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番外編
月と獣は知己と出会う
今日はメイドに長女のローラと長男のユールの面倒を見て貰いマクシミリアンとデートをする日。
6歳になったローラは最近すっかりお姉さんで『ユールは私がいるから大丈夫なの!』と胸を張っていた。
ユールは黒髪黒目でマクシミリアンに似ているのだけれど、どちらかというと性格はふわふわとして柔らかく人当たりもよい。
そしてとても甘えっ子なのだ……今日もわたくしのスカートにお出かけ直前までへばりついて離れようとしなかった。
そんなユールを一生懸命宥めすかしてお土産を買う約束もして、子供達に見送られわたくしとマクシミリアンは馬車に乗った。
「どこに行く?マクシミリアン」
「そうですね、今日はお買い物に行きませんか?まずは春服を買いになんてどうです?」
わたくしが訊くとマクシミリアンは少し考えてそう答える。
「いいわね!春ですものね!」
侯爵家に居た頃はお洋服は全てオーダーメイドだったのだけれど、平民になってからは……今はマクシミリアンが王宮での働きを認められて爵位を得たので子爵家夫人なのだけど……日用的に使うものは専ら既製品だ。
既製品でも全く不足なんてないものね。
マクシミリアンはオーダーをしてもいいんですよ?って言ってくれるのだけど、無駄遣いはよくないと思うの。
そう言うと『ビアンカはいつの間にそんなにしっかりに……?』なんて言われたけれど。
前世のせせこましい生活の記憶と混ざり合った結果です、とは言い辛いわね。
馬車で街まで行くと通りは喧騒に包まれていて、久しぶりのこの感覚にワクワクしてしまう。
マクシミリアンは誰かにわたくしの姿を見られる事を極端に嫌がるので、デートの移動は自家用馬車でドアツードアだ。
乗合馬車も使ってみたいし、なんなら街を自分の足で歩きたいのだけど……。
それを言うと一生外に出してくれない気がするので、胸の奥にしまっている。
洋品店の前に馬車が止まりマクシミリアンに手を取られて馬車から降りると周囲から何故かどよめきが上がった。
「くっ……ビアンカを見るな、あの男共……!!」
なんてマクシミリアンが剣呑な表情で呟いてるけど……。
侯爵家令嬢時代の豪奢な格好ならともかく、簡素なドレスのわたくしなんて誰も見ていないと思うの……。
「マクシミリアン、お店に入りましょう?」
マクシミリアンの腕にそっと手を置いておねだりするように見上げると、彼は我に返ったようで怖い顔を止めて優しい表情で微笑んでくれた。
「あっれ?マクシミリアン?」
聞き覚えがあるような、ないような……。そんな声が耳に届いた。
そちらの方を見ると……あれは、攻略キャラの騎士ノエル・ダウストリア様……!!
彼は緑色の髪を揺らしながら、茶色の瞳を楽しそうに細め柔らかい微笑みを浮かべてこちらへ近づいて来る。
その腕には平民らしい一人の女性……。
伯爵家である彼との身分差を考えると女性は遊び相手の一人なんだろう。
彼は偉大な父親に勝てない事で心が折れて騎士訓練をさぼるようになり、そのまま遊び呆けて過ごす放蕩息子なのよね……ヒロインとくっ付けば更生して真面目な騎士になるんだけど。
……この様子だと、まだ放蕩してるみたいね。
ノエル様はビアンカの死亡フラグ保有者でもあるのだけれど、ゲームの世界を大きく逸脱したこの世界だ。
多分平気だろう……うん。
「フィリップ様に聞いてはいたけど……。ビアンカ嬢と結婚したって本当だったんだ」
ノエル様は好奇心剥き出しの視線でわたくしを見る。
……なんだか居心地が悪いけれど無視をする訳にもいかない。
「ノエル様、お久しぶりです。その節はご迷惑をお掛けしましたわ」
わたくしはカーテシーをするとにこり、とノエル様に微笑んでみせた。
するとノエル様は鳩が豆鉄砲を食ったような顔をする……まぁ、昔はわたくし悪態ばかり吐いておりましたものね。
……そして当然ノエル様からも嫌われていた。
いいんだけど、悪役令嬢だからいいんだけど!!
「ノエル様……どうしてこちらに?」
マクシミリアンはわたくしを後ろから抱き締めながら警戒心剥き出しの表情でノエル様に訊ね、鋭い視線で睨みつけた。
……他国の王子の側近にその態度はダメよ、マクシミリアン!!
