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番外編
月と獣の舞踏会7(マクシミリアン視点)
アルフォンス様がいらしてからのビアンカは明らかに安心した様子で、廊下を歩きながら彼に笑いかけ小声で楽しそうに話をしていた。
アルフォンス様が来てくれて、よかったな……ビアンカの様子を見て私は内心そう思う。
生まれた時から一緒にいる家族の安心感というのは……悔しいが、やはり違うものなのだ。
侍従に案内されたのは王宮の奥まったところにある、高級感のある革張りのハイバックソファーと重厚な木材でできたローテーブルが用意された広い応接間のような部屋だった。
侍従は人数分の紅茶を用意すると、静かに立ち去って行く。
魔法で気配を探り盗み聞きをされていないことを確認し、風の魔法で室内の音が外に漏れないよう遮断してから、私はビアンカと席に着いた。
「――フィリップ王子。お話というのは?」
私とアルフォンス様に両方から挟まれるようにして座ると、ビアンカは前置きもせずに切り出した。
この会談を早く切り上げたい、彼女のそんな意思表示がそこには見える。
「……九年前の事件の真相と、君が追放された後どのように過ごしていたかを知りたい」
「――何故、そのようなことを。今更そんなことを聞いてどうするのです」
フィリップ王子の言葉に、ビアンカは困惑したように眉を顰めた。
「七年程前だったか。マクシミリアンの邸でビアンカを見てからずっと考えていた。もしかすると俺は酷い間違いを犯したのでは、と。俺にできることがあれば……償いを、と」
フィリップ王子はその美麗な顔を歪め苦悩するかのような表情を浮かべる。
一瞬、彼が九年前の件の真相に気づいたのか、と思ったのだがどうやらそうではないらしい。
「いいえ、フィリップ王子。わたくしは間違いなく有罪です。マクシミリアンに近づくあの女に嫉妬をし、無様な間違いを犯したのですわ」
「マクシミリアンに近づくシュミナに嫉妬して……?」
ビアンカの言葉に、フィリップ王子は怪訝そうな声を漏らした。
「ええ、そうですわ。わたくしの大事な『犬』に色目を使う女に、嫉妬をし間違いを犯してしまいましたの」
ビアンカは妖艶な微笑みをその美しいかんばせに浮かべ、私にしなだれかかりながら言う。
そんなビアンカにフィリップ王子は鼻白んだ。
「――っ……。婚約者の俺がいたのにも関わらず……他の男に現を抜かしていたのか」
「彼とそんな関係でなかった事は、マクシミリアンとシュミナを取り合っておられた貴方が一番ご存じでしょう? あの頃のわたくしはマクシミリアンにも……婚約者の貴方にも見向きもされておりませんでしたわ」
ビアンカの言葉に、フィリップ王子は目を逸らし、ノエルは苦笑いをする。
二人とも過去の記憶を思い出しているのだろう……あの懐かしいシュミナ・パピヨンの事を。苛烈で醜い、ビアンカ・シュラットの事を。
そして婚約者を顧みず他の誰かに現を抜かしていたのは、フィリップ王子自身であると思い出すに至ったのだろう。
「ビアンカ……あの頃の俺は……」
「仕方ないことだと分かっていますのよ。わたくしは誰かに愛情を与えて頂けるような女ではなかったのですもの」
ビアンカはフィリップ王子が何かを言おうとするのを、遮るように言葉を紡いだ。
フィリップ王子がビアンカに欠片でも情を持っていたら。
彼は男爵家の令嬢の殺人未遂の事なんてどうとでも隠蔽し、私の計画は頓挫していただろう。
フィリップ王子はビアンカの事を愛していなかった……それが全てだ。
「――フィリップ王子。罪を犯したわたくしが、悪いのです。あの頃の嫉妬深く醜いわたくしが全て悪いのですわ。だから王子の償いなんて必要ありませんの」
ビアンカはそう言うと、にこりと笑って締めくくった。
「……隣国に追放されてからは、どうしていたの?」
