無職だけど最強でした〜無職と馬鹿にされたが修行して覚醒したから無双してくる〜

えんじょい

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第3章 世界編

第54話 カインウェルダンジョン(1)

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「次はルイスの番よ!」

メリアが俺を指差す。

「えっと、実は俺はもう登録してて…」

俺はSランクと書かれた漆黒の冒険者カードを見せる。

「Sランク冒険者!?ありえ…ない………」

受付嬢は驚きのあまり気絶してしまった。

「ルイスがSランク冒険者だったなんて…」

「さすがルイスだ…」

「さすがね!」

「みんなも直ぐにSランクになれるよ!」

最終的な結果としては、俺がSランク、メリアがAランク、アートとシシーがBランク、アオがCランクだ。

ランクを見るとかなり強いパーティーだ。

このパーティーならどんな強敵でも勝てそうだな!

「冒険者登録も済ませたことだし、美容液を買いに行きましょ!」

「おー!」

「おー…」

女子組3人は俺とアートを残し、元気に美容液を買いに行ってしまった。

「残った僕達は何する?」

「そうだな…」

俺は予言書のページをめくる。



〈カインウェル王国に着いたあとは冒険者登録を済まし、美容液を買いに行く。
その後カインウェルダンジョンを攻略しサルディニア帝国へ出発する。〉



今女子組が美容液を買いに行ったから、次はカインウェルダンジョンに向かえばいいのか。

「僕達はカインウェルダンジョン攻略の準備をしよう」

「カインウェルダンジョンか…
僕達だけで攻略できるかな?」

「全然余裕だよ!」

俺たち男子組はカインウェルダンジョンに挑むべく準備を進めた。

その後、美容液を買い終わった女子組と合流しカインウェルダンジョンへ向かった。

「本当に私たちで大丈夫なの?」

「カインウェルダンジョンの適正ランクはパーティーならBランク、ソロならAランクだって」

「このパーティーはSランクが1人、Aランクが1人、Bランクが2人…僕の出番なさそうだね…あはは…」

アオが苦笑いをする。

やっぱり1人だけCランクだからなにか感じることもあるんだろうな。

それでもアオは十分強いことを俺たちは知っている。

「それじゃあ開けるよ!」

メリアがダンジョンの大きな扉を押し開く。

「これがダンジョン…」

アートとシシー、そしてメリアはダンジョンに行ったことがあるみたいだが、アオは今回が初みたいだ。

「どんな報酬が貰えるかな!?」

「アスタリストダンジョンを攻略した時は確か、風魔術師の固有魔法【テンペスト】を覚えたんだよね」

「私もそれで【ヘルフレイム】覚えた…」

「私は能力値が倍になったよ!」

「さすが剣帝、成長の仕方も尋常じゃないな…」

「みんな待って!」

楽しく会話しているとアオがなにかに気づき足を止める。

「どうしたんだアオ?」

「このダンジョン、罠がすごい仕掛けられてる…」

「罠があるなんて卑怯な!?」

「これじゃあ前に進めないじゃないか」

「ふっふっふ、罠のことならこのアオ様におまかせあれ!【トラップ解除】!」

仕掛けられていたトラップが次々に機能を停止する。

「さすがアオじゃない!」

メリアがアオに抱きつく。

「えへへ、出番ないと思ってたけど活躍できそうで良かったよ」

それからはアオが順調に罠を解除して下の階層に進んだ。

初めて魔物が出たのは8階層だった。

「いやーアオのおかげでここまで楽に来れたよ」

「アオがいて助かった…」

「みんな魔物だ!」

アートが魔物を見つける。

「ゔぅぅぅ」

不気味な声と共にカインウェルダンジョン1体目の魔物が現れた。

腐った皮膚にボロボロの服。
まるで生きる屍…

「あの魔物は…ゾンビだ」

「ゾンビだって!?」

「ゾンビってホラー映画とかに出てくるあのゾンビ!?」

俺とメリアが大きく驚く。

「ほらーえい…?よく分からないけど、ゾンビは動きが遅くて炎魔術が弱点の弱い魔物だよ」

恐らく俺とメリアの解釈は一致しているのだろう。
前世でゾンビ系のホラー映画を沢山見てきたからな。
ゾンビにはどうも魔物ってよりかはホラー映画の印象が強い。

「ゔゔぁぁぁぁ!」

ゾンビがこちらを目掛けて走り出す。

「炎魔術が有効なんだよな!?」

「そうだけど…」

「【ファイアランス】!【ファイアランス】!【ファイアランス】!」

「私も…【ファイアランス】…」

俺はがむしゃらに【ファイアランス】を放ち、俺に続けてシシーも放つ。

ゾンビの姿は跡形もなく消え去った。

「これはやりすぎだよ…」

「さすがにゾンビも可哀想…」

なぜかアートとアオに引かれてしまったが俺は間違ってない!

その後もアンデッド系のモンスターが現れてはオーバーキルを繰り返し、罠があればアオが解除し、俺たちは苦戦することも無く最下層へ到着した。

「どうやらここがボス部屋みたいだ」

ボス部屋の大きな扉に立ちすくむ。

「行くよ…」

メリアが覚悟を決め扉を開ける。

全員が中に入ると明かりが灯る。

「ゔぁゔぁぁぁ…」

部屋の奥に巨大な人型の何かがこちらを振り向く。
部屋には異臭が漂っている。

「あいつはゾンビの親玉、キングゾンビだ…!」


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