「フィリップ様の外交の警備でね。今は休憩中。そんでなんか人がどよめいてたから、覗いてみたら君らが居た訳」
ノエル様はマクシミリアンの視線を受け止めながら飄々として答える。
「……マクシミリアン、お顔が怖いわ」
そう言いながらマクシミリアンを見上げてその頬を撫でると彼は少し困ったようにこちらを見た。
「ビアンカ。他の男と話さないで下さい。減ります、汚れます、笑顔なんて以ての外です」
「……マクシミリアン……。減らないし、汚れないし、無表情でお話するわけにもいかないのよ?」
マクシミリアンが無茶を言うのでぷくり、と頬を膨らませると彼は少し表情を和らげた。
……うん、怖いお顔よりそっちの方が素敵よ?
「……フィリップ様が一時期様子がおかしい時があったけど……こういう事か……」
ノエル様はなんだか赤い顔でわたくしを凝視しながらぶつぶつと何かを言っている。
フィリップ様がどうしたのかしら?
「……それでは、お買い物がありますので。失礼致しますわね?」
わたくしは言いながらマクシミリアンの腕をぐいぐいと引っ張る。
早くこの場を、離れたかった。
……だってマクシミリアンが小声で『やっぱり監禁しないと……』なんて呟くんですもの!!
監禁は嫌よ、マクシミリアン!!
「ね、今度遊びに行っていい?」
ノエル様がとんでもない事を言い出す。
というかどうして遊びに来ようなんて思ったの!!!
「ダメに決まっているだろう。……殺すぞ」
マクシミリアンは狂気を孕んだ表情でノエル様を睨みながらそう返す……殺すって……旦那様が怖すぎる!!
「わー怖い旦那だね。ビアンカ嬢。俺、人妻でも子持ちでも気にしないから。機会があったら遊んでね?」
「ぜ……全力でお断りですわ!!!」
ノエル様の台詞を聞いたマクシミリアンの目が鮫のような暗い澱んだ目になった。
――放蕩息子の戯言でわたくしを監禁生活まっしぐらに突き落とさないで!!
帰りの馬車の中でマクシミリアンを宥めようと頑張ってはみたけれど努力も虚しく……。
途中で……恋人達があれこれするお宿に寄って嫉妬のままに抱き潰されてしまった。
……ノエル様、恨みますよ……!!
6歳になったローラは最近すっかりお姉さんで『ユールは私がいるから大丈夫なの!』と胸を張っていた。
ユールは黒髪黒目でマクシミリアンに似ているのだけれど、どちらかというと性格はふわふわとして柔らかく人当たりもよい。
そしてとても甘えっ子なのだ……今日もわたくしのスカートにお出かけ直前までへばりついて離れようとしなかった。
そんなユールを一生懸命宥めすかしてお土産を買う約束もして、子供達に見送られわたくしとマクシミリアンは馬車に乗った。
「どこに行く?マクシミリアン」
「そうですね、今日はお買い物に行きませんか?まずは春服を買いになんてどうです?」
わたくしが訊くとマクシミリアンは少し考えてそう答える。
「いいわね!春ですものね!」
侯爵家に居た頃はお洋服は全てオーダーメイドだったのだけれど、平民になってからは……今はマクシミリアンが王宮での働きを認められて爵位を得たので子爵家夫人なのだけど……日用的に使うものは専ら既製品だ。
既製品でも全く不足なんてないものね。
マクシミリアンはオーダーをしてもいいんですよ?って言ってくれるのだけど、無駄遣いはよくないと思うの。
そう言うと『ビアンカはいつの間にそんなにしっかりに……?』なんて言われたけれど。
前世のせせこましい生活の記憶と混ざり合った結果です、とは言い辛いわね。
馬車で街まで行くと通りは喧騒に包まれていて、久しぶりのこの感覚にワクワクしてしまう。
マクシミリアンは誰かにわたくしの姿を見られる事を極端に嫌がるので、デートの移動は自家用馬車でドアツードアだ。
乗合馬車も使ってみたいし、なんなら街を自分の足で歩きたいのだけど……。
それを言うと一生外に出してくれない気がするので、胸の奥にしまっている。
洋品店の前に馬車が止まりマクシミリアンに手を取られて馬車から降りると周囲から何故かどよめきが上がった。
「くっ……ビアンカを見るな、あの男共……!!」
なんてマクシミリアンが剣呑な表情で呟いてるけど……。
侯爵家令嬢時代の豪奢な格好ならともかく、簡素なドレスのわたくしなんて誰も見ていないと思うの……。
「マクシミリアン、お店に入りましょう?」
マクシミリアンの腕にそっと手を置いておねだりするように見上げると、彼は我に返ったようで怖い顔を止めて優しい表情で微笑んでくれた。
「あっれ?マクシミリアン?」
聞き覚えがあるような、ないような……。そんな声が耳に届いた。
そちらの方を見ると……あれは、攻略キャラの騎士ノエル・ダウストリア様……!!