何かを考えるように黙り込んだフィリップ王子の後を継ぐようにノエルが質問をする。
「マクシミリアンに偶然助けられるまで拉致監禁をされておりましたの。もっと悲惨な結果もあり得たのですし……わたくしは運がよかったのですわ。詳しいことはお話する気はございませんし、これくらいで納得してくださいませ?」
ビアンカはさらり、とそう言った。
彼女の発言の衝撃に、この場の空気が凍り付いた。
下手に誤魔化すよりも真実に近い嘘を言った方が……という彼女の判断なのだろうが『私が助けた』という一文以外は『誰が』という主語がない完全なる事実なのだから……なんとも言えない気持ちになる。
フィリップ王子は目を大きく見開き、黄金の双眸を驚愕に揺らしながらビアンカに向けている。
十五の何も知らない、しかも見目麗しすぎる小娘を一人放り出せば誰かの欲望の餌になる……その結果くらい容易に想像がついただろうに。
いや、育ちのよい十五の少年にはそんな想像力は無かったのかもしれない。
「ビアンカ……!」
アルフォンス様がたまらずという感じでビアンカを抱きしめた。
その美しい緑色の瞳には薄っすらと涙が滲んでいる。
「ああ、僕のビアンカ……! 可哀想に……」
「お兄様。そんなお顔をなさらないで。もう、全ては『過去』なのですわ」
ビアンカはアルフォンス様の左右の頬に優しくキスをすると、その白い額を兄の額にくっ付けてから微笑んだ。
「『今』に至るまでに全ては必要な道筋だったのだと……わたくしはそう思いますの」
そう言うとビアンカはアルフォンス様からそっと身を離し、私の胸に飛び込んだ。
「マクシミリアンがわたくしを愛してくれて、そして可愛い二人の子供までいる。わたくしは……本当に幸せです」
ビアンカを抱きしめると、くふふ、と少し声を上げて笑いながら私を見上げる。
その顔に浮かんだ笑顔がとても幸せそうで……私の心には、安堵と優しい幸福感が広がった。
「……婚約者の時に、ビアンカのことをもっと知ろうとしていれば。俺もその君の笑顔を向けて貰えたのだろうか」
フィリップ王子が、ぽつり、と呟く。
その言葉にビアンカは目を丸くし、フィリップ王子をしばし見つめ……ゆるゆると首を横に振った。
「もしも、のことはわかりませんわ」
「そう……だな」
ビアンカの言葉にフィリップ王子は何かを諦めたかのようにがくりと項垂れ、その場には沈黙が訪れた。
「じゃ、そろそろ時間だし。フィリップ様、俺達は行こうか。ビアンカ嬢、暇な時に遊びに行っていい?」
「来るな、と前も言っただろう。ノエル・ダウストリア」
私が睨みつけるとノエルは愉快そうに笑って、まだ項垂れているフィリップ王子の腕をつかんで軽く手を振りながら部屋から出て行った。
☆★☆
「ほらぁ~フィリップ様。一切脈が無いのはわかってたのに落ち込まないの!」
「うるさい、黙れノエル」
ノエルにため息混じりに言われ、俺は苛立たしげに彼を睨んだ。
幼馴染であり近衛騎士で側にいる時間が長く俺の多少の苛立ちには慣れきっているノエルは、さらりと俺の視線を受け流す。
「……彼女を確実に手に入れられた婚約者時代にちゃんと愛情を注がなかった時点でフィリップ様の負けなんだからさ。吹っ切れたところで、婚約者、ちゃんと探そう?」
ノエルの言うことは全て正しい。
だけど……七年前に彼女と再会した時から、彼女の存在が呪いのように胸を蝕み離れないのだ。
今日、目にした彼女も七年前と変わらず美しく、清廉で……燃え上がりそうになる恋慕の情を押しとどめるのに必死だった。
「……償いすら、させてもらえないとはな」
ビアンカが無罪であれ、有罪であれ。彼女を嬉々として隣国へと追放したのは俺だ。
償いだけでも、受け入れて欲しかった。
だけどビアンカの中にはそれすらも受け入れる場所は無い。
彼女にとって俺は、ただの過去の亡霊なのだ。
「フィリップ様。ビアンカ嬢にちょっと似た令嬢を紹介するけど……」
