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楽しい事故物件生活
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太郎氏は転勤することになった。現在の居住地から遠く離れているので、引っ越さなければならない。太郎氏は新居探しに、不動産屋を尋ねた。
「すみません。〇〇社付近で、一人暮らしをしたいのですが、どこかおすすめはありますか。出来るだけ安いとありがたいのですが。」
「はい、そういうことでしたら、こちらのお部屋はどうでしょう。1LDK、家賃5000円になります。」
「それは素晴らしい。しかし、あまりにも安すぎはしませんか。」
「ええ、実は訳ありでして。お風呂場で、奇妙な現象が頻繁に起こるのですよ。それで、このお値段に。」
「いわゆる事故物件というやつなのですね。確かに怖いですが、命に関わることはないでしょう。恐ろしくなったら出ればいい。そこで契約させてください。」
一週間後、引っ越しが完了。太郎氏の事故物件生活がスタートした。夜になる。そろそろお湯を入れよう。
蛇口を捻る。
グイッ
しかし、うまく回らない。。何かが絡まっているような感触。
もっと強く捻ってみる。
グイッ
今度はうまく回った。しかし、何も出て来ない。故障かな、と思っていると
ジュボボボボボボボボボボ
突然、大量の髪の毛が蛇口から出てきた。
お、髪の毛が出てきたぞ。そういえば、明日はハゲ太郎くんの誕生日だったな。
太郎氏はその髪の毛を集め、カツラを作った。
翌日、ハゲ太郎くんの誕生日会、例のカツラをプレゼント。
「どうぞ、カツラだよ。」
「ありがとう。すばらしい髪質だ。こんなのどこで買ったんだい。」
「風呂の蛇口から出てきた。」
「よくわからないけど、ありがとう。大事にするね。」
次の日、お風呂に入ろう。再び蛇口を回した。
グイッ
今度はうまく回りった。
ジャーーーーーーーー
今度は、蛇口から大量の血液が流れてきた。
お、血液が出てきたぞ。そういえば明日は、ドラキュラのドラキュラ太郎君の誕生日だったな。
太郎氏はその血液をペットボトルいっぱいに集めた。
翌日、ドラキュラ太郎君の誕生日、例の血液をプレゼント。
「はい、血液だよ。」
「ありがとう、飲んでもいい?」
「どうぞ、どうぞ。」
ゴクゴクゴク
「美味しい、美味しいよ。これでしばらく人間を傷つけずに血を飲むことができる。ありがとう、ありがとう。ところで、どこでこんなのを集めたんだい?」
「風呂の蛇口から出てきた。」
「へえ。素敵ね。」
事故物件在住の幽霊は面白くなかった。こいつ、全く怖がらないぞ。絶対に怖がらせてやる。今度は、血まみれの赤ん坊を浴槽に置いておくことにした。
ポン
太郎氏はその時テレビを見ていた。
オギャアオギャア
お風呂から赤ちゃんの泣き声がする。太郎氏は気付いた。なんだろう、なんだろう。太郎氏は不気味に思ったが、確かめないわけにはいかない。この鳴き声を聞いた隣人が、児童虐待かなにかで太郎氏を訴えかねないからだ。
恐る恐るお風呂に近づく。
オギャア、オギャア
音はどんどん大きくなる。
ドアを開ける。
ドアー(ドアの開く音
オギャアオギャア
やっぱりここから聞こえるぞ。
どうやら浴槽から聞こえるようだ。太郎氏は恐る恐る浴槽を覗いた。血まみれの赤ん坊がいる。
太郎氏はその赤ん坊を綺麗に洗ってあげた。
ジャージャージャー
なんて可愛いんだ。太郎氏はケチでしたが、実は石油王だったので、金銭的に余裕があった。
この子は私の手で育てるぞ。
太郎氏は決意した。それから太郎氏はその赤ん坊を大切に育てた。赤ん坊は逞しく成長、鬼ヶ島に鬼退治に出かけた。
完
「すみません。〇〇社付近で、一人暮らしをしたいのですが、どこかおすすめはありますか。出来るだけ安いとありがたいのですが。」
「はい、そういうことでしたら、こちらのお部屋はどうでしょう。1LDK、家賃5000円になります。」
「それは素晴らしい。しかし、あまりにも安すぎはしませんか。」
「ええ、実は訳ありでして。お風呂場で、奇妙な現象が頻繁に起こるのですよ。それで、このお値段に。」
「いわゆる事故物件というやつなのですね。確かに怖いですが、命に関わることはないでしょう。恐ろしくなったら出ればいい。そこで契約させてください。」
一週間後、引っ越しが完了。太郎氏の事故物件生活がスタートした。夜になる。そろそろお湯を入れよう。
蛇口を捻る。
グイッ
しかし、うまく回らない。。何かが絡まっているような感触。
もっと強く捻ってみる。
グイッ
今度はうまく回った。しかし、何も出て来ない。故障かな、と思っていると
ジュボボボボボボボボボボ
突然、大量の髪の毛が蛇口から出てきた。
お、髪の毛が出てきたぞ。そういえば、明日はハゲ太郎くんの誕生日だったな。
太郎氏はその髪の毛を集め、カツラを作った。
翌日、ハゲ太郎くんの誕生日会、例のカツラをプレゼント。
「どうぞ、カツラだよ。」
「ありがとう。すばらしい髪質だ。こんなのどこで買ったんだい。」
「風呂の蛇口から出てきた。」
「よくわからないけど、ありがとう。大事にするね。」
次の日、お風呂に入ろう。再び蛇口を回した。
グイッ
今度はうまく回りった。
ジャーーーーーーーー
今度は、蛇口から大量の血液が流れてきた。
お、血液が出てきたぞ。そういえば明日は、ドラキュラのドラキュラ太郎君の誕生日だったな。
太郎氏はその血液をペットボトルいっぱいに集めた。
翌日、ドラキュラ太郎君の誕生日、例の血液をプレゼント。
「はい、血液だよ。」
「ありがとう、飲んでもいい?」
「どうぞ、どうぞ。」
ゴクゴクゴク
「美味しい、美味しいよ。これでしばらく人間を傷つけずに血を飲むことができる。ありがとう、ありがとう。ところで、どこでこんなのを集めたんだい?」
「風呂の蛇口から出てきた。」
「へえ。素敵ね。」
事故物件在住の幽霊は面白くなかった。こいつ、全く怖がらないぞ。絶対に怖がらせてやる。今度は、血まみれの赤ん坊を浴槽に置いておくことにした。
ポン
太郎氏はその時テレビを見ていた。
オギャアオギャア
お風呂から赤ちゃんの泣き声がする。太郎氏は気付いた。なんだろう、なんだろう。太郎氏は不気味に思ったが、確かめないわけにはいかない。この鳴き声を聞いた隣人が、児童虐待かなにかで太郎氏を訴えかねないからだ。
恐る恐るお風呂に近づく。
オギャア、オギャア
音はどんどん大きくなる。
ドアを開ける。
ドアー(ドアの開く音
オギャアオギャア
やっぱりここから聞こえるぞ。
どうやら浴槽から聞こえるようだ。太郎氏は恐る恐る浴槽を覗いた。血まみれの赤ん坊がいる。
太郎氏はその赤ん坊を綺麗に洗ってあげた。
ジャージャージャー
なんて可愛いんだ。太郎氏はケチでしたが、実は石油王だったので、金銭的に余裕があった。
この子は私の手で育てるぞ。
太郎氏は決意した。それから太郎氏はその赤ん坊を大切に育てた。赤ん坊は逞しく成長、鬼ヶ島に鬼退治に出かけた。
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