【R18】うさぎのオメガは銀狼のアルファの腕の中

夕日(夕日凪)

文字の大きさ
13 / 59

花屋のうさぎの困惑6※

しおりを挟む
「リオネルさま、リオネルさま」

 ぐちゅりとやらしい音を立てながら蜜が溢れ、リオネル様の美しい指に絡みつく。それを意識した瞬間、また体が快楽に震えた。
 だけど……これじゃまだ足りない。

「抱いて、孕ませ、て」

 はしたないオメガの熱が僕の体も、思考も支配している。この眼の前の優秀な雄に抱かれ、孕むことしか考えられない。中を穿って、精をたっぷり注いで欲しい。
 リオネル様は苦しそうな視線を僕に向ける。そしてゆっくりと頭を振った。
 それを見た瞬間、僕の胸はズキリと痛んだ。僕なんかがリオネル様に抱いてもらう価値なんてない。そんなことはわかっていたのに傷いてしまうなんて……僕はなんて図々しいのだろう。

「こういうことには……順序がある」

 なんだか四角張った口調で言いながら、リオネル様は僕の頬を優しく撫でた。そして小瓶を取り出すと、中に入った液体を僕の口にそっと含ませる。

「発情を抑える薬だ。しばらくは辛いだろうが……私が側にいるから」

 リオネル様は僕を抱きしめる。狂おしいくらいのアルファの熱、それに掻き立てられるオメガの欲情。苦しむ僕の頭を、リオネル様が何度も優しく撫でる。その刺激だけでどろりと精を吐き出した僕を見て、リオネル様は少し困ったように眉尻を下げた。

「もう少し出そう。……きっと楽になる」

 リオネル様はそう言うと僕の性器に手を添え、優しく扱いた。僕は喘ぎ声を上げながら吐精し、さらに快楽を貪ろうと輪になった手の中で腰を振る。僕の精で濡れてぐちゅぐちゅと音を立てる手のひらは、人生で一度も挿れたことのない雌穴のようだと思った。

 ――嫌だ。こんなの、恥ずかしい。
 この人に……こんな浅ましい僕を見られたくない。

「ひっ……う」

 情けなくて、僕は顔を隠して泣いた。この世界から、消えて無くなってしまいたい。
 そう思うのに体は快楽に従順で、リオネル様の手から与えられる快感を貪欲に貪った。
 自然に腰が揺れ、吐精で塗れた手のひらにまた精を吐き出す。

「レイラ……愛らしいな」

 リオネル様にそんなことを言われ、唇を塞がれる。その淡い刺激にも反応し、僕はまた達した。

 ☆

 意識は、いつの間にか途絶えていたらしい。
 頭には優しく撫でられる感触がある。泣き疲れて腫れた目をその主に向けると、そこにはリオネル様がいた。彼は僕の視線に気づくと、ふっと優しい笑みを浮かべる。
 僕は長椅子に寝かされ、上掛けをかけられているようだった。そしてリオネル様に、膝枕をされている?

 ……この状況は、一体なんなのだろう。

「……大丈夫か、レイラ」
「だいじょ……けほっ」

 返事をしようとすると、喉が傷んで咳き込んでしまう。するとリオネル様がベルを鳴らし、やって来たニルス様に「喉にいいものを」と命じた。
 どうしてこんなに喉が痛いのかな。声を出しすぎたせい? どうして喉を酷使したんだっけ――
 ぼんやりとした思考から抜け出した僕は、すべてを思い出し真っ赤になった。
 なんてことを。僕はだらしない声を上げながら、この高貴なお方の手や口を使って何度も射精をしたのだ。しかも孕ませてとねだることまでしてしまった。

「お、お許しを! 発情期はまだ先で、こんなことになるはずでは――」

 立ち上がろうとしたけれど、体に力が入らず地面に崩れ落ちてしまう。僕は服を着ておらず、全裸のままで毛足の長い絨毯に顔から突っ伏すこととなってしまった。

「レイラ!」

 リオネル様が慌てて僕を抱え起こす。そして自分の膝の上に僕を座らせ、上掛けをまた巻いた。
 僕の体には精液がべっとりと付着し、リオネル様の豪奢な騎士服や綺麗な髪にも乾いたものが張り付いている。それを見て、顔から血の気が引いた。

「お許しください、お許しください……」

 貴族様にこんな粗相をするなんて――首を刎ねられても仕方ない。僕はガタガタと震えながら、体を小さく縮こまらせた。
しおりを挟む
感想 59

あなたにおすすめの小説

のほほんオメガは、同期アルファの執着に気付いていませんでした

こたま
BL
オメガの品川拓海(しながわ たくみ)は、現在祖母宅で祖母と飼い猫とのほほんと暮らしている社会人のオメガだ。雇用機会均等法以来門戸の開かれたオメガ枠で某企業に就職している。同期のアルファで営業の高輪響矢(たかなわ きょうや)とは彼の営業サポートとして共に働いている。同期社会人同士のオメガバース、ハッピーエンドです。両片想い、後両想い。攻の愛が重めです。