「うるさい、ノエル」
ぺしり、と彼の頭を叩くとノエルは楽しそうに笑う。
その親友の笑顔に俺は少しだけ救われた気がした。
アルフォンス様が来てくれて、よかったな……ビアンカの様子を見て私は内心そう思う。
生まれた時から一緒にいる家族の安心感というのは……悔しいが、やはり違うものなのだ。
侍従に案内されたのは王宮の奥まったところにある、高級感のある革張りのハイバックソファーと重厚な木材でできたローテーブルが用意された広い応接間のような部屋だった。
侍従は人数分の紅茶を用意すると、静かに立ち去って行く。
魔法で気配を探り盗み聞きをされていないことを確認し、風の魔法で室内の音が外に漏れないよう遮断してから、私はビアンカと席に着いた。
「――フィリップ王子。お話というのは?」
私とアルフォンス様に両方から挟まれるようにして座ると、ビアンカは前置きもせずに切り出した。
この会談を早く切り上げたい、彼女のそんな意思表示がそこには見える。
「……九年前の事件の真相と、君が追放された後どのように過ごしていたかを知りたい」
「――何故、そのようなことを。今更そんなことを聞いてどうするのです」
フィリップ王子の言葉に、ビアンカは困惑したように眉を顰めた。
「七年程前だったか。マクシミリアンの邸でビアンカを見てからずっと考えていた。もしかすると俺は酷い間違いを犯したのでは、と。俺にできることがあれば……償いを、と」
フィリップ王子はその美麗な顔を歪め苦悩するかのような表情を浮かべる。
一瞬、彼が九年前の件の真相に気づいたのか、と思ったのだがどうやらそうではないらしい。
「いいえ、フィリップ王子。わたくしは間違いなく有罪です。マクシミリアンに近づくあの女に嫉妬をし、無様な間違いを犯したのですわ」
「マクシミリアンに近づくシュミナに嫉妬して……?」
ビアンカの言葉に、フィリップ王子は怪訝そうな声を漏らした。
「ええ、そうですわ。わたくしの大事な『犬』に色目を使う女に、嫉妬をし間違いを犯してしまいましたの」
ビアンカは妖艶な微笑みをその美しいかんばせに浮かべ、私にしなだれかかりながら言う。
そんなビアンカにフィリップ王子は鼻白んだ。
「――っ……。婚約者の俺がいたのにも関わらず……他の男に現を抜かしていたのか」
「彼とそんな関係でなかった事は、マクシミリアンとシュミナを取り合っておられた貴方が一番ご存じでしょう? あの頃のわたくしはマクシミリアンにも……婚約者の貴方にも見向きもされておりませんでしたわ」
ビアンカの言葉に、フィリップ王子は目を逸らし、ノエルは苦笑いをする。
二人とも過去の記憶を思い出しているのだろう……あの懐かしいシュミナ・パピヨンの事を。苛烈で醜い、ビアンカ・シュラットの事を。
そして婚約者を顧みず他の誰かに現を抜かしていたのは、フィリップ王子自身であると思い出すに至ったのだろう。
「ビアンカ……あの頃の俺は……」
「仕方ないことだと分かっていますのよ。わたくしは誰かに愛情を与えて頂けるような女ではなかったのですもの」
ビアンカはフィリップ王子が何かを言おうとするのを、遮るように言葉を紡いだ。
フィリップ王子がビアンカに欠片でも情を持っていたら。
彼は男爵家の令嬢の殺人未遂の事なんてどうとでも隠蔽し、私の計画は頓挫していただろう。
フィリップ王子はビアンカの事を愛していなかった……それが全てだ。
「――フィリップ王子。罪を犯したわたくしが、悪いのです。あの頃の嫉妬深く醜いわたくしが全て悪いのですわ。だから王子の償いなんて必要ありませんの」
ビアンカはそう言うと、にこりと笑って締めくくった。
「……隣国に追放されてからは、どうしていたの?」
何かを考えるように黙り込んだフィリップ王子の後を継ぐようにノエルが質問をする。
