【R18】悪役令嬢は元執事から逃げられない

夕日(夕日凪)

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番外編

月と獣の舞踏会10(マクシミリアン視点)※

「意地悪ばっかりしないでっ……」

 泣き出してしまいそうな表情でビアンカが声を上げる。その姿はとても愛らしく、私はもっと意地悪をしたくなってしまう。
 彼女の花弁に凶器を擦り付け、離しをさらに繰り返す。くちゅくちゅと音を立て熱い熱を持った怒張が蜜壺の上を往復するたびにビアンカの体は柔らかな快楽に震え、だけど決定的なものを与えられないことに不満を訴えるように腰をうねらせた。

「マクシミリアン! 意地悪ばかりするなら、今日はもうしないわ!」

 そんなことを繰り返していると、可愛らしい抗議の言葉と共にビアンカの口から嗚咽が漏れた。
 妻の顔を見るとその瞳からは美しい涙がポロポロと零れ、白い小さな手は泣き声を上げるまいと桜色の唇に添えられている。
 ……私はどうやら、やりすぎてしまったらしい。

「もう、お部屋に戻る……!」

 ビアンカの白い体が離れようともがく。その体を、私は慌てて抱きしめた。

「ビアンカ、申し訳ありません。……その、貴女が可愛すぎて調子に乗りました……」

 抱きしめる力を強くして彼女の首筋に顔を埋めるようにして謝罪する。
 謝罪をしつつも、快楽を欲しがり半泣きになるビアンカが可愛すぎるのが悪いんだ……! なんて思う内心を私は心の奥底にそっとしまった。

「……マクシミリアンなんて、嫌い」

 ぷいっと顔を背けるビアンカを見て、私は大いに焦った。彼女に嫌われてしまうのは絶対に嫌だ。そんなことには耐えられない。

「ビアンカ、本当に申し訳ありません。反省していますから……!!」

 可愛いすぎるものをついいじめてしまう自分の性分が憎い。もっと芯から蕩かせるように甘やかしてあげたいのに。こうなってしまうと後の祭りなのだが……。

「嫌いだなんて、言わないでください……」

 無言のビアンカの肩に、ぐりぐりと頭を押しつける。こうなったら彼女が許してくれるまで謝るしかない。

「……意地悪、しない?」
「!! しません、絶対に!!」

 ビアンカがくれた突破口に必死にすがる。すると彼女は顔を上げじっとりとした目を、こちらへ向けてきた。

「……ビアンカ……」

 我ながら情けない声が漏れてしまう。その声を聞いたビアンカが仕方ないなというように笑ってくれたから……私は心底ほっとした。
 ビアンカは体を後ろに反らしながら、私の頬にキスをする。その柔らかな感触に緊張が解けていくのを感じた。

「……嫌いだなんて、嘘よ。大好きだから、もう意地悪しないで?」

 甘えるように言うビアンカの言葉に、私は一も二もなく頷く。

「愛してます……。全力で、甘やかしますから」
「貴方の全力は体がもたないから、ほどほどがいいわ」
「……善処します」

 彼女と微笑み合い、そっと口づける。ビアンカの柔らかな唇に舌を這わせながら私は改めて彼女の足を抱え上げた。

「んっ……」

 蜜壺に熱をあてがうと、ビアンカから悩ましげな声が漏れた。今度は焦らさず彼女の中に自身を埋めていく。待ちわびたようにきゅうっと締まる彼女の中に一気に持っていかれそうになるのを堪え、私はゆっくりと抽送を開始した。

「マクシミリアンっ……きもちい……」

 すっかり蕩けている中を穿つと、ビアンカは気持ちよさげな声で喘ぐ。
 ゆるゆるとした出し入れを繰り返したあとに、入り口付近まで一旦抜き一気に奥まで貫くと彼女はひと際大きな嬌声を上げた。

「やっぁん……! それっ……深い、奥まで届くのっ……」

 ちゃぷちゃぷと水音と立て彼女の蜜壺を貫きながらピンク色に染まった耳朶を舌で嬲り、耳の穴に舌をねじ込む。すると妻ははふはふと荒い息を吐きながら体を震わせた。その様子が愛おしくてもっと気持ちよくしてあげたくなる。

