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番外編
月と獣の蜜月6※
……わたくしが機嫌を損ねた後のマクシミリアンは甲斐甲斐しいにもほどがあって。
「ビアンカ、ここですか?」
「や……っ、きもちいっ……」
「可愛いです、ビアンカ。もっと感じてください」
わたくしの気持ちいいところを蕩かすように突き上げ、刺激され、甘い言葉だけを囁かれ続けた。
膝の上に乗せられ後ろから膝裏を抱えられるようにして浅く深く突き上げられて、嬌声を漏らしながら体を震わせると優しいキスが頬に首筋にと降ってくる。
何度目かの絶頂を迎え体の力がぐったりと抜けたわたくしを、彼は柔らかな力で後ろから抱きしめた。
「……最初から、優しくしてくれればいいのに」
息を整えながら思わずジト目で彼を睨むと気まずそうに目を逸らされる。
「……好きな人は、可愛すぎていじめたくなってしまうんです。つまりは可愛いビアンカが悪いのです」
旦那様の言い訳が小学生の男子のようでなんだかなぁ、とわたくしは呆れてしまう。
「……わたくしが、悪いのね?」
「う……」
声音に不満を滲ませて言うとマクシミリアンは言葉に詰まった。
「……あまり意地悪ばかりされるなら、子供たちを連れて父様のところに行くわ」
リーベッヘ王国からわたくしは国外追放をされているのだから本来なら帰るのは無理なのだけれど。父様とお兄様にお願いしたらその無理を簡単に通してしまいそうな気がする。追放されてもう何年も経っているのだからなおさらね。
「そ……それは止めてください!」
マクシミリアンから悲鳴のような声が上がる。
「他の男性に笑わないって約束をわたくしが破ったってマクシミリアンは言うけど。意地悪をしないという約束を、わたくし貴方にもう何度も破られているわ」
定期的にマクシミリアンは『意地悪をしない』という約束をしてくれるのだけれど、数日後、もしくは数時間後には破られてしまうのだ。
何度破られたかは数えるのも馬鹿馬鹿しいくらいだ。
「ビアンカ……! 出て行くなんて言わないでください!」
ぎゅうっと抱きしめられぐりぐりと頭を肩に押しつけられる。……それちょっと痛いのよ、マクシミリアン。
なにも言わずに黙っていると、くるりと体を回され向かい合わせに座らされた。
ぷくりと頬を膨らませて彼を見ると、マクシミリアンは叱られた犬のようにシュンとする。
……別にわたくしも本気で怒ったり、父様のところに行こうとしていたりを考えている訳じゃないのだけれど。でもわたくしばかり意地悪をされるのは不公平だから少しいじめてしまおう。
「……キス、しても?」
「嫌!」
おねだりを容赦なく跳ねつけると、彼は悲しそうな顔をする。
……罪悪感が刺激されるなぁ……。
「……ビアンカ、お願いです」
「もう二度とキスしないわ」
「ビアンカ!!」
マクシミリアンの綺麗なお顔がこれ以上ないくらいの悲壮感を湛えた。まるで今日世界が終わります、って言われたみたいね。
……意地悪をそろそろ止めないと、マクシミリアンが泣いてしまいそうだ。綺麗な黒曜石の瞳が潤み始めているし。
マクシミリアンの頬に手を添えてそっと口付けすると、明らかにほっとしたような吐息が漏れる。それを掬い取るように何度もキスをすると蕩けるような笑顔を浮かべられた。
仕上げとばかりにぎゅっと抱きしめると縋るように強く抱きしめ返されて、ちょっとだけ苦しい。
「屋敷に帰ったら……意地悪しないで甘やかしてね」
「甘やかします。意地悪はしません」
マクシミリアンは必死な声音でそう言うけれど、この『意地悪はしません』もすぐに破られるんだろうなぁ。
だけど彼のことが好きだからわたくしは毎回絆されてしまうのだ。
それからは衣服を整え彼の膝の上で抱きしめられて景色をのんびり見ながら過ごした。
時々肩に乗せられる頭をさわさわと撫でると満足そうな吐息が彼から漏れる。……大型犬みたいね、マクシミリアン。
時刻が少しずつ夕方に近づいて風が冷たくなってくると、彼が用意していたらしいケープをふわりとかけてくれた。
「……寒くなってきましたし、帰りましょう」
優しく声をかけられ頬を撫でられる。その感触にうっとりしているとそっと唇を合わせられた。
「ええ、帰りましょう」
わたくしがそう言うと彼は立ち上がってテキパキとピクニックのために広げたものを片付け始める。手伝おうとするとそっと肩を押し戻されて、彼が手際よく片付けるのをぼんやり眺めているだけになってしまった。