「マクシミリアンに偶然助けられるまで拉致監禁をされておりましたの。もっと悲惨な結果もあり得たのですし……わたくしは運がよかったのですわ。詳しいことはお話する気はございませんし、これくらいで納得してくださいませ?」
ビアンカはさらり、とそう言った。
彼女の発言の衝撃に、この場の空気が凍り付いた。
下手に誤魔化すよりも真実に近い嘘を言った方が……という彼女の判断なのだろうが『私が助けた』という一文以外は『誰が』という主語がない完全なる事実なのだから……なんとも言えない気持ちになる。
フィリップ王子は目を大きく見開き、黄金の双眸を驚愕に揺らしながらビアンカに向けている。
十五の何も知らない、しかも見目麗しすぎる小娘を一人放り出せば誰かの欲望の餌になる……その結果くらい容易に想像がついただろうに。
いや、育ちのよい十五の少年にはそんな想像力は無かったのかもしれない。
「ビアンカ……!」
アルフォンス様がたまらずという感じでビアンカを抱きしめた。
その美しい緑色の瞳には薄っすらと涙が滲んでいる。
「ああ、僕のビアンカ……! 可哀想に……」
「お兄様。そんなお顔をなさらないで。もう、全ては『過去』なのですわ」
ビアンカはアルフォンス様の左右の頬に優しくキスをすると、その白い額を兄の額にくっ付けてから微笑んだ。
「『今』に至るまでに全ては必要な道筋だったのだと……わたくしはそう思いますの」
そう言うとビアンカはアルフォンス様からそっと身を離し、私の胸に飛び込んだ。
「マクシミリアンがわたくしを愛してくれて、そして可愛い二人の子供までいる。わたくしは……本当に幸せです」
ビアンカを抱きしめると、くふふ、と少し声を上げて笑いながら私を見上げる。
その顔に浮かんだ笑顔がとても幸せそうで……私の心には、安堵と優しい幸福感が広がった。
「……婚約者の時に、ビアンカのことをもっと知ろうとしていれば。俺もその君の笑顔を向けて貰えたのだろうか」
フィリップ王子が、ぽつり、と呟く。
その言葉にビアンカは目を丸くし、フィリップ王子をしばし見つめ……ゆるゆると首を横に振った。
「もしも、のことはわかりませんわ」
「そう……だな」
ビアンカの言葉にフィリップ王子は何かを諦めたかのようにがくりと項垂れ、その場には沈黙が訪れた。
「じゃ、そろそろ時間だし。フィリップ様、俺達は行こうか。ビアンカ嬢、暇な時に遊びに行っていい?」
「来るな、と前も言っただろう。ノエル・ダウストリア」
私が睨みつけるとノエルは愉快そうに笑って、まだ項垂れているフィリップ王子の腕をつかんで軽く手を振りながら部屋から出て行った。
☆★☆
「ほらぁ~フィリップ様。一切脈が無いのはわかってたのに落ち込まないの!」
「うるさい、黙れノエル」
ノエルにため息混じりに言われ、俺は苛立たしげに彼を睨んだ。
幼馴染であり近衛騎士で側にいる時間が長く俺の多少の苛立ちには慣れきっているノエルは、さらりと俺の視線を受け流す。
「……彼女を確実に手に入れられた婚約者時代にちゃんと愛情を注がなかった時点でフィリップ様の負けなんだからさ。吹っ切れたところで、婚約者、ちゃんと探そう?」
ノエルの言うことは全て正しい。
だけど……七年前に彼女と再会した時から、彼女の存在が呪いのように胸を蝕み離れないのだ。
今日、目にした彼女も七年前と変わらず美しく、清廉で……燃え上がりそうになる恋慕の情を押しとどめるのに必死だった。
「……償いすら、させてもらえないとはな」
ビアンカが無罪であれ、有罪であれ。彼女を嬉々として隣国へと追放したのは俺だ。
償いだけでも、受け入れて欲しかった。
だけどビアンカの中にはそれすらも受け入れる場所は無い。
彼女にとって俺は、ただの過去の亡霊なのだ。
「フィリップ様。ビアンカ嬢にちょっと似た令嬢を紹介するけど……」
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