「ビアンカ、可愛いです。大好きです」
「も……もう! マクシミリアンったら……!!」

 抜き差ししながら耳元で囁くと彼女は照れたように声を荒げた。だけど彼女の蜜壺は『可愛い』や『大好き』に反応するようにきゅっと私を締めつけてきた。

「愛してます」

 だから私は、彼女への愛の言葉を繰り返した。

「マクシミリアン……わ……わたくしもっ……」

 揺さぶられ途切れ途切れになる声で、彼女も応えてくれる。

「わたくしも愛してるの。マクシミリアンは、初恋で……最初で最後の人よ」

 ビアンカの言葉に胸が熱くなった。妻はどれだけ私を幸せにしてくれれば気が済むのだろう。

「私も貴女が初恋ですよ、『お嬢様』。そして貴女が最後です」

 身勝手な形で手に入れた彼女と、こんなに幸せな毎日を過ごせるなんて本当に思ってもみなかった。
 死がふたりを分かつまでビアンカと……家族との日々を大切に過ごしたい。
 彼女の感じるところを刺激しながら、高みへと導いていく。するとビアンカがなにか言いたげな目をこちらに向けてきた。

「……ビアンカ?」
「マクシミリアンのお顔を見ながら……したい……」

 ――可愛いにも、ほどがあるだろう! 思わずそんな理不尽な悪態をつきたくなる。
 私はビアンカの要望に応えるべく、彼女の体をこちらへ反転させた。
 中を杭打たれたまま体を動かされたビアンカは『んっ……』と少し苦しげな声を上げる。一瞬辛かったのかと心配になったが、正面から見た彼女の顔がすっかり快楽で蕩けていたので安堵した。
 ビアンカは私の肩に手を置いてキスをねだるように目を閉じた。そんな妻の唇に唇を重ね、キスを繰り返しながら彼女を揺さぶる。

「マクシミリアンっ……。あっ、あっ……! すき、すきよっ……」

 ぎゅうっとすがりつくように私の背中に手を回して、彼女が喘ぐ。その小刻みに跳ねる体は彼女の絶頂が近いことを表していた。
 抽送を速めるとビアンカの嬌声が甘やかな響きで絶え間なく漏れ、私の背中に回した小さな手にも力が入った。

「ビアンカ、気持ちいいですか?」

 耳元でそっと囁くと頬を染め湖面の瞳に涙を溜めたビアンカがこちらを見つめる。

「きもちいいのっ……イッちゃうっ……マクシミリアンっ……」
「いいですよ、達してください」
「やぁあっ……!!」

 私の言葉が合図だったかのようにビアンカは声を漏らしながら体を震わせ後ろに反らせた。きゅうっと膣内が締まり彼女の絶頂を伝える。
 ビアンカは荒い息を吐きながら私の体にもたれかかった。その銀糸の髪を優しく撫でると、彼女はその少しつり上がった目を猫のように細めて気持ちよさそうに微笑んだ。

「マクシミリアン……その。貴方……まだでしょう?」

 彼女は自分の中にあるものが萎えていないことに気づき、申し訳なさそうな顔をする。

「ビアンカ、今日は慣れない場所に行って疲れたでしょうし……。休みたいのでしたら私は別に平気ですので」
「……ううん。その……マクシミリアンにいっぱいして欲しい……から」

 ふるふると頭を振ってビアンカが言う。……言質は、取ったな。

「じゃあ一晩中、たっぷりして差し上げますね」

 私はにっこりとビアンカに微笑んでみせた。すると彼女の頬が僅かに引き攣る。

「マ……マクシミリアン、そこまでは……!!」
「ああ、お嬢様。嘘をつくなんて私は嘆かわしいです」

 執事の頃の口調で言いながら、私はゆるりと腰の動きを再開した。

「意地悪はしないって言ったのに!」
「お嬢様が言い出したのですから、意地悪ではありませんよ?」

 これは意地悪ではない。ちゃんと合意の上だ。
 そして一晩中彼女と繋がり合ったのだが……。

 翌日疲労で彼女が寝込んでしまい、私が激しく反省をしたのは言うまでもない。
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