希少なΩだと隠して生きてきた薬師は、視察に来た冷徹なα騎士団長に一瞬で見抜かれ「お前は俺の番だ」と帝都に連れ去られてしまう

水凪しおん
BL
「君は、今日から俺のものだ」 辺境の村で薬師として静かに暮らす青年カイリ。彼には誰にも言えない秘密があった。それは希少なΩ(オメガ)でありながら、その性を偽りβ(ベータ)として生きていること。 ある日、村を訪れたのは『帝国の氷盾』と畏れられる冷徹な騎士団総長、リアム。彼は最上級のα(アルファ)であり、カイリが必死に隠してきたΩの資質をいとも簡単に見抜いてしまう。 「お前のその特異な力を、帝国のために使え」 強引に帝都へ連れ去られ、リアムの屋敷で“偽りの主従関係”を結ぶことになったカイリ。冷たい命令とは裏腹に、リアムが時折見せる不器用な優しさと孤独を秘めた瞳に、カイリの心は次第に揺らいでいく。 しかし、カイリの持つ特別なフェロモンは帝国の覇権を揺るがす甘美な毒。やがて二人は、宮廷を渦巻く巨大な陰謀に巻き込まれていく――。 運命の番(つがい)に抗う不遇のΩと、愛を知らない最強α騎士。 偽りの関係から始まる、甘く切ない身分差ファンタジー・ラブ!

こわがりオメガは溺愛アルファ様と毎日おいかけっこ♡

なお
BL
政略結婚(?)したアルファの旦那様をこわがってるオメガ。 あまり近付かないようにしようと逃げ回っている。発情期も結婚してから来ないし、番になってない。このままじゃ離婚になるかもしれない…。 ♡♡♡ 恐いけど、きっと旦那様のことは好いてるのかな?なオメガ受けちゃん。ちゃんとアルファ旦那攻め様に甘々どろどろに溺愛されて、たまに垣間見えるアルファの執着も楽しめるように書きたいところだけ書くみたいになるかもしれないのでストーリーは面白くないかもです!!!ごめんなさい!!!

愛を知らない少年たちの番物語。

あゆみん
BL
親から愛されることなく育った不憫な三兄弟が異世界で番に待ち焦がれた獣たちから愛を注がれ、一途な愛に戸惑いながらも幸せになる物語。 *触れ合いシーンは★マークをつけます。

運命の番ってそんなに溺愛するもんなのぉーーー

白井由紀
BL
【BL作品】(20時30分毎日投稿) 金持ち‪社長・溺愛&執着 α‬ × 貧乏・平凡&不細工だと思い込んでいる、美形Ω 幼い頃から運命の番に憧れてきたΩのゆき。自覚はしていないが小柄で美形。 ある日、ゆきは夜の街を歩いていたら、ヤンキーに絡まれてしまう。だが、偶然通りかかった運命の番、怜央が助ける。 発情期中の怜央の優しさと溺愛で恋に落ちてしまうが、自己肯定感の低いゆきには、例え、運命の番でも身分差が大きすぎると離れてしまう 離れたあと、ゆきも怜央もお互いを思う気持ちは止められない……。 すれ違っていく2人は結ばれることができるのか…… 思い込みが激しいΩとΩを自分に依存させたいα‬の溺愛、身分差ストーリー ★ハッピーエンド作品です ※この作品は、BL作品です。苦手な方はそっと回れ右してください🙏 ※これは創作物です、都合がいいように解釈させていただくことがありますのでご了承くださいm(_ _)m ※フィクション作品です ※誤字脱字は見つけ次第訂正しますが、脳内変換、受け流してくれると幸いです

僕だけの番

五珠 izumi
BL
人族、魔人族、獣人族が住む世界。 その中の獣人族にだけ存在する番。 でも、番には滅多に出会うことはないと言われていた。 僕は鳥の獣人で、いつの日か番に出会うことを夢見ていた。だから、これまで誰も好きにならず恋もしてこなかった。 それほどまでに求めていた番に、バイト中めぐり逢えたんだけれど。 出会った番は同性で『番』を認知できない人族だった。 そのうえ、彼には恋人もいて……。 後半、少し百合要素も含みます。苦手な方はお気をつけ下さい。

巣作りΩと優しいα

伊達きよ
BL
αとΩの結婚が国によって推奨されている時代。Ωの進は自分の夢を叶えるために、流行りの「愛なしお見合い結婚」をする事にした。相手は、穏やかで優しい杵崎というαの男。好きになるつもりなんてなかったのに、気が付けば杵崎に惹かれていた進。しかし「愛なし結婚」ゆえにその気持ちを伝えられない。 そんなある日、Ωの本能行為である「巣作り」を杵崎に見られてしまい……

【短編】売られていくウサギさんを横取りしたのは誰ですか?<オメガバース>

cyan
BL
ウサギの獣人でΩであることから閉じ込められて育ったラフィー。 隣国の豚殿下と呼ばれる男に売られることが決まったが、その移送中にヒートを起こしてしまう。 単騎で駆けてきた正体不明のαにすれ違い様に攫われ、訳が分からないまま首筋を噛まれ番になってしまった。 口数は少ないけど優しいαに過保護に愛でられるお話。

処理中です...