……マクシミリアンは意地悪もするけれど、基本的には甘やかしすぎなくらいの甘やかしなのだ。
「ビアンカ、ここですか?」
「や……っ、きもちいっ……」
「可愛いです、ビアンカ。もっと感じてください」
わたくしの気持ちいいところを蕩かすように突き上げ、刺激され、甘い言葉だけを囁かれ続けた。
膝の上に乗せられ後ろから膝裏を抱えられるようにして浅く深く突き上げられて、嬌声を漏らしながら体を震わせると優しいキスが頬に首筋にと降ってくる。
何度目かの絶頂を迎え体の力がぐったりと抜けたわたくしを、彼は柔らかな力で後ろから抱きしめた。
「……最初から、優しくしてくれればいいのに」
息を整えながら思わずジト目で彼を睨むと気まずそうに目を逸らされる。
「……好きな人は、可愛すぎていじめたくなってしまうんです。つまりは可愛いビアンカが悪いのです」
旦那様の言い訳が小学生の男子のようでなんだかなぁ、とわたくしは呆れてしまう。
「……わたくしが、悪いのね?」
「う……」
声音に不満を滲ませて言うとマクシミリアンは言葉に詰まった。
「……あまり意地悪ばかりされるなら、子供たちを連れて父様のところに行くわ」
リーベッヘ王国からわたくしは国外追放をされているのだから本来なら帰るのは無理なのだけれど。父様とお兄様にお願いしたらその無理を簡単に通してしまいそうな気がする。追放されてもう何年も経っているのだからなおさらね。
「そ……それは止めてください!」
マクシミリアンから悲鳴のような声が上がる。
「他の男性に笑わないって約束をわたくしが破ったってマクシミリアンは言うけど。意地悪をしないという約束を、わたくし貴方にもう何度も破られているわ」
定期的にマクシミリアンは『意地悪をしない』という約束をしてくれるのだけれど、数日後、もしくは数時間後には破られてしまうのだ。
何度破られたかは数えるのも馬鹿馬鹿しいくらいだ。
「ビアンカ……! 出て行くなんて言わないでください!」
ぎゅうっと抱きしめられぐりぐりと頭を肩に押しつけられる。……それちょっと痛いのよ、マクシミリアン。
なにも言わずに黙っていると、くるりと体を回され向かい合わせに座らされた。
ぷくりと頬を膨らませて彼を見ると、マクシミリアンは叱られた犬のようにシュンとする。
……別にわたくしも本気で怒ったり、父様のところに行こうとしていたりを考えている訳じゃないのだけれど。でもわたくしばかり意地悪をされるのは不公平だから少しいじめてしまおう。
「……キス、しても?」
「嫌!」
おねだりを容赦なく跳ねつけると、彼は悲しそうな顔をする。
……罪悪感が刺激されるなぁ……。
「……ビアンカ、お願いです」
「もう二度とキスしないわ」
「ビアンカ!!」
マクシミリアンの綺麗なお顔がこれ以上ないくらいの悲壮感を湛えた。まるで今日世界が終わります、って言われたみたいね。
……意地悪をそろそろ止めないと、マクシミリアンが泣いてしまいそうだ。綺麗な黒曜石の瞳が潤み始めているし。
マクシミリアンの頬に手を添えてそっと口付けすると、明らかにほっとしたような吐息が漏れる。それを掬い取るように何度もキスをすると蕩けるような笑顔を浮かべられた。
仕上げとばかりにぎゅっと抱きしめると縋るように強く抱きしめ返されて、ちょっとだけ苦しい。
「屋敷に帰ったら……意地悪しないで甘やかしてね」
「甘やかします。意地悪はしません」
マクシミリアンは必死な声音でそう言うけれど、この『意地悪はしません』もすぐに破られるんだろうなぁ。
だけど彼のことが好きだからわたくしは毎回絆されてしまうのだ。
それからは衣服を整え彼の膝の上で抱きしめられて景色をのんびり見ながら過ごした。
時々肩に乗せられる頭をさわさわと撫でると満足そうな吐息が彼から漏れる。……大型犬みたいね、マクシミリアン。
時刻が少しずつ夕方に近づいて風が冷たくなってくると、彼が用意していたらしいケープをふわりとかけてくれた。
「……寒くなってきましたし、帰りましょう」
優しく声をかけられ頬を撫でられる。その感触にうっとりしているとそっと唇を合わせられた。
「ええ、帰りましょう」
わたくしがそう言うと彼は立ち上がってテキパキとピクニックのために広げたものを片付け始める。手伝おうとするとそっと肩を押し戻されて、彼が手際よく片付けるのをぼんやり眺めているだけになってしまった。
……マクシミリアンは意地悪もするけれど、基本的には甘やかしすぎなくらいの甘やかしなのだ。
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