミリアンは答えてはくれない。
ずくり、と膣内に入ったままの彼の物が再び熱を持つのを感じた。
ああ、また始まってしまうのね……。
マクシミリアンが腰を動かす……先程の乱暴な抽送と違って中を味わうようなゆっくりとした動きだった。
「やっ……ぬいてっ……いやっ。あっ……!!」
貫かれ、引き抜かれ、じっくりと中をかき回されて……痛みとは違う感覚が湧きあがって困惑を覚えた。
お腹の奥がむず痒く……甘い痺れが訪れ、蜜が零れるのを感じる。
まさかマクシミリアンもので……わたくし、感じているの……?
「やぁっ……やめて、やめて……んっ」
「ああ、ビアンカ。感じていらっしゃるのですね?私達は駄犬と雌犬同士で案外相性がいいのかもしれませんね」
「やぁんっ……!雌犬だなんて……!許さないわっ……。犬は犬同士シュミナと番えばいいじゃないっ」
体を引っくり返されて、後ろから犬のような体勢でじゅぷじゅぷと貫かれる。
奥まで届く彼の物に突かれる度に体は熱くなり甘い声がひっきりなしに口から漏れるのに、心はどんどん冷えていくのを感じた。
「お前なんて、大嫌いよっ……」
「嫌いで結構。存分に憎んで下さい。貴女にはこの淫らな体で私を悦ばせ孕んで悔しがる顔を見せて頂く事しか……私は求めておりませんので」
そう言いながら彼はまた、わたくしの中に精を放った。
太腿を……ぬるりと生温かい液体が零れていくのを感じておぞましかった。
嫌、駄犬の子なんて孕みたくない……どうしてこんな事をするの?
せめて……憎んでいるとか、愛しているとか……この行為の理由を言ってくれれば。
仕方がないと諦められるかもしれないのに。
どうして……何も言ってくれないの?
どうして、彼が何も言ってくれない事に胸が痛むの。
――――嫌い、嫌い、大嫌いよ。
「お前が……憎いわ。マクシミリアン……」
「ああ、そうなのですね?光栄です」
マクシミリアンを睨みつけると……彼は何故か幸せそうに微笑んだ。
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