彼は緑色の髪を揺らしながら、茶色の瞳を楽しそうに細め柔らかい微笑みを浮かべてこちらへ近づいて来る。
その腕には平民らしい一人の女性……。
伯爵家である彼との身分差を考えると女性は遊び相手の一人なんだろう。
彼は偉大な父親に勝てない事で心が折れて騎士訓練をさぼるようになり、そのまま遊び呆けて過ごす放蕩息子なのよね……ヒロインとくっ付けば更生して真面目な騎士になるんだけど。
……この様子だと、まだ放蕩してるみたいね。
ノエル様はビアンカの死亡フラグ保有者でもあるのだけれど、ゲームの世界を大きく逸脱したこの世界だ。
多分平気だろう……うん。
「フィリップ様に聞いてはいたけど……。ビアンカ嬢と結婚したって本当だったんだ」
ノエル様は好奇心剥き出しの視線でわたくしを見る。
……なんだか居心地が悪いけれど無視をする訳にもいかない。
「ノエル様、お久しぶりです。その節はご迷惑をお掛けしましたわ」
わたくしはカーテシーをするとにこり、とノエル様に微笑んでみせた。
するとノエル様は鳩が豆鉄砲を食ったような顔をする……まぁ、昔はわたくし悪態ばかり吐いておりましたものね。
……そして当然ノエル様からも嫌われていた。
いいんだけど、悪役令嬢だからいいんだけど!!
「ノエル様……どうしてこちらに?」
マクシミリアンはわたくしを後ろから抱き締めながら警戒心剥き出しの表情でノエル様に訊ね、鋭い視線で睨みつけた。
……他国の王子の側近にその態度はダメよ、マクシミリアン!!
「フィリップ様の外交の警備でね。今は休憩中。そんでなんか人がどよめいてたから、覗いてみたら君らが居た訳」
ノエル様はマクシミリアンの視線を受け止めながら飄々として答える。
「……マクシミリアン、お顔が怖いわ」
そう言いながらマクシミリアンを見上げてその頬を撫でると彼は少し困ったようにこちらを見た。
「ビアンカ。他の男と話さないで下さい。減ります、汚れます、笑顔なんて以ての外です」
「……マクシミリアン……。減らないし、汚れないし、無表情でお話するわけにもいかないのよ?」
マクシミリアンが無茶を言うのでぷくり、と頬を膨らませると彼は少し表情を和らげた。
……うん、怖いお顔よりそっちの方が素敵よ?
「……フィリップ様が一時期様子がおかしい時があったけど……こういう事か……」
ノエル様はなんだか赤い顔でわたくしを凝視しながらぶつぶつと何かを言っている。
フィリップ様がどうしたのかしら?
「……それでは、お買い物がありますので。失礼致しますわね?」
わたくしは言いながらマクシミリアンの腕をぐいぐいと引っ張る。
早くこの場を、離れたかった。
……だってマクシミリアンが小声で『やっぱり監禁しないと……』なんて呟くんですもの!!
監禁は嫌よ、マクシミリアン!!
「ね、今度遊びに行っていい?」
ノエル様がとんでもない事を言い出す。
というかどうして遊びに来ようなんて思ったの!!!
「ダメに決まっているだろう。……殺すぞ」
マクシミリアンは狂気を孕んだ表情でノエル様を睨みながらそう返す……殺すって……旦那様が怖すぎる!!
「わー怖い旦那だね。ビアンカ嬢。俺、人妻でも子持ちでも気にしないから。機会があったら遊んでね?」
「ぜ……全力でお断りですわ!!!」
ノエル様の台詞を聞いたマクシミリアンの目が鮫のような暗い澱んだ目になった。
――放蕩息子の戯言でわたくしを監禁生活まっしぐらに突き落とさないで!!
帰りの馬車の中でマクシミリアンを宥めようと頑張ってはみたけれど努力も虚しく……。
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……ノエル様、恨みますよ……!!
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